著者
大田 肇
出版者
津山工業高等専門学校
雑誌
津山工業高等専門学校紀要 (ISSN:02877066)
巻号頁・発行日
no.45, pp.107-114, 2003

イギリスにおいては,軍隊に関する指揮命令健は国王大権の下にある.一方で内閣総理大臣が国王に代わってそれらの権限を行使しているという現状から,シビリアンコントロールが確立しているとの評価が定着しているが,他方で,保守党・労働党の間で政権交代がおこなわれても,軍隊内の問題に関する変化はほとんど生じてこなかったとの指摘もある.軍隊内の問題は,軍隊の"自治"に任されていたのであり,軍隊内の規律維持に不可欠な軍法会議製に関しても,1951年に軍法会議控訴院を設立し,文民である裁判官によるチェックを導入したが,そのチェックの有効性に関しては疑問視する意見が強い.このような現状に対し,「風穴をあける」役割をはたしているのが,ヨーロッパ人権裁判所である.
著者
伊藤 直人 森川 将行 飯田 順三 平尾 文雄 東浦 直人 岸本 年史 橋野 健一 南 尚希 中井 貴 中村 恒子 南 公俊 山田 英二
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.983-985, 1998-09-15

高血圧を伴った神経ベーチェット病で,剖検によって死因がクモ膜下出血と診断された,まれな1例を経験したので報告する。クモ膜下出血の出血部は神経ベーチェット病の病変の中心である橋底側の動脈で,経過中に高血圧を併発していることもあり,神経ベーチェット病と高血圧およびクモ膜下出血との関連が示唆された。
著者
丸井 寧子 中山 徹 大谷 由紀子 杉山 隆一 長瀬 美子 丸山 美和子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.57, no.9, pp.641-650, 2006 (Released:2007-10-12)
参考文献数
16
被引用文献数
1

It is evident that the present framework of kindergartens and nurseries are not capable of coping with the increasingly diversified needs of early childhood education and childcare facilities. Under such circumstances, there have been cases of combining kindergarten and nursery into a single facility aiming at prompting early childhood education, supporting parents in childcare, and solving various problems involving kindergartens and nurseries including helping decrease the number of those working parents in the waiting list of the nurseries of their choice. An overall pattern of how the kindergarten and the nursery are unified into one institution and how it is operated was studies. The subject of this study was those public institutions which have been established and managed at various places in this country. As a result of the unification, the stuff are positive about the advantage of diversification of functions and expansion of activities thanks to an increase of children in their facilities. The expanded facility has brought about, on the other hand, the difficulty in personnel and institution management.
著者
安倉 良二
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2015, 2015

都市における小売活動を捉える上で大型店の立地が指標となるのは論を待たない。大型店の立地が都市の小売活動に及ぼす影響を取り上げた研究は,国および地方自治体が独自に制定した大型店の立地規制と関連づけたものが多い。しかし,大型店の立地変化を主導するのは,大手小売業者やショッピングセンターの開発業者である。2000年代後半以降,大手小売業者の中には,経営破綻や統合に伴って店舗網を再編成する過程で採算の悪い店舗を閉鎖させることも珍しくない。こうした動きは,大手小売業者を核店舗とするショッピングセンターにおいてもテナントの交替という形で集客力の維持を図る必要に迫られており,都市における小売活動の方向性を述べる上で見逃せない。<BR><br> そこで本報告では,2000年代後半以降の大都市内部における大型店の立地再編成について,発表者が研究を続けている(安倉2002,2007)京都市を事例に,都心部と郊外地域における新規出店と閉店の動向ならびにショッピングセンターのテナント交替に着目しながら明らかにする。<BR><br> &nbsp;2012年経済センサスの京都市独自集計から,国勢統計区別の小売業年間商品販売額をみると,都心部(四条烏丸・四条河原町,JR京都駅周辺),郊外地域の双方で大型店が立地している国勢統計区で上位を占めている。しかし,両地域における大型店の立地状況は2000年代後半以降,大きな変化がみられる。まず,都心部では百貨店の閉鎖と専門店の新規出店が顕著である。まず,前者では四条河原町において阪急百貨店が閉鎖し,その跡地に丸井が出店したのをはじめ,JR京都駅前では近鉄百貨店が閉鎖した跡地に建物を立て替えた上でヨドバシカメラが出店した。また,四条河原町周辺では,ユニクロを核店舗とするショッピングセンター「ミーナ京都」が新規出店したのとは対照的に,マイカル(現在はイオン)の「河原町ビブレ」が閉鎖した。<BR><br> &nbsp;郊外地域における大きな動きのひとつは,南区と向日市との境界に位置するキリンビール京都工場の跡地再開発の一環として行われた「イオンモール桂川」の新規出店(2014年10月)である。同店の立地はJR京都線の新駅設置を伴う新たな商業中心地の形成につながった反面,近接する向日市の中心市街地である阪急京都線東向日駅前ではイオンの既存店舗が今年5月に閉鎖したため小売活動の衰退が懸念される。もうひとつの動きは,ショッピングセンターにおける開発業者と核店舗の交替である。伏見区と宇治市の境界にある六地蔵地区に1996年に開業したショッピングセンター「MOMO」は,2014年9月に核店舗である近鉄百貨店の閉鎖と共に,その運営も近鉄百貨店から住友商事に移った。「MOMO」は改装を経て「MOMOテラス」に名称が変更されると共に,核店舗も食料品スーパーのほか家電製品やスポーツ用品を扱う専門店など多岐にわたった。また,2010年にはJR山科駅前にある再開発ビルの核店舗であった大丸が衣料品売場を閉鎖し,その跡地には家具専門店の「ニトリ」が出店した。<BR><br> &nbsp;このように2000年代後半以降の京都市では,従来の代表的な業態である百貨店や総合スーパーを展開する大手小売業者が都心部および郊外地域で店舗閉鎖や売場の縮小に取り組む一方,都心部では家電製品や衣料品の専門店業態の新規出店が相次いだ。以上の店舗網の再編成は,大手小売業者による経営ならびに店舗周辺の環境変化が厳しくなる中で取らざるを得ない企業行動の一端をあらわす。<BR>
著者
古賀 慎二
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理学会大会 研究発表要旨
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.2-2, 2005

2005年、京都府は『事業所・企業統計調査』を「事業所の形態」別に「業種」、「従業者規模」、「本所・支所の別」、「開設時期」、「業態」がクロスで把握できる独自集計を行った。本研究は、この『独自集計データ』を利用して、「事務所・営業所」形態の事業所を実質上の「オフィス」とみなし、景気後退期にあたる1990年代後半期における京都市のオフィス立地変化の特徴を、これまで分析できなかった業種別の変化から明らかにしたものである。1990年代の後半期は、バブル経済崩壊の影響で事業所数や従業者数が全国的に大きく減少した時期にあたる。京都市もその例に漏れず、ほとんどの業種で事業所・従業者が減少した。なかでも「繊維・衣服等卸売業」、「繊維工業」など京都を特徴づける業種での減少が著しく、その活動拠点はCBD(三条から五条の烏丸通沿道)に集約化される傾向が明らかとなった。オフィス集積地区(オフィス従業者100人/ha以上の地区)が京都市中心部(丸太町通・鴨川・JR京都線・堀川通で囲まれた地区)において全体的にコンパクト化するなか、修正ウィーバー法でオフィス集積地区の業種構成を検討すると、京都のオフィス街のいわば代名詞であった「室町繊維問屋街」は急速に縮小し、近年台頭してきた情報・専門・事業サービス業オフィスが中心部の核心地区や京都駅周辺で拡大しつつある状況が認められた。
出版者
海人社
雑誌
世界の艦船
巻号頁・発行日
no.929, pp.69-73, 2020-08
著者
小林 忠雄
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.393-415, 1990-03-30

The purpose of this paper is to grasp the color culture mainly of the urban environment in Japan from the viewpoints of the history and folklore, and discusses what sort of materials should be aimed at as the subjects.Firstly, the ranking system of colors of the clothes and the symbolism in the ancient and middle ages in Japan are outlined. Then, the actual states of colors of dresses, props., theatesr, etc. used for “Izumo Kagura”, a folk art currently performed in mountain villages in Izumo-city, Shimane Prefecture are shown. Since this is an art using a myth as its theme, a question is proposed that the symbolism of color in the ancient and middle ages may lie behind.Further, from “Comprehensive folk vocabulary in Japan” compiled by Yanagita Kunio and other folklorists, the words that show four colors, white, black, red and blue are extracted and the symbolisms of the folk natures are described. Combinations of colors such as white and black, white and red, white, black and red, etc. are shown as the basic subjects of color symbolism in the folklore in Japan, referring the examples of Akamata/Kuromata ceremonies in Yaeyama Islands, Okinawa Prefecture.Finally, the words of 783 popular songs often sung by the Japanese are studied to check what sort of color image they have. The result shows that words representing the colors are used frequently in the order of white, red, blue, seven colors and black. In it, color preference and folk symbolism unique to Japanese are included. It is emphasized that the historical study on the color sense of the Japanese is important as one of the subjects of methodology of the folklore study.
著者
岡崎 俊一
出版者
千葉大学大学院社会文化科学研究科
雑誌
千葉大学社会文化科学研究科研究プロジェクト報告書 (ISSN:18817165)
巻号頁・発行日
no.11, pp.1-33,

千葉大学社会文化科学研究科研究プロジェクト報告書第11集『EDIとクレジット決済システム』所収
著者
柴田 弘捷
出版者
専修大学人間科学学会
雑誌
専修人間科学論集. 社会学篇 (ISSN:21863156)
巻号頁・発行日
no.11, pp.23-40, 2021-03

COVID-19パンデミックは世界的に経済活動の縮小・不況と言うコロナ禍が生じさせた。その中で日本の就業世界では、企業の倒産、閉鎖・解散、事業所の閉鎖・縮小が生じ、それに伴って解雇・希望退職募集企業が増加し、休業者の急増、離職者の増加・就業者の減少、失業者・失業率の増加・上昇が見られた。休業者は非正規女性、特にパート、アルバイトに集中し、離職者は若年非正規、男性正規、女性非正規に多く、増加した離職者総計で見ると圧倒的に女性非正規が占めていた(97%)が、女性正規は増加していた。なお、休業者で法定休業手当(60%以上)以下の者やまったく払われなかった者も多くいた。また、就業形態では、「テレワーク」(在宅勤務)の導入、適用者(テレワーカー)も急増した。しかし、6月以降には導入中止、適用労働者割合、テレワーク日数も縮小しつつある。また、テレワーク導入目的、企業側、テレワーカーから見たテレワークの課題、問題点を明らかにした。