著者
水野 守道
出版者
日本結合組織学会
雑誌
Connective tissue (ISSN:0916572X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.69-75, 2000-03-25

The regeneration of teeth and bone becomes to be a new therapy in the near future. Our group have been proposed that the extracellular matrix is an powerful stimulator for the regeneration of tissues. Recently we found that bone marrow cells which were harvested from rat femur, differentiated into osteoblasts when cells were cultured with type I collagen. Type II, III, and V collagen did not show the inducing activity. Therefore the inducing activity of type I collagen is specific. The induction by collagen was mediated by α2β1 integrin receptor of cells. The osteoblastic differentiation was inhibited by the interruption of the binding of collagen with α2β1 integrin. Type I collagen contributes to the osteoblastic differentiation at the early stage. At the late stage, bone sialoprotein(BSP)had a crucial role for the differentiation. When the binding of BSP with receptor was suppressed by the presence of the specific antibody, the expression of osteoblastic phenotypes of bone marrow cells were suppressed. Type I collagen enhanced the formation of mineralized tissues by dental pulp cells in the medium containing β-glycerophosphate. These findings imply that extracellular matrix facilitates the formation of mineralized tissues.
著者
竹花 一成
出版者
比較眼科学会
雑誌
比較眼科研究 (ISSN:02867486)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1-2, pp.1-2_5-1-2_9, 2003-10-06 (Released:2015-03-28)
参考文献数
4

眼窩は眼球とその周辺に位置する眼球付属器を容れる円錐状の空洞である。この空洞は眼球を保護しその機能を維持するために大変重要な部分である。眼窩軸と眼球軸(視軸)は完全には一致せず眼窩軸がやや内側に傾いており空洞とその中にある構造物の基本的構造と機能そして障害時の変化について記載する。
出版者
巻号頁・発行日
vol.117 膳所城絵図,
著者
赤枝 香奈子
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.129-146, 2005-06-30

同性間の親密な関係は, しばしば「同性愛/友情」という二項対立的な図式によって解釈される.しかし女性同士の親密性については, 従来, その分類が曖昧であるとされ, 同性愛と友情が連続的であるのみならず, 母性愛とも連続性をもつものとみなされてきた.<BR>公的領域と私的領域の分離に基づく近代社会において, 親密性は私的領域に属する事柄とされる.そして性・愛・結婚を三位一体とする「ロマンティック・ラブ・イデオロギー」によって, 私的領域は形成されてきたと言われる.しかし, 母性愛と女性同士の友情や愛情は, 必ずしも親和的ではなかった.それはロマンティック・ラブの核心に位置するとされる, 生殖から解放された「自由に塑型できるセクシュアリティ」 (A.ギデンズ) を志向するかどうかという違いに端的に表される.近代日本の女学校において見られた女性同士の親密な関係は, しばしば「安全な」友情か「危険な」同性愛に分断され論じられてきたが, 現在から振り返った場合, 彼女たちの親密な関係は, まさしくロマンティック・ラブの実践であったといえる.そのような親密性は, 女学校において実践される限りは, 健全な成長の一段階としてみなされたが, ひとたび女学校の外へ出ると, 「異常」のレッテルを貼られ, 「母」とは対照的に位置づけられ, スティグマ化された独身女性の表象である「老嬢」と結びつけられ, 貶められた.
著者
大久保 雄作 三品 美夏 茅沼 秀樹 渡邊 俊文
出版者
一般社団法人 日本獣医麻酔外科学会
雑誌
日本獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:21896623)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.31-35, 2015 (Released:2015-11-24)
参考文献数
8

排尿困難を主訴として、8歳、去勢雄のゴールデン・レトリバーが来院した。肉眼的に症例の会陰部は腫脹しており、逆行性尿路造影検査では会陰部尿道内にテニスボール大の腫瘤性病変が確認された。排尿困難の改善を目的として、会陰部正中から外科的にアプローチし、腫瘤周辺の尿道の一部分とともに腫瘤を摘出し、同時に外尿道口の再建を行った。摘出した腫瘤は病理組織学的に平滑筋腫と診断され、摘出後は良好な臨床経過が得られた。
著者
伊東 輝夫 西 敦子 内田 和幸 チェンバーズ ジェームズ 椎 宏樹
出版者
一般社団法人 日本獣医麻酔外科学会
雑誌
日本獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:21896623)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.37-41, 2015 (Released:2015-11-24)
参考文献数
14

脊椎原発骨肉腫は犬では稀な疾患であり、その治療や予後に関する報告は少ない。本報告では減容積手術を実施した3例について述べる。症例1は雑種犬、12歳、雌、体重10kgで、第3腰椎の骨肉腫による進行性の後肢麻痺がみられた。減容積手術で麻痺は一時的に改善したが、その後麻痺が進行し、術後46日目に安楽死させた。症例2は雑種犬、8歳、雌、体重15 kgで、第12胸椎の骨肉腫による急性の後肢麻痺がみられた。減容積手術と6回のカルボプラチン治療により7ヶ月以上歩行機能の維持が可能であった。症例3はウエルッシュ・コーギー・ペンブローク、10歳、雄、体重11 kgで、第5胸椎骨の肉腫による後肢麻痺を急性発症した。減容積手術を実施したが麻痺は改善せず、術後27日目に死亡した。以上の症例の治療経過から、脊椎骨肉腫の減容積切除は診断と緩和に有効であるが、予後は症例によって大きく異なることが示唆された。
著者
Yasuyuki KANEKO Shidow TORISU Mitsuyoshi HAGIO Ryoji YAMAGUCHI Shinya MIZUTANI Kiyokazu NAGANOBU
出版者
公益社団法人 日本獣医学会
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
pp.15-0425, (Released:2015-11-30)
被引用文献数
2

Hepatopulmonary syndrome (HPS) is a respiratory complication of hepatic disease, that is well recognized in humans and defined by the presence of 1) liver disease, 2) hypoxemia and/or high alveolar-arterial oxygen gradient (AaDO2) and 3) intrapulmonary vasodilatation. The present report describes a similar case of HPS in a dog. A six-month-old Papillon was diagnosed with ductal plate malformation with chronic active hepatitis and showed progressive increases in AaDO2 over the course of the following six months. The presence of intrapulmonary vasodilatation was confirmed by agitated saline contrast transthoracic echocardiography. Also, the absence of congenital cardiac defect was confirmed by transthoracic echocardiography. From these results, we suspected that this dog had HPS. This is the first description of suspected canine HPS.
著者
Masaki MICHISHITA Aya OHTSUKA Rei NAKAHIRA Tsuyoshi TAJIMA Takayuki NAKAGAWA Nobuo SASAKI Toshiro ARAI Kimimasa TAKAHASHI
出版者
公益社団法人 日本獣医学会
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
pp.15-0550, (Released:2015-11-28)
被引用文献数
1 22

Feline mammary carcinomas are characterized by rapid progression and metastases. Vascular endothelial growth factor (VEGF) is a key regulator of tumor angiogenesis, proliferation and metastasis. The present study aimed to investigate the effects of a single drug therapy of bevacizumab on a xenograft model of feline mammary carcinoma expressing VEGF protein. Bevacizumab treatment suppressed tumor growth by inhibiting angiogenesis and enhancing apoptosis; however, it did not affect the tumor proliferation index. Thus, bevacizumab had anti-tumor effects on a xenograft model, and this may be useful for the treatment of feline mammary carcinoma.
著者
張学健 菅野文友
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.38(1987-SE-054), pp.1-8, 1987-06-24

本報告では、ソフトウェア製品のライフサイクルにおける劣化特性について検討した。信頼性工学の基本的な考え方の一つとしてのバスタブ曲線が、ソフトウェア製品の場合にも適用できるという観点から、ソフトウェア製品の故障時間分布に対応して、ワイブル分布を導入した。ソフトウェア製品は、間欠的に使用される複数のコンポーネント(機能モジュール)から構成されているシステムとする。各コンポーネントの使用確率を検討し、その使用確率がソフトウェア製品の信頼度に対する影響を調べた。ソフトウェア製品の運用段階における事後保全(リビジョンアップ)および予防保全(バージョンアップ)は、ソフトウェア製品の稼動信頼性に対して、無視できない影響を与える。本報告では、こういった影響を吟味し、バージョンアップの効果を表わすバージョンアップ効果関数も導入して、若干の定式化を試みた。
著者
小松 和彦
出版者
学士会
雑誌
学士会会報
巻号頁・発行日
vol.2015, no.6, pp.41-52, 2015-11
著者
和田 忍
出版者
中央大学人文科学研究所
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
no.81, pp.269-292, 2015

アルフリッチによる『聖人伝』(Ælfric Lives of Saints)には,「呪術について」という説話が収録されている。この説話の中にはhæðen 'heathen' の語が5 度出現し,聖書的な文脈での「異教徒」の意味で使用されている。本論では,アルフリッチがhæðen という語彙に上述の意味に加えて,ヴァイキングの存在も含めていると考えられることを示す。アルフリッチは,この「呪術について」の説話において,ヴァイキングを示す「デーン人」(ða Denisca 'the Danes')という語を使用していない。それ故,彼は直接的にヴァイキングを言及していない。しかし,このテキストにおいて,hæðenとともにscucca(sceocca)といった語彙を取り上げて分析すると,アルフリッチはこれらの語彙を通じて,ヴァイキングを意識していることがわかる。そして,アルフリッチは,キリスト教の教理を浸透させるという説教集の目的とは別に,この呪術についての説話を通じて,ヴァイキングがイングランド人に対して脅威となる異教徒であると示唆している。
著者
今井 民子
出版者
弘前大学
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
vol.92, pp.65-70, 2004-10

本稿では,イギリスの音楽史家C.バーニーによる『ヘンデル略伝』をとり上げ,その特質を明らかにした.本書は-ンデルの生誕100年,没後25年を記念する歴史的な大コンサートに関する報告書『ヘンデル記念演奏会報告』(1785)に含まれる-ンデルの略伝であり,著者のバーニーは,この歴史的なイヴェントの公的な記録者として国王より依頼を受けた。-ンデルの伝記としては,彼のなくなった翌年,匿名で出版されたJ.マナリングによる『-ンデル回想録』(1760)が最も早い。バーニーはマナリングの記述に依拠しつつ,ヘンデルの渡英前のハンブルク時代の活躍を新たに明らかにし,また,自身の若い項のヘンデルとの交流体験をふまえて,巨匠の晩年の姿を浮き彫りにしている。
著者
原田 謙 杉澤 秀博 小林 江里香 Jersey Liang
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.382-397, 2001
被引用文献数
1

本研究は, 全国高齢者に対する3年間の縦断調査データ (1987-1990) を用いて, 高齢者の所得変動の実態を明らかにし, 貧困への転落, 貧困からの脱出という所得変動の関連要因を検証することを目的とした.本人と配偶者の年間所得の合計が120万円未満の高齢者を貧困層と操作的に定義し, 関連要因として社会経済的地位およびライフイベント指標を分析に投入した. 分析の結果, 以下のような知見が得られた.<BR>(1) 各時点の貧困層の出現割合は 34.7% (1987), 31.7% (1990) であったが, 追跡期間中に全体の8.8%が貧困転落, 11.8%が貧困脱出を経験していた.<BR>(2) 社会経済的地位に関して, 学歴が高い者の方が貧困転落の確率が低く, 最長職の職種によって貧困転落・貧困脱出の確率が異なった.<BR>(3) 高齢期のライフイベントに関して, 追跡期間中における配偶者との死別は, 女性にとってのみ貧困転落のリスク要因であった.追跡期間中における失職は貧困転落のリスク要因であり, 就労継続は貧困脱出の促進要因であった.<BR>(4) 社会経済的地位, ライフイベントの影響をコントロールしても, 性別, 年齢, 生活機能といった要因が, 高齢者の所得変動に有意に関連していることが明らかになった.具体的には男性の方が女性より貧困脱出の確率が高く, 高齢である者, 初回調査時点の生活機能が低い者の方が貧困脱出の確率が低かった.
著者
中島 和一 上田 智
出版者
一般社団法人 日本粘土学会
雑誌
粘土科学 (ISSN:04706455)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.57-75, 1990-04-24 (Released:2011-09-20)
参考文献数
110
被引用文献数
1

Heulandite-clinoptilolite, analcime-wairakite, mordenite and ferrierite are main natural zeolites which are widely distributed. We have reviewed histories of synthetic study on the main natural zeolites, and mineralogical properties and formation conditions of the natural zeolites synthesized.
著者
羽藤 英二
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.13-27, 2002-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
81
被引用文献数
1 1

本稿では, ネットワーク上の行動原理とモデルを整理した上で, 今後の研究の方向性を展望してみたい. 交通行動モデル発展の経緯を整理した上で, 行動モデルとネットワークモデルの理論的整合性に留意して, 均衡配分理論の定式化と, 最適性条件, ローディングアルゴリズムをレビューする. 従来のモデルを下敷きに, 新たなモデルの枠組み構築に向けた課題と展望について触れる.
著者
長瀧 寛之 永井 孝幸 都倉 信樹
出版者
公益社団法人 日本工学教育協会
雑誌
工学教育 (ISSN:13412167)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.5_8-5_14, 2007 (Released:2007-10-04)
参考文献数
11
被引用文献数
1

This paper reports trials to record all possible lectures and to deliver on demand the recorded video contents in the Department of Information Systems at Tottori University of Environmental Studies. Main features of the efforts by the department are summarized as follows : (1) Every possible lecture is recorded and delivered on demand. (2) The activity is done at reasonable initial and running costs. (3) Voluntary students and teachers work together as technical and management staff without university staff. For the fiscal years 2004 and 2005, more than 1000 lectures, each of which lasted 90 minutes were recorded successfully, and the total running cost was less than 2-million yen, including the maintenance cost and payment. In this paper, we describe how we realized the three features, and analyze the details of the costs.