出版者
ほるぷ出版
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, 1923-02
出版者
ほるぷ出版
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, 1923-01
著者
池田 敦
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2010年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.122, 2010 (Released:2010-06-10)

本稿では岩石氷河の起源について,混乱しがちな議論を整理し,その形成モデルおよびその地形が示唆する環境について考察する. 現在の基本認識 岩石氷河は寒冷環境下の傾斜地に発達する角礫層に覆われた舌状地形であり,その長さは数十mから数km,厚さは数十mである.その舌状形態と,ときに表面に発達する皺状の微地形が,粘着性をもった流動による地形形成を暗示する.実際に多くの岩石氷河で年間数cm~数mの地表面流速が観測され,その流速は岩石氷河内の氷の変形によることが確実視されている. しかし岩石氷河の形成モデルを巡っては大きな見解の対立がある.一つは,氷河上ティルが非常に厚くなり消耗が極端に抑制された結果,涵養域/消耗域比がごく小さくとも質量収支が成り立つ氷河(もしくはその遺物)と岩石氷河を捉える氷河説であり,もう一つは,永久凍土環境下において崖錐や氷河堆積物内で凍った水と落石等に被覆された残雪に起源をもつ集塊氷の変形によって形成されるという永久凍土説である. 研究の進展の結果,完新世に氷河と隣接した形跡がない岩石氷河(図中D)については永久凍土説が広く適用されているが,上流側に氷河(あるいは完新世のモレーン)を有する岩石氷河については,いまだ研究者間でその成因についての認識が大きく異なっている. 議論が混乱している理由 岩石氷河内の氷体が氷河に由来することと,岩石氷河が氷河のシステム(涵養域と消耗域の収支を平衡させる流動システム)に則っているかどうかは,分けて考えるべきだが,氷河説の支持者は前者を(多くは断片的に)確認しただけで後者を念頭にモデルを提示している. また,岩石氷河とその上流側に存在する氷河との間には,地形的なギャップがない場合(図中A)とある場合(図中B,C)があるが,これまでのレビューや討論では,それらの違いを区別した議論がなされていなかった. 論争解決のための分類 (1)氷の主な起源,(2)流動システム,(3)上流側の氷河の有無をもとに,岩石氷河を4タイプに分類した.(1)氷河起源で(2)氷河システムの氷河型岩石氷河(A),(1)氷河起源で(2)非氷河システムの堆石型岩石氷河(B),(1)非氷河起源で(2)非氷河システムかつ(3)氷河が非干渉の崖錐型岩石氷河(D)ならびに(3)氷河が干渉(間欠的に被覆)する氷河被覆型岩石氷河(C)である. この分類に基づくと,Aは涵養量が少なく,涵養域での岩屑/氷比が相対的に大きく,さらに消耗量が極端に少ない寒冷氷河の存在を,Bは氷核モレーン中の氷が岩石氷河を発達させえるだけ長期間保存される環境(永久凍土環境)を,CとDは永久凍土環境を示すと考えられる.Cに関しては上流側の温暖氷河(涵養大・消耗大)の前進が岩屑供給と永久凍土の部分融解を引き起こしている. このうちAとBに関しては,内部構造や内部変形に関する実証的な研究がほとんどなく,その点で上の記述は推論の域を抜けていない.今後の研究の進展が望まれる.
著者
冨永 哲雄 コルナトウスキ ヒェラルド キーナー ヨハネス 高田 ちえこ
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理学会大会 研究発表要旨
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.88-89, 2013

大阪市西成区北部においての、生活保護受給者をターゲットにしたシェアハウス及び、長期間滞在外国人をターゲットにしたゲストハウスのローカルな不動産による改築実践を明らかにする。
著者
Fumiya Sato Koh Iba Takumi Higaki
出版者
Japan Mendel Society, International Society of Cytology
雑誌
CYTOLOGIA (ISSN:00114545)
巻号頁・発行日
vol.86, no.2, pp.119-126, 2021-06-25 (Released:2021-06-25)
参考文献数
16
被引用文献数
4

The Arabidopsis thaliana stomatal complex contains a pair of guard cells surrounded by subsidiary cells, which assist in turgor-driven stomatal movement and receive water and ions. This transport, driven by environmental signals, involves a translocation factor of the plasma membrane proton pump H+-ATPase AHA1, PATROL1. In this study, we investigated the responses of PATROL1 to salinity and hyperosmotic stresses. Specifically, we analyzed the effects of 125 mM NaCl or 231 mM mannitol on the cotyledon pavement cell cortexes in transgenic A. thaliana seedlings expressing green fluorescent protein (GFP)-tagged PATROL1. Cells treated with NaCl had few GFP-PATROL1-labeled dot-like structures but contained unusual labeled large bodies and rod-like structures. Cells treated with mannitol had similar large bodies, but not rods, indicating that the rod-like structures form specifically under salinity stress conditions. Dual observations of GFP-PATROL1 and red fluorescent protein (RFP)-tagged AHA1 in stress-treated cells revealed that the latter did not accumulate in the stress-induced GFP-PATROL1 structures, suggesting that the stress-induced GFP-PATROL1 structures are not involved in RFP-AHA1 localization. Additionally, the primary root growth of the patrol1 mutant was more sensitive to NaCl treatment than was that of wild type. Thus, PATROL1 appears to contribute to salinity stress tolerance, possibly by regulating membrane trafficking.
著者
藤田 秀樹
出版者
富山大学人文学部
雑誌
富山大学人文学部紀要 (ISSN:03865975)
巻号頁・発行日
no.60, pp.109-123, 2014-02-17

「父子関係」は,クリント・イーストウッドの1990年代以降の監督作品を彩る重要な主題のひとつと言える。本論では,「父子関係」の物語の系譜に連なる作品のひとつである『グラン・トリノ』を取り上げる。この映画では,イーストウッド演ずる実の息子たちと疎遠な状態にある老人と,彼の隣家に住み父親が不在で自分以外は女性ばかりという家族の中に置かれているせいか,どこか男性性が希薄,脆弱で周囲から孤立気味の若者との関係性に焦点が当てられる。老人は若者に男としての立居振舞いを,さらには仕事という形で社会に居場所を見出せるようにもの作りや修理の技術を教え込み,その過程で二人の間に父子的な関係性が醸成されていく。この二人の「父子関係」はインターレイシャルなものなのである。そして物語の大団円において,老人はこのアジア系の若者の未来を守るために自らの身を犠牲にして凶弾に倒れ,さらに,彼が宝のように愛蔵し作品のタイトルにもなっているフォード社製造の自動車を若者に遺贈したことが明らかになるとともに物語は閉じる。父が自らの遺産や使命を息子に託するということは父子関係を特徴づけるモチーフのひとつだが,この作品ではそれが白人の「父」とアジア系の「息子」との間で成されるのである。イーストウッド自身がこの映画について,アメリカの「現状に結びついているともいえる」ことだが「ひとつの時代の終わり」が描かれている,と語っているように,「転換」もしくは「変わり目」といった気配が物語のそこかしこに立ち現れる。そしてそれは,この映画が制作された当時の時代状況を少なからず反映するものなのであろう。何かが廃退し終焉を迎えようとしており,別の何かがそのあとを継ごうとしている。そしてそのような事態は,「継承」という位相を通して父子関係の主題に接続する。とすれば,「息子」が「父」から継承し作品のタイトルにもなっている「グラン・トリノ」は,単なる一車種を超えた意味を帯びたものに他なるまい。以上のようなことを念頭に置きつつ,『グラン・トリノ』という映画テクストを読み解くことを試みる。
著者
阿部 るり
出版者
日本マス・コミュニケーション学会
雑誌
マス・コミュニケーション研究 (ISSN:13411306)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.104-121,263, 1997-07-31 (Released:2017-10-06)

Since the end of the Cold War, Germany has enteren into an age of unstable conditions concerning their collective ethnic identity. Although Germany has been known for its de-facto multiethnic society, racism has been having an increasing impact on society, especially in the 90's. This study examines the representation of'Auslander' in the German mass media based on the framework of Van Dijk's dicourse analysis. It shows the media's responsibility in causing 'new racism' as one of the social factors in society. The newspapers Frankfurter Allgemeine, Suddeutsche Zeitung and Bild are analysed.
著者
西 良正
出版者
一般社団法人 ターボ機械協会
雑誌
ターボ機械 (ISSN:03858839)
巻号頁・発行日
vol.28, no.9, pp.552-558, 2000-09-10 (Released:2011-07-11)
参考文献数
3
著者
高田 孝 山口 彰 藤田 聡 皆川 佳祐 栗坂 健一
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.367, 2011

本研究では、免震システムを備えたナトリウム冷却高速炉における機器の損傷確率について、免震システムの非線形特性を考慮した評価手法の開発を行っている。本報では、免震システムにおける損傷確率における代表値(フラジリティにおける横軸)および機器応答の不確実さの影響について検討した結果を報告する。
著者
荒井 美奈子 白崎 文朗 長谷川 稔 竹原 和彦
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.117, no.14, pp.2471-2478, 2007-12-20 (Released:2014-12-03)

金沢大学皮膚科で10年間に経験した成人発症Still病15症例(男性1例,女性14例,平均年齢35.8歳)について,臨床症状,治療,および予後に関して検討した.本症の特徴的な皮疹は発熱に伴い出没する痒みのない紅斑とされている.しかし,自験例の検討では,発熱に伴って出没する紅斑が4/15例(27%)にしかみられなかったのに対し,発熱と関連なく出没する紅斑が9/15例(60%)にみられた.また紅斑がみられた症例のうち6/15例(40%)は痒みを伴っていた.これらの検討からは,発熱との関連やそう痒の有無にはとらわれず,出没する散在性の淡紅色の小紅斑がStill病の皮疹の特徴と考えられた.経過の検討では,12カ月以上観察しえた14例中6例(43%)はステロイド剤の中止が可能であった.また14例中7例(50%)は減量時などに症状の再発があった.臨床経過が初発症状や検査値により推測できるかを予測したところ,皮疹が発熱や関節痛に先行して出現した6例は全例再発がなく,皮疹が発熱や関節痛と同時あるいは後で出現した群の再発率(8例中7例:88%)と比べて有意に低かった(P<0.05).今後多数例での解析は必要であるが,初発が皮疹のみで全身症状がすぐに出現してこない症例は軽症で,再発しにくい可能性があると考えられた.
著者
松島 美穂 岡田 志保 下川 光代 古林 恵 尾田 睦美 細井 希恵
出版者
徳島赤十字病院
雑誌
徳島赤十字病院医学雑誌 = Tokushima Red Cross Hospital Medical Journal (ISSN:13469878)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.22-26, 2008-03-01

平成18年8月上旬~12月中旬に現行の1日1回電極交換を実施した患者33名(対照群)2日に1回の電極交換を実施した患者38名(実験群)を対象に,調査用紙を作成,実験群・対照群それぞれ各項目について調査を行った.電極交換日数と皮膚の状態においては,紅斑と掻痒感出現は電極毎日交換に多い傾向がみられた.また,対照群,実験群をあわせた全対象者71名中,電極かぶれが発生したのは46名の64.7であった.電極かぶれが出現する要因を明らかにするために電極かぶれの有無で比較分析を行ったところ,電極交換を毎日実施と固定方法の2点に有意差があった.電極交換を毎日実施したほうが電極かぶれが発生しやすい傾向がみられ,固定方法においては,送信機を体幹に固定している方法に比べてベッドサイドモニターのように電極コードが本体に取り付けられているものや,送信機を身につけず,ベッド上に置いてある方が有意に電極かぶれが多い結果となった.
著者
東谷 仁志
出版者
名古屋市立大学経済学会
雑誌
オイコノミカ (ISSN:03891364)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.1-20, 2013-03

自動車市場では,新たにハイブリッド自動車や電気自動車が市場に登場している.これらの自動車では,高性能電池が必要で,主にリチウムイオン電池が使用される.この分野では,日本だけでなく韓国企業が大きなシェアを獲得している.本稿では,電気自動車で使用される車載用電池を供給する韓国電池メーカーとして,LG 化学,SB リモーティブ及びSK イノベーションの3社を取り上げる.一方日本の電池メーカーとしては,アドバンスト・エナジー・サプライ(AESC),リチウム・エナジー・ジャパン(LEJ)および,プライムアースEV エナジー(PEVE)の3社を取り上げて,日韓電池メーカーの競争力を比較する.従来自動車市場では,日本の自動車メーカーがサプライヤーシステムを構築し,インテグラルなもの作りが高い競争力を生み出してきたとされる.韓国のLG 化学は,GM,ルノーやフォードなど多くの企業にバッテリーを供給するが,日本の電池メーカーは,特定の自動車メーカーだけに電池を供給している.日本の電池メーカーは,これまで日本の自動車メーカーが築いてきたサプライヤーシステムを踏襲した垂直統合型の供給関係を維持し,電気自動車を従来の自動車と同じインテグラル型製品アーキテクチャと位置づけた取り組みを行っている.これに対して,韓国電池企業は,電気自動車における車載用電池をモジュラー製品と位置づけた戦略に特徴がある.韓国電池企業は,いずれも複数の自動車メーカーへの電池供給を行い,量産規模を拡大して価格を低減する戦略をとっている.自動車市場では,これまでサプライヤーを含めて日本のメーカーが高いシェアを獲得してきた.EV 市場でも高い競争力を維持するためには,日本の自動車メーカーや電池メーカーは,戦略の見直しが必要と考える.
著者
コルナトウスキ ヒェラルド キーナー ヨハネス
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理学会大会 研究発表要旨
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.74-75, 2013

単身高齢者集住地区の再生が研究対象となっていない欧米のジェントリフィケーション批判的研究を議論するため、大阪市内で最も単身高齢化問題が顕著である西成区北部におけるゲストハウス外国人宿泊者を中心にした地域の活性化の可能性を検討する。