著者
田北 徹 Sumonta Intong
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.57, no.10, pp.1883-1889, 1991 (Released:2008-02-29)
参考文献数
17
被引用文献数
18 16

The early life histories of two puffers Takifugu rubripes and T. xanthopterus, were ecologically studied. The larvae of either or both species, not distinguishable from each other, were found in the middle or bottom layer in Ariake Sound and neighboring Chijiwa Bay in April and May. The juveniles of both species were noted in late May after becoming about 20mm in standard length at the mouths of rivers located at the head of Ariake Sound. T. rubripes stayed there until July or August, and T. xanthopterus for one month longer, under the condition of a large range of salinity. The diet of T. rubripes appeared to consist mainly of benthic animals such as crabs, zoeae, gammarids, fish lices, mysis and snails, whereas for T. xanthopterus, pelagic organisms. Many young puffers caught with commercial fishing nets are abandoned as trash fish and some efforts to conserve them should be made.
著者
松井 清夫 坂本 弘 滝川 寛 杉浦 静子
出版者
公益社団法人日本産業衛生学会
雑誌
産業医学 (ISSN:00471879)
巻号頁・発行日
vol.6, no.8, pp.445-448, 1964

Some facts related to menarche and menstrual disorder were reported in the previous report. This study was undertaken to clarify the factors affecting to take menstruation leave. Three hundred sixty-nine female workers in a chemical industry were observed from April, 1962 to December, 1963. And a comparison was made between female and male workers in the same workshop, regarding the rate of absence for reasons. Until March, 1963, the female workers were paid no wages for days of absence owing to menstruation; but, after April, 1963, wages during the menstruation leave became paid to them. By this change of terms of payment, the absence because of menstruation increased after April, 1963. Hence, a comparison in the rate of absence because of menstruation was made numerically between the period before March and that after April, 1963. The results were as follows. Before March, the monthly and weekly variation of the rate of absence because of menstruation could not be seen. But, after April, the rate decreased in the period 5th to 7th and 25th to 27th of a month. The rate of absence for reasons other than menstruation (i.e. private reasons, illness) also decreased in the same periods of a month among both females and males. The decrease at the end of a month is explained by the fact wages are paid in the period 25th to 27th of a month. The rate of absence was higher in the middle than at the end and beginning of a week. This fact may be considered as due to the influence of the information, that the absence because of menstruation including the off-day in undesirable, by the labor union of this workshop.

1 0 0 0 OA 国姓爺合戦

著者
近松門左衛門 著
出版者
金桜堂
巻号頁・発行日
1892

1 0 0 0 OA 国性爺合戦

著者
山中峯太郎 著
出版者
至文堂
巻号頁・発行日
1944
著者
泉田 温人 須貝 俊彦
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2018年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.000293, 2018 (Released:2018-06-27)

1.はじめに 氾濫原内の相対的な地形的高まりである「微高地」は,自然堤防だけではなく,様々な河川作用が形成する微地形の複合体である.自然あるいは人工堤防の破堤を形成要因とするクレバススプレーは,微高地を構成する微地形の一つである.平成27年9月関東・東北豪雨による鬼怒川の破堤洪水では茨城県常総市上三坂地区にクレバススプレーが形成され,微高地の発達過程におけるその重要性が再認識された.著者らはクレバススプレーが広く分布する(貞方 1971)とされる常総市域を含む鬼怒川下流域の氾濫原において,平成27年9月関東・東北豪雨を受けて形成されたクレバススプレー及び歴史時代に形成されたクレバススプレーに対し地形及び堆積物分析を行ってきた.本発表ではその二つの地形を比較し,調査地域ではクレバススプレーがどのように成長し,微高地発達に寄与してきたのかを検討した.2.平成27年9月関東・東北豪雨によるクレバススプレー 2015年9月10日に発生した鬼怒川の破堤洪水によって,破堤部付近で“おっぽり”の形成などの激しい侵食が生じた一方,その下流側では淘汰の良い中~粗粒砂層からなる最大層厚80 cm程度のサンドスプレーが堆積した(泉田ほか 2016b).破堤部を起点とする堤外地への洪水流向断面において,両者の分布領域の間に侵食・堆積作用がともに小さい長さ100 m程度の区間が存在した(泉田ほか2016b).この区間からサンドスプレーの堆積区間への移行は洪水流向断面内の遷緩点で生じた.サンドスプレー形成区間より下流では洪水堆積物層は薄く,地形変化量は微小だった.洪水前後の数値表層モデルから計算された,破堤部から約500 m以内の範囲における総堆積量及び総侵食量はそれぞれ約3.7万m3及び約8.0万m3であり,本破堤洪水では侵食作用が卓越した(Izumida et al. 2017).3.歴史時代に形成されたクレバススプレー 上三坂から約4.5 km上流に位置する常総市小保川地区は17世紀初期にクレバススプレーの上に拓かれた集落である.小保川のクレバススプレーは鬼怒川左岸に幅広な微高地が一度成立した後に形成を開始し,ある期間に鬼怒川の河床物質が繰り返し遠方に堆積したことで微高地を二次的に拡大したと考えられる(泉田ほか 2017).既存の微高地上では急勾配かつ直線的な長さ約1.5 kmのクレバスチャネルが掘り込まれ,クレバスチャネルの溢流氾濫による自然堤防状の地形であるクレバスレヴィーがその両岸に形成された一方で,チャネル末端では間欠的な大規模洪水によるイベント性砂層及び定常的に堆積する砂質シルト層の互層からなるマウスバーが形成された.両区間は,クレバススプレー形成以前の鬼怒川の微高地と後背湿地の境界域でクレバスチャネルの緩勾配化に伴い遷移したと推定され,マウスバー部分が後背湿地上に舌状に伸長したことで微高地が面的に拡大したと考えられる.小保川のクレバススプレーは厚い流路堆積物からなるクレバスチャネルを含め堆積環境が卓越し,侵食的な要素は鬼怒川本流とクレバスチャネルの分岐点に位置するおっぽり由来と考えられる常光寺沼のみである.4.考察 上三坂と小保川のクレバススプレーの形成時間スケールと地形の分布する空間スケールの差異から,両者の地形はクレバススプレーの発達段階の差を表すと考えられる.しかし,両調査地のクレバススプレーは,ともに破堤洪水により鬼怒川の河床物質が氾濫原地形の遷緩部分に堆積しサンドスプレーあるいはマウスバーが形成されたことで,鬼怒川の微高地発達に寄与したことが明らかになった.調査地域におけるクレバススプレーの発達は(1)クレバスチャネルの形成による河床物質の運搬経路の伸長,(2)その下流に位置する堆積領域の河川遠方への移動,そして(3)侵食環境から堆積環境への転換によって特徴づけられた.上三坂が位置する常総市石下地区の鬼怒川左岸の微高地及び地下地質が複数時期のクレバススプレー堆積物からなることが報告されている(佐藤 2017).クレバススプレーの形成は常総市付近の鬼怒川氾濫原において普遍的な営力である可能性があり,微高地の発達過程で激しい侵食作用を含む地形変動が繰り返されてきたことが示唆される.参考文献:泉田温人ほか 2016a. 日本地理学会発表要旨集89, 165. 泉田温人ほか 2016b. 日本地理学会発表要旨集90, 181. 泉田温人ほか 2017. 日本地球惑星科学連合2017年大会, HQR05-P06. Izumida et al. (2017). Natural Hazards and Earth System Sciences, 17, 1505-1519. 貞方 昇 1971. 地理科学 18, 13-22. 佐藤善輝 2017. 日本地理学会講演要旨集 92, 150.
著者
丹羽 健
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌 (ISSN:03685829)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.481-495, 1991
被引用文献数
2

若年女子労働負荷のあり方を適正に評価するための基礎資料を得ることを主目的として,626名の専門学校の女子学生に対して月経に関連する諸症状についての質問票調査を行い,「月経前期」・「月経期」・「月経前期,月経期の2期を除いた残りの時期(平常期)」の3期に,37種の一般日常的な自覚症状がどの様な状態で出現するかを同定した。これらの所見に,その他の月経関連情報,肥満度などを解析対象として加味した形で,各個人水準における諸自覚症状の3期相互間での出現の一致性や自覚症状数の一致性,さらに37症状の相互関連性を単変量あるいは多変量として解析し,以下の結論を得た。1.「月経前期」・「月経期」の2期は,「平常期」に比べ,各種の自覚症状が明らかに多数出現し,月経前期の出現症状数は月経期の症状数との間に個人水準において強い関連があることが認められた。2。初経年齢が遅延した事例では,月経血量が少ないこと,るいそう傾向,月経不順といった事象に相対的に関連を認めた。3.若年健常女性においては,腹部症状,精神神経症状,腰痛等の一般的な愁訴の多くは,月経前期由来のものと考えられた。しかしながら,これらの愁訴の多くは月経期に出現する同様の愁訴と明確なる医学的な識別は行い難いと考えられた。4.若年女性に対する保健医療管理の視点からは,これらの愁訴に関する情報は個人水準での差がある程度認められるので,労働負荷に関しては,このような個人の愁訴についての特性を加味する必要があると考えられた。さらに「生理休暇」については,本来は「月経前期」も対象時期として加えられるべきものであると考えられた。
著者
小野田 尚佳
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.160, 2016

<p>2010年のガイドライン発刊以降にいくつかの注目すべき論文が発表されている。とくに,National Cancer Database[1]による信頼性の高い調査は,甲状腺未分化癌の臨床像を具体的な数値で示すことができている。一方で,生命予後は過去20年全く改善が認められていないと報告されている[2]。今までの治療法は意義がなかったのだろうか?これまで行われてきた集学的治療をレビューし,今後の課題を示していただいた。</p><p>探索的に行われていた化学療法の成果は,不明のままであった。甲状腺未分化癌患者を対象として国内で実施されたweekly paclitaxelによる化学療法の臨床試験[3]は,現時点での標準治療の成績を客観的に提示したものと考えられ,新規治療開発の基準となるデータとしてご紹介いただいた。</p><p>話題の中心ともいえる甲状腺未分化癌に対する最新の分子標的治療については,本号の別特集を参照されたい。</p><p>治療成績の改善を目指す上において,発症や進展に関わる基礎的研究成果の理解は重要であるが,技術の進歩によって臨床所見の裏付けとなる遺伝子異常が確認できるようになってきている。新たな治療法の創生に向けての多数のヒントが隠されている大変興味深い基礎的分野の知見をご紹介いただいた。</p><p>いずれの文章でも,難治性の希少疾患である甲状腺未分化癌の診断,治療,研究には,多施設での連携や登録制度の確立,臨床試験の充実が必要であることが述べられており,甲状腺癌診療における現在の重要課題のひとつとしてこれらの課題を読者と共有できることを希望する。</p>
著者
濱川 祐紀代
出版者
JSL漢字学習研究会
雑誌
JSL漢字学習研究会誌 (ISSN:18837964)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.94-104, 2014

日本語学習者のための漢字学習用教材(以下,漢字教材)といったとき,どのくらいの教材を思い浮かべるだろうか。1990年以降に出版された漢字教材(付属教材や試験対策用教材を除く)は32冊以上ある。しかしながら,所属機関が教材や進度を決めているため担当教師が漢字教材を手にとって比べる機会はないという声をよく聞く。そこで,本稿では第47回研究会のワークショップの成果を報告し,漢字教材の特徴を読者と共有したい。
著者
高森 満
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.323-325, 2013

2012年11月12日に開催された頭記座談会の様子をレポートする.この座談会は,本年発行予定の"プロジェクトマネジメント入門"の最終章に掲載される企業の実プロジェクト事例集について意見交換すべく,その事例執筆者と,PM学会出版委員会メンバーが集まって開催された.座談会では"プロジェクトマネジメント入門"にかける期待や事例集の意義,その活用方法などについて活発な意見交換が行われた.そこから得られる知見が多くあり,それを整理し報告書としてプロジェクトマネジメントの教育やスキル向上に興味ある読者と共有する.
著者
濱川 祐紀代
出版者
JSL漢字学習研究会
雑誌
JSL漢字学習研究会誌 (ISSN:18837964)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.95-102, 2013

日本語学習者のための漢字学習用教材(以下,漢字教材)といったとき,どのくらいの教材を思い浮かべるだろうか。1990年以降に出版された漢字教材(付属教材や試験対策用教材を除く)は25冊以上ある。しかしながら,所属機関が教材や進度を決めているため担当教師が漢字教材を手にとって比べる機会はないという声をよく聞く。そこで,本稿では第41回研究会のワークショップの成果を報告し,漢字教材の特徴を読者と共有したい。
著者
常木 澄人 久保田 均
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.89, no.2, pp.101-105, 2020-02-10 (Released:2020-02-10)
参考文献数
19

機能性デバイスの物理的な性質を利用し,ニューラルネットワークをハードウェア実装することで低消費電力かつ高速な人工知能の実現を目指す研究が行われています.本稿では,ナノサイズの強磁性体から成る自励発振素子であるスピントルク発振素子を人工ニューロンとして用いた研究について紹介します.

1 0 0 0 OA 放鷹

著者
宮内省式部職 編
出版者
吉川弘文館
巻号頁・発行日
1932
著者
加藤 登紀 濱川 祐紀代
出版者
JSL漢字学習研究会
雑誌
JSL漢字学習研究会誌 (ISSN:18837964)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.128-136, 2017

1990年以降に出版された日本語学習者のための漢字学習用教材(以下,漢字教材)は25冊以上あるものの,一度に複数の漢字教材を手にとり比べる機会はないという声をよく聞く。さらに,所属機関で開講されている漢字科目は初級のみであり,学習者から中上級レベルの漢字教材について相談されることが多いとも聞く。そこで,本稿では第63回研究会(大阪)のワークショップの成果を報告し,中・上級漢字教材の特徴を読者と共有したい。
著者
桜井 博志 泉 恵理子
出版者
日経BP社 ; 2002-
雑誌
日経ビジネスassocie (ISSN:13472844)
巻号頁・発行日
vol.13, no.12, pp.4-7, 2014-11

建築家・隈研吾さんに店舗設計、日本料理店「青柳」の主人・小山裕久さんにレストラン部門のプロデュースを依頼するなど、世界に通じる実力を備えた〝オールジャパン〟の力を結集して作る、ショップとバーを兼ねた「獺祭」直営店です。今年10月のオープンを…
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネスassocie (ISSN:13472844)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.115-129, 2012-03

『課長 島耕作』の第一巻には、作者である弘兼憲史さんのこんな言葉が記されている。 「サラリーマン社会とは普遍妥当性を是とする悲しい世界。その根底に流れるのはペーソスである」 弘兼さんはこう解説する。「会社という組織に参加する以上、『結果は出すから自分流にやらせてもらうよ』という価値観はなかなか通用しない。