著者
岩本 博幸
出版者
東京農業大学農業経済学会→食料・農業・農村経済学会 (121号-)
巻号頁・発行日
no.124, pp.1-10, 2017 (Released:2017-08-03)

本稿の課題は,アニマルウェルフェアに配慮した畜産物生産の推進およびグリーン購入を通じた食品廃棄物・食品ロスのリサイクル推進の可能性について,豚肉を事例に消費者評価分析から検討することにある。豚肉の選択実験を実施し,ランダムパラメータ・ロジットモデルによる消費者評価の定量的な分析を試みた結果,以下の3点が明らかとなった。第1に,消費者はエコフィード(EF)表示,アニマルウェルフェア(AW)表示を肯定的に評価しており,消費者評価額はEF表示が18円,AW表示が22円となった。第2に,AW表示は,概ねどの消費者においても肯定的な評価がなされているのに対し,EF表示は肯定的に評価する消費者と否定的に評価する消費者に大きく分かれることが示唆された。第3に,AW表示については,普及啓発に取り組むことにより,WTPを高める可能性があることが示唆された。
著者
野末 紀之
雑誌
表現文化
巻号頁・発行日
vol.1, pp.81-94, 2006-03

1 0 0 0 日本刀図鑑

著者
得能一男著
出版者
光芸出版
巻号頁・発行日
2007
著者
野中 由紀 安藤 真太郎 山田 幸雄
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.241-262, 2017 (Released:2017-06-22)
参考文献数
28
被引用文献数
2

This study aimed to clarify the characteristics of the games played by every world top-level women chopper by studying 8 players (A-H) using notational game performance analysis. The games sample comprised 6 games per player, 48 games in total, from the 2013-2015 world championship and International Table Tennis Federation World Tour. Analysis items were the number of shots played per rally, the utilization, the winning and the losing ratios according to the classification of techniques, the utilization ratios of each techniques belonging to the classification. It also considered utilization ratios of various attacking combinations and the techniques used before an attack. The data obtained were processed using statistical methods such as Fisher's exact test and the Kruskal-Wallis test.  The main results were as follows: 1) In terms of the average number of shots played per rally, more losing rallies than winning rallies were observed. Furthermore, winning ratios for 1-3 shots of the rally were high, except for H while they were low for 4-9 shots. Winning ratios after 10 shots of the rally were high in 3 players, who had higher world rankings while they were low in other players. 2) The utilization of an attack was 16% of maximums. In addition, losing ratios for attack for a high-ranking player were less than 25% while they were high for other players. 3) The total percentages for the chop and the push were 81% of maximums and 62% of minimums. Moreover, some players mainly utilized the chop while others mainly utilized the push. 4) The utilization ratios of the various attack different for each player, and these could be classified into 5 types: Forehand counter loop drive (Fhdr), Backhand smash (Bsm), Forehand speed drive (Fsdr), Forehand smash (Fsm), and Backhand speed drive (Bsdr). 5) The utilization ratios for all players had more backhand chop (Bc) than forehand chop (Fc) and more backhand push (Bt) than forehand push (Ft), except for one player. This was considered to be common for all world-class choppers. 6) The utilization ratios of the technique used before an attack were different for each player, and these techniques could be classified into 3 types: the chop, the push, and the service before the attack.
著者
桑島 由芙
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.185-204, 2008

<p>本稿の目的は、ネットワークの中に身を置く消費者が、購買行動をする際にネットワークからどのような影響を受けるのかを社会ネットワーク分析の手法を使って明らかにすることである。分析の結果、消費者同士が直接結合している場合にはスノッブ効果が、構造同値の関係にある場合にはバンドワゴン効果が働くという事実発見を得た。</p>
著者
佐藤 善信
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

2017年度においては、「おもてなし」に関する4件の研究を発表した。1つ目は、アニメの「聖地巡礼」を巡るアニメオタクと地元の住人による交流の研究である。これは「おもてなし」のC2Cの研究に当たる。さらに、聖地巡礼をベースにした地域創生の可能性についても言及した。2つめの研究は、B2B2C企業による中間顧客への経営支援サービスに関するもので、5社のケーススタディに基づき、経営支援サービスの内容の理論化を行った。この研究は「おもてなし」のB2B面での展開に関する研究になる。3つ目の研究は、2018年7月に東京で行われるグローバル・マーケティング・カンファレンスへの発表論文のアブストラクトの提出である。アブストラクトは1月に提出し、セッション・エディターの査読審査を通過した。3つ目の研究の内容は、日本での「おもてなし」の発展の精神的な支柱になっているのは、鈴木正三の説く「仕事即仏行」という考え方、茶の湯の一座建立や賓主互換という考え方、そして茶道や武道などに示される型(スキルの向上のみならず、精神的な人格の向上を促進する)の文化に求めたものである。「おもてなし」を総合的に把握するための意義深い研究であると言える。4つめの研究は、前年に行った「おもてなし」の日本型営業活動における展開の研究の続編である。この研究においては、日本の営業担当者が顧客企業とのパイプ役として社内調整やさらに上流の企業との調整を行うことが可能となる根源的な理由を、日本企業の組織構造の特徴としての「スキマ型組織」あるいは「O型組織」の概念に求めた。また、この研究からは、顧客企業とのパイプ役を演ずるのは営業担当者ばかりではなく商品企画担当者もそうであるいう重要な事実が発見された。
著者
大谷 悠介 関 貴洋 梅野 太輔
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.55, no.7, pp.658-661, 2019 (Released:2019-07-01)
参考文献数
12

二次代謝経路(天然物経路)は生理活性と新規酵素の宝庫であり,リデザインも容易である。一方で,これを一次代謝に匹敵する馬力で高度に運転するためには,多くの新しい工学的努力を要する。本稿では,筆者たちのテルペノイド合成経路の進化工学の経験をもとに,天然物生合成経路の高効率運転を目指したリデザイン技術のあり方について議論する。
著者
土井 健司 中西 仁美 杉山 郁夫 柴田 久
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D (ISSN:18806058)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.288-303, 2006 (Released:2006-07-20)
参考文献数
29
被引用文献数
1

都市インフラ整備においては,適切なスコーピングの下で,様々な価値観に照らした総合的な公益性の判断が必要とされる.本研究では,多様な利害グループの共同利益の同時性という視点から,インフラ整備を評価する手法を開発している.これは個人・社会に跨る多元的な共同利益を表わすQoL概念に基づき,主体の価値観の違いに起因した整備効果の違いを可視化することにより,意思決定の透明性と当事者間の公平性の確保を支援するものである.本稿では,2004年に甚大な高潮被害を受けた高松港海岸の整備シナリオの評価に本手法を適用し,グループごとのQoL改善効果の違いを明らかにした上で,安心安全性,経済活動機会,生活文化機会,空間快適性および環境持続性という5つの要素に基づく総合的な公益性に関する分析を行っている.
著者
佐藤 玄 王 超 内山 真伸
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.55, no.7, pp.684-688, 2019 (Released:2019-07-01)
参考文献数
10

天然物の巧みな『ものづくり』の仕組みを解き明かし、目的に応じて生合成経路を人工改変することができれば、有機化学・天然物化学における学理・学術的な成果としてはもちろん、創薬・物質科学に強力なツールをもたらすに違いない。本稿では、最近当研究室で取り組んでいる「計算化学的手法を基盤とした未解明生合成経路の探索」について紹介する。
著者
白石 太郎 葛山 智久
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.55, no.7, pp.679-683, 2019 (Released:2019-07-01)
参考文献数
23

天然物は人知を超えた幅広い多様性と生物活性を有している。近年、次世代シーケンサーの発展により微生物のゲノム解析が数多く報告されるようになるとともに、微生物が生産する天然物からの医薬品探索・開発研究の手法も大きく変化してきている。本稿では近年の天然物探索手法の展開と天然物生合成研究の意義・展開について述べる。
著者
渡辺 賢二
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.55, no.7, pp.674-678, 2019 (Released:2019-07-01)
参考文献数
11

現代においても新たな新規天然物を取得することの学術的, 産業的な重要性は不変である. このような状況の下, 天然物の生合成遺伝子を用い新規天然物の獲得を目指す,融合研究分野である「シンセティックバイオロジー(合成生物学)」による取り組みが行われている. 本稿では, 休眠型生合成遺伝子クラスターの活性化および天然物生合成遺伝子の異種発現系による新規天然物生産と生合成機能解析への挑戦について解説する.
著者
後藤 佑樹 井上 澄香 菅 裕明
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.55, no.7, pp.662-667, 2019 (Released:2019-07-01)
参考文献数
11

ペプチド性天然物によく見られる非タンパク質性骨格をもったペプチドは、医薬品シーズとして高い利用価値を秘めている。本稿では、ペプチド性天然物の一種として知られるribosomally synthesized and post-translationally modified peptide(RiPP)の生合成経路を人工的に改変し、非タンパク質性骨格を含有した人工ペプチドを生産する方法論について概説する。
著者
池田 治生
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.55, no.7, pp.655-657, 2019 (Released:2019-07-01)
参考文献数
10

Avermectin生産菌のゲノム解析から当該生産菌のゲノムを改変し、異種由来の生合成遺伝子群の発現、生成機構および遺伝子発現調節機構などの解析に適切なモデル宿主を構築した。作製した異種発現系では多くの異種生合成遺伝子群の発現を確認するとともに休眠生合成遺伝子群の覚醒による新たな物質生産やポリケチドやペプチド化合物の生合成過程における重要な修飾系を評価することが可能となった。
著者
松田 研一 倉永 健史 脇本 敏幸
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.55, no.7, pp.650-654, 2019 (Released:2019-07-01)
参考文献数
9

環状ペプチドは生物活性天然物に数多く見られる骨格であり、大環状化によって消化酵素による分解を免れ、膜透過性や標的分子への特異性が向上する。環状ペプチド生合成における環化酵素はこの大環状化反応を極めて効率的に触媒する。我々が見出した非リボソーム型ペプチド生合成における新しい環化酵素は2つの異なる鎖状ペプチドを環化するため、広い基質特異性を有し、ペプチド大環状化生体触媒としての応用が期待できる。
著者
阿部 郁朗
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.55, no.7, pp.645-649, 2019 (Released:2019-07-01)
参考文献数
9

ゲノムマイニングにより様々な天然物の生合成遺伝子を取得し、その生合成系を再構築することで物質生産が可能となりつつある。次のブレークスルーは、この生合成マシナリーを如何に活用するかという点であり、生合成の「設計図を読み解く」から、さらに「新しい設計図を書く」方向に飛躍的な展開が求められている。合成生物学は、クリーンかつ経済的な新しい技術基盤として、広く有用物質の安定供給を可能にするため、資源が枯渇しつつある現代にあって、ますます重要になる。