著者
荒木 修 苅部 陽子 田村 元彦 小林 哲 千田 雅之 三好 新一郎
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.223-228, 2016
被引用文献数
1

症例は55歳の男性.数年前から近医で両側巨大肺囊胞症と診断され在宅酸素療法が導入されていた.労作時呼吸困難がさらに悪化し手術目的に当院紹介となった.%肺活量38.7%,一秒量470 mlと高度の低肺機能を呈していたが,残存肺血管床は温存されていると考え,経皮的心肺補助装置使用下に2期的に囊胞切除術を行った結果,肺機能は著明に改善した.
著者
川口 沙織 内野 利香 山崎 裕司 加藤 宗規
出版者
高知リハビリテーション学院
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.9-13, 2016-03-31

立位での方向転換が困難なため移乗の介助量が多い状態が続いていた急性期と慢性期の重度片麻痺患者2症例に対して段階的な難易度設定を用いた行動分析学的介入を実施した.介入前までは移乗動作を総課題提示法によって練習したが,移乗動作能力に変化はなかった.そこで困難であった立位での方向転換に特化した介入を実施した.介入では,平行棒につかまっての約120°の方向転換を30°ごとの4範囲に分割し,段階的に回転角度を拡げていった.その結果,両症例とも介入開始後1週間以内で方向転換が可能となり,移乗動作は監視下で実施できるようになった.したがって,一連の行動連鎖の中で特に困難な行動要素が存在する場合,その行動要素を切り離して段階的な難易度設定による介入を導入することが有効なものと考えられた.
著者
青山 佐喜子 片寄 眞木子 川原崎 淑子 小西 春江 阪上 愛子 澤田 参子 志垣 瞳 富永 しのぶ 正井 千代子 山本 信子 山本 由喜子 米田 泰子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.21-34, 2004-02-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
39

1)76冊の江戸期料理本中のしょうゆの出現数は2808,たまりは314,いり酒は1166であった. うすしょうゆは230,きしょうゆは205であった. うす 2)うすしょうゆの表記は,うす・薄・淡・稀・色うすきがあった. きしょうゆの表記はき・生・若があった. しかし,現在使われているうすくちしょうゆという表記は見られなかった. 3)うすしょうゆ,きしょうゆのしょうゆ合計に対する出現割合の高い料理本の著者の居住地は京都,大坂など関西が多く,関東は少なかった. 4)江戸初期から次第にたまり,いり酒が減少傾向になり,一方,その他しょうゆが多くなり,うすしょうゆ,きしょうゆも出現して,しょうゆの種類が多様化した. 5)著者の居住地,しょうゆの種類と出現時期,使われ方から,関西でのうす色・うす味食文化は江戸中期から形成されたと推察された. 謝辞本研究はヒガシマル醤油株式会社からの委託研究であり,研究助成金をご供与くださいましたヒガシマル醤油株式会社ならびに貴重なご指導とご助言を賜りました同社の牛尾公平氏に厚く感謝申し上げます. また,文献検索と解読の過程で貴重なご指導を賜りました西山短期大学の余田弘実先生に厚く感謝申し上げます.
著者
舟田 優花 川島 基展 早川 大地 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, no.11, pp.195-198, 2016-03-02

3DCGコンテンツでモーションキャプチャを用いることが増えている。モーションキャプチャで得られたデータは再利用されることが少なく、これは時間やコスト面で非効率的である。本提案手法では、演技データと演出的概念との相関量を求めてアーカイブ化することでユーザーが直感的に演技データを検索することを可能とした関連研究をうけ、より直感的な検索操作が可能なスクラップブックシステムを構築した。演技データに関する制作管理情報を用いて演出的概念との相関量を求める。システムは3D空間上であらわし、演出的概念への相関の強さから検索対象となる各演技データを配置した。ヘッドマウントディスプレイと非接触型センシングデバイスを用い、演技データと演出的概念のオブジェクトを操作することで検索を行う。
著者
舟田 優花 川島 基展 早川 大地 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.195-198, 2016

3DCGコンテンツでモーションキャプチャを用いることが増えている。モーションキャプチャで得られたデータは再利用されることが少なく、これは時間やコスト面で非効率的である。本提案手法では、演技データと演出的概念との相関量を求めてアーカイブ化することでユーザーが直感的に演技データを検索することを可能とした関連研究をうけ、より直感的な検索操作が可能なスクラップブックシステムを構築した。演技データに関する制作管理情報を用いて演出的概念との相関量を求める。システムは3D空間上であらわし、演出的概念への相関の強さから検索対象となる各演技データを配置した。ヘッドマウントディスプレイと非接触型センシングデバイスを用い、演技データと演出的概念のオブジェクトを操作することで検索を行う。
著者
山田 昂 岡 哲資
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp."2A2-L02(1)"-"2A2-L02(2)", 2014-05-24

This paper describes an immersive virtual environment in which one can cooperate with a virtual character through spoken dialogue and arrange animals, flowers, musical instruments, and pieces of furniture in a dedicated area. This study is motivated by animal therapy and sandplay therapy and directed for building a virtual environment that gives a sense of peace.
著者
寺本 義也 内田 亨
出版者
新潟国際情報大学情報文化学部
雑誌
新潟国際情報大学情報文化学部紀要 (ISSN:24238465)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.71-79, 2016-04-01

本稿では、まず、水産大国であるノルウェー王国の経済と水産業を概観した。ノルウェー王国の水産業は、GDP 構成比0.8%、就業人口0.6%と少ないものの、輸出品としては、水産物が2 番目に来ている。次に、ノルウェーの水産業とそれを支援する機関がどのような役割を果たしているのか明らかにした。第一に、ノルウェー水産物審議会(NSC)の主な活動は、マーケティング、市場への情報提供、コミュニケーション、の3つである。そして、NSC は、ノルウェーにおける水産業のマネジメントとしてサステナビリティの3つの柱(社会、経済、環境)を打ち立てている。第二に、ノルウェー産業科学技術研究所(SINTEF)は、先端的R&D 支援を行う研究機関であり、水産業及び養殖業のマネジメント、沿岸域の管理、漁業と養殖管理について、それらの重要性を明らかにしている。また、技術革新と高品質の科学による「ノルウェーモデル」を掲げている。
著者
菅野 敬 阿部 祐子 奥田 一雄 高橋 正征
出版者
海洋深層水利用学会
雑誌
海洋深層水研究 (ISSN:13458477)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.3-13, 2008-07-30 (Released:2010-06-28)
参考文献数
14

海洋深層水 (以下, 深層水) の清浄性の評価の一部として, 懸濁物質の量と質に着目し高知県海洋深層水研究所で取水している深度320mの深層水と深度5mの表層水について, 2005年7月から月1回の調査を16ヶ月実施した.本研究では孔径0.45μm HAミリポア濾紙に捕集された懸濁物質を主対象とした.同一時期の採取試料の懸濁物質量は常に深層水で表層水よりも少なく平均では表層水の14%以下で, 深層水と表層水ともに懸濁物質量の季節的な変動は確認できなかった.深層水の懸濁物質量の変動範囲は0.195~0.993mg/L (平均0.550mg/L) と1mg/L以下であった.濾紙に捕集した懸濁物質粒子の走査型電子顕微鏡観察により, 深層水の粒子は表層水に比べ小型であるが有機物集塊並びに有機物由来と思われる膜状物や完全なプランクトン藻類細胞は極めて少なかった.しかし深層水の懸濁物質から表層水の4%以下の微量のクロロフィルaが検出されプランクトン藻類のシードストック存在の可能性が示唆された.