著者
黒崎 久仁彦
出版者
東邦大学
雑誌
東邦醫學會雜誌 (ISSN:00408670)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.262-263, 2005-07-01

医師法では医師の異状死届出が義務づけられているが,異状死に関する具体的な判断基準がいまだに確立されていないこともあり,実際の医療現場において相当数の安当性を欠く異状死取扱いが行われている。近年,医療行為に関連した死亡例について,どこまでが異状死であるかの解釈を巡って医学界内で論議を呼んでいるが,このような医療関連死に立会った医師は,医療上のミスの有無だけではなく,患者家族の十分なインフォームド・コンセントが得られているかという点も考慮した上で,異状死届出の必要性を判断しなければならない。最近の医療関連死の増加に伴い,医学的および法的にこれらの症例を適切に処理することができる中立的専門機関の早急な設立が期待される。
著者
大島 正満
出版者
東京動物學會
雑誌
動物学雑誌
巻号頁・発行日
vol.19, no.230, pp.359-362, 1907
著者
山口 未花子
出版者
日本文化人類学会
雑誌
文化人類学 (ISSN:13490648)
巻号頁・発行日
vol.76, no.4, pp.398-416, 2012-03-31 (Released:2017-04-17)

近年、文化人類学では西洋の二元論的思考を乗り越えようとする議論が活発に行われている。例えばフィリップ・デスコーラは自然と人間の関係を内面と外面の連続性から4つのモードに分類し、人々が集まる場面で支配的になるモードがその社会の存在論であると定義した。このような西洋とは異なる存在論を認めることは、異なる視点から社会を分析することを可能にする。本論文ではこうした議論を踏まえ、狩猟採集民のなかでも特に動物との緊密な関係を維持してきた北米先住民カスカの民族誌から、動物と人間の連続性を検討することを目的とした。具体的には、まずカスカが動物と最も接近する狩猟活動の中でみられた、動物に関する知識や技術、規範、種毎の分類から、カスカの人々が生態学的な知識を利用しながらも交渉可能な対象として動物を捉えていることを明らかにした。また、その動物を食べることが出来るか出来ないかによって儀礼の有無が決まることから、儀礼によって確保しようとする動物との連続性が、決してどの動物種にも求められるものではないことが示唆された。カスカの人々は、狩猟においては動物への接近が切望されるのに対し、日常の生活における過度な接近は同化への怖れを呼び起こすというように、状況によって動物との距離を図り、調節しながら生活をしている。さらにカスカを含めた動物同士の社会関係、物語、メディシン・アニマルといった項目の分析からは、種、あるいは親族集団、個という異なる単位での関係のバリエーションがあることが明らかになった。この中でも個人と動物との関係は最も基礎的な社会単位であり、文化的にもその関係の維持に最も価値がおかれ、注意が払われる。そこには動物達が織りなす世界の一部としての人間という、モードに切り分けられないような連続性というものが見いだせるのである。
著者
賀茂真淵
出版者
巻号頁・発行日
vol.[4],

1 0 0 0 OA 西鶴織留

著者
井原西鶴 著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1928
著者
川島 潤 舩曵 信生 中西 透 竹内 順一 石崎 雅幸 ソウザ・アンドレ・カウダス
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.8, pp.2384-2395, 2006-08-15
参考文献数
16
被引用文献数
1

メモリカードに代表される可搬性メモリは,屋外に持ち出されることの多い着脱可能な小型記録メディアである.そのためメモリカードなどでは,その盗難や紛失時にカードデータ全体が漏洩してしまうことから,カード内ファイルデータの暗号化だけでなく,ファイル管理情報の暗号化を行うことで安全性を高める必要がある.そこで本論文では,Linux をベースに,OS・アプリケーションの変更が不要,メタデータの暗号化が可能,アクセス可能なアプリケーションを指定可能,といった特徴を有するセキュアファイルシステムSAS(Storage Add-on Security)を提案する.本論文では,SASの設計・実装の詳細説明を行ったうえで,ベンチマークソフトによる性能評価結果を報告する.A memorycard has weakness in assuring the safety of its stored data when it is stolen or missing. Therefore, a secure filesystem that can encrypt the stored data is essential in preventingthe risk from illegal users. Besides, the encryption of the metadata is desirable in this vulnerable memorycard to further strengthen the safety. In this paper, we present a design and an implementation of a secure filesystem named SAS (Storage Add-on Security) for a memorycard on Linux. SAS encrypts the metadata as well as the data, and can choose a securityoption to file by file, while the application programs accessible to SAS can be specified by system managers. SAS requires no change of the operating system when it is installed into PDA. The performance of SAS is investigated through a benchmark software.

1 0 0 0 OA 御仕置例類集

出版者
巻号頁・発行日
vol.[50] 乙〔第四輯〕 三十四 上 盗物怪敷品取扱候部 盗物又者不正之品と不存受取并貰或者預り借受候類・盗物并不正之品と不存持運,

1 0 0 0 OA 金之揮

著者
近藤, 清春
出版者
奥村源六
巻号頁・発行日
1728

劇書。享保13年(1728)1月刊。奥村源六版、近藤清春画。内題には「諸芸/評判」と角書がある。2代目市川団十郎の事跡を、編年体で絵入りの年表形式にして記している。初代団十郎の事跡を記した前文を有する別版があるが、当館蔵品と同じく前文のないものが初版と思われる。絵入狂言本や番付などに依拠して記されたと思われる本文に対して、初代団十郎についての記述は、現在判明する史実からは誤りの多いことが既に知られている。数多い団十郎家関係の書物の嚆矢として、近世の内から重視された。書名は、初代中村勘三郎が将軍家から拝領したという金の麾にちなむと考えられる。(児玉竜一)(2017.2)
著者
ABBOU-KEBIR Khadidja ARAI Shoji HASSAN AHMED Ahmed CEULENEER Georges
出版者
一般社団法人 日本鉱物科学会
雑誌
Journal of mineralogical and petrological sciences (ISSN:13456296)
巻号頁・発行日
vol.106, no.5, pp.235-245, 2011-10-01
参考文献数
45
被引用文献数
3

Enigmatic dunitic veins and veinlets crosscutting a podiform chromitite ore body discovered in Wadi Rajmi, northern Oman ophiolite, display a peculiar characteristic of being almost or completely spinel-free. Olivines show an evolution trend from the spinel-free dunites (Fo<sub>93-94</sub> and 0.4 wt% NiO) to the spinel-bearing dunites (Fo<sub>91-93</sub> and 0.2-0.3 wt% NiO). The Cr/(Cr + Al) of chromian spinel grains increases from 0.6 to 0.8, accompanied by a slight increase in Fe<sup>3+</sup> ratio, and the Fo content of olivine decreases in the spinel-bearing dunites. A high-Mg magma, initially undersaturated with chromian spinel, precipitated the spinel-free dunites. Once the spinel saturation of the melt was attained by fractionation, the spinel-bearing dunites precipitated. The initial magma was possibly komatiitic in nature, which was produced at an early stage of detachment of the oceanic lithosphere that formed the Oman ophiolite.
著者
米盛 重保 Yonemori Shigeyasu 琉球大学農学部
出版者
沖縄農業研究会
雑誌
沖縄農業 (ISSN:13441477)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.7-11, 1992-07

高温環境下における養液栽培の技術確立を図る目的で、1990年度に6種類、1991年度に4種類の固形培地を用いてマスクメロンの栽培を行い、生育状況および果実の収量・品質を調査した。1、1990年度はロックウール、ブラックライト、イソライト、バーミキュライト、ピートモスそしてパミスサンドを用いて栽培した結果、初期生育、果実収量・品質に及ぼす培地の影響が顕著に現れ、パミスサンドが最も優れ、つづいてロックウール、ブラックライトとイソライトは果実の収穫は出来たものの商品価値は著しく低かった。又、バーミキュライトとピートモスは初期生育から生育障害が見られ途中で枯死した。2、1991年度は、ロックウール、パミスサンド、パーライトおよびゼオライトの4固形培地を用いて栽培した結果、前年度同様、初期生育、果実収量・品質ともパミスサンドが最もよく、つづいてロックウールが良かった。パーライトとゼオライトは水分の乾湿差が大きいことによると思われる茎葉のしおれが発生し生育、果実収量ともパミスサンド、ロックウールより劣った。3、2カ年間の栽培結果と培地の取扱いの面からパミスサンドは沖縄における養液栽培の培地として優れた培地と判断された。
著者
西尾 久美子
出版者
京都女子大学
雑誌
現代社会研究科論集 = Contemporary society bulletin : 京都女子大学大学院現代社会研究科博士後期課程研究紀要 (ISSN:18820921)
巻号頁・発行日
no.12, pp.107-122, 2018-03

This study is intended as a social scientific investigation for as to why in Japanese-style entertainment industry, Kyoto Geisha districts, The Takarazuka opera and AKB48, have maintained their high quality performances and survived to this day, with a focus on the structure of human resources development and business system. With a view towards examining more heuristic facts based on data, I found three peculiarity common points to those cases. 1. The entertainers of those entertainments have adequate opportunities to prove themselves. 2. Those entertainments have function as to create customer relationship, so that entertainers develop their career through the relationship. 3. Those opportunities work as like as an evaluation information system.
著者
伊藤 祐康
出版者
国立障害者リハビリテーションセンター(研究所)
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

現在、発達障害児童の割合は多くなってきており、その理解と対応は急務となってきている。こういった割合の高さからも教育的なニーズが高まっており、その機序の解明は重要である。これまで自閉症に関して認知科学の視点からコネクショニスト・モデルが提唱されており、特に線形分離できない課題が自閉症者で難しいことが指摘されている。しかし、論理演算を組み込んだ行動実験はこれまでないためおもちゃに論理演算を組み込んだ実験を行い、自閉症児と定型発達児で比べてみる研究を行った。
著者
鶴岡 詳晁
出版者
千葉経済大学
雑誌
千葉経済論叢 (ISSN:0915972X)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.47-60, 2006-01-31

去る2005年5月に米国の世界的企業のGMとフォードの業績が急激に悪化し、社債格付けが「投資不適格」にまで引き下げられた。ほぼ同時に米国の自動車市場での日本車のシェアが30%という経済摩擦の危機ラインを越えたというニュースも世界を駆け巡った。この小論は、第三次日米自動車摩擦が起きることはないのかを、GMなどの業績の問題点を指摘し、かつその改革案を経済論理的な視点から分析したものである。とくに、日本の大手3社が自社のクルマの値上げをはかって、米国企業のクルマの販売増を側面から支援したり、また、GMが日本の富士重工業の持ち株を売却したのをトヨタが引きうけるなど、従来の日米間の競争よりも共生を目指して日米間の摩擦の解消をはかっている。2005年11月時点では、日米間の摩擦は経済論理的な面では起こりえないと信じているが、来年にもち越されるリストラの動きと11月の中間選挙に関連して政治面的な要因から摩擦が起きる可能性がある。

1 0 0 0 OA 丹鶴叢書

著者
水野忠央 編
出版者
中屋徳兵衛[ほか]
巻号頁・発行日
vol.[56], 0000