著者
多田 正大
出版者
日経BP社
雑誌
日経ドラッグインフォメーションpremium
巻号頁・発行日
no.107, pp.PE9-12, 2006-09-10

■過敏性腸症候群は、ストレスや生活上の不摂生などを引き金に発症する「文明病」である■特徴的な症状は「腹痛を伴う便通異常」であり、便通異常は便秘型、下痢型、混合型に分類される■背景には心身症的な因子があることが多く、治療には薬物療法に加え生活指導が必要である 文明の進歩とともにわれわれの生活も便利になったが、その半面、社会構造も複雑になってきている。こ…
著者
高橋 英明
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.86-93, 1995-04-15 (Released:2017-06-30)

幸福な生活を送る権利が,日本国憲法第25条「生存権,国の社会的使命」によって定められている.これを本質から脅かす脅威,すなわち「幸福への脅威」ないしは「無事であることの破綻」には,「安全」が大きく関係している,この安全を脅かす要素には内的なものと外的なものがあり,内的要素としてがんなどの疾病,外的要素として自然災害や交通事故などの不慮の事故がある. 本稿は地域を対象としたリスクマネジメントの概念を紹介し,さらにすべての外的危険要因である「不慮の事故および犯罪」による被害を考慮することで,地域の危険度の指標化を試み,総合的な観点から地域の安全に関する問題を提起したものである.リスクマネジメントや危険度マップの概念・および文化的視点からの安全の把握は,地域を対象とするばかりではなく,企業や設備,さらに個人の安全問題を明確にする手段となりうるものと思われる.
著者
内藤 栄一
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.178-186, 2007 (Released:2009-03-02)
参考文献数
34
被引用文献数
1 1

ヒトが自己の身体運動を認識できることはその制御において決定的に重要である.自己の四肢運動知覚には筋紡錘からの求心性感覚情報が寄与するが,この処理は主に一次運動野を中心とする運動領野のネットワークで行われる.一次運動野の役割は単なる感覚情報処理にとどまらず,四肢運動知覚機能をも担い,運動野の損傷は運動知覚機能の低下を招く.運動知覚においても階層的構造があり,単純な手の運動知覚には運動領野が,片手―物体運動知覚にはさらに下頭頂葉の活動が,両手―物体運動知覚の場合にはこれらに加えてさらに上頭頂葉の活動が必要になる.これらの領野の活動は,それぞれに対応する運動を実際に制御する場面においても必要であり,運動制御における運動と知覚の一体化の重要性を表す.すなわち,特有の身体運動制御にはそれぞれ特有の脳領域が関与する.この脳領域はその運動の知覚にも関与し,かつその知覚経験には運動制御時に類似した内在的神経プロセスが必須のようだ.ある運動に付随して期待される感覚を前もって予測するフォワードプロセスは,その運動の効率的制御を可能にする.このような合目的脳領域内での内在的神経機序がフォワードプロセスの神経実態なのかもしれない.
著者
瀬野 徹三
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震. 2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.461-477, 1994-03-01
参考文献数
63
被引用文献数
2 1

Tectonics of the Taiwan region is reviewed. Relative plate motions so far obtained are described and rated. The most reliable solution gives 7.4cm/yr Philippine Sea-Eurasian motion in the N50&deg;W direction in central Taiwan. Plate boundary geometries and modes of plate consumption in the region are discussed on the basis of geophysical, geological and geomorphological data. The major thrust zones at the Western Foothills and the Longitudinal Valley constitute mechanical plate boundaries, but a considerable fraction of the relative plate motion is also consumed by the strike-slip faulting off the southeast coast of Taiwan.<br>The cause for the occurrence of the strike-slip faulting off the southeast coast of Taiwan is discussed based on the various models so far proposed. The bending of the Philippine Sea plate due to the subduction at the Ryukyu Trench and the collision in the Longitudinal Valley are similar to the tectonics of the Izu Peninsula region in Japan, and are the most likely cause for the strike-slip faulting.<br>The reconstruction of the motion and plate boundaries in the vicinity of Taiwan for the past 4-6m. y. is reviewed. The Philippine Sea-Eurasian motion for the past 4 Ma is similar to the present one. The motion prior to 4 Ma may be more northward than present due to the absence of subduction at the Philippine Trench. The Luzon arc started to collide with the continental margin of S. E. China around 4 Ma.
著者
小沢 朝江
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.20, no.45, pp.773-778, 2014-06-20 (Released:2014-06-20)
参考文献数
13

Meiji Imperial Palace is the milestone of the modern architecture in Japan, which is known its models were presented to the emperor on the making process.In this study, two models of the palace possessed by Tokyo National Museum are considered their story and the background. One model is for Ekkenjo, made in 1884. As being presented to the emperor after that studied by changing fixtures, this model is positioned as the valuable materials of examining for designing process. The other model is for Nishitamari no ma uwaya, the scarcity example showing a method of construction of the temporally roof.
著者
清水 英範
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D2(土木史) (ISSN:21856532)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.49-68, 2012 (Released:2012-06-20)
参考文献数
62
被引用文献数
3

ジョサイア・コンドルが明治18年(1885)1月に立案した官庁集中計画は,霞が関を官庁街,日比谷を公園とすることを初めて示した計画であり,近代都市計画史上,重要な意味を持っている.しかし,この計画に関する既存研究は極めて少なく,計画に至る経緯やコンドルの計画意図については,これまでほとんど明らかにされてこなかった.本研究は,幾つかの新たな史料を用いて,この問題に初めて迫り,1)太政官による官庁集中計画の実施とコンドルの登用は,井上馨が明治17年4月に提出した建議により決定されたこと,2)コンドルの計画には二案あったが,コンドルの本意は,諸官庁を日比谷練兵場内西側及び教導団の土地に集約し,地質粗悪な日比谷練兵場内東側を大公園とする,第二案の方にあったことなど,幾つかの新事実を明らかにした.
著者
小澤 朝江
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、近代初の一工事専従の国家的組織である皇居造営事務局について、建築技術者の人員編成における近世大工組織との関係を検討するものである。特に、製図等の実務を担当した図工に注目し、宮内庁書陵部所蔵史料により、明治21年の残務掛廃止までに在籍した62名の採用・就業状況、出自、退職後の異動先を検討し、同時期に進捗した東本願寺造営の関係者や、大工家出身の専任技師の兄弟・子弟の採用が目立つこと、退職後は半数以上が省庁等の専任技術者に着任し、図工の経歴が設計職としての足掛かりになったことを指摘した。また、宮大工出身の手中千代太郎を例に、日記から採用経緯や職務の具体像を明らかにした。
著者
山崎 誠
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.1-11, 1988-06-10 (Released:2017-08-01)

守覚法親王の「真俗交談記」は、建久二年重陽宴の後宴として、真衆と俗士が仁和寺御所で世俗の故実と真言の秘事口伝について、学術の交換を行った言談の記録という体裁をとる。しかし、この言談は非在の時に仕掛けられた仮構であり、守覚の法親王という身分に備わる聖俗両界への興味から、秘説の結集を意図したものである。本書の姉妹篇として 「真俗擲金記」「左記」「右記」という言談の形式によらない真俗記のあることをも論証した。

1 0 0 0 OA 歩兵操典

出版者
岡本偉業館
巻号頁・発行日
1897