著者
湯谷 承将 山本 雄也 中谷 秀洋 寺澤 洋子
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:21888663)
巻号頁・発行日
vol.2023-SLP-147, no.8, pp.1-7, 2023-06-16

シンセサイザーは現代の音楽制作や演奏活動において,不可欠な存在である.一方で音色生成に用いられるパラメータは複雑かつ技術的な用語が多く,プレイヤーが望む音色を得るためには習熟が必要とされる.本研究では, ウェーブテーブル合成[2, 14, 32]と呼ばれる音響合成方式において,意味的な表現を用いた,オーディオ・エフェクト/波形生成手法を提案する.これは,ユーザーが使用したいウェーブテーブルを選択し,所望の音色を意味的なラベルによって指定する事で,その特性を付与した一周期の波形を生成する事で実現される.提案手法では,Conditional Variational Autoencoder (CVAE)[18] を利用して, ウェーブテーブルの条件付け生成を行う. 条件付けには,音響特徴に基づいて算出した明るさ (bright),暖かさ (warm),リッチさ (rich)という 3 つの意味的ラベルを用いる.さらに,ウェーブテーブルの特徴を捉えるために,畳み込みとアップサンプリングを用いた CVAE モデルを設計する.また,生成時の処理を時間領域でのみ行うことで処理時間を削減し,リアルタイム性を確保する.実験結果から,提案手法は意味的ラベルを入力として用いてウェーブテーブルの音色をリアルタイムに制御できる事を定性的・定量的に示す.本研究は,データに基づいた意味的なウェーブテーブル制御の実現による直感的な音色探索を目指す.

4 0 0 0 OA 「雀合戦」考

著者
村上 紀夫
出版者
奈良大学
雑誌
奈良大学紀要 = Memoirs of the Nara University
巻号頁・発行日
no.51, pp.184-169, 2023-02-28

本稿は、「雀合戦」と呼ばれる雀が群がって争う現象の情報について論じるものである。雀合戦は、繁殖を終えた雀が秋以降に集団で塒入りするもので、雀の一般的習性である。にもかかわらず、近世以降に江戸周辺でしか文献に見られないのは歴史的・文化的理由がある。この現象を最初に「合戦」という名付けをした遠州からの書状が江戸に到来し、流布したことで、それが鋳型となって天保三年(一八三二)に江戸で発生した雀の集団行動が「合戦」と理解された。「合戦」とする情報の偏在が、報告される雀合戦事例の地域的な偏りにつながったのである。「雀合戦」の噂が江戸周辺に偏在しているのは、情報が江戸に集まりやすいことに加えて、情報をストックしている知識人が多いことが原因であろう。
著者
有馬 善一
雑誌
摂大人文科学 = The Setsudai Review of Humanities and Social Sciences (ISSN:13419315)
巻号頁・発行日
no.23, pp.81-104, 2016-01

ハイデガー哲学において、ニヒリズムは極めて大きな問題であるとともに、その問題性は多面的な様相を示している。それを明らかにするために、本論文は、①ハイデガーのニーチェ哲学との対決とその解釈において現れるニヒリズムの問題、②ハイデガーの存在史的な思想の中で現れるニヒリズムの問題の2 つを課題として取り上げる。また、①の問題と関連して、③ニーチェのニヒリズムとはいかなるものであったのか、も明らかにされなければならない。本論文における分析・考察の結果は次の通りである。①ニーチェ思想におけるニヒリズムがパースペクティヴィズムとの連関において肯定的性格を示していること、②ハイデガーの存在史的な解釈において、ニーチェのニヒリズムのこの性格が正当に評価されていないこと、③ハイデガーにおいては、ニヒリズムの現象は、形而上学の歴史の全体において〈存在〉が逃れてしまうということとして捉えられており、形而上学の本質そのものがニヒリズムであると考えられていること、④ハイデガーによれば、ニヒリズムの今日的な現象は科学技術の世界支配であり、ハイデガーはニヒリズムを耐え抜くことの必要性を説くが、反面、技術支配の〈危険〉についてのハイデガーの認識には少なからぬ問題があるということ、以上4 つの点が明らかとなった。
著者
定村 薫
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.17-33, 2019-09

本研究は、日本を代表する作詞家のひとりである松本隆の作詞した楽曲の歌詞を分析する。松本隆はそれまでの歌謡曲の歌詞の概念を大きく変える斬新な歌詞を発表し、後進の作詞家やシンガーソングライターにも大きな影響を与えている。本研究では歌詞に使用される単語の頻度から、松本隆の歌詞の特徴を他の作詞家との比較によって数的に捉えることを目的とする。
著者
吉村 剛
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.346-347, 2023-06-15

本稿はプログラマーのためのCPU入門を紹介する.本書では,CPUはプログラムの命令をどのように実行するか,内部アーキテクチャの動作原理について,性能がどのようにして改善・または劣化するのかという観点でまとめられている.基本的な命令処理のパイプラインや分岐予測から始まり,キャッシュ,I/O,メモリ順序,不可分操作など,OSカーネルなどの低レイヤプログラムに不可欠な動作原理まで幅広くカバーしている.
著者
小林 益子
出版者
麻布大学
巻号頁・発行日
2021-03-15

【はじめに】 世界で約3500種存在するゴキブリの中で、人の生活環境にかかわる屋内棲息性のゴキブリは数種類であり、その中でもワモンゴキブリ、クロゴキブリ、チャバネゴキブリの3種は衛生害虫として重要であり、特に飲食店や食品工場における衛生管理上の重要な指標とされている。また家畜の飼育現場においては、家畜による捕食も日常的に観察される。これらは公衆衛生学、獣医衛生学および衛生動物学において重要な昆虫であり、その生態を明らかにすることは意義がある。一方、これらのゴキブリは、実験動物として古くから継代飼育され、研究に供試されてきた。しかし、ゴキブリの内部寄生虫についての研究は少なく、寄生種、寄生率および、感染状況が宿主ゴキブリに及ぼす影響等についてほとんど知られていない。哺乳類実験動物の内部寄生虫の存在が、研究目的によっては障害になることが知られており、実験昆虫として用いられるゴキブリについても、内部寄生虫の状況を把握することは重要である。\n第1章 国内棲息3種ゴキブリに寄生する線虫の感染状況 国内に棲息している屋内生息性の3種類のゴキブリに寄生する線虫の感染状況をまとめた。チャバネゴキブリBlattella germanicaについては3飼育個体群(WAT、NIIDおよびNK群)と野生個体320匹(26都道府県79ケ所の飲食店や宿泊施設等で捕獲)、ワモンゴキブリPeriplaneta americanaについては3飼育個体群(NKC、NIIDおよびNK群)と5匹の野生個体(畜舎で捕獲)、クロゴキブリPeriplaneta fuliginosaについては2飼育個体群(NKCおよびNK群)と40匹の野生個体(畜舎で捕獲)を用いて、それぞれの寄生線虫種および寄生率を調べた。その結果、3種すべてのゴキブリの後腸前部にThelastomatoidae上科の蟯虫が確認された。形態及び分子同定の結果、それらはBlatticola blattae、Thelastoma bulhoesi、Hammerschmidtiella diesingiおよびLeidynema appendiculataであることが確認された。チャバネゴキブリではB. blattaeが単一種で感染しており、個体群によっては非感染群が存在したことから、感染が生命維持に直接影響を与えないことと、非感染な状態を通常の飼育管理で長期間維持できることが分かった。また、野外で捕獲されたチャバネゴキブリの67%(213/320匹)にB. blattaeの単一種感染が確認された。以上の結果から、B. blattaeはチャバネゴキブリに寄生して、日本各地に広範に棲息していることが明らかになった。チャバネゴキブリにおけるB. blattae感染は国内初報告になる。また、ワモンゴキブリ飼育個体群からは3種の蟯虫が検出され、2種蟯虫の混合感染、あるいはT. bulhoesi の単独感染がみられた。野生個体からは全てL. appendiculataの単一種感染が確認された。クロゴキブリでは飼育個体群と野生個体からL. appendiculataの単一種感染がみられた。\n第2章 チャバネゴキブリBlattella germanicaに寄生する蟯虫Blatticola blattaeの暴露感染 チャバネゴキブリの蟯虫Blatticola blattaeについて、感染経路の解明を目的として、感染ゴキブリの糞を非感染ゴキブリの飼育槽に混在させることによる暴露感染実験を行った。その結果、感染糞の混在10日後には非感染個体群ゴキブリからB. blattaeの幼虫が検出され、感染糞混在20日後には蟯虫の未成熟雌が検出された。さらに感染糞混在30日後には蟯虫の成熟雌成虫が検出された。以上の結果から、B. blattaeの感染経路として、感染糞の暴露が実証された。さらにチャバネゴキブリの近縁在来種で完全屋外生息型であるモリチャバネゴキブリBlattella nipponicaについては、国内4か所で捕獲された野生個体に蟯虫の感染はみられなかったが、実験室飼育系のモリチャバネゴキブリの10%(3/30匹)にB. blattaeの感染が認められた。\n第3章 チャバネゴキブリB. germanicaの蟯虫B. blattaeに対する駆虫薬の効果 蟯虫非感染個体群の確立を目的として、飼育個体群の蟯虫自然感染チャバネゴキブリを用いて動物用駆虫薬による駆虫効果を検討した。市販されているパモ酸ピランテル(Pyrantel pamoate)、パモ酸ピルビニウム(Pyrvinium pamoate)、イベルメクチン(Ivermectin)およびクエン酸ピペラジン(Piperazine citrate)を飲水に溶かして蟯虫感染ゴキブリに摂取させ、投与後3〜35日に消化管内の寄生蟯虫数を調べ,駆虫薬の有効性を評価した。その結果、パモ酸ピルビニウムとパモ酸ピランテルはゴキブリへの影響が低く、今回用いた濃度でゴキブリに死亡や衰弱はみられず、飲水として設置後10および17日で蟯虫が検出されなくなった。しかしながら、設置後30日にゴキブリの1個体から蟯虫の幼虫が検出されたことから、完全駆虫のためには、投薬の継続または追加が必要なことが示唆された。イベルメクチンでは0.5ppm投与区でゴキブリは生存したが、蟯虫の生存も確認され、5ppm以上でほぼ100%のゴキブリが死亡した。クエン酸ピペラジンでは200ppm投与区で蟯虫の生存が確認され、同じ濃度で50%のゴキブリが死亡した。以上の結果から、パモ酸ピランテルとパモ酸ピルビニウムは、宿主を死亡させることなく、チャバネゴキブリに寄生するB. blattaeの駆虫に有効であることがわかった。また、イベルメクチンやクエン酸ピペラジンなどが宿主ゴキブリに対して殺虫性を示したことから、ゴキブリの駆虫においては駆虫薬の選択が重要であることが示された。\n第4章 ゴキブリ用殺虫剤の効果に及ぼすチャバネゴキブリB. germanicaの蟯虫感染の影響 実験昆虫としてのゴキブリの蟯虫感染が、殺虫剤の効果に及ぼす影響について検討した。有効成分ヒドラメチルノンを含有する毒餌剤をゴキブリに与え、死亡するまでに排泄された糞を毒餌剤を食していないゴキブリに餌として与えたときの致死効果について、蟯虫感染群と非感染群のチャバネゴキブリで比較した。その結果、ヒドラメチルノン含有糞の糞食または糞への接触によると考えられる二次的殺虫効果は、蟯虫感染群が非感染群に比べて有意に高くなった。ヒドラメチルノン含有食毒剤の二次効果に蟯虫感染が影響したことから、食毒効果(帰巣後の二次的殺虫効果を含む)を有する殺虫剤の評価試験において、ゴキブリの蟯虫感染の有無が試験結果に影響する可能性が示唆された。この成績は、実験の種類によっては、実験昆虫の蟯虫感染を管理することも視野に入れる必要があることを示唆している。\n第5章 チャバネゴキブリB. germanicaの生存に及ぼすB. blattae 感染の影響 飢餓時のゴキブリの生存における蟯虫感染の影響を調べることを目的に、チャバネゴキブリの蟯虫自然感染個体群と非感染個体群を用いて、無給餌(通常の固型飼料を給餌しない条件)の場合の糞食嗜好性と生存率の関係を調べた。その結果、糞給餌区(固型飼料の代わりに餌として糞を与える)において、感染個体群の生存日数は非感染個体群に比べて長くなった。さらに、蟯虫非感染個体群と人為的に作成した感染個体群の無給餌の場合における生存率を同じ個体群内で比較した。その結果、蟯虫感染群の生存率は有意に高くなることが明らかになった。以上の結果から、感染個体群はより多くの糞を食して栄養源としたことで生存期間が長くなる可能性が考えられ、蟯虫感染が飢餓時のゴキブリの生存に有利にはたらく可能性が示唆された。\n【総括】1)国内棲息ゴキブリから蟯虫 Leidynema appendiculata、Hammerschmidtiella diesingi、Thelastoma bulhoesiおよびBlatticola blattaeが検出されその宿主特異性が示された。2)チャバネゴキブリにおけるB. blattaeの寄生を国内で初めて報告し、全国に分布していることが示された。飼育個体群では非寄生群が存在したことから、本種感染は生存維持には影響せず、非感染状態の維持も可能なことがわかった。3) B. blattae 感染糞のゴキブリ飼育環境への暴露による感染の成立を確認した。4) 野外生息型モリチャバネゴキブリについて野生個体は非感染であるが、飼育個体群ではB. blattaeの感染を確認した。5)パモ酸ピルビニウムとパモ酸ピランテルが、チャバネゴキブリの蟯虫を駆虫するのに有効であることを実証した。6) 実験用ゴキブリの蟯虫感染は、ゴキブリ用食毒殺虫剤の二次的殺虫効果の試験結果を変動させる可能性が示唆された。7)蟯虫感染が飢餓時のゴキブリの生存に有利にはたらく可能性が示唆された。\n【終わりに】 本研究により、国内のゴキブリに寄生する蟯虫種、寄生率、分布および駆虫法が明らかとなり、ゴキブリ宿主と寄生虫相互関係に関する新しい知見が得られた。これらの成績は、実験動物としての昆虫およびその他の無脊椎動物の管理手法の改善に貢献する。また、宿主寄生虫相互関係の解明においてゴキブリ-蟯虫感染モデルは、比較的制御しやすく、生物間の相互関係における寄生現象の解明において、ユニークかつ有用なモデルであり、今後の寄生虫学の発展に寄与するものと考えられる。
著者
伊奈 正人
出版者
東京女子大学
雑誌
東京女子大学紀要論集 (ISSN:04934350)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.57-81, 2023-03-30

Michael Burawoy’s presidential address to the ASA has refocused attention on the work of C. Wright Mills. However, only the notion of “the sociologist as citizen” has been discussed, while a detailed discussion regarding his conception of public sociology has not been developed and the conventional negative image of Mills has persisted. In light of this situation, this paper investigates the concepts of “historical specificity,” “sociological imagination,” “vocabulary of motive,” and “sociotics,” and seeks to propose a new understanding of the “political public,” which lies at the heart of Mills’s thinking.公共社会学論争により、C.ライト・ミルズの学問は再び脚光を浴びたが、「普通の人々に語りかける社会学」ばかりが議論され、政治的公衆をめぐる積極的な議論は十分に展開されることはなく、従来のネガティブなミルズ像が放置された。これに対して、本稿は、歴史的特殊性の概念、社会学的想像力、動機の語彙論、社会学的言語分析(sociotics)などを検討し、ミルズに一貫する問題解決思考の核にある政治的公衆の再構成を試みた。
著者
瀧 大知
出版者
和光大学現代人間学部
雑誌
和光大学現代人間学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Human Studies (ISSN:18827292)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.149-168, 2018-03-13

本稿では、日本における排外主義勢力が、どのような言説をもって排外主義を「正当化」してきたかを考察することを目的としている。「中国」に関連した排外主義者の言説戦略が、「池袋チャイナタウン」と「横浜中華街」とでは差異があることに着目し、比較分析をおこなった。「池袋チャイナタウン」で現れた言説は、新華僑を「脅威」、老華僑を「同化」した存在であると認識することで、「同化主義」による排外主義の「正当化」がおこなわれていた。さらに「反日教育」による「反日」的な国民/民族であると規定されることによって、新華僑と老華僑が「分断」されていった。また2 つのチャイナタウンの文化的な差異にも、それが表象されていることを明らかにした。最後に、その根底に「植民地的まなざし」があることを仮説として提示している。
著者
安田 早苗
出版者
和光大学表現学部
雑誌
表現学部紀要 = The bulletin of the Faculty of Representational Studies (ISSN:13463470)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.107-124, 2023-03-17

筆者は、「和光大学表現学部紀要22 号」(2022年)に「「具体」が子どもの美術を参照した理由についての一考察」を執筆し、子どもの美術と前衛美術との関わりについて論じ、子どもの美術と、童詩雑誌『きりん』の関わりが深いことを述べた。『きりん』との関わりでは特に、子どもの美術作品が多く掲載された橋本学級では、詩の時間が多く、自らの感覚を言語化する活動に馴染んでいたことがわかった。平成29(2017)年告示小・中学校学習指導要領(1)では、全教科で言語活動の充実がもとめられている(2)。しかし、図工・美術科はそもそも表現力をはぐくむ活動であり、その意義が感じにくく、取り入れる方法もよくわからない。平成20(2008)年学習指導要領改定の図画工作解説では、図画工作における言語活動について「形や色、そこから生じるイメージを、言葉のように扱いながら、思考したり、表現したり、コミュニケーションしたりする活動」(3)と書かれていている。これは、いわゆる一般的な言葉を使わないということなのだろうか?言語活動は表現活動にとって重要なのか、重要とすればなぜなのか、またその有効な手立てとは何なのかについて、2022年6月22日に、中・高美術の教員免許取得者に対して、和光大学教授松枝到氏に講演をしていただいた。その講演記録をもとに論じていくこととする。丸数字は、2 章以降に引用するため、筆者が便宜的につけたものである。
著者
木宮 直仁 平川 博 Naohito Kimiya Hiroshi Hirakawa
出版者
東京海洋大学
雑誌
東京海洋大学研究報告 (ISSN:21890951)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.21-37, 2013-02-28

本稿では、これまで編著した「あ~し」の続編として、「す~」で始まる用語について、対訳語が複数あるものを取り上げ、類義語との異同に関する注釈を付け、用例は実例を調査して、できるだけ多く提示することを試みた。法律用語の中には、請求金額のように、ビジネス用語や日常語と法律用語とが異なるものがあり、このような場合は訳語の使い分けができるように工夫することを心掛けた。また、あらぬ誤訳が生じることが懸念される場合は、特殊な法律専門用語よりも、対訳語として一般的に用いられる表現を優先的に取り上げるように配慮した。 著者らは商事法和英辞典の作成途上にあり、本稿には不十分なところも多々あると考えている。お気づきの点があれはご教示願いたい。
著者
篠川 賢
出版者
成城大学大学院文学研究科
雑誌
日本常民文化紀要 (ISSN:02869071)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.37-62, 2016-03
著者
鵜飼 直哉 宇田 理 喜多 千草 山田 昭彦
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.1174-1180, 2011-08-15

本稿は,世界最初の鉄道向けオンライン座席予約システムMARSの開発やCAD理論の展開などに大きな貢献をされた穂坂衛氏にインタビューした内容をまとめたものである.