著者
相馬 隆
出版者
史学研究会 (京都大学文学部内)
雑誌
史林 = THE SHIRIN or the JOURNAL OF HISTORY (ISSN:03869369)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.538-559, 1970-07-01

個人情報保護のため削除部分あり
著者
橋爪 伸子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.18, pp.4, 2006

<BR>[目的] 牛蒡餅は今日和菓子として一般的なものではないが、江戸時代には寛永20年(1643)の『料理物語』を初め諸料理書に散見される。それによれば牛蒡餅は、糯米粉、粳米粉と煮熟した牛蒡を混ぜて作った生地を、揚げた後蜜または煎じ砂糖に浸けるという菓子である。この揚げて蜜に浸けるという特徴的な調理法は、日本古来の菓子には一般的ではなく、異国の菓子にみられることから、牛蒡餅の起源も伝来菓子の可能性がある。しかしながら、その由来についてはこれまで追求されてこなかった。そこで本報では、牛蒡餅の起源や実態について検討することを目的とする。<BR>[方法] 牛蒡餅の記述がみられる料理書、諸記録等による文献調査に加え、唯一牛蒡餅が現存する長崎県平戸で、製造業者へ聞き取り調査を行った。<BR>[結果] 牛蒡餅の起源と考えられる菓子は二つあり、いずれも江戸時代以前に伝来した異国の菓子で、揚げて蜜に浸けるものである。一つは南蛮菓子ひりょうずの根源とされる「フィリョス」、もう一つは朝鮮菓子「薬果」である。後者は日本では「くわすり」等と記され、安土桃山から江戸時代初頭にかけて饗応や茶会等で用いられた。<BR> 牛蒡餅の製法が収録されている主な料理書は、上記『料理物語』のほか、元禄2年(1689)の『合類日用料理指南抄』等比較的初期のもので、その後享保3年(1718)以降に刊行された『御前菓子秘伝抄』を初めとする菓子製法書にはみられないことより、この頃には次第に衰退の途にあったと考えられる。一方、元禄16年(1703)の『筑前国続風土記』では、牛蒡餅が筑前博多の土産にあげられていることから、牛蒡餅の消長には地域差があったことが考えられる。
著者
大島博
雑誌
Osteoporosis Jpn.
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, 2001
被引用文献数
1
著者
太田 茜
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.237-244, 2008 (Released:2010-07-29)

雑誌は当時の生活を知る手がかりになるものであり、婦人雑誌に掲載されている多くの衣服についての記事や広告から当時の衣生活を考えることができる。雑誌には想定された読者層が存在しており、同じ国の同じ時代に発行された雑誌であっても読者層が違えば誌面にみられる衣服が異なることが考えられる。そこでアメリカで19世紀末に発行されていた婦人雑誌2誌を比較し、服の種類や入手方法、価格などに違いがないかを検討した。資料は現在もアメリカで発行されているファッション誌『ヴォーグ』と『ハーパース・バザー』を使用した。結果として『ヴォーグ』と『ハーパース・バザー』には共通点がいくつかあるものの、それぞれの雑誌の特徴がみられた。『ヴォーグ』の方がより上流階級の人々を読者として想定した社交界に関する記事やファッションが多くとりあげられており、『ハーパース・バザー』の方が実用的な記事が多くみられた。同じような階級の女性の中にも細かい違いがあり、それにもとづいたアメリカの女性の生活レベルが雑誌の誌面にも反映されていたといえる。
著者
徳永 貴志
出版者
和光大学社会経済研究所
雑誌
和光経済 = Wako Keizai (ISSN:02865866)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.39-46, 2014-02

La revalorisation du Parlement portée par la révision constitutionnelle de 2008 a réalisé l'émancipation de la majorité parlementaire. Dans le même temps, cette révision pourrait accroître le rôle de la minorité et l'opposition dans le travail législatif, par l'assouplissement des mécanismes du parlementarisme rationalisé et le renforcement de l'influence des commisions dans la construction législative.
著者
坂口 三佳 末永 えりか 川口 幸治
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.106-111, 2019

<p>毛髪は熱,紫外線,摩擦など外的ダメージを日常的に受けており,シャンプーやコンディショナーなどの毎日のヘアケアでダメージを防止することが求められている。シャンプーにカチオン性ポリマーを配合することにより,洗髪時にシャンプー洗浄成分とカチオン性ポリマーの複合体(コアセルベート)が形成され,すすぎ時の髪のきしみ感が低減されることが知られている。特に,近年注目されている"ノンシリコーンシャンプー"ではシリコーンの代わりにコンディショニング効果を担うためカチオン性ポリマーが配合されているが,シリコーン配合シャンプーと比較して洗い流し時にきしみを感じるといった声がいまだ多い。一方,シャンプー後のコンディショナー塗布時には毛髪表面に残存したコアセルベートの電荷が正の方向になるため,電荷反発でコンディショナーが付着しにくいといった問題がある。これらを解決すべく,疎水基を有する新規ポリマーを設計し,毛髪に対する効果を動摩擦係数や接触角などを測定することによりシャンプーすすぎ時のみならず,シャンプー後に使用するコンディショナーの効果も向上させることができる新規カチオン性ポリマーを開発したので報告する。</p>
著者
加藤 孝明 塩崎 由人
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.283-287, 2020-07-01 (Released:2020-08-20)
参考文献数
4

2019 年7 月,東京都葛飾区から「浸水対応型市街地構想」1)が公表された.この構想は,東京の海抜ゼロメートル地帯の広域高密市街地での大規模水害への備えという意味だけではなく,気候変動への市街地の適応という意味でも画期的な構想である.著者らのグループは,2004 年頃から民・学・官が協働した大規模水害に備えるまちづくり活動をすすめ,「広域ゼロメートル市街地」における大規模水害への備え,気候変動への適応について議論を重ねてきた.本稿では,葛飾区構想のもととなった考え方を解説するとともに,その実現に向けた課題を列挙する.
著者
松野 寿生 田中 敬二
出版者
一般社団法人 日本ゴム協会
雑誌
日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.87, no.10, pp.434-439, 2014 (Released:2015-04-29)
参考文献数
18

The adhesion of L929 fibroblast on polymer bilayers composed of a glassy polystyrene (PS) prepared on the top of a rubbery polyisoprene (PI) was examined. Since the top PS layer is not built on a glassy foundation, the system becomes mechanically unstable with decreasing thickness of the PS layer. When the PS film was thinner than 25 nm,the number of cells adhered to the surface decreased and the cells could not be well spread. Fluorescence microscopic observations revealed that the formation of F-actin filaments in cells attached to the bilayers was more pronounced with a thicker PS film than with a thinner one. On the other hand, the thickness dependence of the cell adhesion was not observed for the PS monolayer films. Taking into account that the amount of adsorbed protein molecules was independent of the PS layer thickness of the bilayer films, our results indicate that cells, unlike protein molecules,could sense mechanical properties derived from the deeper region of the scaffold.
著者
Yuka Adachi Masao Inoue Takashi Yoshida Yoshihiko Sako
出版者
Japanese Society of Microbial Ecology / Japanese Society of Soil Microbiology / Taiwan Society of Microbial Ecology / Japanese Society of Plant Microbe Interactions / Japanese Society for Extremophiles
雑誌
Microbes and Environments (ISSN:13426311)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.ME20101, 2020 (Released:2020-10-22)
参考文献数
22
被引用文献数
1 8

The metabolic engineering of carbon monoxide (CO) oxidizers has the potential to create efficient biocatalysts to produce hydrogen and other valuable chemicals. We herein applied markerless gene deletion to CO dehydrogenase/energy-converting hydrogenase (CODH/ECH) in the thermophilic facultative anaerobe, Parageobacillus thermoglucosidasius. We initially compared the transformation efficiency of two strains, NBRC 107763T and TG4. We then disrupted CODH, ECH, and both enzymes in NBRC 107763T. The characterization of growth in all three disruptants under 100% CO demonstrated that both enzymes were essential for CO-dependent growth with hydrogen production in P. thermoglucosidasius. The present results will become a platform for the further metabolic engineering of this organism.
著者
片岡 真吾 川内 秀之
出版者
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.103-111, 2010-10-30 (Released:2010-12-10)
参考文献数
19

小児において頸部腫脹をきたす疾患はリンパ節病変のほか,先天性の嚢胞性疾患や脈管性疾患が多い。われわれが経験した3症例(川崎病,下咽頭梨状陥凹瘻,嚢胞性リンパ管腫)を提示し,診断および治療上の問題点を検討した。川崎病の症例は,抗菌薬投与で改善されず,γグロブリン製剤とステロイド薬の併用投与で治癒した。下咽頭梨状陥凹瘻の症例は,診断の遅れから深頸部感染症を生じてから受診した例であった。嚢胞状リンパ管腫の症例は,他院で手術後再発をきたした症例であり,当科で再手術を行いその後経過良好である。嚢胞状リンパ管腫やがま腫などの嚢胞性疾患は,外科的摘出術だけでなく,近年はOK-432による硬化療法も有効であるとの報告もあり,十分検討のうえ治療法を選択する必要がある。