著者
高城 靖尚 Yasuhisa Takagi
出版者
盛岡大学
雑誌
盛岡大学紀要 = The journal of Morioka University (ISSN:02860643)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.59-65, 2006-03-30

For the defense in rugby foot boll, the focus tends to be put on the skill of tacking. Even the tackle is considered to be the goal of the defense. However, the take over of the ball in the scrimmage・line-out・ruck・maul should be the greatest goal. The attack saide may freely use a variety of strategies for gaining the line and try. To defend against attacks, the defense side has to respond to the move. Also, it has to react to the pass and kick. Therefore, it is said that the aim for the defense is to force the attack side to error. The Individual player is important, however, iudividual judgment for the defense tends to cause chaos. Thus, the defense should be organized in team strategy. This paper aims to summarize the defensive movements and discuss some of the unique strategies for the defense.
著者
田邉 裕
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2017, 2017

1 地名問題の現状<br><br>1967年以来、国連は国連地名標準化会議(UNCSGN)を開催し、国境領土の変動、少数民族文化の尊重、旧植民地の解放に伴って内生地名の外来地名に優先する原則を主導し、各国に地名標準化の行政機関の設置を勧告し、国連地名専門家会合(UNGEGN)を設置し、研究・勧告を続けている。世界の主要国は地名標準化委員会を持っているものの、日本には地名標準化の行政機関は存在しないため、日本学術会議ではその設置の提案を検討している。<br><br>国内の地名は国土地理院および海上保安庁が現地調査あるいは地方公共団体の申請を受けて、調整決定し、地図・海図に記載するものもあるが、事実上各地方自治体が歴史的地名として継承し、住居表示に関する法律、行政区画の変動、地域計画・開発によって、変更し決定する。各省庁は地名問題に独自に対応し、国家的な標準化を図る機関は存在しない。地名は国民全体の文化的歴史的共有財産であるにもかかわらず、地方自治体や私企業がその所有者のように振る舞い、命名権を行使する場合の地名表記に関わるガイドラインはない。<br><br>地名表記には漢字・ひらがな・カタカナ・Romajiなど、方式は多様であり、表記の標準化を図る機関の存在が欠如して、教育現場や観光への影響も大きい。加えて確立した唯一の呼称に別称を国際的に要求されることもあり、地名呼称の総合的管理が必要である。<br><br>外国の地名は慣例を除き現地読みが原則であるが、英語読みもあり、現語が当該国の公用語と異なる少数民族への対応は標準化されていない。漢字使用国以外はカタカナあるいはラテン文字表記であるが、中国地名は漢字・英語読みや広東語読みやピンインの仮名書きが不統一である。外国地名は、外務省の読みを多くの部局が採用しているが、標準化されているわけではなく、諸外国との交易に携わる私企業・出版界や教育界などが用いるものも統一されているとは言い難い。<br><br>2 具体的提案<br><br>(1)地名委員会(Japan Committee on Geographical Names)の設置<br><br>地名委員会を行政府内に設置することを提言する。同委員会は、国内地名と日本で用いる外国地名を統合管理(命名・改名・呼名・表記を含む)し、諸省庁・地方公共団体・民間などで地名を使用するガイドラインを作成し、地名表記と呼称とを標準化する行政の責任機関とする。また外国に対して日本の地名を周知し、外国語表記の標準化を進め、外国語を用いた国内地名の評価・指導、場合によっては廃止などの許認可を行い、対外的には地名ブランドの保護、日本海呼称問題など外国との地名呼称問題などに総合的に対応する。<br><br>(2) 地名専門家会議の設置<br><br>地名委員会の下に地名専門家会議を設置し、地理学・地図学・言語学・歴史学などの専門家や総務省(統計局を含む)・外務省・国土交通省(国土地理院・海上保安庁を含む)・文部科学省・防衛省などの関係省庁の協力を得て、ガイドラインの作成、国内外における地名収集を進め、その呼称と表記を研究し、学術的技術的分野を支援して、地名の教育・使用・標準化に関して国家として地名の最終的承認・廃止・改正を地名委員会に勧告する。<br><br>(3) 国際的対応の強化<br><br>国連地名標準化会議関連の諸会議及びIGU/ICA共同地名研究委員会など地名に関わる国際的諸会議に、関係機関と協力して多くの国々と同程度の数名の地名専門家を派遣し、世界の地名問題に対応する。特にUNGEGNへの専門家の派遣は必須である。<br><br>(4) 地名集(Gazetteer)の作成<br><br>諸外国ですでに出版されている地名集や歴史地名を含めたデータベースを日本でも作成し、国内では教育やジャーナリズムの分野で使用する地名を標準化し、国外には日本の地名の呼称・表記のガイドラインを提示して、地名の統合管理を行う。<br><br>(5) 地名委員会並びに地名専門家会議設置のための研究会の設置<br><br>以上の(1)〜(4)の実現のための準備作業を行う地名問題研究会を行政府内に設置し、喫緊の課題を処理する。
著者
玉地 雅浩 青山 宏樹 佐伯 武士
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2013, 2014

【はじめに,目的】姿勢制御は視覚,体性感覚や前庭迷路系などさまざまな感覚系と運動系が協調的に連携しながら実行されている。しかし近年,これらの感覚系以外にも運動系との連関関係を結んでいる感覚系が存在する可能性が示唆されている。例えば腹部の臓器の大きさや位置など体幹の臓器に重力を感知する受容体としての働きがあるのではないかと言われ始めている。特にMittelstaedt H(Neurosci Biobehav rev 1998;22:473-478)は腎臓からの情報が体幹から姿勢を整えるために寄与しているのではないかと述べている。しかしその説を支持するために内蔵臓器の位置関係と姿勢制御の関係を具体的に調べた研究は未だ少ない。そこで本研究では内蔵臓器の位置関係と姿勢制御の関係を調べるために,飲水する事により胃の重量を変化させる事にした。飲水前後で安静椅座位での重心動揺や姿勢が変化するか否かを重心動揺計並びに三次元動作解析装置を用いて計測し確認する事を本研究の目的とする。【方法】対象は本学学生の健常男性10人,平均年齢21.6歳とした。被験者は前日21時より絶食状態で,測定開始3時間前より飲水も行わない状態とした。胃の中の貯留物を確認するために超音波画像診断装置(FUJIFILM社製FAZONECB)を用いて確認した。被験者は,重心動揺計(ユニメック社製JK101+UM-ART:測定周波数20Hz)の上に設置された椅子に1分間の安静座位をとった後,90秒間の重心動揺を計測した。計測項目は総軌跡長,矩形面積,外周面積,単位軌跡長とした。この計測項目で得られた値は,その後の計測の妥当性を判断するための基準とした。また同時に三次元動作解析装置(Motion Analysis社製MAC3D)を用いて計測部位,C7,両肩峰,Th7,L4,両上前腸骨棘,両上後腸骨棘の計9カ所の位置変化を計測した。計測は条件①飲水無し及び条件②飲水有りにて2回計測した。条件①飲水無しでは,1分間の安静座位後90秒間の計測を実施した。その後1分間のインターバルを挟んで90秒間の計測を計4回行った。条件②飲水有りでは,1分間の安静座位後90秒間の測定を行い,その直後の1分間のインターバル中に60秒かけて500mlの微炭酸飲料を摂取した。その後1分間のインターバルを挟んで90秒間計測を計4回行った。計測開始時から終了時まで超音波を用いて胃の位置や形が変化する様子を視覚的に確認した。各重心動揺計測項目についての統計は,各条件における重心動揺と90秒間計測区間の二要因について2×5の分散分析を実施した。有意差の認められたものは,多重比較検定としてBonferroni法を用いて検討した。三次元動作解析装置を用いての計測結果の統計には,ランドマーク間と90秒間計測区間(平均移動量)の二要因についての3×5の分散分析を実施した。ランドマーク間には有意な主効果が認められた。計測区間間には有意な主効果が認められなかった。ランドマーク間には主効果が認められたため,各ランドマーク間において一元配置分散分析を行った。【倫理的配慮,説明と同意】本研究は,へルシンキ宣言に基づき,事前に研究目的や測定内容等を明記した書面を用いて十分な説明を行った。その上で,被験者より同意を得られた場合のみ測定を行った。【結果】重心動揺計による計測条件②飲水有りにて,飲水直後の90秒間に総軌跡長,外周面積,単位軌跡長に有意な増加が認められた(P<0.05)。条件①と②の比較では飲水直後の90秒間にて総軌跡長,外周面積,矩形面積,単位軌跡長に条件②に有意な増加が認められた(P<0.05)。三次元動作解析装置による計測条件②飲水有りにて,飲水後2回目の90秒間と3回目の90秒間の間に有意にTh7が前方に移動した(P<0.05)。条件②飲水有りにて,飲水後2回目の90秒間と3回目の90秒間の間に有意にC7が前方に移動した(P<0.01)。また飲水後2回目の90秒間と4回目の90秒間の間にも有意にC7が前方に移動した(P<0.05)。【考察】本実験において飲水直後と飲水前,そして飲水後に一定時間経過した状態では安静椅座位における重心動揺の計測において有意差が認められる指標を確認できた。また飲150秒後からは骨盤に対してC7,Th7が前方に移動する事が確認できた。飲水により胃の重量が増加した際に,各ランドマークが一度後方に移動したにも関わらずC7とTh7が有意に前方への移動に反転した現象は骨盤の位置が変化しない分,上部体幹や頭部が前方に移動して姿勢調節を行う過程で起こった可能性が示唆された。【理学療法学研究としての意義】飲水直後に重心動揺が大きくなった結果から,臨床で使用されているバランス評価のためのテスト課題を飲水前,そして後と継時的に計測することによって,飲水によるバランス評価テストへの影響を確認していくための基礎的な資料となる。
著者
森本 武利
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.9-10, 2007-02-01 (Released:2007-05-15)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1
著者
雨宮 洋司
出版者
公益社団法人 日本航海学会
雑誌
日本航海学会誌 (ISSN:04666607)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.113-123, 1970

It was calculated each P.D.C. of 15 items added physically and directly to the container cargoes during processing from vanning to shipping by the productive implements and labor efficiency. The laborers' working hours and wages were fixed at present and some schemes and problems for the rationalization of container system were investigated parameterically. The results are reported as follows: 1. The container transportation form using the trailers shoud be planned variously before the curtailment of the drivers' number. 2. Compared the researched quantity of operating cargoes with the number of container berths being planned in Japan, the excess of supply about the number is considered. 3. The lower P.D.C. of the road, straddle carrier and labourers in port hinders lowering the total P.D.C. 4. The most suitable scheme of the container transportation is to balance each P.D.C. added to cargoes by the processing parts.
著者
芳之内 圭
出版者
公益財団法人 史学会
雑誌
史学雑誌 (ISSN:00182478)
巻号頁・発行日
vol.117, no.8, pp.1414-1434, 2008-08-20 (Released:2017-12-01)

The Higashimaya Bunko copy of Nicchu Gyoji (Daily Events) was, according to a recent study by Nishimoto Masahiro, written during the early 11^<th> century and contains important information about the Heian period not found in any other extant source. This article examines the information provided by Nicchu Gyoji in conjunction with newly discovered sources materials pertaining to court couriers reporting the time to the emperor ("Naijusoji-no-koto"内豎奏時事) and the palace guard's night-watch ("Konoe no-jin Yako-no-koto 近衛陣夜行事), in order to clarify how time was kept at the emperor's quarters(Dairi 内裏).According to Nicchu Gyoji, there were two methods for reporting the time to the emperor: one verbally in the evening through the Mumeimon 無名門 Gate; the other by ramming a stake into a board at which time is written in the court yard inside the Gate. According to related sources for the time, the inscribed placard was not only the means of informing the emperor's attendants of the time, but was itself considered as an instrument for reporting directly to the emperor, and, as such, was carefully handled and guarded by the time courier, whose role was in turn considered very important in palace operations. Regarding the palace guard's night shift, during the time between about 9p.m. and 5a.m. the watch would patrol the palace, performing such duties as eradicating evil omens and preventing fires. At the beginning of the night-watch, the guard would enter through the Mumeimon Gate and announce the time, which the author suggests was performed in accordance with procedures for the time courier.
著者
水谷 光良
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.58-62, 1982-02-25 (Released:2009-02-12)
参考文献数
6
被引用文献数
2 1

植生とライト・トラップとの位置関係から蛾の飛来の規則性を調査し,蛾類群集の研究のためのライト・トラップ最適設置場所について考察した。総個体数と総種数では林縁或いは林縁から約30mはなして設置したトラップで最も多く採集された。一方個々の種においては全体と同様に林縁付近に飛来のピークを持つものと,ピークを持たずほぼ一様に採集されるものの2つの飛来パターンが見られた。そしてこれらはそれぞれ木本食の種と草本食の種にほぼ対応していることが明らかになった。したがって全体での林縁付近のピークは森林からの飛来によって形成されているものと考えられる。また林内に設置したトラップでは個体数,種類数ともに極端に少なかったが,これはライト・トラップの光が林にさえぎられて狭い範囲にしか広がらない為と考えられる。そして林内のみで採集された種が皆無であった点を考え合わせると森林の蛾,或いは森林と草原両方の蛾を最も効率的に集めるためのライト・トラップの設置場所としては林縁付近30m以内が最適と考えられる。
著者
植田 亮平 垣内 洋平 野沢 峻一 岡田 慧 稲葉 雅幸
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp._2P2-J04_1-_2P2-J04_4, 2011

In this paper, integration of local error recovery by visual-feedback and task-level error recovery system is described. In order to build an integrated robot system which utilizes first-order logic representation at the top-level, implementing error recovery in task-level and motion-level is important. In this paper, we focus on motion-level error recovery. Motion-level error is resolved by visual-feedback and motion planner module. In proposed system, top-level task executive does not know about it. Key features of the system are: (1) local error recovery by portable visual-feedback. (2) to utilize symbol to indicate goals of motion controller rather than to use literal pose representation and background updating of the properties of symbols (3) object tracking based-on color-range sensor using particle filter method.
著者
内海 健
出版者
上智大学哲学会
雑誌
哲学論集 (ISSN:09113509)
巻号頁・発行日
no.37, pp.19-40, 2008
著者
松井 知之 高島 誠 池田 巧 北條 達也 長谷 斉 森原 徹 東 善一 木田 圭重 瀬尾 和弥 平本 真知子 伊藤 盛春 吉田 昌平 岩根 浩二
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.C4P1122, 2010

【目的】われわれは整形外科医師の協力を得て,理学療法士(以下PT),トレーナーでメディカルサポートチームを有志で組織し,スポーツ選手の肩肘関節疾患の障害予防と治療を目的に2008年から活動を行っている.今回その活動内容と特徴について報告する.<BR>【方法】1. 京都府高校野球連盟(以下高野連)からの依頼によって,京都府高校野球地方大会のサポートを,PT,医師,トレーナーが協力して行っている.具体的には,試合前検診,処置,試合中の救急対応,試合後の検診およびアイシング,コンディショニングを行い,選手が安心,安全にプレーできるようにサポートしている.<BR>2.中学生,高校生の野球選手に対してシーズンオフである冬季に行われる技術・トレーニング講習会で検診を行っている.医師による肩肘超音波検査,PT3名,1グループによる理学所見評価を行い,トレーナーがコンディショニングを指導している.<BR>3.肩肘関節の障害を認め,保存療法が必要な選手を月2回医師,PT,およびトレーナーでリハビリテーション加療を当院で行っている.<BR>4.月一回,PTが中心となって円滑な情報交換を行うことを目的に勉強会を行い,多施設(病院およびスポーツ現場を含む)共通の問診表,評価項目,投球復帰プログラムの作成を行っている. <BR>【説明と同意】京都府高校野球地方大会のサポートに関しては,高野連から各チームに事前通達を行った.またわれわれも大会前の抽選会,試合前のコイントス時に部長,主将に説明し,試合前後の検診やコンディショニング指導を行っている.検診事業も,原則希望者のみとし,施行するにあたっては,監督,保護者,選手に十分な説明と同意を得た上で実施している.<BR>【結果】1.京都府高校野球大会のサポートは,春・夏・秋の準々決勝から行った.2009年秋季大会では,登板投手24名中,検診およびコンディショニングを実施したのが14名,アイシングのみ実施が3名であった.<BR>2.検診事業は,昨年投手68名に対し,肘関節の超音波検査および理学検査を行った.その際超音波検査で上腕骨小頭障害の投手は5名であった.同年12月には中学生野球教室の際に287名に対し肘関節の超音波検査,投手57名に理学検査を行った.上腕骨小頭障害の選手は8名であった.いずれの検診の際も,検診結果のフィードバックおよびコンディショニング内容のパンフレットを配布し指導を行った.<BR>3.2008年6月から2009年10月までに当院スポーツリハビリテーションに受診した選手は,小・中学生7名,高校生24名,大学・社会人が24名であった.うち投球障害肘が16名,投球障害肩が31名,その他8名であった.多施設間の情報交換資料として,問診表から評価表を作成した.<BR>【考察】京都府高校野球大会のサポートとしては,抽選会時などにメディカルサポートチームの案内に加え,傷害予防,熱中症対策など講演を行い,啓蒙活動を行った.大会中には,投球直後の身体所見を評価し,コンディショニング指導を行った.コンディショニングに関しては,どこまでわれわれが介入するか,難しい問題であるが,コンディショニングの大切さを啓蒙することが重要と考えている.大会サポートに関しても,選手のみならず,可能な限り指導者とコミュニケーションを図る必要があると考える.<BR>検診事業は,ポータブル超音波機器を使用することで,障害の早期発見,早<BR>期治療が可能であり,フィールドで簡便に行える有用な評価法とされ,われわれも導入した.PT3名1グループによる理学所見検査によって,正確なデータを蓄積し,それを分析することで,根拠ある評価,治療を確立し,障害予防に寄与すると考えた.しかし,検診の開催時期,二次検診などフォローアップに関する問題点も多く,今後の課題である.当院スポーツリハビリテーション受診数は増加傾向にあるが,現状は月2回程度の実施であり,多施設で協力して診療を行う必要であり,施設間における共通の評価,投球障害復帰プログラムの作成の必要性が生じる.これによって,選手の現状把握が容易となり,円滑な情報交換が行なえると考えた.また,診療場面に多くのスタッフが集まることで,実際の評価,診療内容を共有可能であり,選手の問題点についても討論することも可能であった.しかし医師,PTおよびトレーナーの連携は良好だが,指導者や家族とのコミュニケーションは十分とは言えず,今後の課題である.<BR>【理学療法学研究としての意義】われわれの取り組みは,多くの職種との連携を重視したものである.投球障害の治療は原則保存療法であり,PTが担う役割は大きいが,投球障害を有する選手の競技復帰は,医師や現場のトレーナーなど多職種との連携,協力が必要である.本活動は,他府県の活動を参考にしているが,今後このような活動を行う方への参考になれればと考える.
著者
山崎徳三郎
出版者
小林鉄次郎
雑誌
錦絵
巻号頁・発行日
1877
著者
飯倉 茂弘 河島 克久 遠藤 徹 藤井 俊茂
出版者
日本雪氷学会
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.367-374, 2000-07-15
被引用文献数
4 1 1

鉄道を雪崩災害から守るためには, さまざまな雪崩予防工や防護工を設置するハード対策とともに, 場所によっては雪崩の発生を的確に検知し, 列車の運転を確実に抑止するソフト対策も必要である.そこで本研究では, 雪崩発生時の適切な列車の運転抑止と迅速な点検・除雪作業を支援する雪崩発生検知システムを開発した.このシステムの雪崩検知方法は, 雪崩危険斜面を有する線路の脇に検知ポール (小型振動センサ内蔵) を設置し, 雪崩発生時に雪がポールに当たることによって生じる振動をとらえて雪崩を検知するものである.この方法の特徴は, 検知原理が単純であり, その結果, 簡単かつ安価にシステムを構成できることである.本システムは, 雪崩の発生を検知する機能に加えて, 発生した雪崩の規模に応じた4段階のレベルの警報を出力する機能を有しているので, 列車の運転抑止に有用であるのみならず, 警報レベルを保線区等の監視局に伝送することによって, 現地の線路除雪作業や点検作業の必要性の有無およびそれらの作業規模等を早期に判断することができる.本システムを黒部峡谷の雪崩多発地に設置し, 一冬季間を通して稼動試験を行った結果, 発生した全ての雪崩を正常に検知でき, 実用性の高さが確認された.