著者
並木 陽一 米野 正博 鈴木 敦夫 山本 保
出版者
一般社団法人 日本接着学会
雑誌
日本接着学会誌 (ISSN:09164812)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.183-189, 2003-05-01 (Released:2014-10-31)
参考文献数
2
被引用文献数
2

ウレタンアクリレート系uv硬化性樹脂の厚膜について,硬化率のデプスプロファイルに及ぼすuv光照射条件の影響を光DSC法を用いて追究した。uv光の照射強度と照射時間を変えて得られた硬化物について光DSC法で硬化率デプスプロファイル(80.90および95%硬化の硬化深度)を求め,i)一定照射光強度における硬化率デプスプロファイルの経時変化.ii)一定照射時間において硬化率デプスプロファイルに及ぼす照射光強度の影響,およびiii)一定照射光エネルギー量下での硬化率デプスプロファイルに及ぼす照射光強度の影響を調べた。その結果,一定照射光強度における本樹脂の硬化率デプスプロファイルの経時特性を明らかにすることができた。さらに照射光強度の影響につ↓ては,おおよそ140mW/cm-までは照射光強度の増加と共に硬化深度が増加し,それ以降は逆に減少した。この樹脂膜について,最高の硬化深度を得るためには最適な照射光強度が存在することが確認できた。
著者
独立行政法人科学技術振興機構
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
JSTnews (ISSN:13496085)
巻号頁・発行日
vol.2, no.10, pp.16, 2006

<p>アイディアをプランに昇華し、そこからモノをつくり出す作業は、人間の普遍的な営みです。工学、科学、芸術における人間の創作活動には、共通する雰囲気のあることを直観的に感じていただければ嬉しいです。</p>
著者
戸村 裕行 小高 正稔
出版者
潮書房光人社
雑誌
巻号頁・発行日
vol.69, no.8, pp.26-29, 2016-08
著者
河口 義隆
出版者
山口大学医学会
雑誌
山口医学 (ISSN:05131731)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.105-112, 2017-05-01 (Released:2019-06-08)
参考文献数
14

緑膿菌に対するタゾバクタム/ピペラシリン(TAZ/PIPC)の効果を投与量,投与回数,投与時間を変化させた12通りの投与方法で検討した.モンテカルロシミュレーション法を用いて%Time above MIC(%T>MIC)が50%以上得られる確率(Target Attainment%:TA%)を腎機能別に算出し,TA80%以上を満たす投与方法を導出した.薬物動態パラメータは日本人肺炎患者における母集団薬物動態(population pharmacokinetics:PPK)解析結果より,MICは2011年から5年間に山口大学医学部附属病院で分離された緑膿菌のアンチバイオグラムからMIC90値を設定した.50%T>MICが得られる確率(TA)80%以上かつ,より患者負担の少ない(低用量,少回数,短時間投与)投与を優先することを推奨する最適投与方法の基準とした.2015年の結果では,クレアチニンクリアランス(CLcr)20mL/min未満の患者で2.25g1日4回投与,CLcr20から29mL/minの患者で4.5g1日3回投与,CLcr30から79mL/minの患者で4.5g1日4回(それぞれ1回1時間点滴),CLcr80mL/min以上の患者では4.5g1回3時間点滴を1日4回投与が推奨された.ただし,期間ごとのMIC90値には変動性があり,値が高くなると適応用量内では最適投与方法が推奨できない結果も得られた.腎機能別に患者を層別化し,感受性が不良な菌種における直近のアンチバイオグラムからMICを設定することで,経験的治療においてもPK/PDを考慮した最適な投与方法が推奨可能であった.
著者
後藤 昌弘 西村 公雄
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.46, no.12, pp.1159-1165, 1995-12-15
被引用文献数
1 1

16.6gのホワイトソース,40gの鶏もも肉,33.4gのブイヨンスープから真空調理法を用いてクリームシチューを作ったところ,クリームシチューのソース部分が分離した.この現象は,減圧処理のいかんに関わらず60分間90℃で調理することにより生じたが,鶏もも肉を材料から除いたものでは起こらなかった.タンパク質は鶏もも肉から調理時間とともに溶出し,調理終了後約300mgに達していた.鶏もも肉の代わりに200mgまたはそれ以上の牛血清アルブミンあるいは卵白アルブミンを添加すると,クリームシチューのソース部分の分離が生じた.これらのことから,真空調理中に生じるクリームシチューのソース部分の分離は減圧処理によるものではなく,調理中に肉より溶出してくる筋漿タンパク質によるものであることが判明した.
著者
前川 佳幹 上野 史 北島 瑛貴 高玉 圭樹
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.3P4J703, 2019

<p>人間社会において,各個人が合意形成するため数値的・心理的ギャップ補填に基づく思いやりに焦点を当て,その効果を異文化体験ゲームバルンガ上で検証する.バルンガでは,プレイヤーどうしで密なコミュニケーションをとることは困難でありながら,全員で勝者を決定しない限りゲームが進行しない.本研究では,このバルンガに喜怒哀驚の4種類の感情表現を可能にするジェスチャー札を導入し,ギャップの認知によるギャップ補填,思いやりを促す.ジェスチャー札があるバルンガとないバルンガを用いた被験者実験の結果から,(1) ジェスチャー札の使用によって各プレイヤーがギャップを認知したこと,(2) ギャップの認知が,プレイヤーが集団に適応し,合意の形成に効果的であることが明らかになった.</p>
著者
森 有紗美 市川 嘉裕 髙玉 圭樹
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.1B34, 2013

<p>本研究では,個人の利益が他人や集団全体の利益と競合する社会的問題において,集団を適応状態に導くために効果的な外的要因を探ることを目的とする.その目的に向け,Cialdini の提唱した交渉相手の承認を引き起こす要因となる人間の行動パターンの中から他者からの「好意」に着目し,それが集団内の人間の考え方を変え集団適応状態をもたらすかを異文化体験ゲーム「バルンガ」の被験者実験を通して検証する.</p>
著者
酒井 康夫
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.397-401, 2004-08-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
6

ゼライス (株) は先端のバイオテクノロジー技術を駆使して, 国産の豚皮あるいは魚皮コラーゲンを原料としたコラーゲン・トリペプチド (CTP) の開発に成功した. CTPは粧配規および外原規の「加水分解コラーゲン」に該当し, N末端アミノ酸が必ずグリシンとなるトリペプチドを多く含有している. ミクロ・オートラジオグラフィー法により, 平均分子量が約280のトリペプチド成分は, 角質・表皮・真皮層へ効率よく浸透性し, 皮膚の表面と内部との『ダブル保湿効果』を発揮することが示された. さらに, CTP中の有効成分であるトリペプチドはヒト正常線維芽細胞のコラーゲン産生ならびにビアルロン酸産生を促進することが明らかとなった. CTPを含有させたローションは皮膚の弾力性を高め, 荒れた皮膚を改善するなどの優れたスキンケア剤として期待される.
著者
小学館 [編]
出版者
小学館
巻号頁・発行日
vol.8(9), no.183, 1984-04
著者
森下 裕三 細井 健
出版者
環太平洋大学
雑誌
環太平洋大学研究紀要 = Bulletin of International Pacific University (ISSN:1882479X)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.259-264, 2018-03-21

本研究は,日本の小学校の外国語活動(英語)および中学校の外国語科(英語)で使用されている検定教科書の語彙を対象に,どのような発音がどのように綴られるのかを調査したものである。英語の語彙全体を調査対象とした先行研究では,どのような発音がどのように綴られるのかを予測する規則がいくつかあることが実証されている。本研究では,先行研究で挙げられている綴りと発音についての高い予測力を持つ規則が,小学校や中学校の学習語彙でどの程度の予測力を持つかを調査した。その結果,英語全体の語彙を調査した結果と大幅な違いは見られないものの一部の語彙については注意が必要であるという結論に至った。
著者
花田 美穂 中川 倫代 濱端 明美 三宅 裕志 天野 博雄
出版者
一般社団法人 日本皮膚免疫アレルギー学会
雑誌
日本皮膚免疫アレルギー学会雑誌 (ISSN:24337846)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.443-450, 2020-10-30 (Released:2020-11-24)
参考文献数
12

42歳男, 三陸の漁師。2014年エラコの巣に腕を接触し, 以降, エラコを扱うと顔, 上肢に掻痒を伴う皮疹が生じた。2015年, 2016年に, 全身の蕁麻疹, 嘔気, 呼吸苦, 意識レベル低下を伴う原因不明のアナフィラキシー (An) を生じ, 精査目的に当科を受診した。帰宅後, 納豆を自己判断で摂食し11時間後にAnが出現した。納豆によるAnを考え, プリックテスト (PRT) でポリγグルタミン酸 (PGA) 1, 10μg/ml, 1mg/ml, エラコ棲管のニンギョウヒドラ付着部, 納豆の粘稠成分で陽性であった。納豆による遅発性Anと診断した。エラコにはニンギョウヒドラというエダクダクラゲのポリプ世代が共生し, このポリプに刺されることで, クラゲPGAによる経皮感作が成立し遅発性納豆アレルギーを発症したと考えた。PGAは食品, 化粧品に含まれ, エラコ皮膚炎の既往のある人は, PGAによる遅発性Anを発症する危険性があるので注意が必要である。(日本皮膚免疫アレルギー学会雑誌, 3 (3) : 443-450, 2020)
著者
丸尾 誠
出版者
名古屋大学
巻号頁・発行日
2004

identifier:http://hdl.handle.net/2237/6642
著者
伊藤 彰博 東口 高志 森 直治 大原 寛之 二村 昭彦 都築 則正 中川 理子 上葛 義浩
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.603-608, 2013 (Released:2013-04-24)
参考文献数
12
被引用文献数
2

緩和医療を必要とするがん再発症例や終末期患者が陥る栄養障害は、単なる飢餓状態だけではなく、栄養管理や治療に抵抗し、がんの進行に伴う著しい筋肉減少と体重減少を主徴とする代謝異常、すなわち悪液質 (cachexia) が深く関与している。悪液質の定義や病態は未だ明確にされていないが、2010年にEuropean Palliative Care Research Collaborative (EPCRC) において、pre-cachexia→ cachexia → refractory cachexia の3段階に細分化されたものが一般的である。その中で最終段階であるrefractory cachexia (不可逆的悪液質) は、もはや栄養投与に反応しない段階と定義され、本講座の研究ではこの時期にはエネルギー消費量が逆に低下することが知られている。このように、再発、終末期がん患者に対しては、栄養障害の要因を十分に把握し、その時々に応じた適切な栄養管理を実施することが、QOLの維持、向上に直結するため、緩和ケアNSTの活動が極めて重要であると考えられる。
著者
平位 匡 池本 幸生
出版者
東京大学東洋文化研究所
雑誌
東洋文化研究所紀要 = The memoirs of Institute for Advanced Studies on Asia (ISSN:05638089)
巻号頁・発行日
no.174, pp.1-32, 2019-02-28

In The Idea of Justice, Amartya Sen started his argument by differentiating his capability approach from the mainstream in terms of structure: comparative vis-à-vis transcendental. He called the mainstream approach of justice as transcendental because it has been trying to construct a theory of justice based on fundamental principles questing for perfection. Sen insists that it is impossible to construct a perfect theory of justice because our world is far from perfection and that what we need is a more practical approach, which can be used to compare feasible options that we actually have and to choose one from among them. What lies behind this strategy is respect for a plurality of values and reasoning in society. In this context, description plays a key role in this approach, given that plural values and reasoning can be reflected only in an inductive manner which requires rich description. This difference can be applied to his approach in economics. The mainstream economics has been constructing models and theories based on hypothesis such as utility maximization. In this sense the mainstream is "perfect" but not practical as such hypothesis is not realistic. In the field of development economics he uses more practical and realistic approach based on statistics. His main contributions in the field such as the cause of famine and missing women started from examining statistics. His argument always starts from reality and is thus inductive, which is in sharp contrast with the deductive mainstream approach. Sen's approach can be traced back to the Cambridge tradition, which typically embraces inductive methods of reasoning. The purpose of this article is to examine how Sen's approach is related to it with a particular focus on the influence of Maurice Dobb. In relation to this, some possible extensions of his approach will be discussed.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ものづくり (ISSN:13492772)
巻号頁・発行日
no.730, pp.18-21, 2015-07

中国国務院(政府)が2015年5月19日、製造業の10カ年計画「中国製造2025」を正式発表した。この方針は、李克強首相が2015年3月の全国人民代表大会(全人代、国会)で既に打ち出していたが、より詳細に内容を規定したもの。 中国をこれまでの「製造大国」から「製…
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.549, pp.44-46, 2012-08-13

予算上、建設事業費が将来、「ゼロ」になる自治体がある。2007年に財政再建団体に指定された北海道夕張市だ(現在は財政再生団体)。 再生期間中の予算計画を示す「財政再生計画書」。今年6月に変更された最新版によると、10年度に30億円近くあった建設事業費が、16年度には1億円以下に減少。25年度からはついにゼロになる。