著者
ホッセン シャリフ Md. 吉田 めぐみ 中川 博之 長嶋 等 岡留 博司 中島 隆 久城 真代
出版者
マイコトキシン研究会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.77-82, 2012-07-31
参考文献数
17
被引用文献数
2

国産秋まき小麦の製粉過程におけるフザリウム属マイコトキシン・ニバレノールの動態を解析した.ニバレノール濃度が異なる2種類の小麦子実を用いてそれぞれ試験製粉を行い,6つの粉画分(ブレーキ粉:1B,2B,3B,ミドリングス粉:1M,2M,3M)と2つの外皮画分(大フスマと小フスマ)を得た.また可食部となる上質粉は1B,1M,2Bおよび2Mより,また末粉は3Bおよび3Mより作製した.上記4種類の試料(上質粉,末粉,大フスマおよび小フスマ)についてHPLC-UV法によりニバレノール含量を分析した.その結果,ニバレノール濃度が異なる2種類の小麦子実試料ともに製粉画分におけるニバレノールの分布は類似のパターンを示した.

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出版者
巻号頁・発行日
vol.[50] 五ヶ月番 組合申合・家督願,
著者
遠藤 秀文 Rahmadi Prasetyo 西平 守孝 大中 晋
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.1196-1200, 2006-10-10 (Released:2010-06-04)
参考文献数
5

これまで, 無性生殖によるサンゴ移植では, サンゴ種や固定方法の違いによる移植後のサンゴ群体の残存率や成長率について, 長期的かつ定量的に検討された事例は少ない.本研究は, バリ島クタ海岸の礁池においてサンゴの群集の人為的再生の可能性を検討するため, 数種類の固定材料を用いて礁池に設置した20個の自然石基盤の上面および側面に数種類のサンゴ片を移植し, 2年以上にわたり定期的に移植したサンゴの残存, 再固着および成長状況について観察したものである.この研究により, サンゴ移植の実用化に際して必要な移植サンゴの種類や固定方法等による残存率および成長率について定量的なデータが得られたとともに, 海水温とサンゴの成長および影響についても定性的に把握することができた.
著者
阿部 彩
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.362-374, 2012

日本の子どもの相対的貧困率は16%であり,約6人に1人が相対的貧困状態にあると推計される。しかしながら,この相対的貧困の概念については,研究者らも含め殆ど知られておらず,この数値の意味するところが理解されていないのが現状である。本稿では,子どもの相対的貧困率の現状と動向を把握した上で,「豊かさ」と「貧しさ」という観点から,相対的貧困と絶対的貧困の概念の違いを明らかにする。また,一般市民の貧困の概念が,絶対的貧困や物質社会に反抗する精神論に強く影響されており,それが現代における貧困(相対的貧困)の議論の本質を見えにくくしている点を指摘した。最後に,相対的貧困が,どのようにして子どもの健全な育成を妨げているかについて,一つは相対的貧困にあることが子ども自身の社会的排除を引き起こすリスクが高いこと,二つが,子どもが相対的貧困の状態であるということは,親も相対的貧困状況にあるということであり,貧困が親のストレスを高め,親が子どもと過ごす時間を少なくし,孤立させることにより,厳しい子育て環境に置かれていることを指摘した。「豊かさ」や「貧しさ」は相対的な概念であり,たとえ豊かな社会であっても相対的貧困にあることは大きな悪影響を子どもに及ぼす。

1 0 0 0 OA 年録

出版者
巻号頁・発行日
vol.[414],
著者
権田 恭子 GONDA Kyoko
出版者
新潟産業大学経済学部
雑誌
新潟産業大学経済学部紀要 = Bulletin of Niigata Sangyo University Faculty of Economics (ISSN:13411551)
巻号頁・発行日
no.51, pp.27-53, 2018-07

本稿では、大学地域コラボ商品の販売イベントである「大学は美味しい!!」フェアへの出展を契機に、学内の個別の地域連携活動が横のつながりを持ち、大学全体の特色づくりとして位置づけられるようになった、新潟産業大学の実践事例を紹介し、今日、喫緊の課題である、大学におけるアクティブラーニング推進のために求められる、学内連携体制の構築という視点を提示したい。「大学は美味しい!!」フェアとは、全国各地の大学による"大学発"のうまいものを紹介、販売する新宿高島屋の人気催である。本学ではこのイベントに2013年開催の第6回から2017年開催の第10回まで、5年連続参加した。イベント全体としてはもともと農学部や家政学部の出店が多い中で、本学は経済学部として、地元産の農産物や銘菓等の地域に関わりのある商品に注目し、地域の企業と協力した商品開発によって、地域のPRや活性化を目指した。本学では複数のゼミナールが開発した商品を持ち寄り、その他に主に販売を担当するゼミナールを設け、学内横断的に分担、協力することで、このイベントへの参加が学内のさまざまな地域連携活動の成果発表の場として位置づけられ、大学の代表的な地域連携活動として認識されるまでになった。この実践事例から指摘できる点として、大学における地域連携、フィールドワーク型のアクティブラーニングの推進を促すためには、複数ゼミナールの参画、協働体制を教員間で自発的に構築することが有効であること、そのためには地域連携活動を正課の教育活動に位置づけるという新たな価値が大学全体として共有されることが重要である。既存の価値観や組織文化に留まらない、新たな組織の目的に向かって、組織全体と個人が共鳴しながら進化を遂げていく「進化型(ティール)組織」への転換が求められる。
著者
並木正三一世
出版者
巻号頁・発行日
vol.[2],
著者
竹田 千重乃 檜作 進
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.663-669, 1974 (Released:2008-11-21)
参考文献数
11
被引用文献数
14 10

1. アミラーゼ法では,各種でんぷんとも50~70°Cの範囲内で,ほぼ大部分が糊化されていた. 2. 低温の糊化では,各種でんぷんともアミロース分子の糊化が,全体の糊化に比して著しく悪いことが認められた. 3. ジャガイモ,サツマイモは約80°C,ウルチ米でんぷんでは100°C近くの高温で,ヨード法によりアミロース分子は完全に糊化されたと判定されたが,トウモロコシや小麦でんぷんでは100°C,20分の加熱においても,それぞれ84%,75%の糊化度を示し,糊化されにくいことが認められた. 4. 上述のように,各デンプンのアミロースの熱糊化性の相達が,各デンプンの糊化性の特微の1つとして指摘された.
著者
外川 昌彦
出版者
日本文化人類学会
雑誌
民族學研究
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.315-339, 1997

本稿は, インド西ベンガル州のひとつの村落社会を事例に取り上げ, かつてこの地方で強力な覇権を揮っていたヒンドゥー王権と村落社会との関係を考察している。調査地は, インド亜大陸に分布する51の女神の聖地のひとつであり, その村落寺院は中世王権の寄進地を基盤にすることで, 複雑な祭祀体系が今日でも観察可能である。本稿は, 一年半の村落での住み込み調査の資料と, 英領期の土地資料とを統合することで, 村落社会の内部の視点から, 王権が村落の社会生活に深く関与している様子を描き出している。特に, 寺院の祭祀組織が, 王から村落のサーヴィス・カーストに賜与された寄進地と役割配分とに基礎付けられていることが示された。ここでは, 寺院の奉仕者は, 女神祭祀の役割を担うべく王によって任命されたサーヴァントなのであり, 宗教的でかつ政治的なこのような王の役割配分を通して, 王権の正統性が確立されることが論じられた。このような, 南アジア社会に固有の社会的歴史的条件に根ざした政治システムの考察は, 今日の世俗主義(secularism)と宗派主義(communalism)という図式的な対比にも再検討を迫るものとなるだろう。論文は, 8章で構成されている。序論では, 従来の王権論の議論を整理し, 村落社会との関係についての具体的な事例に基づく考察の必要性が論じられる。2章では, 調査村の概況が述べられる。3章では, 女神の聖地の特徴と王の寄進地が検討される。4章と5章は, 女神寺院での実際の儀礼過程が取り上げられる。6章では, 上記の資料に基づいて, 王権の正統性の確立過程が考察される。7章では, 特に, 調査村の独立後の変化に焦点が当てられる。最後に8章で, 結論が述べられている。
著者
神澤 佳子 片平 理子 千歳 万里 金坂 尚人 清水 きよみ 河村 美穂 上村 協子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.69, 2017

目的:神戸市のA児童館は、18歳未満の子どもが利用可能な地域住民に開かれた施設であり、放課後児童クラブと一体的に運営されている。ここでは平成21年度より毎年10~12月の3か月間、遊びの一つとして「どんぐり」を通貨とした買い物体験プログラム「どんぐりマーケット」を行っている。このプログラムを消費者教育の視点からとらえなおして特徴を抽出し、今後の内容の広がりの可能性を考察する。 <br>方法:「どんぐりマーケット」の見学と利用児童の観察、職員へのヒアリングを行い(2016年10~12月)、「子どものまち」等の体験型プログラムと内容を比較検討した。 <br>結果:このプログラムで子ども達は、地域でどんぐりを収集し、マーケットの商品を選択・購入する。そのマーケットで販売する商品を製作し、自ら値段をつけ、会社を組織し販売と通貨管理を行い、売上の一部と労働によって給料を得る。消費者・生産者・労働者の立場を体験しながら、主体的な価値選択と意思決定を行っている。これらは、バイマンシップだけでなく、組織の運営とルールを守りプログラムに参画するシチズンシップの要素も含む「消費者市民」教育の具体的な形といえる。さらに、住民参加による「地域社会との共生」、どんぐりを発芽させ植樹する自然循環体験の内容を持ち、日常に溶け込む継続的な消費者教育という特徴がある。今後、子ども達の企画への参加等を加えることで、一層の内容充実が期待される。
著者
横山 美江 杉本 昌子
出版者
Japan Academy of Nursing Science
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.189-197, 2014-08-20 (Released:2014-10-03)
参考文献数
17
被引用文献数
1

研究目的:本研究では,4か月児健康診査のデータベースの分析から,母親の喫煙が児の出生時の身体計測値(体重,身長,頭囲,胸囲)ならびに出生後の発育にどのように影響するかを明らかにすることを目的とした.方法:本研究で用いたデータベースは,4か月児健康診査を受診した児の健診データのうち,個人情報を全て除外し,連結不可能匿名化したデータファイルを用いた.統計解析には,母親の喫煙と児の身体計測値を重回帰分析等を用いて分析した.結果:3494人の単胎児のデータを分析対象とした.妊娠中に喫煙をしていた母親は全体の2.9%であった.妊娠中の母親の喫煙は,他の要因の影響を調整しても,出生体重,出生身長,出生頭囲と有意な関連が認められた.さらに,4か月児健康診査時の身長および頭囲においても関連が認められ,喫煙していた母親から出生した児は,喫煙していなかった母親から出生した児よりも有意に身長および頭囲が小さく,他の要因を調整しても有意であった.結論:妊娠中の母親の喫煙は,出生時の身体計測値のみならず,4か月児健康診査時の身長や頭囲にも影響していることが明らかとなり,禁煙支援のための対策をさらに強化する必要性が示された.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.456, 2008-09-26

川をまたぐ橋と観覧車が合体した世界に例のない施設が、中国天津市に10月にオープンする見通しだ。 天津市は、市内を流れる海河をロンドンのテムズ川やパリのセーヌ川に匹敵する世界の観光名所にしようと意気込む。目玉となるのが、この「永楽橋」だ。設計を担当したのは川口衞構造設計事務所。川口衞代表は、「橋が美しいだけでは観光客を引き付けられない」と考えた。