著者
池ノ谷 匡祐 Kyosuke IKENOYA
出版者
早稲田大学史学会
雑誌
史観 (ISSN:03869350)
巻号頁・発行日
vol.173, pp.1-27, 2015-09
著者
岡部 一明
雑誌
東邦学誌 = Journal of Aichi Toho University (ISSN:02874067)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.21-44, 2006-06-30
著者
谷原 秀信
出版者
日本眼科学会
雑誌
日本眼科学会雑誌 (ISSN:00290203)
巻号頁・発行日
vol.122, no.9, pp.675-684, 2018-09
著者
櫻井 美佳
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

アトピー性皮膚炎、掌蹠膿疱症、関節リウマチおよびクローン病等の慢性炎症性疾患において、血清ビオチン値の低下やビオチン投与による症状の改善が報告されているが、ビオチン代謝がこれらの疾患発症にどのように関わるのか、その機構は殆ど明らかにされていない。当研究室の先行研究により、血清ビオチン値とスギ花粉症の発症との間に有意な相関が見られていることから、本研究ではスギ花粉症のモデルマウスやヒト鼻粘膜培養細胞の炎症モデルを用いて、ビオチンが炎症性サイトカイン、ケモカイン、MMPの発現、分泌にどのように関与するのかそのメカニズムを明らかにすることを目的としている。昨年度までに、アジュバントを用いずに花粉症を誘導するマウスモデル系を確立したが、本年度は、4週齢より約2ヶ月間通常あるいはビオチン除去飼料により飼育したマウスに対して花粉症を誘導し、ビオチンの有無がその症状や分子病態に与える影響を解析した。その結果、精製スギ花粉抗原 Cry j1の局所感作による鼻かきの症状はビオチン(+)と比較してビオチン(-)の方が高い傾向が見られたが、ビオチン(-)についてはPBSでも鼻かきを起こす個体が見られたことから、SPFでない飼育環境では、ビオチンの除去そのものがアレルギー性疾患の発症に関与する可能性が考えられた。現在、鼻粘膜細胞におけるサイトカイン(IFN-gamma、IL-5、IL-4)の遺伝子発現や免疫組織学的解析により好酸球浸潤を検討している。
著者
David Lambert
出版者
Japanese Educational Research Association for the Social Studies
雑誌
社会科研究 (ISSN:0289856X)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.1-11, 2014-11-30 (Released:2017-07-01)

This paper argues that curriculum thinking in education has been enormously influential on selecting what is taught and learned in geography classrooms. Although this may appear to be self-evident, we are reminded that in the UK at least the idea of curriculum only really emerged in geography educational thought in the last quarter of the twentieth century. During this time curriculum thinking in schools has managed to cement the importance of 'aims'. This paper argues that although beneficial in many ways, aims-led curriculum planning and development has arguably been somewhat careless with knowledge, and has even undermined the place of knowledge in the classroom. The paper argues for a re-emphasis on knowledge-led curriculum making, as one of the cornerstones of genuine progressive educational practice. It introduces the possibility of a capabilities approach as a heuristic to connect and reconcile aims-led and knowledge-led curriculum thought and action.
著者
萩原 崇貴 八木 勲 鈴木 紀久子
雑誌
第80回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.751-752, 2018-03-13

現在日本では,学校でのいじめが大きな問題となっている.これまでにマルチエージェントシステムを用いて効果的ないじめ対策法を検討した研究がある.先行研究ではいじめ当事者のみに着目していたが,実際にはいじめを見て見ぬふりをする「傍観者」や,いじめを止めようとする「仲裁者」も存在し,実証研究では仲裁者がいじめ問題解決の鍵を握っていると言われている.そこで本研究では,いじめ当事者ら以外に傍観者と仲裁者も考慮にいれた実験環境をマルチエージェントシステムにて構築し,いじめ対策行動の一つである「出席停止」の効果を検証した.その結果,仲裁者が存在することで,いじめ被害が軽減されることがわかった.
著者
西尾 成子
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.253-258, 2002

ノーベル賞は,スウェーデン生まれのアルフレッド・ノーベルの遺志に基づいて創設された。1901年第1回の物理学賞受賞者はレントゲンであった。レントゲンは,1895年,希薄気体放電(真空放電)と陰極線の研究をしているときに,エックス線を発見した。この発見は現代物理学の幕開けを告げるものとなった。
著者
神戸 嘉一 鈴木 莊介 矢部 辰男 中田 勝士 前園 泰徳 阿部 愼太郎 石田 健 谷川 力 橋本 琢磨 武田 美加子 土屋 公幸 吉松 組子 鈴木 仁
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.289-299, 2013 (Released:2014-01-31)
参考文献数
44

クマネズミはthe Rattus rattus species complexとも称され,複数の種からなる種複合体である.日本には古くに移入した東アジア地域起源のRattus tanezumi(2n=42)に加え,新規に移入したインド地域が起源のR. rattus(2n=38)の2系統が存在する.本研究ではこれらクマネズミ系統の日本列島における分布および移入の歴史を把握することを試みた.毛色関連遺伝子Mc1r(954 bp)をマーカーとし,奄美大島産を含む36個体の塩基配列データを新規に収集し,既存の配列データと合わせ,日本列島の17地点,さらに比較対象として用いたパキスタン産を含め,総計133個体のデータを基に系統学的解析を行った.その結果,小樽,小笠原諸島および東京の3地域でR. rattus型が認められ,これらの地点ではR. tanezumi型とのヘテロ接合体も存在した.これらの結果から,既存系統への浸透交雑が一部の市街部,港湾部および離島で進行している実態が明示された.一方,琉球列島の自然林では,R. rattus型のMc1rハプロタイプは認められなかった.これは,新たな外来系統R. rattusの定着や浸透交雑を起こさない何らかの要因が存在する可能性を示唆する.琉球列島には独自のMc1r配列の存在も認められ,他地域とは遺伝的に分化した集団として位置づけられる可能性も示唆された.
著者
河内 良弘
出版者
天理大学学術研究会
雑誌
天理大学学報 (ISSN:03874311)
巻号頁・発行日
vol.25, no.6, pp.1-27, 1974-03
著者
谷口 隆晴
出版者
神戸大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究では,ハミルトン偏微分方程式に対するエネルギー保存型数値解法を導出する新たなフレームワークを提案した.提案したフレームワークでは,エネルギー保存型数値解法は方程式を定めるラグランジアンの時間対称性から導出される.この方法は既存の方法と比べ,様々な対称性を用いることで他の保存量を保存する数値解法を導出できるなど,応用範囲が広い.また,このフレームワークの拘束をもつ系への拡張や,局所保存則を保った数値解法の導出法の創出,離散微分形式の理論との連携なども行った.
著者
岩瀬 由佳
出版者
東洋大学社会学部
雑誌
東洋大学社会学部紀要 = The Bulletin of Faculty of Sociology,Toyo University (ISSN:04959892)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.41-51, 2018-12

本稿では、旧イギリス植民地、トリニダード=トバゴ出身のアフリカ系カリビアン作家、Elizabeth Nunez による自叙伝、『普段使いではなく』(Not for Everyday Use 2014)に着目し、彼女の自伝的作品に内在する文学的カウンターアプローチの戦略的手法を読み解いた。 はじめにLisa Brown の「カリブ海地域の文学において自伝形式の作品が非常に重要な働きを担い、カリブ海地域出身の作家たちが自伝という文学様式を通じて自己表現を行ってきた」という指摘から論を発し、Michelene Adams やDrucilla Cornell らの論を援用しながら、特に、長らく植民地主義と家父長制に抑圧されてきたカリブ海地域出身の女性らにとって、自伝という表現形式がいかに自らのエンパワーメントを主張する上で有効な手段であり得てきたのかについて論じた。 次に、「ある程度、すべての小説はカモフラージュされた自伝である」と述べるElizabeth Nunez作品における「家族」、特に「母親」との関係性について、Amy Reyes らとのNunez 自身のインタビュー記事をもとに、自叙伝を執筆するに至る経緯、また本作と彼女の自伝的小説との差異、また作家のプライバシー問題等に関しても論を展開した。 最後に、劇的な社会的地位上昇を遂げたNunez 家のファミリーヒストリーをたどりながら、そこから表出されるイギリス植民地における「カラーカースト」と階級意識の問題、女性の社会的抑圧、教育と社会的地位の相関性、さらにはNunez 自身がアメリカで体験した人種差別と移民が直面する現実など、個人的で内的な語りであるはずの自伝という表現形式が、公共的かつ共感性をもって読者に投影され、触発的な相互関係を生み出しえる可能性を提示した。
著者
小林 健太 土屋 卓也 渡部 善隆 劉 雪峰 高安 亮紀
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

平成29年度において得られた成果は以下の通りになります。小林健太(代表者)および土屋卓也(分担者)は非適合有限要素法の誤差評価について研究を進め、必ずしも正則性条件を満たさないような三角形分割上でのCrouzeix-Raviart有限要素法およびRaviart-Thomas有限要素法について誤差評価を得ることに成功しました。非適合有限要素法は、実際に広く用いられているにも関わらず、三角形分割に制限を課さない誤差評価は今まで得られていませんでしたので、この結果は実用上も重要です。渡部善隆(分担者)は、重調和型非線形方程式の解に対する精度保証付き数値計算の枠組みを理論面・実用面から整備しました。これは今後、流体方程式の精度保証を考える上で基礎となる重要な結果です。また、Poisson方程式の有限要素近似解に対する精度保証付き高精度誤差評価に成功しました。この成果は、他の方程式に対する精度保証の高精度化にも応用できる可能性が高いと考えられます。劉雪峰(分担者)は、Stokes方程式の事前誤差評価とStokes微分作用素の固有値評価を中心に研究を行い、特に、3次元領域におけるStokes微分作用素の固有値の厳密な下界と上界を得ることに成功しました。また、Stokes境界値問題の有限要素法解について、Hypercircle法を用いることで事前誤差評価に成功しました。さらに高安亮紀(分担者)は、半群理論を利用した放物型方程式に対する解の精度保証付き数値計算方法を応用し、非線形放物型方程式の時間変数を複素数に拡張した方程式の解について精度保証付き数値計算を試みました。また、双曲型方程式の一種である移流方程式に対する解の精度保証付き数値計算に成功しました。劉および高安の結果は、流体問題やその他、複雑な構造を持つ方程式への精度保証付き数値計算の応用に向けて重要であるといえます。
出版者
医学書院
雑誌
公衆衛生 (ISSN:03685187)
巻号頁・発行日
vol.26, no.8, pp.447-458, 1962-08-15

緒方正規先生に師事 編集部 どうもお忙しいところをありがとうございます,今まて石原先生,及川先生等の名誉会員の先生のお話を伺って参りましたが,きょうは松村先生に,いろいろ先生のご経験あるいはご意見をお伺いしたいと思います。先生が大学を卒業されましたのは,大正5年ですか。 松村 そうです。
著者
李載仁
雑誌
九州歯会誌
巻号頁・発行日
vol.32, pp.564-589, 1979
被引用文献数
1
著者
伏屋 玲子 高 天翔 横田 賢史 岩本 美央 北田 修一 渡邊 精一
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.25-29, 1997-03-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
19

種苗放流が行われている島根県高津川と行われていない同県神西湖のモクズガニを用い, 種苗放流が天然集団におよぼす遺伝的影響を明らかにするためにアイソザイム分析を行った。10酵素16遺伝子座について調査した結果, AAT-1, AAT-2, FH-2, GPI*, IDHP-1, MDH-2の6遺伝子座で変異がみられた。各集団の平均ヘテロ接合体率は高津川では0.029, 神西湖では0.027となり, ほぼ同じ値であった。また集団間のNeiの遺伝的距離を求めたところ, 0.0001という小さい値であった。以上の結果は調査した2集団の間には遺伝的差異がほとんどないことを示しており, 種苗放流が行われている高津川に生息するモクズガニの遺伝的変異性の減少は現在のところみられなかった。
著者
寺田智祐
出版者
医薬ジャーナル社
雑誌
医薬ジャーナル (ISSN:02874741)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.1383-1385, 2018-06-01

2017年のノーベル経済学賞は,行動経済学に関する業績であった。実は,行動経済学が脚光を浴びたのは,2002年のノーベル経済学賞まで遡る。当時の受賞理由は,「不確実性下における人間の判断や意思決定に関して,心理学の研究成果を経済学の考え方に統合したこと」とある。それまでの伝統的な経済学では,「ホモ・エコノミカス」と呼ばれる,非常に合理的で,完全な情報と計算能力を持っていて,常に自分の満足度を最大化するように行動する人間像を想定していたが,行動経済学は従来の説に対する強烈なアンチテーゼでもあった。振り返って,医療界はどうであろうか?例えば,患者は常に病気の治療に前向きに取り組み,医師の指示には100%従い,治療中の様子を医療者へくまなく報告する者ばかりであろうか?実際そうでないことは,誰でも知っている。本稿では行動経済学が示唆してくれる,行動科学の知見について紹介したい。