著者
武原 格
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.345-351, 2013

It is difficult to make dysphagia assessments in actual meal settings. Therefore, instrument-based evaluations are necessary, and videofluoroscopic examinations (VF) and video-endoscopic examinations (VE) of swallowing are typically performed for this purpose. Much information can be obtained by understanding the respective advantages and disadvantages of VF and VE and combining them for evaluations, making them useful for both assessment and treatment. Essentially, VF is contrast radiography using a fluoroscope. It uses test food containing a contrast agent that allows the flow of the food from the mouth to the pharynx and esophagus accompanying swallowing movements to be observed in real time to determine whether there is aspiration or food remaining in the pharynx. The images are taken mainly from the frontal and lateral views under fluoroscopy. VE is a test that involves direct fiberscopic observation of things such as glottal closure, saliva and secretions, and food boluses or other substances remaining in the pharynx. Assessment includes evaluation of vocal cord paralysis, redness and swelling of the arytenoid region, and whether there is saliva aspiration into the larynx. Next, the swallowing function is assessed using actual food. The body posture used in the test is the individual's regular posture when eating and a safe, proper posture with a low risk of aspiration. Today, VF and VE are essential tools for assessing and treating dysphagia. It is hoped that many practitioners will acquire the skills to administer and make use of these tests in the rehabilitation of patients with eating and swallowing disorders.
著者
豊田 裕 横山 峯介 星 冬四郎
出版者
日本繁殖生物学会
雑誌
家畜繁殖研究會誌 (ISSN:04530551)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.152-157, 1971-06-25 (Released:2008-05-15)
参考文献数
19
被引用文献数
218 212

ICR-JCL系成熟雄マウスの精巣上体尾部から採取した精子をKrebs-Ringer-Bicarbonate液を基本とする 培養液内に懸濁させ,5%CO2,95%空気,温度37°Cの条件で3~120分の種々の時間培養した後,体外受精に供した。卵子としてはHCG注射後16~17時間の過排卵卵子を用いた。その結果,体外に培養された精子は雄から採取直後の精子よりも早く卵子に侵入することが明らかとなり,in vitroにおいてマウス精子の受精能獲得が起こることが示唆された。追記: 本報の投稿後に知ったIwAMATSU&CHANGの最近の報告(J.exp.Zool.175,271,1970)によると,1)精巣上体精子は牛の卵胞液の存在下に授精後約1時間から卵子への侵入を開始し侵入率は授精後5時間まで漸増する。2)牛の卵胞液とともに3~4時間体外培養された精子は新鮮精子よりも早く卵子へ侵入する,ことが報じられている。前報の成績17)に比し侵入時期が早くなっているのは技術的な改良によると推察している。ただし,牛の卵胞液を用いずに精子を前処理する試みはなされていない。
著者
豊田 裕 横山 峯介 星 冬四郎
出版者
日本繁殖生物学会
雑誌
家畜繁殖研究會誌 (ISSN:04530551)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.147-151, 1971-06-25 (Released:2008-05-15)
参考文献数
19
被引用文献数
236 260

ICR-JCL系成熟雄マウスの精巣上体尾部から採取した精子と,HCG注射後16~17時間の成熟雌マウスの卵管膨大部から採取した過排卵卵子を用いて体外受精を試み受精の初期の過程を観察した。培養液としてはKrebs-Ringer-Bicarbonate液を基本としたものを用い,5%の割合で炭酸ガスを混じた空気の下に37°Cで1/2~5時間培養した。その結果,培養開始後30分では卵子への精子侵入(透明帯通過)は認められなかったが,1時間後には約23%の卵子に侵入がみられ2~5時間後に検査された331個の卵子の約94%に精子侵入がみられた。このうち卵細胞内に明らかに精子が認められ受精の初期の過程にあると認められたものは294個(88.8%)であった。
著者
成瀬 厚
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.108, 2011

I はじめに下北沢は演劇の街でありながら,近年では音楽ライヴを提供する店舗の集積により,音楽の街としての様相を呈してきている。毎年7月にはそのライヴ施設の集積を活かした「下北沢音楽祭」が開催されている。一方,下北沢の街はここ数年,「都市計画道路補助54号線」と駅前広場を含む「区画街路10号線」の建設計画をめぐって様々な動きが展開している。本報告では,下北沢でライヴ活動を行っているミュージシャンたちを取り上げ,かれらの下北沢との関わりについて考察する。特に,この建設計画をめぐる動きが顕著であった2005年を中心にミュージシャンたちのこの街との関わり方を明らかにしたい。II 音楽的社会関係2005年の5月に雑誌『SWITCH』は「下北沢は終わらない」という特集を組んだ。芸能界からは,この街で生まれ育った小池栄子,演劇界からは原田芳雄が登場し,作家の片岡義男はこの街を舞台とする短編小説を寄稿した。音楽界からは曽我部恵一やクラムボンの原田郁子,小島麻由美,UAなどのメジャー・アーティストが名を連ねているが,本報告で取り上げるのは,かつてメジャー・レコード会社との契約もしていたが,現在は下北沢の施設を含むライヴ活動を中心にしているミュージシャンたちである。また,本報告では具体的な社会運動としての下北沢再開発反対派の団体について詳細に報告することはしない。反対派の団体で代表的なのは「Save the下北沢」だが,ミュージシャンたちはそれらと緩やかに関係を持ったり,その主張に大枠で同意したりしているが,必ずしも自らが主体的に運動に参加するわけではない。むしろ,自分たちにできるのは音楽活動だけだと割り切っているともいえる。ただし,こうしたミュージシャンたちは明らかにこの街,下北沢に愛着を持っていて執着している。かれらはそれぞれ好んで定期的に出演しているライヴ施設を下北沢にもち,自ら企画するイヴェントも定期的に開催している。また本報告では報告者を含むオーディエンスの行動もたどっている。表1には,対象とするミュージシャンが2005年に行ったライヴ本数と下北沢での内訳を示した。かれらは,こうした特定の街でのライヴ活動を通して,ミュージシャン同士,ライヴ施設の経営者や従業員,そしてオーディエンスたちと関係を結ぶ。かれらのなかには下北沢周辺での居住暦を持つものもあり,仕事場として,居住地としてこの街と関わっている。朝日美穂が2005年11月にライヴ演奏で参加したイヴェント「シモキタ解体」は下北沢のタウン誌『ミスアティコ』が主催したもので,「Save the下北沢」の代表や,社会学者の吉見俊哉もトークセッションに参加したものである。III 街の音楽的風景朝日は単独で,HARCOは南風というグループへのゲストという形で,シリーズCD「sound of shimokitazawa」に参加している。特に,朝日の「ドットオレンジ模様の恋心」という楽曲は下北沢的要素をふんだんに盛り込んだもの。朝日は他にも下北沢のカレー店のドリンクメニューをタイトルにした楽曲もある。HARCOは2004年発売のCDに収録された楽曲「お引越し」のプロモーションヴィデオを下北沢中心に撮影している他,2002年発売のCD『space estate 732』の冒頭で,下北沢で賃貸住宅を探す青年に扮している。ハシケンは2006年から下北沢のライヴ施設「440」で隔月イヴェントを開催し,その集大成として制作したCD『Hug』(2007年)にはそのテーマソング「下北沢」が収録されている。そこではのんびりとしたテンポの曲に,自らの日常的行動のように,下北沢南口界隈をブラブラと歩く様子が描写されている。IV おわりに報告者はこれまで,文化的作品における場所の表象分析を通して,場所と人間主体のアイデンティティの関係について論じてきた。本報告では,作品自体の考察も含むが,そのパフォーマンスの場としての場所との関わり合いについても考察した。また,社会運動研究が明らかにしてきたような,場所に対する明確な帰属意識を有する共同性ではなく,下北沢という商品的街に相応しい緩やかな共同性によって,開発反対運動に同調する思想が共有されている。文 献中根弘貴 2010. 下北沢に創られる共同性の民族誌:ロックバンドと市民運動グループの繋がり.南山大学大学院2009年度修士論文(未入手)
著者
阪口 公彬 川北 貴士 鈴木 千賀
出版者
人間環境学研究会
雑誌
人間環境学研究 (ISSN:13485253)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.93-96, 2018 (Released:2018-12-21)

本研究では、ベック津田β法、汚濁指数法を用いて、長野県飯田市阿智村に流れる阿智川・周辺の水辺を拠点とし、計測方法・考察を例に、地域マネジメントに寄与するべく水質調査の学習例案を提案したものである。実験は、阿智川その他3地点を拠点にし、同時期・時間・採集方法における水生生物を指数に用い、それぞれの計測指数に当てはめることで数値を測定した。調査では、調査地において6月に生育している水生生物を主な判断材料とし、ピンセットで捕獲できる大きさの個体のみを使用した。その結果、砂防ダム前を拠点とした川で2種の判定方法共に、水質は貧腐水性の数値が計測できた。ダム前という事で酸素の供給が絶えず行われており、林冠も見られ有機物の供給も豊富であると判断できた。また、底質環境からも多様性を高めている大きな要因と判断でき、水質階級Ⅰのカワゲラであるキカワゲラほか多数採集することができた。さらには、今回のこの調査結果をもとに、阿智川周辺の生物を基調とした水質判断シートを作成し、昼神温泉郷の旅客に配布することで人々が生物に興味を持つ機会を提供した。環境学習としての川・水質の保全への関心を高めるというその学習目的を地域環境マネジメントにも活用することが出来た。
著者
夏秋 優 武田 裕美子 矢野 倫子
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.255-259, 2000-09-20
参考文献数
11
被引用文献数
2 2

顔面の皮疹に対して紫雲膏, 太乙膏を外用していたところ, 激しい皮膚炎を生じた50歳の女性症例を報告した。皮膚炎はステロイド療法にて約2週間で略治し, 以後, 再発を認めていない。パッチテストの結果, 紫雲膏, 太乙膏, およびそれらの成分である紫根とミツロウで陽性反応を認めた。このことから, 自験例はこれらの外用剤によるアレルギー性接触皮膚炎と診断した。漢方外用薬による接触皮膚炎は少ないものの, 使用中に皮膚症状が悪化した場合はその外用剤による接触皮膚炎を疑う必要がある。
著者
池上 洋介 李 昌憲 ブレスデル エレン 中村 仁彦 鮎澤 光 柏木 匠 久保田 奏 吉松 昭洋 中村 優介 井深 祐輝 石川 淳一 洪 舜傑
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
シンポジウム: スポーツ・アンド・ヒューマン・ダイナミクス講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.303-308, 2011

In this paper, human muscle tension estimation based on robotics dynamics and its visualization technique was reported. Human muscle tension estimation was obtained by kinematics and dynamics using optical motion caputure data, force plate data and EMG signals. The environment for the motion capture and the calculation flow was explained. The visualization technique was explained. Tai chi, tap dance and drum motion was analyzed, respectively. The obtained findings of the experts' motion technique were reported.
著者
森川 洋
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.177-188, 2020

<p>&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;国勢調査(2015年) を用いて,主として大都市の年齢階級別人口移動を分析した結果,東京特別区を除く5大都市もそれぞれ関係圏をもつとともに,全国の主要都市から若年人口を吸引し,東京特別区に対して人口を供給する「吸水ポンプ」の役目を果たすことが確認された.5大都市に属する横浜市,京都市,神戸市も広い関係圏をもち,比較的多くの地方都市から人口を吸引するもので,単なる衛星都市ではない.また5 大都市と広域中心都市(福岡市 ,仙台市,札幌市)は東京特別区に大量の若年人口を供給するほぼ同一階層の都市といえる.東京特別区では全国から大量の若年人口を吸引しており,その他の年齢階級人口は排出しても,人口の一極集中が是正される方向にはない.</p>
著者
宇佐美 清章 坂本 謙二 荒谷 毅 潮田 資勝
出版者
一般社団法人 日本液晶学会
雑誌
日本液晶学会討論会講演予稿集 (ISSN:18803490)
巻号頁・発行日
vol.1999, pp.6-7, 1999

We have measured the polarized infrared (IR) absorption spectra of poly[4,4'-oxydiphenylen-l,2,3,4- cyclobutanetetracarboxyimide] (CBDA-ODA) films irradiated with linearly polarized ultraviolet light (LPUVL) of wavelength 〜 250 nm. The measurement was carried out for a very thin film (10 nm thick) as a function of the LPUVL exposure. The dichroic difference, A_⊥- A_//, of the phenyl C-C stretching vibration of CBDA-ODA, which is polarized along the polyimide chain, has a maximum around 3 J/cm^2. Here A_//and A_⊥ are the absorbance for the IR light polarized parallel and perpendicular to the polarization direction of LPUVL, respectively. The dichroic difference per unit film thickness at 3 J/cm^2 was greater than that of a rubbed CBDA-ODA film with the same film thickness. Although the average IR absorbance, (A_⊥+ A_//)/2, decreases monotonically over the entire measurement range of LPUVL exposure, A_⊥ increases up to 1 J/cm^2. This result shows that the number of polyimide molecules oriented perpendicular to the polarization direction of LPUVL increases. We conclude that the photo-induced orientation contributes to the large surface anisotropy of LPUVL-exposed CBDA-ODA films in addition to the anisotropic photo-induced decomposition.
著者
佐藤 信紘 駒田 敏之
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.80, no.10, pp.1605-1610, 1991-10-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
5

肝硬変では,胸腹腔内血管シャントの存在や血管調節因子の変動による特殊な血行動態異常が存在することにより,肝以外の重要臓器の有効循環血液量の減少を主因とする様々な合併症を併発し,多臓器不全に陥りやすい条件下にある.肝硬変患者を診療する際には肝病変だけでなく,消化管,腎臓,造血器,呼吸器,循環器等の肝以外の臓器障害の発生機序と対策についても理解し,全身的な管理に勤めることが重要である.
出版者
姫路高等学校
巻号頁・発行日
vol.第18年度 自昭和16年至昭和17年, 1943
著者
住友 直方
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.52, no.7, pp.702-705, 2020-07-15 (Released:2021-07-16)
参考文献数
20
著者
玉村竹二編
出版者
東京大學出版會
巻号頁・発行日
1967