著者
兼松 卓也 桑原 寛明 上原 哲太郎 國枝 義敏
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.2, pp.1260-1267, 2016-10-04

レインボーテーブルはパスワード解析に利用されるパスワードとハッシュ値の対応表である.レインボーテーブルはパスワードとハッシュ値の組を計算によって復元可能とすることでコンパクトな表となっているが,生成には膨大な計算時間を要する.本稿では,一般的なレインボーテーブルよりも効率的なパスワード解析が可能なレインボーテーブルを GPGPU を用いて高速に生成する手法を提案する.数字,英小文字,英大文字で構成される 4 文字のパスワードに対応するレインボーテーブルを提案手法によって生成し,GPGPU による高速化の効果を示す.生成したレインボーテーブルを用いてパスワード解析を行い,効率化による解析時間の変化を示す.
著者
加藤 雄一郎 遠藤 博史 木塚 朝博
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム (ISSN:13487116)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.35-46, 2008 (Released:2017-02-15)
参考文献数
46
被引用文献数
2

刺激─反応 (S-R) 整合性とは, 選択反応課題において刺激と反応の空間的な位置関係が一致するときの方が, 一致しないときよりも反応時間が速くなる現象のことを言う. 本研究では, S-R整合性が情報処理過程における運動プログラムの構築にどのように関与しているのかを明らかにすることを目的に, 筋電図による反応時間分析, 脳磁図による大脳皮質活動の時系列分析を行った. 不整合反応は, 整合反応と比較してPremotor time, Motor timeが遅延し, 反応実行のための一次運動野の神経活動が弱いことが認められた. これらの結果は, S-R整合性が情報処理の時間的側面だけでなく運動プログラムの構築にも影響していることを示唆する. この脳内メカニズムについて, 二重ルート情報処理による自動的賦活と制御的賦活で説明する.
著者
田邊 佳穂 松崎 絹佳
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2017
巻号頁・発行日
2017-05-10

太陽系初期においてどのように惑星が形成されたのかを明らかにすることは重要である。隕石はその手掛かりの一つになっているが、地球に降ってくる隕石の数は非常に少ない。それに対して宇宙塵は隕石よりも地球へ降ってくる粒子数が多く、さらに、地球上のあらゆる場所で採取することができる。そのため、宇宙塵を研究すると惑星の形成のされ方が解明できる可能性が高い。そこで私たちは、宇宙塵に目をつけた。 宇宙塵は、ワセリンなどの粘着剤を塗布したスライドガラスを屋外にさらし、スライドガラスに付着した粒子の中から顕微鏡などの拡大機器を用いて採取する方法が一般的である。この採取方法では、地表由来の物質が混ざりやすく、また、一晩屋外に置いた際に採取できる宇宙塵の数は一枚のスライドガラスに対し0または1個と少ない。そのため、スライドガラスに付着した粒子を顕微鏡で見た際、粒子のほとんどが地表由来の物質となり、宇宙塵を探し出すのに手間と時間がかかる。 そこで本研究では、地表からの物質の混入を削減し、より効率よく採取する宇宙塵採取手法を開発した。まず初めに、地表由来の物質と宇宙塵とが混ざらないよう、図のような装置を作製した(fg.1)。重りを載せたベニヤ板に逆さまにしたプラスチックケースをガムテープで固定し、5 cmごとに高さを変化させたアルミ板をケースの側面に取り付けた。そして、プラスチックケースの底面にワセリンを塗布したスライドガラス10枚を取り付けた。外壁の高さは0 ㎝~30 ㎝の5 ㎝刻みで設定し、計七つの装置を一晩屋外に置いた。この実験では、アルミ板の外壁を取り付けることにより、風により舞い上がった余計な地表由来の物質がスライドガラスに付着するのをどれだけ減少させることができるかを検証した。その結果、外壁の高さを30 ㎝に設定したとき、地表由来の物質の数は0 ㎝のときに対して76%減少し、宇宙塵を見つけ出すことが容易になった。今回の実験では、最も高い外壁を30 cmとした。これは30 cmよりも高い外壁をつけると外壁が風の影響を受けて倒れるなど、装置が扱いにくいからである。外壁の高さを30 cmとした装置が、地表由来の物質の混入が少なく、扱いもちょうどよい高さであるため、この装置を用いて、宇宙塵採取を行うこととした。
著者
日出 弘
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.97, pp.45-48, 2013-03-31 (Released:2017-10-31)

田嶋記念大学図書館振興財団から助成金を得て,既存書架に取付けて,棚からの資料落下を抑制する「棚板傾斜付加金具」を開発・実装し,効果を検証した。取付けを希望する図書館には,性能評価モニター(有償)として提供できる。
著者
秋吉 澄子 小林 康子 柴田 文 原田 香 川上 育代 中嶋 名菜 北野 直子 戸次 元子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.31, 2019

<p>【目的】日本調理科学会特別研究「次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理」において,地域に残されている特徴ある家庭料理を,地域の暮らしの背景とともに記録し,各地域の家庭料理研究の基礎資料,家庭・教育現場での資料,次世代へ伝え継ぐ資料などとして活用することを目的に,聞き書き調査を行った。本研究では,熊本県の「副菜」の特徴について検討した。</p><p>【方法】熊本県内を6地区(阿蘇,県北,熊本近郊,県南,天草,球磨)に分類し,昭和35〜45年頃に各地域に定着していた家庭料理について,11名の協力者を対象に聞き書き調査を行った。その調査結果や参考文献を基に,熊本県の副菜の特徴を検討した。</p><p>【結果および考察】野菜のおかずでは,本県の郷土料理として全国的にも有名な「一文字のぐるぐる」,大根を使った「こしょう大根」,「煮なます」,「のっぺ」,旬の食材を使った「たけのこのひこずり」,「菜やき」,「どろりあげ」が日常の食事によく作られていた。保存食(漬物)では,阿蘇の「高菜漬け」や「ふさぎり漬け」,県南の山間部で作られる「豆腐のみそ漬け」,もろみ味噌である「しょんしょん(しょうゆの実)」が作られていた。汁物では,大豆を使った「呉汁」や人吉・球磨地方の「つぼん汁」が挙げられた。その他,熊本近郊(西原地区)の「落花生豆腐」や阿蘇(高森地区)の「田楽」,天草の「みなみそ」が副菜として挙げられた。熊本県の副菜の特徴として,地元で採れる旬の食材を使用し,しょうゆ・みそでシンプルに味付けをした料理が多く,油で炒めるなどの方法により,うまみやコクをプラスする工夫が見られた。採れた食材を無駄にすることなく,すべて頂くといった先人の知恵も生かされていた。</p>
著者
藤井 志保 村上 かおり 鈴木 明子 今川 真治 権田 あずさ 中山 芙充子 広兼 睦
出版者
広島大学学部・附属学校共同研究機構
雑誌
学部・附属学校共同研究紀要 (ISSN:13465104)
巻号頁・発行日
no.42, pp.165-174, 2014-03-24

家庭科教員免許取得を目指している大学3年生を対象に,内容「A家族・家庭と子どもの成長(1)(2)(3)」と内容「C衣生活・住生活と自立(3)ア布を用いた物の製作,生活を豊かにするための工夫」を関連づけて学習するための題材を構想させ,大学での教職および教科関連科目の学びや教育実習での体験に基づいて適切な教材の選択やそれを用いた題材構想がどの程度可能になっているのかをとらえた。さらにその構想を教材構成力の下位能力からとらえ分析することを試み,学生自身による自己評価と,教科教育,教科内容(保育学,被服学)及び教育実習担当者の三者4名による客観的評価から教材構成力の実態を明らかにすることを目的とした。その結果,題材目標や構想の表現の未熟さや,取り上げる教材の偏り,すなわち教材構成の視点の狭さは感じられたが,15名の学生は,何らかの形で内容Aと内容C(3)を関連づけた題材の流れを構想できていた。教材構成力の向上を図るカリキュラムの改善に向けて,教科目標を意識した専門科学の内容の再構造化の必要性があることが示唆された。

1 0 0 0 OA 源平盛衰記

著者
松林伯円 講演
出版者
文事堂
巻号頁・発行日
vol.巻之3, 1898
著者
久保田 正雄
出版者
明治大学政治経済研究所
雑誌
政経論叢 (ISSN:03873285)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, 1964-06
著者
尾原 悟
出版者
上智大学
雑誌
ソフィア (ISSN:04896432)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.3-23, 1972-05
著者
生間昇一郎 本宮 善〓 常深 邦彦 平田 直也 妻谷 憲一 森田 昇 植村 天受 金子 佳照 守屋 昭 吉田 克法 貴宝院 邦彦 平尾 佳彦 岡島 英五郎
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日泌尿会誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.903-909, 1988
被引用文献数
1

electroconductivity detectorを用いた高速液体クロマトグラフィー法による新しい尿中蓚酸測定法を開発し,この測定法はディスポタイプカラムを用いることによって前処置を簡便化し,さらに発色剤と反応させることなく直接蓚酸イオンをelectroconductivity detectorで検出できる.本法での測定範囲は1〜100mg/lで,再現性はtriplicate assayで,変動係数2.0±3.9%であり,健康成人10人の24時間尿中蓚酸排泄量の平均は25.6±4.7 mg/dayであった.
著者
赤松 淳子
出版者
東洋大学人間科学総合研究所
雑誌
東洋大学人間科学総合研究所紀要 = The Bulletin of the Institute of Human Sciences,Toyo University (ISSN:13492276)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.255-269, 2019-03

The historiography of eighteenth-century adultery has developed through studies focusing on the law and on the roles of gender and the media. They reveal a process of gradual sexual liberation and also a persistent sexual double standard, but the question of how women facing marital breakdown developed a sense of their matrimonial rights, both in and outside thecourts, has not yet been discussed. This article critically examines the relevant studies since the 1980s and suggests that future studies should broaden their perspective by taking into account private negotiation, the role of family, and women’s self-representation in the media.