著者
南 光太郎 堅田 元喜 北 和之 反町 篤行 保坂 健太郎 五十嵐 康人
出版者
日本エアロゾル学会
雑誌
エアロゾル研究 (ISSN:09122834)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.208-218, 2020

<p> Following the Fukushima Daiichi nuclear power plant accident, it has been recognized that bioaerosols with radioactive cesium may have released from radiologically contaminated forest into the atmosphere. In order to evaluate the above process, the emission rate of bioaerosol was inversely estimated using a numerical model named SOLVEG that includes the processes of emission, deposition, and turbulent transport of aerosols. For the inverse estimation, micrometeorological variables and bioaerosol number concentration and flux were observed at a Japanese temperate broad-leaved forest in summer. By tuning modelled emission rate of bioaerosols from forest floor, its best estimate was obtained at the agreement between calculated and observed concentrations below the canopy. General trends of calculated momentum, heat, and bioaerosol fluxes above the canopy were also reproduced in the simulation. In the numerical experiment without bioaerosol input at the top of atmosphere above the canopy, a certain amount (59%) of bioaerosol flux at the floor released above the canopy top, while the rest of the flux deposited onto both canopy and soil. This potential flux above the canopy top was 2.0±1.8×10<sup>-2</sup> μg m<sup>-2</sup> s<sup>-1</sup>, which may correspond to the re-emission rate proposed previously by the chemical transport model.</p>
著者
久保田 剛司 松本 博
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成28年度大会(鹿児島)学術講演論文集 第6巻 温熱環境評価 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.189-192, 2016 (Released:2017-10-31)

本研究では、植物に好印象を持つ集団と好印象を持たない集団に分けて心理・生理反応の比較検討を行った。実験は豊橋技術科学の一室をオフィスと見立て、植物の有無のを変更条件として、アンケート調査、唾液アミラーゼ活性値、フリッカー値、心拍を測定した。結果、唾液アミラーゼ活性値、自覚症及びLF/HFの差違を確認できた。本実験条件では、植物に好印象を持たない集団には良好な影響を及ぼさないことがわかった。
著者
田中 伸子 岡村 浩
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.13-19, 1983-01-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
35

以上の実験結果より, 食事がα-アミラーゼ活性の変動因子であることは明らかである.また, その構成要因の一つである咀嚼という口腔内の直接的機械的刺激がごく短時間に終了するという事実より考えると, α-アミラーゼ活性の変動は, 食物摂取による直接的な, あるいは生体内における代謝の機序を含めた間接的刺激が作用していると推察される.唾液中α-アミラーゼ活性の変動要因につき検討を加えた結果をまとめると次のようになった.1) 唾液中α-アミラーゼ活性の変動は, 生活のパターンと密接な関連性をもっており, 食事は大きな変動因子であることが認められた.2) 咀嚼という直接的機械的刺激を口腔内に与えると, ただちに唾液量, pHおよびα-アミラーゼ活性が増加する.また, 咀嚼終了とともに, 咀嚼時間の長短に関係なく, 唾液量, pHおよびα-アミラーゼ活性は減少し, ほとんど咀嚼開始前のレベルにもどり以後大きな変動は示さない.したがって, たんなる咀嚼という機械的刺激は, α-アミラーゼ活性に一過性の変動を与える因子であることが認められた.3) 唾液中α-アミラーゼ活性は個人差が大きく, 332名の女子大生の起床時における活性は271mg/ml salivaであったと同時に行ったアンケート調査より, 食物を口に入れてから嚥下するまでの平均咀嚼回数の多い者のほうが, 少ない者よりα-アミラーゼ活性が高いこと, 澱粉性食品を好む者のほうが, 普通もしくは好まない者より高いことに有意差が認められた.この結果より, 食生活における個人の習慣が唾液中α-アミラーゼ活性と関連があるものと考えられた.
著者
横田 裕行
出版者
一般社団法人日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.12, pp.942-950, 2014 (Released:2014-12-25)
参考文献数
25
被引用文献数
1 1

重症頭部外傷は, 高い死亡率とさまざまな後遺症の可能性から外傷学の分野でも大きな位置付けがなされている. そのような中で, 頭部外傷を合併した多発外傷患者では体幹外傷を専門とする外傷医と脳神経外科医の密接な連携が必要となるが, 本邦における外傷治療は「防ぎ得る外傷死」の回避のための標準的治療と, 重症頭部外傷治療における治療と管理のガイドラインの発刊によって大きく進歩してきた. 一方, わが国の著明な高齢化社会を反映して高齢者頭部外傷の増加が大きな問題となっている. 高齢者頭部外傷は身体機能の低下, さまざまな既往症の存在から若年者に比較して予後が不良となる. このような背景から重症頭部外傷, 特に高齢者において病態把握の目的でさまざまな頭蓋内モニタリングやバイオマーカーの測定が行われている.  以上のような頭部外傷の治療や管理の困難性の共通認識のもとに, 2014年に日本脳神経外傷学会総会・学術集会と日本外傷学会総会・学術集会でジョイントシンポジウムが企画された. このシンポジウムでは高齢者を含む頭部外傷患者の転帰を改善するための多くの課題や新しい試みなどが議論された.
著者
實宝 秀幸 寺島 千絵子 大淵 真理
出版者
公益社団法人 日本表面真空学会
雑誌
表面と真空 (ISSN:24335835)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.117-122, 2020-03-10 (Released:2020-03-10)
参考文献数
5

Digital Annealer developed by Fujitsu is a new architecture to solve “combinatorial optimization problems” at high speed with digital circuit inspired by quantum phenomena. The features are stable operation with digital circuit at room temperature, easy miniaturization, and easy mapping more complex problems with a fully-connected architecture. The Digital Annealer is easy to apply actual problems and contributes to customers in a wide range of businesses, including drug discovery, chemistry, manufacturing, transportation, finance, and logistics. In this article, we explain the fundamental of the Digital Annealer including the speedup technique. We also introduce an application to the material development using the Digital Annealer. The Digital Annealer is used to evaluate the structural similarity of the flavor molecules. We found that the molecules with high structural similarity show a similar flavor. We also extracted the common substructure of molecules having the similar flavor, which is considered to be the key structure of the flavor.
著者
高田 和文 タカダ カズフミ Kazufumi Takada
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 = Shizuoka University of Art and Culture bulletin
巻号頁・発行日
no.5, pp.133-142, 2005-03-31

本稿は平成十三年度、十四年度に学長特別研究事業として行なわれた「現代イタリア演劇の研究」に関する報告である。事業の目的は、イタリアのノーベル劇作家ダリオ・フォーの作品を、実際の舞台上演を通して本学学生及び一般市民に紹介することにあった。上演されたのは、フォーの初期の一幕喜劇『泥棒もたまには役に立つ』(十三年度)と代表的な政治風刺劇『アナーキストの事故死』(十四年度)で、いずれも日本では未公開の作品である。上演は本国講堂において行なわれたが、日本ではまだあまり知られていない劇作家であるにもかかわらず多数の観客が来場し、たいへん好評であった。また、舞台上演と並行してフォーの演劇活動を紹介する写真パネル展、イタリア独自の演技の方法を用いたワークショップを実施した。ワークショップには浜松で活動する劇団の俳優や高校の演劇部員が参加し、地域の演劇関係者との直接的な交流を図ることができた。
著者
森 昭雄 大友 英一
出版者
認知神経科学会
雑誌
認知神経科学 (ISSN:13444298)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.45-48, 2001 (Released:2011-07-05)
参考文献数
11
被引用文献数
7
著者
三好 智子 袖山 修史 加藤 元海
出版者
日本家畜管理学会
雑誌
日本家畜管理学会誌・応用動物行動学会誌 (ISSN:18802133)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.98-105, 2016

<p>本研究では、高知県内と大阪府にある5ヶ所の動物園と水族館において、飼育動物の体重と給餌内容から、1日あたりの摂餌量とエネルギー量の推定を行なった。対象生物は、体の大きさではトビからジンベエザメまでを網羅し、分類群では哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、頭足類の全35種191個体を対象とした。摂取する餌の重量やエネルギー量と体重の関係について、分類群ごとに特徴がみられるかを検証した。体重に対する餌重量の比の平均値は哺乳類で7.5%、鳥類で12.9%であったのに対して、爬虫両生類、魚類および頭足類は1%未満であった。単位体重あたりの摂取エネルギー量の平均値は哺乳類と鳥類は約100kcal/kgと高く、その他の分類群では15kcal/kg未満の低い値となった。単位体重あたりの餌摂取量に関しては恒温動物と変温動物との間に違いがみられたものの、1日あたりの摂取エネルギー量は体重の増大に比例して増加していたことから、飼育動物の摂取エネルギー量は分類群ごとに体重から推定できる可能性が示唆された。</p>
著者
塩出 大輔 深谷 陽介 胡 夫祥 東海 正 中畑 勝見 中野 秀樹
出版者
日本水産工学会
雑誌
日本水産工学会誌 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.187-193, 2009
参考文献数
16

ジンベエザメは、全長20mにも達する世界最大の魚類である。本種は、プランクトン食の大型板鰓類の一種であるものの、他にも甲殻類、魚卵、群れをなす表層性浮魚類や比較的大型の魚類まで補食する。本種の資源動向や保護政策に対する関心は非常に高く、対象漁業による漁獲の影響の受けやすさや再生産率の低さ等を理由として、本種は1997年にIUCN(国際自然保護連合)において危急種に指定され、またCITES(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)では2002年に附属書IIに掲載された。ジンベエザメは全世界の熱帯および温帯に分布し、沿岸から外洋まで広く回遊すると考えられている。しかし、本種の詳細な分布域、移動回遊の距離や経路、生息深度については不明な点が多い。そのため、移動経路や分布に関する詳細な知見が必要とされている。近年、海洋動物の移動経路把握を目的として、アルゴス衛星システムを利用した衛星電波発信機による行動追跡が盛んに行われている。我が国では、(独)水産総合研究センターにより希少大型サメ類の回遊追跡試験が実施され、ジンベエザメもその対象種の一つとして、アルゴス衛星システムを用いた移動追跡が試みられている。
著者
髙木 龍太 鈴木 夏海 入野 浩之 伊藤 このみ 伊東 隆臣 浅川 満彦
出版者
日本獣医寄生虫学会
雑誌
獣医寄生虫学会誌 (ISSN:1347961X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.50-52, 2020

四国沖で捕獲され、高知県土佐清水市に所在する大阪・海遊館以布利センターの飼育プールで約11カ月間飼育されたジンベエザメRhincodon typus Smith, 1828の口腔壁から、ハナガタムシAnthosoma crassum (Abildgaard, 1794)(カイアシ亜綱ツツウオジラミ科Dichelesthiidae)に類似した雄成体1個体が見出された。種同定には形態の精査が必要であり、今後の課題となる。今回の報告により、日本産ジンベエザメからは計4種の甲殻類が記録されたことになった。
著者
上山 安敏
出版者
奈良産業大学法学会
雑誌
奈良法学会雑誌 (ISSN:0914921X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.35-50, 1997-03
著者
池田 英治 内山 治樹
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.70, pp.263_3, 2019

<p> 本研究の目的は、Collective Efficacy Scale for Basketball for Offense(CESBO、Ikeda et al.、2014)と有意な関係性を持つバスケットボールにおける「パフォーマンス指標」について検討することであった。対象は、国内の大学バスケットボール部及びトップリーグに在籍するチームのうち、それぞれのカテゴリーでのリーグ戦におけるパフォーマンス指標が収集できるチーム(37チーム)及びその対象チームに所属するリーグ戦に出場機会のあった選手(414名)とした。分析に際しては、得られた個々のデータをチームの値として合計し、1つのチームを1サンプルとして捉え、計37チーム(37サンプル)のCESBO及びパフォーマンス指標を算出した。パフォーマンス指標については、単純なゲーム・スタッツの項目以外に、複雑な回帰式等を用いた詳細な客観的指標(アドバンスド・ゲーム・スタッツ)を求め、相関分析の項目として採用することとした。分析の結果、「シュートに関する項目」、「勝敗に関する項目」、「客観的で精度の高い指標」(Bray and Whaley, 2001)が、バスケットボール版CE尺度(CESBO)との強い関係性を表すパフォーマンス指標として導出された。</p>