著者
田中 智行 上田 秀哉 岡澤 重信
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第62回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.17, 2013 (Released:2013-03-26)

X-FEM は,エンリッチ関数を導入することで FEM での解析モデル作成に関する手間を軽減させる解析手法である.き裂のような不連続性や激しい応力集中などを表現するには効率的な手法として知られる.X-FEMを用いた弾性き裂解析では,一般的にはき裂の応力特異性を表現する4つのエンリッチ関数を使用する.しかし,この方法ではき裂先端の各節点に多数の自由度が付加されるため解析に時間を要する.そこで,用いる基底関数を1つにして,き裂先端の局所的変動を効率的に近似できるウェーブレット関数を組み合わせることで高精度化を図る.この方法を用いれば弾塑性破壊力学問題に拡張した場合でもき裂先端の変位場を効率的に表現できる可能性がある.本発表では,これらの検討項目に関する問題点の検証,数値解析を実施し,本手法の妥当性について報告する.
著者
仲川 涼子
出版者
千葉大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

本研究の目的は,動物の発声が進化的に獲得されてきた上で,情動による絞込みが言語発生に重要な役割を担っているのではないかという仮説のもとで,デグーの発声の中でも情動との関与が深い求愛歌や警戒声に注目し,齧歯類の発声の脳内メカニズムを明らかにするためにデグーの情動性発声の脳内機構およびを検討することであった。視覚刺激・聴覚刺激を用いて警戒声の誘発可能性を検討した結果,天敵を連想させる視覚刺激を提示したところ,デグーの警戒声が誘発されるが,その刺激への順化は急激に生じることが明らかになった。次に,これらの社会性および情動発声の脳機構を明らかにするために,海馬損傷手術を行ったデグーの行動と発声の解析を行った。これまでの研究において,社会性齧歯類であるデグーには豊富な音声レパートリーがあり,約20種類の音声を状況別に使い分けコミュニケーションをすることがわかっている。また,デグーの発声中枢PAGの電気刺激実験の結果から,状況依存的発声はより上位の領域において制御され,特定の文脈における適切な発声が可能になっていることがすでに明らかになっている。本研究では,社会性行動と発声行動における海馬の役割を明らかにするため,海馬損傷を施した個体について,馴染み個体に対する発声及び行動の変化を,術前と術後で比較した。その結果,行動解析においては海馬損傷群と馴染み個体との間で攻撃行動が増卸した。しかし発声解析においては,馴染み個体の拒絶発声は,海馬損傷群よりも偽損傷群に対して多く発せられることが明らかになった。
著者
西川 武二 稲田 めぐみ 高 理佳 赤尾 信明
出版者
医学書院
雑誌
臨床皮膚科 (ISSN:00214973)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.14-17, 2000-01-01

46歳,女性.初診の2週間前から躯幹に軽度の痒みと違和感を伴う爬行性線状皮疹が出現した.好酸球数,IgE値は正常.8種類の寄生虫抗原(宮崎肺吸虫,ウエステルマン肺吸虫,アニサキス1型幼虫,ブタ蛔虫,イヌ糸状虫,イヌ蛔虫,ネコ蛔虫,マンソン裂頭条虫プレロセルコイド)を用いたELISAはいずれも陰性,ドロレス顎口虫抗原を用いたELISA,寒天ゲル内二重免疫拡散法も陰性であった.線状皮疹の終点とその遠方を含めて外科的に切除後,皮疹と自覚症状は消失した.脂肪組織内に虫体断片があり,腸管断面の形態より有棘顎口虫の幼虫と同定した.摂食歴とあわせ,自験例はウナギの肝吸いから感染した可能性が高いと考えられた.今後creeping-diseaseの感染源としてウナギの生食あるいは肝吸いも念頭におく必要があると思われる.
著者
大迫 廣人 春田 厚 坪井 陽子 松浦 宏司 小宗 静男
出版者
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.104, no.5, pp.514-517, 2001-05-20 (Released:2010-10-22)
参考文献数
14
被引用文献数
2 4

耳かきによる機械的刺激が外耳道湿疹の原因となり, その繰り返す慢性炎症が癌誘発の一因と考えられた外耳道癌症例を経験した. 外耳道肉芽腫を伴う外耳道湿疹が軽快せず平成9年7月生検を行った結果, 左外耳道癌と診断された. 外科的治療および化学療法, 放射線治療を行うも効を奏せず腫瘍が拡大進展し, 約8ヵ月後には対側の右外耳道に癌が発症した. 最終的に不幸な転帰をとったが, 両耳の病巣についてDNA遺伝子解析を行いその結果P53遺伝子の異常により両外耳道癌は転移性癌ではなく全く独立した重複癌ということが判明した.
著者
小松 隆 齊藤 隆弘
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会年次大会講演予稿集 (ISSN:13431846)
巻号頁・発行日
vol.2004, pp._19-8-1_-_19-8-2_, 2004

The Foveon color image sensor has three photo-sensing layers. The spectral sensitivities of the three layers are extremely different from those of the RGB primary color filters. The color signals acquired by the Foveon sensor should be transformed to RGB color signals. For that purpose, we propose a new color transformation method. First, our method recovers the multi-spectral reflectance of each imaged color from its acquired color signals by solving the ill-posed problem with the regularization technique, and then transforms the multi-spectral reflectance to RGB color signals. We evaluate the performance of our method by computer simulations.
著者
RUSH Allen HUBEL Paul
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.57-60, 2003

The X3 sensor technology has been introduced as the first semiconductor image sensor technology to measure and report 3 distinct colors per pixel location. This technology provides a key solution to the challenge of capturing full color images using semiconductor sensor technology, usually CCD's, with increasing use of CMOS. X3 sensors capture light by using three detectors embedded in silicon. By selecting the depths of the detectors, three separate color bands can be captured and subsequently read and reported as color values from the sensor. This is accomplished by taking advantage of a natural characteristic of silicon, whereby light is absorbed in silicon at depths depending on the wavelength (color) of the light.
著者
松浦 智之 當仲 寛哲 大野 浩之
雑誌
第80回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.359-360, 2018-03-13

ツイッター分析は、ニュース番組でも頻繁に用いられるなど、その需要は増加している。しかしその手法を調査しても、大企業等が大きな予算や設備を導入して行う事例が殆どであり、個人の例は殆ど報告されていない。本研究では個人等がコンピュータ1台で行える手法を研究した。第1報では、本手法の概要及び、分析の前段階であるツイート収集方法を説明する。重要なことは、世界の全ツイートの収集を目指すのではなく、目的の分析テーマに応じて適切なクエリを発行し、受信するツイートを絞り込む点にある。本手法の有効性検証のため、Twitter社のサービスを停止させる程に大量に発生する「バルス」ツイートを収集し、NTTデータ社の収集結果と比較する。

1 0 0 0 OA 大日本史

著者
源光圀 編
出版者
徳川総子
巻号頁・発行日
vol.第155,156 巻308・309 志, 1907
著者
石沢 慈鳥
出版者
日本鳥学会
雑誌
(ISSN:00409480)
巻号頁・発行日
vol.17, no.79, pp.213-217, 1962

Hegura I. is a small flat island with almost no tree, situated 27.5 miles from the tip of Noto Peninsula. Very few birds have hitherto been recorded. The author received lighthouse-struck birds four times in May and June, 1961 and 1962 These are, <i>Turdus sibiricus, Larvivora cyane, Motacilla cinerea, Muscicapa alseonax, Mnscicapa griseisticta, Muscicapa narcissina, Locustella fasciolata, Locustella lanceolata, Locustella ochotensis, Phylloscopus borealis</i> and <i>Acrocephalus bistrigiceps, Lobipes lobatus</i>.<br>These records support author's previous view that passerine migrants migrateoffshore rather than close to it and the lighthouse may often benifit them for temporal landing in cloudy and bad weathers (all above birds were obtained in such conditions), though small part of it may die by striking at it.
著者
吉信 真之
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.3D3OS4a02, 2019

<p>人間の知能の基礎的事項について検討する。知能の構造・原理を理解する為、定義を尋ねる「知能とは何か」という問いを「知能のことを知能というのはどうしてか」という問いに置き換え、これに答えることを試みる。この問いに答えるため、構造、物理的背景、生成過程の副問題に分解、概観し、「複雑系の中で特に複雑になった階層に、ある領域としての人間がまたもう一方の領域を『知能』と見做している構造がある状態」という仮説を提案する。</p>
著者
佐藤 勝洋 SATO Katsuhiro
出版者
岩手大学教育学部附属教育実践研究指導センター
雑誌
岩手大学教育学部附属教育実践研究指導センター研究紀要 (ISSN:09172874)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.157-173, 1992-03-01

中学校理科の「天気の変化」という単元では,気象現象や季節の変化を扱う。単元に入る前に生徒たちに,気象現象について関心を向けさせることを目的として「天気日記」なるものをつけさせた。冬休みの2週間,その日その日の天気や気象に関したことをさがして,10行程度で記録する。天気や気象に関係していることならどんなことでもよい,という条件にした。「天気日記」で取り上げられていた対象は様々で,広範にわたっていた。このことに着目して,生徒(人々)は「季節の変わり目をどんなことから感じとるのか?」ということを調べた。今回はその中から,「夏」の季節感について述べてみたい。
著者
稲見 正浩
出版者
日本印度学仏教学会
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.387-380, 2016-12-20 (Released:2017-10-17)
参考文献数
5

According to Dharmakīrti, the particular (svalakṣaṇa) should be regarded as a real object of the valid means of cognition (pramāṇa) because it is the only thing that can cause an actual effect. Dharmakīrti claims that although inference (anumāna), which grasps svalakṣaṇa in another form, is erroneous, it can be considered valid for the reason that a cognizer, moving to something on the basis of inference, can obtain the effect that he expects. Inference as well as perception (pratyakṣa) is admitted as pramāṇa becasue it is non-deceptive (avisaṃvādin). Dharmakīrti illustrates his point by the jewel example: even if a cognizer mistakes the light from a jewel for an actual jewel, he can finally obtain a real jewel. What does this jewel example mean? Is the cognition of a jewel valid? If so, should it be regarded as a form of perception or of inference?Indian commentators present differing interpretations of this example. From the context, Śākyabuddhi understands that the cognition of a jewel with regard to its light is a form of inference, i.e., inferring a cause from the observed effect. Śākyabuddhi thinks the cognition is erroneous, but valid. However, Dharmottara is severely critical of Śākyabuddhi’s view, and regards this as invalid cognition. Dharmottara suggests that even if the cognizer can finally obtain a real jewel in a room, it differs from the jewel that he falsely cognized as being at the keyhole of the door. Dharmottara does not acknowledge this cognition as inference. After Dharmottara, Prajñākaragupta insists that the cognition of a jewel should be regarded as perception. According to Prajñākaragupta, not only inference but also perceptions such as visual sensation must be erroneous, because neither can ever grasp their real objects that will be obtained in the future. In the conventional world, they are deemed valid simply because they are considered to be non-deceptive. Prajñākaragupta interprets that Dharmakīrti illustrates such conventional validity of pramāṇas by using the jewel example. Prajñākaragupta does not reject Śākyabuddhi’s view, but criticizes that of Dharmottara.
著者
山迫 淳介 高松 陽一郎
出版者
愛媛大学農学部附属演習林
雑誌
愛媛大学農学部演習林報告 (ISSN:04246845)
巻号頁・発行日
no.51, pp.29-30, 2012-03

ヒラズゲンセイCissites cephalotes(Olivier, 1792)は,ツチハンミョウ科の甲虫で,東南アジアから日本まで広く分布し,真っ赤で鮮やかな色彩が特徴の大型甲虫である。その体液には有毒物質のカンタリジンが含まれ,皮膚に付くと,かぶれや水ぶくれなどの炎症を起こすため,衛生害虫でもある。本種は,国内では高知県ではじめて発見され,その後,高知県や徳島県で多数記録されているが,他地域ではわずかに知られている程度であった。しかし,近年になって四国のみならず,九州や関西地方にまで急激に分布を広げていることが知られており,地球規模の温暖化との関連が示唆されている(初宿,2008)。
著者
大谷 晋平
出版者
日本映像学会
雑誌
映像学 (ISSN:02860279)
巻号頁・発行日
vol.101, pp.114-133, 2019-01-25 (Released:2019-06-25)
参考文献数
25

【要旨】 勅使河原宏や松本俊夫ら、後に日本の「新しい波」と言われる映画人たちは、1950年代末頃から「主体」を巡って様々な映画を制作するが、本論は勅使河原の『北斎』(青年プロ、1953)を、そういった映画活動の初期作品であると位置付け、その観点から考察を試みるものである。 勅使河原は1950年代初頭から「世紀の会」等のいくつかの芸術運動に携わり、後に映画制作で協働する安部公房や、1940年代末に「主体性論争」の中心となった「近代文学派」の人物たちとも交流を持ち、同時代に芽生えていた問題意識を共有していく。勅使河原はそういった活動をしている時に、瀧口修造が過去に制作していた映画『北斎』の仕事を引き継ぎ、自分なりの『北斎』を再制作して監督デビューした。 そのため、本論では瀧口が残したシナリオと、勅使河原版の『北斎』とを比較し、また、絵画を「物語的」に扱う映画の先駆者であるアラン・レネらの影響も考慮しながら、勅使河原のオリジナルな演出に焦点を当てて『北斎』を「主体」との関わりから考察する。 本論を通して、勅使河原の『北斎』は「主体」を巡る映画としてある程度の問題意識を提出できたが、問題点も孕んでいたことが明らかになる。結局、『北斎』は、日本の「新しい波」の活動が盛んになる前の1953年の作品であること、そして「主体」に関しても課題を含んでいることから、「主体」を巡る映画運動の萌芽であると位置付けられるのである。
著者
堺屋 太一
出版者
文芸春秋
雑誌
文芸春秋
巻号頁・発行日
vol.84, no.4, pp.198-206, 2006-03
著者
岡本 素治
出版者
一般社団法人 日本昆虫学会
雑誌
昆蟲.ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.263-275, 2011-10-05 (Released:2018-09-21)

ヒラズゲンセイの配偶システムについて,羽化脱出直後からの行動観察に基づいて概要を明らかにし,あわせて生活史に関して得られた知見を報告し考察した.ヒラズゲンセイはキムネクマバチに寄生し,成虫は,長い擬蛹期と蛹期を経て,近畿地方では5月の末から6月の中旬に出現する.羽化してクマバチ巣から出ると,雄は特徴的な姿勢をとり,恐らくフェロモンを放出して雌を呼ぶ(コーリング行動).雌は,羽化脱出してしばらくすると飛び立ち,雄のいる巣を探索する.数10m離れた遠方から匂いを頼りに雄の周辺に飛来するのは容易なようであるが,そこから雄がいる巣の場所に到達するには時間がかかる.特に,雄がコーリング行動を止めると,雄のそばに到達するのに要する時間は著しく増大する.雌が雄のそばに至ると交尾が行われるが,通常のマウンティングに先立ち,雄が雌の上に逆向きに重なる特異な行動パターン(「逆マウント」と名付けた)が見られた.交尾がすむと,雌は産卵のためにクマバチ巣内に侵入しようとするが,クマバチによるさまざまなレベルの抵抗を受ける.侵入・産卵に成功した雌は,巣坑内で卵を防御する位置にとどまる.雄も雌に続いて巣坑内に侵入するが,その後も午前中は巣坑外に出てコーリングを行う.2週間程度で孵化した1齢幼虫は,クマバチの毛に大腮でしがみつき,分散していく.トウネズミモチの花の雄蘂の上で訪花活動を行うクマバチを待つヒラズゲンセイの1齢幼虫を発見し報告した.