著者
Kazuaki Yoshinaga Fumiaki Beppu Yoshio Yamatani Atsushi Kubo Aya Yoshinaga-Kiriake Toshiharu Nagai Akihiko Yoshida Jota Kanda Naohiro Gotoh
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
Journal of Oleo Science (ISSN:13458957)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.591-598, 2019 (Released:2019-06-06)
参考文献数
30
被引用文献数
5

Fatty acids in triacylglycerol (TAG) are catabolized after digestion. However, the catabolic rates of several fatty acids bound to the α (sn-1, 3) or β (sn-2) position of TAG have not been thoroughly compared. In this study, the catabolic rates of 13C-labeled palmitic acid, oleic acid, linoleic acid, α-linolenic acid, eicosapentaenoic acid (EPA), or docosahexaenoic acid (DHA) bound to the α and β position of TAG were compared using isotope ratio mass spectrometry. The catabolic rates of the studied fatty acids were evaluated using the ratio of 13C and 12C in carbon dioxide expired from mice. The results indicated that palmitic acid, oleic acid, or α-linolenic acid bound to the β position was slowly catabolized for a long duration compared to that when bound to the α position. In contrast, EPA bound to the β position was quickly catabolized, and EPA bound to the α position was slowly catabolized for a long time. For linoleic acid or DHA, no difference in the catabolic rates was detected between the binding positions in TAG. Furthermore, EPA and DHA were less catabolized than the other fatty acids. These results indicate that the catabolic rates of fatty acids are influenced by their binding positions in TAG and that this influence on the catabolic rate differed depending on the fatty acid species.
著者
廖 若辰 守脇 幸佑 槇原 靖 村松 大吾 武村 紀子 八木 康史
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:21888701)
巻号頁・発行日
vol.2019-CVIM-218, no.17, pp.1-6, 2019-08-28

体組成は健康状況を把握するための重要な指標である.体脂肪率や体水分率,筋肉量などを把握することにより,肥満や生活習慣病の予防や改善が可能になり,現代社会における健康維持のためにその必要が増しつつある.市販の体組成計の多くは,生体電気インピーダンス分析法を用いるものが多く,正確な結果を出せる一方,設備が高価という問題点がある.また一人ずつしか計測できないため,多人数を効率よく計測するには不向きである.そこで,本研究では,多人数を効率よく計測するための,歩行映像解析による体組成推定を試みる.具体的には,歩行映像から抽出するシルエットに基づく特徴表現である歩容エネルギー画像 (Gait energy image, GEI) を入力,各体組成の値を出力とする畳み込みニューラルネットワーク (Convolutional neural network,CNN) を構成し,被験者の歩行映像から抽出した GEI と市販の体組成計で計測した体組成の値の組を学習データとして,ネットワークパラメタを学習する.ここで,体組成を計測できる被験者数には限りがあることから,CNN を適切に学習することが困難となる.そこで,まず,大規模歩行映像データベースから抽出した GEI を入力,同データベースから抽出可能な,体組成と関連性のありそうな歩容個性 (腕振りの大きさや歩幅) を出力とする CNN を事前学習する.次に,事前学習されたパラメタを持つ中間層までのネットワークに対して,いくかの層を追加した,即ち,構造的に成長させたネットワークの出力に体組成値を設定し,ネットワークのファインチューニングを行うことで,限られた体組成の学習データからでも効果的に学習可能なことを示す.実験では,体組成の学習データのみを用いた,サポートベクター回帰や CNN による推定手法と比較して,提案手法が高い精度を得られることを確認した.
著者
渡邊 洋一
出版者
歴研
雑誌
歴史研究 (ISSN:02875403)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.72-75, 2019-04
著者
峯苫 俊之 十代田 朗 津々見 崇
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.43.3, pp.607-612, 2008-10-25 (Released:2017-01-01)
参考文献数
13

本研究は、軽井沢町の観光地・リゾートの成熟段階を対象としている。まず、研究の手法としては、「信濃毎日新聞」の記事を資料として、様々な論点別に論議を整理する。それを基に完成・安定段階の特徴を把握する。そして完成・安定段階後の将来像形成に関する知見を得ることを目的とする。分析結果として、1)完成・安定段階は、「観光スタイル」「別荘地・別荘所有者」「商店街」など論点・論調によって細かく時期区分することができる。2)別荘地・別荘所有者が論議を引き起こす要因となる。しかし一方で、戦前の別荘地を原点とした将来像を描くに至っている。
著者
吾郷 真司 田中 照剛 横手 達夫 東田 賢二 小野寺 龍太
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.34-39, 2003 (Released:2008-04-24)
参考文献数
1

This study aims to give a mechanical explanation to manufacturing of metal (silver) foil in a traditional Japanese way in which the foils are put between Japanese papers and forged. It was clarified by forging tests carried out at various forging pressures that the forging pressure necessary for manufacturing silver foil is about 30 MPa, which is equal to one-tenth of the yield stress in a 90% rolled specimen. The test also showed that the plastic elongation of foil is of the order of 0.1% per forging (pressure is 30 MPa). This result suggests that the foil is not stretched by forging pressure, but by frictional tensile stress applied to the foil by the Japanese paper. Another test to measure the elastic property of paper showed that the Japanese paper was elongated by 0.5∼0.6% in the paper plane when it was compressed in the vertical direction at the pressure of 30 MPa. Considering the elastic strain of foil, the value of 0.5∼0.6% agreed well with the plastic elongation of foil of 0.1%. The forging tests also showed that the lower limit of foil thickness is dominated by the ability of paper not to adhere to the silver foil (removability); for example, it was 1 μm for some papers, but 0.4 μm for others.

1 0 0 0 OA 古着について

著者
松本 幸子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.237, 2015 (Released:2015-07-15)

■目的 古着の意味は、過去に着用されたことのある服飾品の総称である。古着は他の人と違う個性あるファッション表現と格安であることから、若者の間で着用する人が増えている。現在どのような古着が売れているかを店舗商品の傾向と若者の古着に対する意識を調査し、どの程度取り入れられているかを明らかにすることを目的とする。■方法 現在古着の店舗がたくさんあると言われている中で、高円寺、下北沢、原宿、中目黒、町田、渋谷が古着店舗の地域が有名とされている。そこで今回は、高円寺と下北沢に加え、地元である町田の店舗調査を行った。方法として、店内のコーディネートとそれぞれのお店の特徴と売れ筋商品の聞き取り調査を行った。更に古着に対しての意識調査をアンケート調査よって収集し検討することとした。■結果 店舗調査の結果、高円寺店舗は、チェック柄やギャザー、フリルなどの可愛い系が目立ち、下北沢店舗は、ビックシルエット系が多く、町田店舗は、あまり特徴がなかった。共通点として挙げられるのは、重ね着とロング丈のスカートが多いことであった。アンケート結果では、古着のイメージとして、1・2・3位は「個性的である」・「安い」・「オシャレ」となった。他の選択肢であった「着こなすのが難しい」「古ぼけている」といったマイナスイメージはとても少なく、古着に対するイメージはプラスのものが多く、日常生活に活用されている割合が多いことがわかった。
著者
Yoshito OHNO Yuichiro AKUNE Yasuo INOSHIMA Rui KANO
出版者
JAPANESE SOCIETY OF VETERINARY SCIENCE
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
pp.18-0749, (Released:2019-10-11)
被引用文献数
7

Pulmonary mycosis is a fungal disease that commonly affects bottlenose dolphins (Tursiops truncatus) and is generally treated by the oral administration of azoles, such as itraconazole (ITZ) and voriconazole (VRZ). However, antifungal susceptibility testing of clinical isolates has not been well performed as a routine clinical examination in aquaria. In this study, we collected fungal species from the blowholes of 14 bottlenose dolphins, of which 12 were treated with ITZ or VRZ. All dolphins were housed in the Port of Nagoya Public Aquarium. The fungal species Candida albicans, C. tropicalis, C. glabrata, Aspergillus fumigatus, and A. niger were isolated. E-tests were performed to determine the minimum inhibitory concentrations (MICs) of ITZ and VRZ on these isolates. VRZ-resistant C. tropicalis (MIC: >32 μg/ml) and A. niger (MIC: >32 μg/ml) were isolated from three dolphins treated with ITZ or VRZ. Additionally, azole-resistant isolates of C. albicans and C. glabrata were collected from two dolphins that had never received azole therapy. To the best of our knowledge, our study is the first to report the isolation of VRZ-resistant C. albicans, C. tropicalis, and A. niger from the blowholes of bottlenose dolphins. Thus, antifungal susceptibility testing is a crucial strategy for selecting antifungal agents to treat respiratory fungal infections in bottlenose dolphins in aquaria.

1 0 0 0 OA 三味線の伝来

著者
津田 左右吉
出版者
東洋文庫
雑誌
東洋学報 = The Toyo Gakuho
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.84-89, 1912-01
著者
王 一令 鷲尾 純一 Wang Yi-Ling Washio Junichi
出版者
筑波大学心身障害学系
雑誌
心身障害学研究 (ISSN:02851318)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.7-19, 2002-03
被引用文献数
1

本研究の目的は、日本語を母語とする聴覚障害児の韻律知覚能力を調べることである。そこで、2モーラ単語アクセントと2語文イントネーション(肯定/疑問)を用いて、弁別テストと識別テストを含む検査用バッテリを新たに開発した。これらの検査を東京都と千葉市にある小学校きこえの教室に通級する児童16名を対象に実施した。主な結果は、以下の通りである。1)アクセント、およびイントネーションの知覚能力と平均聴力レベルとの相関に関しては、中程度から高い負の相関(r=-0.494~-0.778)が認められた。平均聴力レベルが91dB以上(WHO の分類による最重度)であれば、アクセントとイントネーションの知覚は困難になることが示唆された。2)アクセント、およびイントネーションの知覚能力と語音明瞭度との相関に関しては、高い正の相関(r=0.694~0.966)が認められた。語音明瞭度が80%以上であれば、アクセントとイントネーションの知覚はより高いレベルになることが示唆された。
著者
喜屋武 睦 濵田 豊彦 澤 隆史
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.317-325, 2017

<p>本研究では聴覚障害児の韻律情報の活用について発話と聴取の両面から検討を行った.対象児は関東地方の聴覚特別支援学校および難聴通級指導教室に通う聴覚障害児31名(平均聴力レベルの平均86.2 dBHL(SD=23.4))である.各対象児に対し2通りの意味解釈が可能な統語的曖昧文をそれぞれの意味で発話させた.その発話についての聴者による韻律情報の活用の程度に関する聴覚印象評価(韻律明瞭度)に影響を与える音響成分(F<SUB>0</SUB>やポーズなど),韻律明瞭度と聴力レベルとの関係について,そして発話および聴取による韻律活用との関係について検討を行った.その結果,統語的曖昧文の言い分けにはF<SUB>0</SUB>とポーズの変化が関係していること,韻律の言い分けには低周波数帯(250 Hz)の聴力レベルが関係すること,また,平均聴力レベル90 dBHLが境界値となることが示された.聴取可能な音響成分によって聴覚障害児なりにF<SUB>0</SUB>やポーズを駆使して統語境界を発話のなかで明示していることが示された.</p>
著者
湯浅 哲也 加藤 靖佳 板橋 安人 YUASA Tetsuya KATO Yasuyoshi ITABASHI Yasuto
出版者
筑波大学特別支援教育研究センター
雑誌
筑波大学特別支援教育研究 (ISSN:1883924X)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.1-8, 2018-03

本研究は,重度聴覚障害児の発話にみられる発話速度およびピッチを取り上げて,その韻律的特徴の変化を縦断的に究明していくことを目的としている。今回は,重度聴覚障害児1名を対象に,小学部3年,小学部6年,高等部3年の3時点において,「せつぶん」の音読を実施した。その音読された発話音声の発話速度とピッチを音響的に測定し,各段階および健聴者との比較検討を行った。その結果,発話速度は小学部3年時点に比べ高等部3年時点になると速くなることが示された。ただし,小学部6年時点は小学部3年時点より速度低下が認められた。その要因として,①発話材料の内容を熟考しながら音読したため,②発音要領を明瞭に意識して読もうとしたため,結果的にゆっくりになったと考えられた。また,ピッチに関しては,年齢が上がるにつれて下がっており,高等部3年時点では健聴女性と近似したピッチを示すことが明らかになった。
著者
濱田 豊彦
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.341-350, 2010-10-20
参考文献数
18
被引用文献数
1

韻律情報は,文字には含まれない音声言語特有の特徴であることから,その弁別には,日常生活のなかでみずから聴覚を活用し,獲得していくことが求められる.したがって韻律の獲得は聴覚活用の指標になると考えた.そこで本研究では,聴覚障害児64名を対象にアクセントとイントネーションの聴取弁別課題を行い,聴力レベルとの関係から検討した.<br>その結果,平均聴力レベルでは,イントネーションは約85dBHL以下の者のほとんどが有意な弁別が可能であったのが,アクセントでは約70dBHL以下と難聴が軽い者でないと聴取弁別できなかった.したがってアクセントよりもイントネーションのほうが重度の聴覚障害児でも聴取弁別が可能であることが示唆された.このことは,イントネーションがアクセントよりも多様な音響信号を含み,持続時間の変化など,より重度な聴覚障害児においても活用が可能な信号を含んでいることを意味すると推察された.