著者
廻角 侑弥 久保 峰鳴 幸田 仁志 福本 貴彦 今北 英高 藤井 唯誌 稲垣 有佐 田中 康仁
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.61-65, 2020-07-22 (Released:2020-08-04)
参考文献数
17
被引用文献数
1

[目的]人工膝関節全置換術後患者の杖歩行が自立するまでの日数(歩行自立日数)に影響を及ぼす要因を術前項目より検討した。[対象]片側の人工膝関節全置換術を施行した99名とした。[方法]測定項目は歩行自立日数,自己効力感,痛みの破局的思考,安静時痛,歩行時痛,膝関節屈曲可動域および伸展可動域,等尺性膝伸展筋力,歩行速度とした。統計解析はピアソンの相関係数を用いて歩行自立日数との関係性を分析し,また歩行自立日数を目的変数,他項目を説明変数とした重回帰分析を行った。[結果]歩行自立日数は,自己効力感(r=-0.40),痛みの破局的思考(r=0.27),等尺性膝伸展筋力(r =-0.24),歩行速度(r=-0.25)との間に有意な相関関係を認めた。重回帰分析の結果,歩行自立日数に影響を及ぼす要因として自己効力感のみが抽出された。[結語]人工膝関節全置換術後の杖歩行の自立には筋力や歩行速度だけでなく,自己効力感が影響すると示唆された。
著者
林 祐介 吉原 聡 吉田 久雄 見川 彩子 林 明人 藤原 俊之
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.417-422, 2019 (Released:2019-12-20)
参考文献数
28

【目的】人工膝関節置換術(以下,TKA)術後患者における術後早期膝関節可動域が自立歩行獲得期間および在院日数に及ぼす影響を検討した。【方法】TKA 術後患者78 例を対象とした。年齢とBody Mass Index,術後4 日時点の膝関節可動域(自動・他動屈曲,自動・他動伸展),運動時痛と歩行時痛(Visual analogue scale),炎症所見(血清C 反応性蛋白)と術後7 日時点の膝関節伸展筋力(ハンドヘルドダイナモメーター)を評価し,在院日数および自立歩行獲得期間に与える影響を重回帰分析(ステップワイズ法)にて検討した。【結果】重回帰分析の結果,在院日数および自立歩行獲得期間に有意に影響する因子は,それぞれ自動膝屈曲可動域と年齢,および自動膝屈曲可動域と自動膝伸展可動域が抽出された。【結論】TKA 術後患者において,術後早期の自動膝関節可動域の拡大は,自立歩行獲得期間および在院日数の短縮に影響を与える可能性がある。
著者
高岡 宏行
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.193-217, 1977
被引用文献数
3 18

南西諸島から得られたブユ属18種類のうちこの第3報ではアシマダラブユ亜属に含まれるSimulium (Simulium) arakawae, S. (S.) sakishimanese, S. (S.) japonicum, S. (S.) quinquestriatum, S. (S.) suzukii, およびS. (S.) rufibasisの6種について報告した。これまでS. (S.) fenestratumとされていた種は原記載と異なるため新種名S. (S.) sakishimaenseを提唱した。また沖縄本島, 奄美大島および徳之島に分布するtuberosumグループの種は同一種で日本各地のS. (S.) suzukiiと形態上の差異が認められないことから沖縄本島を模式地として記載されたS. (S.) ryukyuenseおよび奄美大島より記録されたS. tuberosumはS. (S.) suzukiiのシノニムと思われる。本諸島より初記録のS. (S.) quinquestriatumは種子島, S. (S.) rufibasisは屋久島のみから, さらに, S. (S.) arakawaeはこれら両島および甑島より見いだされた。

1 0 0 0 OA ハイネ全集

著者
生田春月 訳
出版者
春秋社
巻号頁・発行日
vol.第3巻 (物語詩), 1926
著者
柴田 隆子
出版者
舞踊学会
雑誌
舞踊學 (ISSN:09114017)
巻号頁・発行日
vol.2017, no.40, pp.26-34, 2017

The purpose of this study is to reveal a role that theater theories might play for dancers andperformers by discussing Oskar Schlemmer's theories after the Bauhaus school and making acomparative research of theater theories developed in Bauhaus Stage Workshop. In the 1930s, XantiSchawinsky, one of the Bauhaus students, an assistant to Schlemmer, taught the performance methodby discussion and rehearsal, and represented the essence of Bauhaus Stage with students in BlackMountain Collage, North Carolina. In the 1970s and 1980s, Gerhard Bohner, a dancer and choreographer,focusing on his own body as theater materials, created original works based on Schlemmer's theoriesat the Akademie der Künste Berlin. This article will illustrate that the succession of theater theories isnot only to help dancers or performers to master performance techniques and concepts but also to betheir opportunity of new creation.

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1924年07月04日, 1924-07-04
著者
五味 郁子
出版者
神奈川県立保健福祉大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

地域で暮らす生活保護受給者や高齢者は、食生活や身体状況、生活状況の変化による低栄養の予防が必要である。一方、地域には、住民の食生活をサポートする地域資源が多様に存在している。そこで本研究は、個別の食生活状況に応じて、必要な食生活サポート地域資源(サービス)をコーディネートするインターネット活用型システム「食生活サポートナビ http://shoku-support.com」を構築した。
著者
堤 裕昭
出版者
日本海洋学会 沿岸海洋研究会
雑誌
沿岸海洋研究 (ISSN:13422758)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.165-174, 2012

有明海では1990年代後半より赤潮が頻発し,奥部海域では1998年より秋季~初冬に発生する赤潮が急に大規模化した.赤潮の頻発や大規模化は,海底への有機物負荷量の大幅な増大につながり,夏季の貧酸素水発生の主要な原因となる.そこで,有明海奥部における赤潮の発生のメカニズムと原因について,近年の水質,潮流,海底環境などに関する調査・研究の成果をレビューした.赤潮の頻発や大規模化は,陸域からの栄養塩負荷量の増加を伴わない条件下で起きていた.実際には,塩分成層が形成された時に,低塩分・高栄養塩濃度化した表層で赤潮が発生していた.したがって,赤潮の頻発や大規模化は,塩分成層が形成される頻度や継続期間に依存すると考えられる.塩分成層が形成されやすくなる原因としては,潮汐振幅の減少を通したことによる水柱の鉛直混合エネルギーの減少では説明がむずかしく,むしろ潮流自体の変化によって生じた可能性が指摘される.
著者
田原 遠 田淵 貴大 針原 重義 坂東 徳久栄 井戸 武實
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
榮養學雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.29-38, 2011-02-01
参考文献数
22
被引用文献数
1

【目的】あいりん地域にはホームレス群と,生活保護受給にてホームレスを脱却した群(生保群)が混在している。これら2群の栄養学的特性を調査し,両群共通の問題点ならびに両群間の比較より浮かび上がった問題点を明らかにすることにより,今後必要なサポートについての検討を行った。<br>【方法】2007年9月から2008年2月の間,当院における結核検診受診者を対象に,半定量食物摂取頻度調査法による食事調査を行った。うち,156名のホームレス群と45名の生保群を合わせた201名を本調査の対象者とし,身体計測,採血,食事調査結果の比較を行った。<br>【結果】両群ともに痩せや貧血の者が多い半面,生活習慣病ハイリスク者も存在し,問題が多いことが分かった。両群の摂取量の比較では,ホームレス群において嗜好飲料がより多く,野菜がより少なかった。これら食品群の特徴を調査したところ,この地域には嗜好飲料の自動販売機が非常に多く,他地域より安いため入手しやすいこと,スーパーで主菜類・主食類の惣菜が安価で販売され,相対的に野菜類の惣菜は高価であることが分かった。<br>【結論】両群ともに問題点が多かったが,生保群の方が一部において良好であった。今後,ホームレス脱却のための社会的支援と同時に,嗜好飲料入手環境及びスーパーにおける食環境の整備,並びに栄養教育が重要であると考えられた。
著者
鹿角 契
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.1150_4, 2018

顧みられない熱帯病(Neglected tropical diseases: NTDs)はWHO(世界保健機関)が「人類の中で制圧しなければならない熱帯病」と定義している疾患群のことを指す.デング熱,狂犬病,トラコーマ,ブルーリ潰瘍,トレポネーマ感染症,ハンセン病,シャーガス病,アフリカ睡眠病,リーシュマニア症,嚢虫症,メジナ虫症,包虫症,食物媒介吸虫類感染症,リンパ系フィラリア症,河川盲目症,住血吸虫症,土壌伝播寄生虫症,マイセトーマ,有毒ヘビ咬傷が含まれる.
著者
西山 要一
出版者
奈良大学総合研究所
雑誌
総合研究所所報 (ISSN:09192999)
巻号頁・発行日
no.13, pp.95-104, 2005

日本の古代金銅仏を代表する東大寺盧舎那仏(大仏)は、天平勝寳4年(752)に完成し開眼供養が行われた。しかし、鎌倉時代・治承4年(1180)の平重衡の南都焼き討ちによる東大寺金堂(大仏殿)の炎上と重源による建久6年(1195)の再建、さらに室町時代・永禄10年(1567)の松永久秀の三好三人衆攻めによる再度の金堂炎上と江戸時代・元禄5年(1692)の公慶による再興と、2度にわたる被災と再建を繰り返してきた。大仏は被災のたびに像上部が失われ、再建のたびに消失部分を追加鋳造した結果、現在の大仏は蓮華座から膝までが天平時代、腹部が鎌倉時代、胸から頭部までが江戸時代の造作といわれている。
著者
大川 順也 雲居 玄道 後藤 正幸
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会誌 (ISSN:09187324)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.39-54, 2020

<p>近年,多くの企業で,システムやサービスに関する問合せをオンラインで受け付けるシステム(質問応答システム(Question Answering (QA) systems))が導入されている.この質問応答システムにおいて,Webフォームやメールなどが取り入れられ,電子文書形式で問合せの送信が可能となっている.その際,送られてくる問合せ文書に対する回答文書は人手で作成されているのが現状である.そのため,過去の問合せ・回答履歴データを活用することで,回答文書作成作業の自動化ができると,企業内の業務効率化にとって有益であると考えられる.しかし,問合せ文書の内容は自動対応が可能な案件や,人手による個別対応が必要な案件など,多岐にわたっている.そのため,最初からすべての問合せ・回答文書を学習し,回答文書作成の自動化をすることは困難である.そこで本研究では,問合せ・回答文書の関係性を分析するモデルを構築する.最後に,本手法の有効性を示すために,某大手企業の質問応答システムに蓄積された問合せ・回答文書の実データに対して提案モデルを適用して検証を行う.</p>