著者
Kang Shinee Yoon Poong Lee Won Kook
出版者
The Society of Chemical Engineers, Japan
雑誌
JOURNAL OF CHEMICAL ENGINEERING OF JAPAN (ISSN:00219592)
巻号頁・発行日
vol.22, no.5, pp.469-476, 1989
被引用文献数
4

A mathematical model was developed to predict the particle size distribution (PSD) in a steady-state fluidized-bed granulator with selective withdrawal of large particles, and was confirmed through a series of experiments using sodium chloride and sodium sulfate as bed materials. The model was extended from Kunii's PSD model, which was derived only for the backmix-flow fluidized-bed reactor where discharged particles have the same PSD as the materials in the bed.<BR>From batch experiments, operating windows that permit the growth mode to be coating were identified and used in steady-state fluidized-bed granulation experiments.<BR>The segregation factor of materials was obtained from a cold-bed segregation experimental apparatus where large particles were withdrawn selectively through a segregation boot. Using this segregation factor, the steady-state PSD was calculated by computer simulation. It was found from the simulation that as the input flow rate of seed particles increases, average particle size of bed material and output flow rate of grown material decrease.<BR>It was also demonstrated that the simulation results was in good agreement with experimental results obtained from a 10 cm-diameter steady-state fluidized-bed granulation system.
著者
並松 信久
出版者
京都産業大学
雑誌
京都産業大学論集. 人文科学系列 (ISSN:02879727)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.25-54, 2006-03

謝花昇は沖縄で生まれ,第一回県費留学生として東京で農学を学び,農業技師として沖縄県庁の高等官となる。しかし土地問題をめぐって知事と対立し,県庁を辞職後,民権運動に身を投じる。しかし運動は挫折し,36歳の時に精神に変調をきたし帰郷した後,43歳の短い生涯を閉じる。謝花が沖縄の民権運動において指導的な役割を果たしたことに関しては,すでに数多くの研究成果がある。しかしながら,謝花が学んだ近代農学との関連については論じられることが少なかった。謝花の活動と近代農学とを結びつけた研究成果がまったく見当たらないというわけではないが,謝花が依拠した近代農学の特徴と謝花の活動との関連が問われることはなかった。 謝花の農業思想は,沖縄県の経済的自立と政治的自治とを求める実践や運動の過程で形成されたものであり,その中心的な課題は農業と土地をめぐる問題の解決であった。この問題の解決にあたって謝花が依拠するのは,帝国大学農科大学農学科で学んだ近代農学であった。近代農学は多くの欠点をもっていたとはいえ,農業経営や農業技術面での合理性は保たれていた。勧業政策を推進する立場におかれた謝花は必然的に沖縄振興の構想を提示する必要に迫られる。謝花の早世によって構想は完結したものとはいえないが,謝花の著書や講演,そして遺稿となった論文によって沖縄構想がなされたことは明らかである。 しかし謝花による沖縄構想の実現は,その合理性のゆえに,沖縄に残る多くの旧慣が障害となる。そして謝花の沖縄構想は徐々に政治の不合理性に直面せざるをえなくなり,その転換を迫られる。農業分野から政治分野へと転換であるが,この転換は謝花の沖縄構想の限界ではない。沖縄構想の合理性は色あせるものではなく,現代でも示唆的な面が少なくない。謝花は科学者や研究者ではないので,近代農学の実践者とは言い難いのかもしれないが,その精神において科学的合理性を備えていた。謝花は,科学的合理性という精神を備えているという点で科学主義に忠実であった。謝花は科学主義によって権力に抵抗し,地域的な利己主義と対立していった。この過程で謝花の農業思想が形成され,沖縄構想が提示されたものの,それを否定するような悲劇が起こった。
著者
平田 航 日下 博幸
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.119, 2011

<B>1.はじめに</B><BR> 「二つ玉低気圧型」は日本の代表的な気圧配置の一つで、日本各地に悪天をもたらし、大雨や強風などのシビア現象が起こりやすいことが知られている。<BR> 北畑(2010)は過去20年間の二つ玉低気圧事例を4つのタイプ(並進タイプ・日本海低気圧メインタイプ・南岸低気圧メインタイプ・分裂したように見えるタイプ)に分類し、形成過程における日本列島の影響を調査した。<BR> 他にも二つ玉低気圧に関する統計的研究や事例紹介はいくつか行われているが(Miller, 1946; 櫃間, 2006)、本格的な研究はほとんど行われておらず、二つ玉低気圧とシビア現象の関係は未だ明らかになっていない。<BR><BR><B>2.目的</B><BR> 二つ玉低気圧通過時における降水量・降水強度・風速・降雪の地域的特性について統計解析を行う。また、二つ玉低気圧のタイプ別や日本海低気圧・南岸低気圧との比較を行い、降水の実態を解明する。<BR><BR><B>3.使用データ</B><BR>・気象庁アジア太平洋地上天気図(ASAS)<BR>・AMeDASデータ(降水量の1時間値)<BR>・気象官署データ(風速・降雪の深さの1時間値)<BR><BR><B>4.解析手法</B><BR><B>4.1.二つ玉低気圧の統計解析</B><BR> 北畑(2010)が抽出した二つ玉低気圧解析対象事例10年分の並進タイプ・日本海低気圧メイン(以下、日本海Lメイン)タイプ・南岸低気圧メイン(以下、南岸Lメイン)タイプを使用した。また、比較のために、日本海低気圧事例・南岸低気圧事例を抽出した。<BR><B>4.1.1.事例毎の降水観測期間の設定</B><BR> 「降水観測期間」を定義し、地上天気図で判定。<BR><B>4.1.2.降水・最大風速・降雪の地域的特性の調査</B><BR> 総降水量、1時間・3時間降水量の極値、総降雪量、最大風速を地点毎に算出。<BR><B>4.1.3.全国の降水規模調査</B><BR> 事例毎の全国総降水量・降水観測地点数の調査。<BR><B>4.2.シビア現象を引き起こす環境場の考察</B><BR> 二つ玉低気圧の間隔・気圧下降量などに着目。<BR><BR><B>5.結論</B><BR> 二つ玉低気圧通過に伴う降水は日本の南岸や北陸で強いが、日本海Lメインタイプの降水は全国的に弱い傾向がある。二つ玉低気圧と日本海低気圧・南岸低気圧で全国総降水量の差は小さい。並進タイプは降水観測地点割合が全国で90%近く、次いで、南岸Lメインタイプが広範囲に降水をもたらす。日本海Lメインタイプは東日本で降水観測地点割合が大きい。<BR> 最大降水強度の強い事例は、二つ玉低気圧の3タイプともに南岸低気圧が日本列島により近いところを移動する傾向がある。日本海低気圧の経路には明白な差がみられない。<BR> 最大風速の平均は日本海Lメインタイプが沿岸部を中心に強く、南岸Lメインタイプは全国的に10m/sを下回る。<BR> 二つ玉低気圧は日本海低気圧・南岸低気圧よりも全国で降雪が起こりやすくなる。二つ玉低気圧3タイプの中では並進タイプや日本海Lメインタイプは東北や北海道で比較的ふぶきとなりやすい。南岸Lメインタイプは関東南部まで降雪の可能性があり、全国的に穏やかな降雪をもたらすことがわかった。
著者
小宮山楓軒
出版者
巻号頁・発行日
vol.[15],
著者
中山 耕至 木下 泉 青海 忠久 中坊 徹次 田中 克
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.13-20, 1996-05-31 (Released:2010-06-28)
参考文献数
21

Two geographical forms of the temperate bass, Lateolabrax japonicus, from the coasts of China and Japan, are described and compared based on early stage morphological characteristics. Both forms were laboratory-reared under the same conditions. Larvae derived from the Chinese population differed from those from the Japanese population in chromatophore patterns and snout length. Melanophores and xanthophores on the body formed vertical bands in the former, but were scattered in the latter. Larvae and juveniles of the former also had a significantly shorter snout length. Such morphological differences in early ontogenetic characters suggested that the Chinese and Japanese temperate bass represent distinct species.
著者
鷲尾 貞一
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.50, no.7, pp.577-580,a1, 1982-07-01 (Released:2011-08-11)

西蒲原平野は, 信濃川が魚沼台地末端の標高40mから33kmで12m地点へ流下する水衝部を頂点とするので, 洪水ごとに破堤災害を繰返した。その水衝部から海岸山地を切り開き, 日本海へ過水を切落すことは, 蒲原平野全体, なかんずく西蒲原平野の長い間の願望であった。1922年この完成通水をみてから60年, この信濃川改修を軸に用水河川に変革されてゆく西蒲原諸川の変化と, 低平かつ微高差の多いこの地域の水利構成の過程を報告する。
著者
國府 剛
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.94-106, 1969-06-30

判例研究
著者
鈴木 克洋
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.4, pp.1058-1066, 2011 (Released:2013-04-10)
参考文献数
33

非結核性抗酸菌(NTM)は結核菌群以外の培養可能な抗酸菌の総称であり,同菌による肺の感染症が肺NTM症である.肺M. avium complex(MAC)症は同症の80%以上を占め,画像により結節・気管支拡張型と線維空洞型に分類される.近年50代以降の女性の結節・気管支拡張型肺MAC症が顕著に増加している.NTMは環境寄生菌であり,ヒトからヒトへの感染は否定されている.逆に検体からのNTM検出のみでは診断できず,診断基準を満たす必要がある.その概要は肺NTM症に合致する画像所見があり,喀痰から2回同一NTMが培養される事である.肺MAC症の治療はクラリスロマイシンを中心とする化学療法で行うが,その成績は満足できるものではない.従って空洞や気管支拡張などが切除可能範囲に限局している場合,化学療法に外科療法の併用を考慮する.
著者
林 京子 田中 昭弘
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.108, no.6, pp.401-412, 2013-06-15
参考文献数
14

マイタケはサルノコシカケ目サルノコシカケ科のキノコであるが,所謂,サルノコシカケとは異なり,食用としても,香り,味および歯応えが良好で,現在は広く食卓に供されている。元来は深山幽谷に発生する希少なキノコであったが,1980年初め頃より栽培技術の開発および量産化に成功して生産販売が開始され,食品としての市場を確立して現在に至っている。量産技術により生み出されるマイタケは,季節を問わずに入手可能かつ品質に差が少ないという利点もあり,1980年後半より,抽出物あるいはその画分の研究が精力的になされた。その結果,抗腫湯化学療法剤による骨髄抑制の回復樹状細胞の成熟化などの免疫に関する薬理効果,あるいは,降圧血糖値低下血中脂質低下等,主に食物繊維が関与する機能と考えられる薬理効果が報告されている。(株)雪国まいたけ(以後当社と表記)は熱風乾燥マイタケ抽出物を健康食品MDフラクション(R)(以下MDと省略)として1997年に日本で,また,2000年に米国で発売を開始しており,この抽出物については,米国スローンーケタリング記念がんセンター(以下,MSKCCと省略)が,2001年から薬理研究を開始し,その後2004年には,手術および化学療法を施して既に治癒している元乳癌患者(治験時点では健常者の範疇)を対象として臨床試験(第一相:P-I/II;乳癌罹患歴があるためP-Iではない)を実施したへその結果,MDは一方的に免疫を尤進するのではなく免疫を制御する可能性が示され,その結果を2008年6月に第44回米国腫蕩学会(ASCO)で発表した。そこで,当社はこの免疫制御作用に着目して2008年に,(独)農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業技術研究支援センター(生研センター)の平成20年度民間実用化研究促進事業に「まいたけ免疫制御成分の特定と機能性食品としての開発研究」をテーマとして応募し,採択され,3年間を事業期間として研究開発に着手した。研究開発の基本的なコンセプトを,マイタケに含有され,従来から免疫を允進する作用が明らかになっているB-グルカン以外の免疫制御成分を同定することに置いた。その結果,マイタケの貯蔵多糖と考えられるa-(1→6)分岐-a-(1→4)グルカンが意外にもインフルエンザ治療効果を有することを見出した(インフルエンザ治療効果評価は富山大学医学薬学研究部薬用生物資源学研究室が遂行)ので紹介する。しかしながら,マイタケの仕グルカンは生育,保存,抽出等の様々な条件で大きく含有量,分岐構造あるいは分子量が大きく変化し,その変化がインフルエンザ治療効果と密接に関係することが判明したため,先ずは,マイタケに含有されるa-グルカンについて説明する。
著者
澤 正宏
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.34, no.11, pp.44-54, 1985-11-10 (Released:2017-08-01)

大正末期から昭和初年にかけて盛んであったモダニズム詩における表現の場は、社会や現実意識(自我など)、言葉の音楽性などを否定し、詩作品を一個の構成物としてとらえるところに成立した。モダニズム詩の世界は、現実との相互依存によって成立している作品から、概念的に現実をとらえてこれとは全く無縁なところに成立している、所謂超現実の作品までと様々であり、これらの作品の多くは、カントの哲学や仏教への親近によって支えられていることも見逃せない。
著者
澤登 岩尾
出版者
東京教育大学付属駒場中高等学校研究係
雑誌
研究報告
巻号頁・発行日
vol.2, pp.33-55, 1961-12-20

親子関係を法律的に分類すると、実親子関係と法定親子関係となる。実親子関係は、血のつらなりがある親子で、嫡出子と嫡出でない子とに分類できる。嫡出でない子のうちに父の認知しない私生児と父の認知した庶子があったが、私生児は、子のためにその名称が廃止されさらに現行民法によって庶子という名称も同様の趣旨で廃止となった。 ...