著者
溝上 慎一 森 朋子 紺田 広明 河井 亨 三保 紀裕 本田 周二 山田 嘉徳
出版者
京都大学高等教育研究開発推進センター
雑誌
京都大学高等教育研究 (ISSN:13414836)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.151-162, 2016-12-01

本研究では、アクティブラーニング(AL)の効果検証において大きな課題の一つとなっている、アクティブラーニングそれ自体の質を測定する「アクティブラーニング(外化)尺度(AL(外化)尺度)」を開発した。研究1 では、作成された12 項目を因子分析し、最終的には、第1 因子の12 項目から成る「AL」(一般因子)とAL に寄与する外化3 項目だけの「AL 外化」(グループ変数)の2 因子からなるBifactor モデルによって解を見いだした。確認的因子分析をおこなった結果も、Bifactor モデルがもっとも適合度が高く、妥当なモデルだと判断された。研究2 では、異なるサンプルに研究1 の結果を適用し、同様の因子構造、確認的因子分析、信頼性を確認し、そのうえで外部変数として学習向上、能力向上、成績との相関関係を検討した。妥当な相関関係があると認められた。The purpose of this study is to develop the "Active Learning (Externalization) Scale" that measures the quality of active learning—a task central to testing the effects of active learning. In Study 1, the factors were analyzed against 12 active-learning items, and we finally found out, in the Bifactor model, the first general factor, "AL" consisting of 12 items and the second group factor consisting of 3 items, "AL-externalization" that contributed to AL. That Bifactor model is ultimately identified as a more viable model, more suitable by the Confirmatory Factor Analyses (CFA). In Study 2, these findings were further confirmed by using different samples: we also identified valid correlations when using learning and competency or achievement as the outer variables.
著者
田村藍水
出版者
巻号頁・発行日
vol.[1],
著者
奈良林 祥
出版者
医学書院
雑誌
助産婦雑誌 (ISSN:00471836)
巻号頁・発行日
vol.52, no.8, pp.692-697, 1998-08-25

急激に増えたセックスレスの相談 「あれっ?」カウンセリングの途中で異変の芽のようなものを感じ,クライアント(相談依頼人)には気づかれないように心の内でドキリとさせられていたのは,もう12,3年も前のこと。わざわざ長野県から,“一昨年結婚致しました長男の嫁から,結婚して1年半になるのに,まだ一度も交わりがありません,と聞かされ,びっくり致しまして”とやって来た人品卑しからざる,その長男なる人物の母親を前にしてのことであった。そして,私を,「あれっ?」と思わせたのは,前日にも似たようなケースを扱ったばかりであり,そう言えば,当時は「性交回避」または「性愛嫌悪症」と言う病名で扱っていたこの種のクライアントが,このところ妙に増えて来ていることにフト思い当たったからである。今にして思えば,後に「Sexless(セックスレス)」と言う言葉がある種流行語のように通用してしまう事態を招くことになる「Sexless husband(セックスレスハズバンド)」と呼ばれる,性を病む亭主の急激な増加と言う現象の前触れに私はその時点で既に出会わされていた,と言うことであったのだ。 厳密に申せば,私が「性交回避」とカルテの病名欄に書き込むケースはかなり以前からなかった訳ではない。でも,あったと言ってもせいぜい年間2〜3例のものであって,世の中には変わった人間もいるものだ,で通り過ぎていたのであるが,それが,毎週のようにケースとして現れると言うことになると,これはおかしい,と言うことにもなる。当然のことであろう。私事めいて恐縮であるが,私のクリニックでは1日5人しか面接は受けないのであるが,一時期,その5人全部がセックスレスの相談と言うことがしばしばあったものである。やはり,異常事態である。
著者
筑波 隆幸 山本 健二
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.122, no.1, pp.15-20, 2003-07-01
参考文献数
20
被引用文献数
2

カテプシンEは免疫細胞や皮膚などに限局的に存在する細胞内アスパラギン酸プロテアーゼである.我々はカテプシンEの機能を解析するために遺伝子欠損マウス(ノックアウトマウス)を作成した.カテプシンE欠損マウスは無菌(Specific pathogen-free, SPF)環境下で飼育しても,全く異常は認められなかったが,コンベンショナル(Conventional)環境下で飼育するとアトピー性皮膚炎様症状を示した.このマウスは病理組織学的にもアトピー性皮膚炎の特徴である表皮肥厚と皮下組織への好酸球,マクロファージ,リンパ球,肥満細胞などの細胞浸潤が認められた.また,血液学的解析でも,高好酸球血症と高IgE血症が見られ,脾臓細胞からのIL-4,IL-5などのTh2サイトカインの産生上昇が観察された.さらに,血清でのIL-1&beta;およびIL-18濃度の上昇とこれらのサイトカインの生物学的半減期の遅延が認められた.アトピー性皮膚炎患者においても,カテプシンE量が健常者とくらべて有意に減少していることから,ヒトおよびマウスともにカテプシンEの欠損あるいは低下によりアトピー性皮膚炎発症を惹起することが分った.<br>
著者
中村 俊哉
雑誌
軽金属 (ISSN:04515994)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.249-256, 2012-06-30
参考文献数
33
著者
石井 壮一郎 片山 恵一
出版者
東海大学
雑誌
東海大学紀要. 工学部 (ISSN:05636787)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.65-70, 2002-03-31

Rechargeable batteries are in fashion as energy sources for electronic appliances such as mobile phones and lap-top computers. Lithium ion secondary batteries are one of the most promising energy devices. In this review, the current research on lithium ion secondary batteries was briefly described, and especially, the problems and future prospects of the cathode materials were presented.
出版者
巻号頁・発行日
vol.[227],
著者
山下 倫明
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.145-146, 1996-01-15 (Released:2008-02-29)
参考文献数
7
著者
山田 兼尚
巻号頁・発行日
2006-03

【報告書構成】成人を対象に実施した質問紙調査について、1)調査実施の概要、2)調査結果の概要、3)調査結果の分析、4)性別・世代別クロス集計表、自由記述、調査票を収録している。併せて、報告書IIIは、30代後半から80代まで継続的な仕事を持ち元気に活躍している(していた)人々を対象に、成育歴、転機、学習歴、人生観などを聴取した面接調査(男性5名、女性29名)の結果も掲載してある。さらに、インタビューを担当した委員による、座談会の記録も収録した。【調査概要】調査は、平成17年3月に30-40歳代の社会人男女2,000名を対象に実施された。質問項目は、1)性別、年齢、勤務体系(常勤、非常勤、パートタイマー、専業主婦(夫))、職種、最終学歴、進学理由、2)(職業に就いている者のみ)現在の職業に就いた契機、現在の仕事が理想の仕事かどうか、転職希望・理由、3)離職・転職経験の有無、4)生きていく上で必要な資質・能力と身につける場所(家庭・学校・職場・地域社会)、5)自分の性格、6)やりたい学習の有無と学習希望内容、7)満足度、8)職業観、9)内容別帰属意識を持つ場、10)人生設計の有無、11)社会観、12)ライフコース、13)子どもの有無、14)(子どものいる者のみ)子どもの数、第一子の性別、生年月、通学学校歴(国立・公立・私立)、第一子の性格、将来の進学先の希望、子どもに何のために働いて欲しいか、進路・就職観、子どもとの会話内容、子どもに向いている職業についての認知、などから構成される。【目次】I.調査の概要1.調査実施の概要2.調査結果の概要(山田兼尚・岩崎久美子)II.質問紙調査分析結果1.社会人の職業意識と進学時の重視事項(椎名久美子)2.人生に必要な資質と能力の形成(立田慶裕)3.満足感の背景(山田兼尚)III.インタビュー調査分析結果1.高齢者のライフ・ヒストリーからみる仕事:働く動機しての生活危機と生きがい(別府明子)2.女性の中年期における再就職を規定する要因(岩崎久美子)3.転職経験を肯定的にとらえている男性に共通する要因(藤田博康)IV.座談会:生き生きと活躍している職業人のインタビュー調査を振り返って(藤田博康・別府明子・中野洋恵・小川待子/岩崎久美子(司会・編集)資 料1 質問紙調査クロス集計表2 質問紙調査自由記述3 質問紙調査票
著者
銭谷 武平
出版者
九州大学
雑誌
九州大學農學部學藝雜誌 (ISSN:03686264)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.375-381, 1952-09

The present investigation was undertaken with a two-fold purpose: 1) to obtain the synopsis of yeasts for the taxonomic studies, and 2) to determine the specific features of "Shiokara" yeasts. In this report the description of morphological and cultural characteristics of true yeasts (23 strains isolated from 15 samples) was made. The summarized characteristics are as follows: almost all of the species of Zygosaccharomyces have around cell while those of Debaryomyces have a round, egg-Shaped or ellipsoid cell containing one or two oil drops (Table 1). Most fi1m- or ring-forming yeasts belong to Debaryomyces(Table2). The fermentable strains of "Shiokara" ?yeasts belong almost all to Zygosac-charomyces and their fermentability is continuous, though not vigorous. The streak culture is shown in Table 3 and photograph. In gelatin stab cultures the liquefaction could not be observed except in some rare cases (Table4). The giant colony of Debaryomyces sp. C_2 is different from any of Debaryomyces already described, the former showing many characteristic concentric rings (Table 5 and photograph).塩辛類の酵母に就いては喜多及び本村・小谷両氏の研究があり, いづれもTorula属とした.著者は第1報に於て各種塩辛類から多数の真正酵母菌を分離しその主要なものはZygosaccharomyces属及びDebaryomyces属に入ることを確めた.本邦に於ける?酵食品のうち味噌・醤油の酵母に就ては諸氏の報告あり高橋・湯川両氏は醤油酵母の,茂木氏は味噌酵母の菌学的性質一般を審かにし其の特性をも明らかにされた.尚叉此等食品の風味の醸成に役立つもの並に有害な菌種をも醒めた.塩辛及び其類似品は動物蛋白乃至其分解物を主とし糖質に比較的乏しく前記農産?酵食品とは其組成に著しい差異があり叉味噌・醤油類は絲状菌酵素の作用が顕著なるに比し塩辛類は概ね自己消化酵素に依存する.従つて塩辛酵母(塩辛中の酵母類を総指して塩辛酵母と呼ぶととにする) は味噌・醤油酵母とは其趣を異にすると想像されDebaryomyces属酵母の非常に多いことも一つの特色と推定し得る.著者は塩辛酵母の特性を明かにし且分類学的位置を定めるために15試料から分離した真正酵母菌の23菌株に就て形態学的並に生理学的性質一般に関する研究を行つたので報告する. 本報では形態的並に培養町性質に就て記載する.

1 0 0 0 OA 火水風災雑輯

出版者
巻号頁・発行日
vol.[1],
著者
Takahashi Eiji Watanabe Kentaro Satoh Hiroo
雑誌
Memoirs of National Institute of Polar Research. Special issue
巻号頁・発行日
vol.40, pp.84-95, 1986-02

Siliceous cysts of 29 different morphological shapes were observed in the sea ice and sea water at the Kita-no-seto Strait, north of Syowa Station, Antarctica. Twenty species of those were newly discovered in the Antarctic waters. Cysts collected were in the size range of 3 to 10μm. They were tentatively classified into four groups based on their morphological characteristics; Sphaerica, Ovoidea, Hemisphaerica, and Tri/quadrihedra. Twelve cysts representative of each group and a cyst of Paraphysomonas imperforata confirmed newly were described. Cysts appeared from March to May, and in December (summer to autumn season) and the species diversity was highest in December with 18 species. Among 29 species, 20 appeared in the sea ice, eight in both sea ice and sea water, and one in sea water only. Main habitat of them seemed to be the brine pockets or channels of the sea ice.