著者
徳山 英利 中村 正治
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.523-538, 2005-05-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
102
被引用文献数
16 20

Among non-conventional stimulations to accelerate organic reactions, high-pressure, ultrasound irradiation, and microwave irradiation are representative methods and are now becoming more and more popular in laboratories. This review focuses on organic reactions under microwave irradiation since this technique has attracted broad range of interest from the scientific and practical viewpoints. After the brief description on the historical and theoretical backgrounds of the dielectric heating, microwave effects, practical aspects of microwave heating (choice of solvent and microwave reactors), scope, and limitations of microwave-assisted synthetic reactions are discussed.
著者
小川 節郎
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.661-667, 2015

緩和医療とは何かについて俯瞰的に述べた.緩和ケアとは「生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して,疾患の早期より,痛み,身体的問題,心理社会的問題,スピリチュアルな問題に関して,きちんとした評価を行い,それが障害とならないように予防したり対処したりすることで,QOL(生活の質,生命の質)を改善するためのアプローチである」と定義されている.最近ではこのケアは「がんと診断された時から始める」ことが必要とされ,生命の最後の時間にのみ行う医療ではないことが強調されている.本稿では緩和ケアのうち,特に頻度が高い痛みへの対応に関し,陥りやすいピットフォールについても触れた.
著者
中林 亮 吉岡 武雄 泉川 智子 藤岡 昭三 木村 靖夫
出版者
一般社団法人 植物化学調節学会
雑誌
植物化学調節学会 研究発表記録集 (ISSN:09191887)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.55, 2005-10-13 (Released:2018-02-15)

Ailanthus altissima has been known to be allelopathic plant since no plant can grow under the tree. Heisey et al (1990) showed that crude extracts of root and stem bark of A. altissima exhibited strong herbicidal activity. We confirmed plant growth inhibitors against Lactuca sativa in the aqueous extract of A. altissima bark. The compound was isolated and identified to be ailanthone known as quassinoid or allelopathic substance. Here, we report plant growth activities of ailanthone against Lactuca sativa, Pariucam crus-galli, Raphanus sativa L. and Daucus cavota L. in detail.
著者
中林 誠一郎 曽越 宣仁
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.8-11, 2006
参考文献数
3
被引用文献数
1

液体の水は我々にとってなじみの深い物質であると同時に,地球環境の維持に大切な役割をもっている。水の興味深い物性を決める最も大きな要因は水素結合である。磁性の観点から水を見ると,水は磁場とほとんど相互作用しない平凡な物質である。しかし10Tまでの非常に強い磁場中に水をおいて,精密にその性質を調べると,興味深い磁場への応答性がうかがえた。従来の水の研究について概観しつつ,筆者らの新しい知見について解説する。
著者
バクヒット F.S.
出版者
The Society of Resource Geology
雑誌
鉱山地質 (ISSN:00265209)
巻号頁・発行日
vol.37, no.201, pp.29-43, 1987-03-31 (Released:2009-06-12)
参考文献数
33

鉱脈型あるいは割目充填型ウラン鉱化作用の母岩として最も適している花崗岩の決定法を調べた.対象としたのは,エジプトの東砂漠に分布する赤色花崗岩である.ウラン鉱化作用に最も適した赤色花崗岩は,珪酸分が高く,ナトリウムとカリウムに富んでおり,鉄,マグネシウム,カルシウムが少いことが明らかとなった.また,ウラン鉱化作用に適した地質構造は,主要断層に平行な,あるいは隆起帯の下盤に沿う副次的な断層ないし割目である.花崗岩体の縁からはるかに離れたところには,ウラン鉱床は存在しない.
著者
飯田 昭人
出版者
北翔大学短期大学部
雑誌
北翔大学短期大学部研究紀要 = Bulletin of Hokusho College (ISSN:18827667)
巻号頁・発行日
no.58, pp.1-12, 2020

本研究では213名の学生を対象に, 3つのSNSであるLINE,Twitter,Instagramの使用時間と,連帯感,各SNSでの社会関係資本(互酬性と信頼性)及び人生に対する積極的態度に及ぼす影響を検討することを目的とした。3つのSNSのうち,LINEの使用時間とLINE及びInstagramの連帯感,LINE及びInstagramの互酬性,Instagramの信頼感,人生に対する積極的態度尺度のうちの「夢・目標尺度」「向上心尺度」「肯定的尺度」との間に正の相関が認められた。一方,Twitterの使用時間とTwitterの連帯感に正の相関が認められるとともに,人生に対する積極的態度尺度のうちの「夢・目標尺度」「向上心尺度」「肯定的尺度」「時間重視尺度」との間に負の相関が認められた。最後に,Instagramの使用時間とInstagramの連帯感に正の相関が認められた。つまり, 3つのSNSの使用時間にはそれぞれ異なる影響が認められた。また,人生に対する積極的態度尺度の5つの尺度をそれぞれ従属変数とした重回帰分析の結果からは,「夢・目標尺度」「向上心尺度」「肯定的尺度」「自分らしさ尺度」の4つに対して,Instagramの連帯感が正の影響を及ぼしたことから,Instagramにおける連帯感が人生に対する積極的態度に影響を与えていることが示唆された。
著者
堀 光平 林 巌
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.60, no.579, pp.3940-3947, 1994-11-25 (Released:2008-02-26)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

Mechanical paradox planetary gears are suitable for power transmissions of current robots, such as space manipulators, which drive large-inertia loads, because the gears offer high reduction ratio, small size, light weight and high reliability. However, mechanical paradox planetary gears are subject to a drawback in that their efficiencies are lower than those of conventional planetary gears. The efficiencies of mechanical paradox planetary gears are hence theoretically analyzed and evaluated by defining the tooth number modification of a planet gear to deal with all the possible combinations of tooth numbers. The following results are obtained : the efficiencies are greatly influenced by the efficiencies of the planet and internal gear pairs ; the maximum efficiencies are minimally influenced by the reduction ratio, and they are obtained when the factors of the contact ratio of the gear pairs are approximately equal ; the maximum efficiency is approximately 78% if the tooth surface friction coefficients are 0.1.
著者
荒木 栄一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.109, no.3, pp.419-426, 2020-03-10 (Released:2021-03-10)
参考文献数
8
被引用文献数
1
著者
山口 正雄
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.109, no.3, pp.496-500, 2020-03-10 (Released:2021-03-10)
参考文献数
9
著者
大園 享司
出版者
日本菌学会
雑誌
日本菌学会大会講演要旨集 日本菌学会第52回大会
巻号頁・発行日
pp.94, 2008 (Released:2008-07-21)

ヤブツバキの内生菌・葉面菌とその季節および葉齢にともなう変動を調べた.調査地は京都市西部の大原野森林公園内にあるアカマツ・コナラ・ヤブツバキの優占する二次林である.2004年5,8,11月および2005年2月の4回,ランダムに選んだヤブツバキ成木5個体の高さ約6mの枝を刈り取って年枝を読み取り,葉齢0,1,2,3年の見かけ上健全な葉を各10枚ずつ,合計40枚を採取した.これらの葉から直径5.5mmの葉片を合計160葉片を打ち抜き,表面殺菌法と洗浄法により内生菌と葉面菌をそれぞれ分離した.全体で79分類群の菌類がヤブツバキ葉から出現した.内訳は,内生菌が44分類群,葉面菌が52分類群,共通種が17種であった.内生菌の葉片感染率と分離菌株数は5月から2月にかけて有意に増加する傾向を示し,出現種数は葉の加齢にともなって有意に増加する傾向を示した.一方,葉面菌の葉片感染率は季節・葉齢によらず100_%_であり,分離菌株数は5月に最大となり8月に最小となった.葉面菌の出現種数は季節,葉齢で有意差は認められなかった.8種の菌類が高頻度で出現し主要な菌類と見なされた.Colletotrichum gloeosporioides, Colletotrichum acutatum, Pestalotiopsis sp.1, Aureobasidium pullulans, Phoma sp.1, Ramichloridium sp., Cladosporium cladosporioidesの7種では季節間で出現頻度が有意に変動した.出現頻度の季節パターンはこれらの種間で異なっており,5月にはC. gloeosporioides, Pestalotiopsis sp.1, Clad. cladosporioides, Phoma sp.1が,8月にはA. pullulans, Ramichloridium sp.が,11月にはC. gloeosporioides, C. acutatum, Pestalotiopsis sp.1, Clad. cladosporioides, A. pullulansが,そして2月にはC. gloeosporioides, Pestalotiopsis sp.1, Clad. cladosporioidesが高頻度で出現した.一方でGeniculosporium sp.1 とC. cladosporioidesの出現頻度は葉の加齢にともなって有意に増加した.
著者
伊藤 桜子 小口 江美子 市村 菜奈 稲垣 貴惠 村山 舞
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.11-27, 2019

超高齢社会のわが国では,高齢者の筋力の維持・増進を図るため,多くの運動教室が開かれており,運動は継続してこそ介護予防効果が高まるとされている.小口が考案した音楽運動療法プログラム(以下GEMTOM(小口メソッド)とする)は,心身の状態を改善し,良好に維持するリハビリトレーニングや介護予防運動として活用され,音楽療法理論に基づく,主に椅子座位での体操を活用した運動療法により,機能改善効果を高めることが示唆されている.そこで今回は,小口メソッドを使用する地域の介護予防教室に参加する高齢者が,介護予防のための運動を継続するには,「楽しい」と思える運動を行うことが,1つの大切な要因であると考え,「運動する際に楽しいと感じる要因は何か」,「楽しみの度合いはどの程度か」「運動や音楽に対する意識はどうであるのか」等について調査し,運動継続との関連性について検討した.O区介護予防教室の音楽運動療法プログラムに,終了時まで継続参加した65歳〜90歳(平均年齢78.2±6.1歳)の男女12人を対象とし,3か月経過時(初心時)と9か月後の終了時点(継続時)にアンケート調査を実施し,その結果を比較検討した.運動の楽しさ得点と継続希望得点の2者間には,初心時(r=0.814,p=0.007),継続時(r=0.640,p=0.034)の両方において有意な相関があり,楽しさが増せば,継続希望も増すことが明らかとなった.また同参加者への別項目のアンケート調査から,初心時には仲間や音楽など精神的な要素を楽しいと感じ,一方,継続時には運動による身体的変化の自覚を楽しいと感じる傾向があり,楽しさの要因が初心時と継続時では異なる傾向を示した.さらにまた,同参加者への別項目のアンケート調査から,参加者は初心時より継続時において運動時の音楽の必要性をより強く感じる傾向を示し,運動に慣れていない初心時には,音楽は運動のリズムを取るのに必要だと感じ,運動に慣れた継続時には,音楽のリズムが運動をしやすくすると感じる傾向があった.これらの結果から,運動の苦手な高齢者に運動を継続させるためには,初心時から継続時まで参加者が「楽しい」と感じる要因が運動プログラムの中に存在することが必要であり,かつ運動指導者は,参加者の経時的に変化する楽しさの要因に合わせた「楽しさ」を提供する工夫が必要であることが示唆された.運動に音楽が加わることにより,参加者の楽しさが増すだけでなく,初心時に,音楽は参加者が運動のリズムを取るのを助け運動に慣れやすくし,継続時に,音楽のリズムは参加者に体を動かしやすいと感じさせる傾向があった.音楽と運動を同時に起用し,仲間と共に無理なく体を動かすGEMTOM(小口メソッド)は,楽しさや覚えやすさが継続性に繋がることから,参加者の心身の機能維持や機能改善に効果的である.加えて,音楽のメロディーやリズムは参加者の脳に働きかけて運動のリズムを取りやすくし運動になじませ,そしてまた,体を動かす刺激は脳にフィードバックされて音楽と呼応し体を動かしやすいと感じさせている可能性があることから,GEMTOM(小口メソッド)は,認知機能の衰えがみられる参加者や高齢者の介護予防には,より適した運動であることが示唆された.本研究の結論は以下である.①運動の楽しさと継続性には初心時,継続時ともに有意な相関が認められ,継続時に参加者の楽しさは増加していた.②運動継続には,参加者が「楽しい」と感じられる要因が必要であり,その要因は運動に慣れていく時間経過と共に変化する傾向があった.③高齢者の運動継続および介護予防効果の向上には,参加者の楽しさの要因となるものをプログラムに段階的に取り入れて提供することが重要であると考えられる.
著者
河原 和文 吉次 真一 清重 直也
出版者
一般社団法人 火力原子力発電技術協会
雑誌
火力原子力発電大会論文集 (ISSN:2187929X)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.34-40, 2014 (Released:2015-03-20)
参考文献数
2

東北地方太平洋沖地震による震源地付近発電所での津波被害を踏まえ,島根原子力発電所の更なる信頼性向上対策として,敷地護岸沿いに天端高さE.L.15mの津波防波壁を設置し,発電所の主要設備への浸水を防止することとした。本稿では,護岸形状や敷地の状況等に合わせて合理的に選定した津波防波壁構造等の設計概要と,創意工夫して工程短縮を図った施工概要について報告する。