著者
山田 仁 Hitoshi Yamada
雑誌
Ex : エクス : 言語文化論集
巻号頁・発行日
no.4, pp.87-102, 2006-03-31
著者
佐藤 亘 橘 完太
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第30回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.180-181, 2014 (Released:2015-04-01)

強化学習とは試行錯誤を通じて未知環境における最適行動を獲得する学習手法である.強い非定常性を持つ環境で強化学習を行う場合,学習に膨大な時間がかかってしまう可能性がある.この問題に関してさまざまな研究がされてきた.著者の知るかぎりではこれらの手法は環境変化の認知と環境への対応という2つの部分から構成されているという点で共通している.従来手法ではエージェントに環境変化を認知するセンサーを持たせ,最適行動と探索行動の切り替えを行っていたが,提案手法では確率分布としての状態価値をベイズ更新することにより環境変化時の最適行動と探索行動を確率分布に従って切り替えられるようになる.
著者
内池 慶四郎
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法学研究 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.78, no.10, pp.1-27, 2005-10

論説一 発端 : 津田論文の問題提起二 近時学説の情況 イ 星野論文 ロ 北川批判 (「民法学の歩み」)三 基本的課題の所在 (1) 星野論文における「起草者の意思」の問題 (2) 対立する起草者・起案者の意見と法の定立 (3) 所謂「歴史的解釈方法」における「歴史」の意味 (4) 法の不備欠缺と学説四 出発点に立ち戻って : 民法九七条・五二六条の現在的意味 イ 近代的通信制度の発達と民法九七条・五二六条の存在意義 ロ 近時学説の態度 ハ 「隔地者」と「対話者」の問題性五 近時の通信機器の発達と意思表示 (1) 通信時間の短縮と発信・到達による区別の関係 : 民法典の死法化? (2) 通信期間の短縮という要因 (3) 表示方法の「化形化」の要因 (4) 新たな表示方法に対する法的対処の問題 (5) 前記の「解釈の歴史性」についての補注 (6) 本論文における基本的問題の提起 A 意思表示に固有の問題 : 成立・効力発生時期に関する民法九七条の規定対象 B 契約=法律行為に固有の問題 : 契約の成立・発効要件 C 意思表示の問題と契約の問題との関連性 D 「契約の成立時期」を定める五二六条の実益に関する疑問解題
著者
日比野 誠恵 堀 進悟
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.12, pp.925-934, 2010-12-15 (Released:2011-02-09)
参考文献数
23
被引用文献数
1

米国救急医学の歴史的背景,現状(法整備,統計指標,診療体制,他職種の関与,ワークライフバランスと女性参加,病院経営との関係),更に問題点をまとめ,本邦に導入されつつあるER型救急医療と比較した。米国救急医学は1960年代に誕生し,組織化され,専門医資格,研修制度を獲得し,現在では約4万人の救急医が全米で働き,社会のセーフテイネットとして機能している。米国救急医学が発展した理由は,医療需要に合致する救急医療モデルであったこと,そして完全シフト制と待遇に配慮して救急医を多数獲得し,組織化により診療以外にも教育,研究体制を整備したことによる。本邦のER型救急医療は1990年代に誕生し,大都市を中心に普及しつつあるが,未だ黎明期にあるため救急医の数も少なく,業務も入院診療を担当し,したがって完全シフト制ではない場合があり,米国救急医学と同一の内容ではない。一方,本邦のER型救急医療と同様に,欧州でも同様に米国救急医学を導入する潮流があり,都市型救急医療需要への対応は先進国に共通した現象と考えられる。米国救急医学の歴史を振り返ると,ER型救急医療を発展させるためには,救急医の質の標準化,ワークライフバランスを考慮した人的資源の獲得が重要と考えられる。
著者
サフキン パーベル 加藤 卓哉 福里 司 森島 繁生
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.1627-1637, 2016-07-15

人物の顔には老化にともない,しみやくすみ,皺やたるみが発生し,顔の印象が大きく変化する.このことから,経年変化顔生成技術は長期的な犯罪捜査や行方不明者の捜索に必要となる.既存研究の1つは,年代別顔画像データベースを用いて入力顔画像を小片画像単位で再構成することで,写実的な経年変化顔画像を合成する手法を提案している.しかし,この手法を含め,従来の経年変化顔画像生成手法には,老化時の人物の個人性を表す重要な要素である人物固有の皺の発生位置や形状を考慮できないという問題があった.そこで本稿では,この問題を解決する新たな経年変化顔画像合成手法を提案する.具体的には,若年での表情変化によってできる皺が老化時の皺発生の原因となるという医学的知見に基づき,表情変化時の顔画像で発生している皺を無表情顔画像へ転写することによって,老化時の皺の発生位置と形状を推定する.その後,年代別顔画像データベースを用いて皺の発生位置と形状が推定された結果を小片画像単位で再構成することで経年変化顔画像を合成する.提案手法は皺の位置や形状の個人性を反映し,また主観評価実験の結果から,その有用性を示した.
著者
小林 英一 末田 高嗣 西村 好之 大江 清登 池上 国広 山瀬 晴義
出版者
公益社団法人日本船舶海洋工学会
雑誌
日本造船学会論文集 (ISSN:05148499)
巻号頁・発行日
no.189, pp.347-356, 2001-06
被引用文献数
1

本実験の結果をまとめると次の通りである。<BR>(1) ガイドフェンス部のテンションメンバ材に剛性の高い鋼製を用いると計算条件の2kn航走時に最大曳航荷重が380kN程度と相当過大になるが,剛性の低いナイロンロープを用いると110kN程度にまで軽減でき,実用性が高まる。<BR>(2) またトラップブームに作用する波浪荷重も剛性の低いナイロンロープを採用すると100kN程度にまで低減できる。<BR>本研究では, 具体的な製品開発に必要なオイルフェンスに作用する波浪荷重計測を行い, 構造設計に必要なデータを取得するとともに, 波浪中の挙動把握を水槽実験で実施した。また荒天下で安全にオイルフェンスを降下揚収できる装置を開発設計するために必要な諸データ取得のためハンドリング予備試験を実施すると共に, オイルフェンスの波浪強度を把握するためのフェンス主要部分模型を製作し, 引っ張り強度試験を実施した。さらにこれら等に基づいて, フェンスシステムの基本設計を行った。<BR>次に高波浪中でも安全かつ効率的にオイルフェンス等をハンドリングできる昇降装置等, およびオイルフェンスの自己膨張メカニズムの基本設計を行った。主要な成果を次にまとめる。<BR>(1) ガイドフェンス部のテンションメンバ材は鋼製を採用すると荷重が多大となり索径が大きくなりハンドリングが難しくなるが, 伸び剛性の低い材料の採用により, 波浪荷重が低減され実用的な設計が可能であることが判明した。<BR>(2) ガイドフェンス曳航力, 油回収装置の係留力等設計に必要な諸データが取得された。<BR>(3) 上記実験結果に基づき曳航索がナイロンロープ, ガイドフェンスがポリエステル繊維材から構成されるオイルフェンスシステムの試設計が完了した。<BR>(4) オイルフェンスを安全に投下・回収させるハンドリング装置設計のための水槽実験を実施しシュータ方式の有効性を実証した。<BR>(5) この実験結果に基づきフェンスの等をハンドリングする展張装置の基本設計を行った。<BR>(6) さらにオイルフェンスの自己膨張メカニズムの基本設計を行った。<BR>(7) 以上により最大波高6mの海域においても十分な滞油性能を有する実用的なオイルフェンスシステムの設計が完了し実用性の見通しが得られた。
著者
牛瀧 文宏
出版者
日本数学会
雑誌
数学通信 (ISSN:13421387)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.106-109, 2016-05
著者
飯野 祐樹
出版者
日本保育学会
雑誌
保育学研究 (ISSN:13409808)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.90-104, 2014-08-31

本研究は,1996年にニュージーランドで就学前統一カリキュラムとして作成されたテ・ファーリキの作成過程を作成に携わった関係者へのインタビューから明らかにすることを目的としたものである。テ・ファーリキの作成には,ヨーロッパ系民族とマオリ族の代表執筆者との協同によって作成されたことがこれまでの研究で明らかになっている。本研究では,代表執筆者に加え,ニュージーランド政府関係者へのインタビュー調査を行うことで,3方向からテ・ファーリキの作成過程を検討した。結果,テ・ファーリキの作成過程では,マオリ族側が主導し,そこにヨーロッパ系民族の価値観が内包されるというこれまでの見解とは異なる事実が明らかとなった。
著者
亀山 康子 蟹江 憲史
出版者
SOCIETY OF ENVIRONMENTAL SCIENCE, JAPAN
雑誌
環境科学会誌 = Environmental science (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.175-185, 2008-05-30

気候変動対処を目的とした京都議定書には,先進国等の2008年から2012年までの温室効果ガス排出量に対して排出抑制目標が規定されているが,その後の対策(次期枠組み)に関しては今後の交渉に委ねられている。十分な気候変動緩和のためには次期枠組みにおける途上国の実質的参加が不可欠だが,途上国は現在交渉開始に消極的である。その理由として,対策が経済的発展を阻害すると認識されていることに加えて,前向きに交渉するために必要な政策立案能力が不足している点がアジア諸国に見受けられる。今後アジア諸国が政策立案能力を高め,気候変動対策の長所を最大限に生かせるような交渉ポジションを自律的に形成することを目指し,その第一歩としてアジア諸国の次期枠組みに関する国内制度設計や議論を調査した。 6力国での調査結果を比較し,結果として以下の3点が挙げられた。(1)国内の次期枠組みに関する議論は,国の経済水準が高い一部の国でのみ進展しており,その他の国では次期枠組みの議論はまったく始まっておらず現行枠組みの実施段階にあった。(2)現行枠組みの実施に関しては,1国を除くすべての国で省横断的な組織が設立されていた。また,複数の国ではその組織の参加者として政府関係者のみならず研究者や環境NGOも認められており,非政府組織が政策立案に影響を及ぼしうる場として機能していることが分かった。(3)次期枠組みに関する議論が各国内で始まった場合に予想される各国のポジションは多様であった。このような多様なニーズにきめ細かく対応するためには,気候変動枠組条約および京都議定書といった従来型の多国間条約のみならず,地域協力や二国間協力等を含めた幅広い枠組みに発展させていく必要があることが指摘できた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュ-タ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.721, pp.42-45, 2009-01-15

社保庁の民営化まで残り1年。年金記録問題の再発防止に向けた改革がようやく動き出した。 政府関係者や年金システム関係者、IT業界幹部への取材を総合すると改革の焦点が浮かび上がってきた。データ品質の劣化防止、システム調達の見直しを含む全面刷新プロジェクトの軌道修正、社保庁解体によって誕生する日本年金機構のITガバナンスの確立—の三つがポイントだ。
著者
Tsuneyuki Yamamoto Kusnandar Anggadiredja Takato Hiranita
出版者
(公社)日本薬理学会
雑誌
Journal of Pharmacological Sciences (ISSN:13478613)
巻号頁・発行日
vol.96, no.4, pp.382-388, 2004 (Released:2004-12-22)
参考文献数
51
被引用文献数
16 23

Growing evidence on the involvement of cannabinoids in the rewarding effects of various kinds of drugs of abuse has suggested that not only the classical dopaminergic and opioidergic, but also the most recently established endocannabinoid system is implicated in the brain reward system. Furthermore, the interplay between the three systems has been shown to be an essential neural substrate underlying many aspects of drug addiction including craving and relapse. Relapse, the resumption of drug taking following a period of drug abstinence, is considered the main hurdle in treating drug addiction. Yet, little is known about its underlying mechanisms. The link between the endocannabinoid system and the arachidonic cascade is currently being clarified. While several findings have, indeed, shown the essential role of the endocannabinoid system in the reinstatement model, the endocannabinoid-arachidonic acid pathway may also be an important part in the neural machinery underlying relapse. This evidence may provide an alternative approach that will open a novel strategy in combating drug addiction.
著者
亀山 康子
出版者
SOCIETY OF ENVIRONMENTAL SCIENCE, JAPAN
雑誌
環境科学会誌 (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.133-136, 2009

国際関係論(International Relations)において,環境というテーマは比較的新しいが,近年では,環境関連の研究が国際関係論の中でも進展しつつある。本稿では,国際関係論全般の歴史を概観し,その中での環境研究の意義と到達点について考察する。 国際関係論とは,国家と国家の間の関係に関する学問である。しかし,環境問題は,(1)被害の及ぶ範囲が国境を越える,(2)解決に向けた国際的議論において,国内アクターの参加が求められる,という2点において,従来型の国際関係論で前提となっていた国際問題と異なる・そのため,新たな理論が必要となってきた。現在,国際関係論の主な環境研究として,(1)国際環境条約の交渉過程の分析,(2)国際環境条約の効果に関する分析,(3)複数の国際環境条約のリンケージに関する分析,(4)ある特定の国の外交政策の一部としての環境外交,(5)国内アクターの国際的活動等がある。 地球環境問題をテーマに掲げる国際関係専門家の数が増えるにつれ,学会においてもその勢力は急速に増している。欧米では,早くから(2)の中でも環境研究者が1990年代以降勢力を拡大した。これと比べると,日本ではまだ発展途上にある。 環境科学会において,今後,国際関係論との関係はますます密になっていく可能性がある。国際関係論のように学問分野内での環境研究者のフォーラムが未発達の場合,環境科学会のように,すべての学問分野に門戸を開き続ける学会の存在は今日でも貴重といえる。また,環境科学会では,政府関係者,自治体関係者,産業界,市民団体,学生,が集う場を提供しているため,多様な立場の個人の意見交換の場としての機能が今後も期待される。
著者
亀山 康子
出版者
環境科学会
雑誌
環境科学会誌 = Environmental science (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.133-136, 2009-03-31
参考文献数
2

国際関係論(International Relations)において,環境というテーマは比較的新しいが,近年では,環境関連の研究が国際関係論の中でも進展しつつある。本稿では,国際関係論全般の歴史を概観し,その中での環境研究の意義と到達点について考察する。 国際関係論とは,国家と国家の間の関係に関する学問である。しかし,環境問題は,(1)被害の及ぶ範囲が国境を越える,(2)解決に向けた国際的議論において,国内アクターの参加が求められる,という2点において,従来型の国際関係論で前提となっていた国際問題と異なる・そのため,新たな理論が必要となってきた。現在,国際関係論の主な環境研究として,(1)国際環境条約の交渉過程の分析,(2)国際環境条約の効果に関する分析,(3)複数の国際環境条約のリンケージに関する分析,(4)ある特定の国の外交政策の一部としての環境外交,(5)国内アクターの国際的活動等がある。 地球環境問題をテーマに掲げる国際関係専門家の数が増えるにつれ,学会においてもその勢力は急速に増している。欧米では,早くから(2)の中でも環境研究者が1990年代以降勢力を拡大した。これと比べると,日本ではまだ発展途上にある。 環境科学会において,今後,国際関係論との関係はますます密になっていく可能性がある。国際関係論のように学問分野内での環境研究者のフォーラムが未発達の場合,環境科学会のように,すべての学問分野に門戸を開き続ける学会の存在は今日でも貴重といえる。また,環境科学会では,政府関係者,自治体関係者,産業界,市民団体,学生,が集う場を提供しているため,多様な立場の個人の意見交換の場としての機能が今後も期待される。