著者
豊田 秀樹
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.283-285, 1989-09-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
5
被引用文献数
1

The purpose of this study is to propose the three methods for estimating the reliability coefficient under Item Response model. The first method may be used for the item selection, if the latent trait distribution is assumed to be known. The second method gives the upper bound of the reliability coefficient estimate. By the third method, the estimate of reliability coefficient may be calculated from the two following sample statistics only: the sample mean and variance of the estimated values on the latent trait. Some examples using the Scale for Word Meaning Comprehension (Shiba & Noguchi, 1982) are given as application.
著者
加藤 泰浩 岩森 光 安川 和孝 藤永 公一郎 町田 嗣樹 大田 隼一郎 野崎 達生 高谷 雄太郎
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2020-08-31

本研究は、海洋底の大部分を占める遠洋性粘土をキーマテリアルとして捉え、「化学層序プローブ」を用いて網羅的に解析することで、グローバル環境変動・物質循環のダイナミクスの全容を定量的に解明する研究である。また、有用元素の循環を定量的に議論することで、資源成因の支配プロセスの全体像を解明する。そして、環境変動や資源生成を統一的な枠組みで説明可能な,真に革新的なグローバル物質循環についての統合理論の創成を目指す。
著者
三國 彰
出版者
山口県産業技術センター
巻号頁・発行日
no.22, pp.8-11, 2011 (Released:2014-09-03)

竹林の多い地域では放置竹林の解消と有効利用のための検討を行っている。山口県においても竹の繁茂対策の一環として,竹材の有効利用に関する市場調査を行い,竹材を粉砕して得られる竹粉砕品を用いて,各種資材への応用を検討している。中でも竹繊維の強靭な性質をいかした建材への応用技術は,建材製造企業等からその開発が期待されている。本研究では竹粉砕により得られた竹繊維を断熱材へ応用することを目的として,成形条件及び物性試験の結果,竹繊維を活用した断熱材の作製が可能となった。
著者
工藤 真哉 対馬 伸晃 澤田 善章 斎藤 文匡 本村 文一 高島 徹 古川 利有 鈴木 唯司 黒滝 日出一 増森 二良 渡辺 耕平 稲積 秀一
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.82, no.10, pp.1594-1602, 1991-10-20 (Released:2010-07-23)
参考文献数
15
被引用文献数
2 2

1983年10月より1989年6月までの間に弘前大学泌尿器科で膀胱移行上皮癌と診断定れ, BCG膀胱内注入療法をうけた120症例における副作用をまとめるとともに, 重篤な合併症とBCG投与との関連性について検討を加えた. 局所的には, 頻尿, 排尿痛などの膀胱刺激症状が102例 (85.0%), 血膿尿が46例 (38.3%) だった. 全身的には, 発熱が43例 (35.8%), 血清GOT, GPT値異常が9例 (7.5%), 全身倦怠感が3例 (2.5%) だった. 重篤な合併症としては, 膀胱容量が50ml以下の高度萎縮膀胱が4例に, 難治性関節炎が2例に, 間質性肺炎が1例に認められた. 高度萎縮膀胱の4例ともに, BCG膀注前後に膀胱部分切除術を施行定れており, 3例はBCG膀注回数が10回以上であった. 低膀胱容量状態に加え, BCG膀注回数が多いことが萎縮膀胱の誘因となることが推. 定れた. また, 4例中2例は非可逆性であり, 組織学的には, 筋層の線維化がより高度であったが, 結核性変化は認めず, 可逆性か否かは線維化の程度により決まると思われた. 難治性関節炎の2例ともに, 関節穿刺液の結核菌培養は陰性で, 非特異的炎症反応だった. 重篤な間質性肺炎の1例は, 気管支鏡生検組織において, 肺胞中隔の著明な線維化とリンパ球浸潤を認めたが, 結核性変化は認めず, BCGに対する過敏性反応が病因であると考えられた.
著者
水内 智英 宮田 雅子
出版者
名古屋芸術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

平成30年度は、アクターネットワークセオリーをベースにしたデザイン方法論とその応用のための基礎理論を整理し、同時に実践メッソドの検討を行う期間と定めており、具体的には次のような活動を行った。1.アクターネットワークセオリーへの基礎的理解を得た上で、デザイン理論への展開方法を検討するため、関連文献を選定しそれらを基に研究会を重ね、議論を深めた。加えて、行動心理学や社会学などの関連分野の専門家に対する対談形式でのインタビュー調査を行い、デザイン方法論としての展開可能性について多視点から検討を加えた。2.実践メソッドの検討として必要となる、対象地域と対象課題の設定を行うため、候補として挙げられた地域に赴きフィールドワークを行い、必要に応じて、地方自治体関係者らとの打ち合わせを行なった。それらを通じて、次年度にメソッドの実践・検証を行う地域の選定と研究協力体制について確認することができた。3.国内外でサービスデザインや、多様なアクターを考慮に入れたデザインワークショップを実施し、その成果を研究会に持ち寄り報告・検証することで、実践メソッドの検討を進めた。加えてデザイン論、メディア論、サービスデザイン等を扱う研究会に参加し、本研究に関係する理論と実践の現状を把握した。研究推進に必要な関連基礎理論の理解、基礎的調査・準備は不可欠である。今年度に行なった一連の活動により、本研究の目的であるアクターネットワークセオリーを導入したデザインメソッドの開発とそれを支え得る基礎理論の構築に向けた準備を進めることができた。
著者
関 和俊 石田 恭生 小野寺 昇 田淵 昭雄
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.113-119, 2007

高所において生体は,いわゆる急性高山病(Acute Mountain Sickness ; AMS)症状に悩まされることが少なくない.動脈血酸素飽和度(SpO_2)を簡易に測定ができるパルスオキシメータは,酸素不足と高所順応の状態を的確に把握し,ヘモグロビンの透過率を測定できる機器であり,最近の登山には必要不可欠な装備とされている.富士山は,海抜3,776mの日本最高峰であり,低圧低酸素環境下にある.本研究では,心拍数,SpO_2およびAMSスコアを用い,富士登山における生体変化を明らかにすることを目的とした.被験者は健康な成人男女26名(男性15名,女性11名)であった.登山中の心拍数およびSpO_2の測定にはパルスオキシメータを用いた.AMSスコアの事後アンケート調査を実施した.心拍数は五合目登山前(88.8±11.8bpm;beats per minute)と比較して,富士山頂(101.2±19.3bpm)において有意に上昇した(p<0.05).SpO_2は,五合目登山前(91.4±2.0%)と比較して,富士山頂(82.1±6.5%)において有意に低下した(p<0.05).AMSスコアは「頭痛」および「めまい及び/またはふらつき」に関して山頂時に有意に高値を示した(p<0.05).このことから,富士登山においても心拍数やSpO_2は高所順化の指標となることを示唆する結果となった.また,SpO_2の測定は富士登山における高所順応が順調に獲得されているかどうかを知るための適切な指標であることが示唆された.心拍数,SpO_2およびAMSスコアを用いることによって,富士登山における急性高山病を事前に防ぐことが可能であると考えられた.
著者
永田 千鶴 北村 育子
出版者
一般社団法人 日本地域看護学会
雑誌
日本地域看護学会誌 (ISSN:13469657)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.23-31, 2014-07-31 (Released:2017-04-20)
被引用文献数
1

目的:3つの地域密着型サービスで提供されているケアサービスの現状からその特性と共通するケアサービスを明らかにし,地域包括ケア体制下の地域密着型サービスの機能および今後の課題を明示する.方法:3つの地域密着型サービスにおけるエイジング・イン・プレイスを果たすケアサービスの比較検討により明らかにしたケアサービスの現状を,国が示す地域包括ケアシステムの構築に向けた5つの視点に基づき検討する.結果:3つの地域密着型サービスの共通するケアサービスの特徴としては,1.小規模・小人数・ユニット型による個別ケアが徹底できること,2.地域密着型サービスとして関係する専門機関および専門職,地域・住民,行政と連携してケアサービスが提供されていること,3.家族とのつながりを重視し家族とともにケアを提供していること,4.医療が提供しにくい環境下で何とか工夫や努力をして医療ニーズに対応し,終末期ケア・看取りに取り組んでいること,が挙げられた.結論:地域包括ケア体制下でのエイジング・イン・プレイスを果たす地域密着型サービスは,「介護サービスの充実強化」や「住まいの機能をもつこと」「ネットワークを生かしたケアニーズへのタイムリーな対応」などの重要な機能を担うことが明らかになった.課題としては,医療との連携強化において,地域密着型サービスにおける高齢者への医療提供のあり方を明確にすることが示唆された.
著者
伊関 友伸
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.502-507, 2020-07-01

●新型コロナウイルス感染症(以下,COVID-19)の蔓延は,国が進めてきたこれまでの医療政策に対して大きな変更を迫る.●COVID-19の蔓延に対して,感染症指定医療機関が十分に配置できていない.●これまでの地域医療計画において,新興感染症への対応はほとんど考慮されていない.●感染症専門医の数や医師の集約化のメリットを考えれば,都市部の自治体・公的病院を統合・再編して機能向上を図る必要がある.
著者
塚本 淳 黒田 浩介 深谷 幸信 大野 弘幸
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子学会予稿集 第59回高分子討論会
巻号頁・発行日
pp.4918, 2010 (Released:2012-03-28)

低粘性の極性イオン液体であるリン酸誘導体塩を用いてセルロース、あるいは難溶性ポリペプチド等を溶解させ、イオン液体を移動相とするHPLCを用いてこれらの分子量分布を直接評価した。