著者
毛利 孝 小原 秋穂 小西 一樹 田村 昌士 冨地 信和 石井 宗彦 工藤 国雄
出版者
社団法人 日本呼吸器学会
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.165-171, 1990

呼吸困難, 発熱の症状を示し, 胸部X線像, CT像ではびまん性粒状影を示したハト飼病の一例を報告した. ハト血清とハト排泄物に対する沈降抗体が検出され, 肺生検の病理所見では間質性肺炎の所見が得られた. ハト血清の吸入誘発試験では発熱, 白血球の増加, 肺活量の低下, P<sub>O<sub>2</sub></sub>の低下, CRPの陽性化の所見が得られハト飼病と診断した. BALでは回収細胞数の増加, リンパ球比率の増加が見られ, リンパ球サブセットでは, OKT8陽性細胞, HLA-DR陽性細胞が増加していた. 二重染色によるリンパ球表面マーカーの検索ではHLA-DR陽性細胞のほとんどはOKT8陽性であった. in vitro での末梢血単核球のハト血清添加による幼若化反応は陰性であったがステロイド治療の影響と考えられた. ガリウムシンチグラムでは肺野への集積は認められなかった.
著者
内海 慶 小町 守 町永 圭吾 前澤 敏之 佐藤 敏紀 小林 義徳
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告 (ISSN:18840930)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.4, pp.1-7, 2010-12

我々は,クエリ訂正を統一的に行う手法として,検索クエリログとクリックスルーログを用いたグラフに基づく手法を提案する.提案手法では,クリックスルーログを用いたラベル伝播により,入力されたクエリで検索を行った場合と同一のページに到達するクエリを獲得し,これをクエリの訂正候補とした.次に,獲得した訂正候補に対して,検索クエリログから生成した言語モデルを用いて尤度を計算し,ラベル伝播時のスコアとあわせて候補のランキングを行った.これによって,人手による学習コーパスを必要とせずに,入力されたクエリと高く関連し,かつクエリとして適切な候補をログから抽出できることを示す.In this paper, we propose a new method to refine web search queries. This method is based on a graph theoretic label propagation and uses web search query and clickthrough logs. Our method first enumerates query candidates with common landing pages with regard to the given query. Then it calculates likelihoods of the candidates, making use of language model generated from web search query logs. Finally the candidates are sorted by their scores calculated from the likelihoods and the label propagations. As a result, we are able to extract appropriate candidates from web search query and clickthrough logs, without using hand-crafted training data.
著者
増田 崇 鴨川 久美子 北村 亨 東村 美枝 田平 一行
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.D3O3073, 2010

【目的】腹部外科手術により、肺活量、咳嗽力などの呼吸機能が低下することが知られている。手術後低下した呼吸機能は徐々に回復し、術後一週間で約80%まで回復することが報告されている。これらのことを踏まえ、当院では術前術後の肺活量、咳嗽力を継続的に評価している。今回、術後肺合併症を起こした症例2例を経験し、肺活量の回復過程で合併症を起こさなかった群と特徴的な違いがみられた。術後肺活量の変化をとらえることで肺合併症の早期発見につながる可能性があるのではないかと考えたので、報告する。<BR>【方法】対象:全身麻酔下で待機的に開腹手術を行い合併症を起こさなかった30症例(男性22例、女性8例、平均年齢73.5±7.4歳)と肺合併症を起こした2症例を対象とした。合併症を起こさなかった群をコントロール群とし、合併症を起こした2症例をコントロール群と比較した。コントロール群の診断名は胃癌13例、S状結腸癌3例、直腸癌3例、上行結腸癌2例、下行結腸癌2例、胆管癌2例、腸閉塞2例、総胆管結石、膵頭部癌、胃癌とS状結腸癌の併発がそれぞれ1例ずつであった。合併症を起こした2症例(86歳女性、76歳男性)はいずれも胃癌で、合併症は肺炎であった。<BR>方法:対象者の手術前後に肺活量(vital capacity:VC )及び咳嗽力の指標として咳嗽時最大呼気流速(cough peak flow:CPF)、安静時痛、咳嗽時痛のvisual analog scale(VAS)を測定した。測定は手術前と手術後1日目から9日目までと13日目に実施し、測定に同意した日のみ行い、疼痛や発熱、倦怠感などの理由で対象者の同意を得られない日は測定を行わなかった。<BR>解析方法:術前・術後のVC、CPF、安静時痛、運動時痛を比較した。<BR>【説明と同意】全症例に対しこの検査の意義・目的を説明し同意を得た。<BR>【結果】<BR>1)術前値の比較<BR> コントロール群の術前値はVC:2652±738ml、CPF:297±110L /minであった。症例1は術前VC:2200ml、CPF:300 L/min、症例2はVC:3750ml、CPF:350L /minと大きな違いは見られなかった。年齢は平均よりも高齢であった。<BR>2)VC、CPF、疼痛の経過の比較<BR> コントロール群のVC・CPF・疼痛の経時的変化(理学療法学35巻7号,p308~312)は術前値に対するVCの回復率で術後1日目には47.8%まで低下し、9日目で85.5%まで順調に回復した。一方CPF回復率は術後1日目に46.4%まで低下し、9日目で90.5%、13日目では90.7%まで順調に回復した。疼痛は術後1日目に大きく上昇しその後徐々に低下する傾向があった。<BR>症例1:86歳女性、胃部分摘出術施行術後12日目に肺炎と診断。(前日)11日目の理学療法施行時、それまで順調に回復していたVCが低値となっていた(術後8日目1970ml→11日目1260ml)。CPFも術後8日目310L/min→11日目280L/minと若干低下した。翌12日目胸部X-P撮影後肺炎と診断された。<BR>症例2:76歳男性、胃全摘出術施行、術後7日目に肺炎と診断。(前日)6日目理学療法施行時、それまで順調に回復していたVCが低値となっていた(術後5日目2600ml→6日目2200ml)。CPFは術後5日目225L/min→6日目230L/minと大きな変化は見られなかった。翌7日目胸部X-P撮影後肺炎と診断された。疼痛は2症例ともコントロール群と大きな違いは認められなかった。<BR>なお肺炎は医師によりレントゲン所見、発熱、自覚症状などによって診断された。<BR>【考察】今回の2症例は術前の呼吸機能検査では異常値は示しておらず、術前の段階で呼吸器合併症を予測することは困難であった。一方、VC、CPFは、コントロール群の術後のトレンドと比較すると症例1、症例2共に肺炎の診断がつく前にVC回復率が低下する傾向が見られた。特に症例2では発熱の症状が発現する前にVC回復率の低下が確認できた。VCの変化が肺炎の症状の発現とほぼ同時期あるいはそれより前に見られたことから術前から継続して評価を行うことで発症を感知できる可能性が推察される。このVCの低下は、肺炎により一部無気肺を起こししたことなどが原因として考えられた。一方で咳嗽力の指標となるCPFは特徴的な変化を示さず、肺炎を感知するには適さないと考えられた。しかし、症例1、2共に肺炎の発症時には感染時に去痰不全になる可能性があるとされる270 L/minを下回っており、去痰不全を引き起こしていることが伺えることから、CPFの測定は去痰不全のリスクを管理する上では有用な検査であると考える。<BR>【理学療法学研究としての意義】本症例報告では、ベッドサイドで比較的簡便な方法で術後の肺合併症を早期に感知できる可能性が示唆された。非侵襲的な検査であり、比較的容易に測定できることから、今後症例を重ね、一定の傾向が確認できれば術後肺合併症を疑う上での指標の一つになるのではないかと考える。
著者
久保田 耕平 渡邉 花奈 川上 華子 深津 武馬 棚橋 薫彦
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.129, 2018

<p> クワガタムシ科の雌成虫は腹部末端付近に菌嚢を持ち、その中に種々の微生物が存在することが明らかになっている。中でも白色腐朽材食性のクワガタムシは分類群に特異的なキシロース発酵性の共生酵母(<i>Scheffersomyces</i>属)を保持している。 演者らは、日本産ルリクワガタ<i>Platycerus</i>属全10種15分類群の各地の個体群から共生酵母を分離した。ルリクワガタ属の遺伝的距離と共生酵母の遺伝的距離をpartial Mantel testによって比較したところ、ホストのクワガタの遺伝的距離および共生酵母の遺伝的距離はそれぞれ産地の地理的距離と有意に相関していた。また、地理的距離の影響を除去すると、共生酵母の遺伝的距離とホストのクワガタの遺伝的距離は有意に相関していた。また、クワガタの系統樹と共生酵母の系統樹は完全に一致しているわけではなかった。これらのことから、日本産ルリクワガタ属とその共生酵母は、完全ではないものの、共進化していることが明らかになった。本講演ではこれらの進化プロセスやその要因に関する仮説を解説する。</p>
著者
村主 朋英
出版者
愛知淑徳大学図書館情報学会
雑誌
Journal of library and information science (ISSN:0915101X)
巻号頁・発行日
no.10, pp.55-65, 1997-03-31
被引用文献数
1

1 0 0 0 OA On Poetry

著者
Hearn Lafcadio
出版者
Hokuseido Press
巻号頁・発行日
pp.1-750, 1934-09-26

Lafcadio Hearnが帝国大学(現,東京大学)で行った講義をまとめた講義録。Hearn没後,受講学生の複数のノートから友人Mitchell McDonaldの手によりタイプ打ちされ,米国の出版社から出版された。後に,当時,ヘルン文庫のあった旧制富山高等学校の西崎一郎教授が,ヘルン文庫所蔵の資料を基に作品の引用部分などを校正し,北星堂から出版されたもの。
著者
山田 泰基 Daniel Gabriel 糸山 克寿 西田 健次 中臺 一博
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.115-116, 2019-02-28

本研究では, 複数の移動機体に搭載された複数マイクロホンアレイによる移動音源の 3 次元軌跡推定手法について検討する. 単独のマイクロホンアレイでは音源方向のみ推定可能で,音源位置の推定は困難である.複数マイクロホンアレイを用いることで三角測量に基づく音源位置の推定が可能になり,さらに複数の移動機体を用いることでロバストな移動音源軌跡が可能になると期待される.各マイクロホンアレイから得られた音源方向より音源位置の候補点を算出し,各候補点に重みをつけながらUnscented Kalman Filterを適用することで移動音源軌跡を推定する.数値シミュレーションによる検証では,提案手法の推定誤差は0.1[m]以下であることが確認された.

1 0 0 0 OA 世間胸算用

著者
井原西鶴 著
出版者
米山堂
巻号頁・発行日
vol.巻1, 1942