著者
新垣 雅人 児嶋 哲文 平口 悦郎 村上 貴久 松本 譲 寺本 賢一
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.39, no.10, pp.1577-1581, 2006-10-01
被引用文献数
4

横隔膜ヘルニアの1型であるまれな傍裂孔ヘルニアの1例を経験したので報告する.症例は70歳の女性で,固形物摂取時の嚥下困難と嘔吐を主訴に,当院を受診した.上部消化管内視鏡検査とバリウム検査にて,食道裂孔ヘルニアの傍食道型と術前診断した.手術は腹腔鏡下に行い,食道胃接合部および胃上部付近を剥離し,後縦隔内に入り込んでいた胃穹隆部を整復したところ,ヘルニア門は左横隔膜にあり食道裂孔との間には横隔膜脚が介在していた.横隔膜ヘルニア(傍裂孔ヘルニア)と判断し,ヘルニア門を閉鎖した後,食道胃接合部付近剥離による逆流を考慮してToupet法を施行した.術後経過は良好で,11日目に退院した.本症はまれな病態で,かつ術前診断が困難であることより術式の選択に迷うが,本例ではヘルニア門の閉鎖とToupet法を施行し良好な結果を得ることができたことから,本疾患に対し,状況に応じてToupet法などを用いることは有用と考えられる.
著者
福島 理子
出版者
懐徳堂記念会
雑誌
懐徳 (ISSN:02884941)
巻号頁・発行日
no.83, pp.6-18, 2015-01
著者
か げ
出版者
公益社団法人日本船舶海洋工学会
雑誌
造船協会雑纂 (ISSN:03861597)
巻号頁・発行日
no.21, pp.88-93, 1920-05-30
著者
森田 茂紀 根本 圭介
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.359-362, 1993-09-05

水稲根系の形態について研究していく場合, 根系の枠組みを構成している1次根の伸長方向は, 重要な形質となる. 著者等は, 1次根の伸長方向を定量的に推定するための方法を開発改艮してきた. しかし, ある根系における1次根の空間的な分布を評価したり, 異なる根系を相互に比較する方法は, いまだ確立していなかった. そこで, 1次根が空間的に均等に伸長していることを仮定した水稲1次根均等伸長モデル (均等モデル) を想定した. この均等モデルの特性について検討を行なった結果, 1次根の走向角 (1次根と水平面とがなす角度) をθとした場合, 走向角別の1次根の頻度分布がcos θであること, 走向角の平均値が約32.7゜であること, 走向角が0-30゜と30-90゜の1次根の数が等しいことなどが分かった. 実際に, 水稲品種むさしこがねおよびIR50の根系における1次根の走向角別頻度分布を均等モデルと比較したところ, いずれの品種も斜横方向が若干「空いて」いるが, 斜下方向が若干「混んで」いるという傾向を示した. さらに, 両品種の差異についてみてみると, IR50に比較してむさしこがねが下方向で1次根の相対的な密度が高いことも分かった. 以上のように, 均等モデルは1次根の空間的分布における品種間差異の解析にも有効であることが分かった.

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著者
木村毅 文
出版者
講談社
巻号頁・発行日
1952
著者
栗原 秀幸
出版者
北海道大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1994

食後高血糖抑制効果を期待できるα-グルコシダーゼ阻害物質を水産食品中に見いだす研究はほとんどなされていない。その萌芽的研究として、本研究により海藻食品のヒジキからα-グルコシダーゼ阻害物質を初めて単離し、構造、阻害活性および様式を明らかにした。まず、寒天平板を用いたα-グルコシダーゼ阻害性試験を指標として、阻害成分の分画をおこなった。市販乾燥ヒジキの含水メタノール抽出物から各種クロマトグラフィーにより分画し、二種類の阻害物質を単離した。得られた両阻害物質はともに糖および含硫化合物呈色試験に陽性で、GCにより脂肪酸残基の存在が明らかとなった。各種臓器分析(IR、UV、MS、NMR)の結果から、両阻害物質の構造を植物の主要な糖脂質である6-スルホ-α-キノボビラノシルジアシルグリセロール(SQDG)およびそのリゾ型の6-スルホ-α-キノボビラノシルモノアシルグリセロール(SQMG)と決定した。速度論的解析により、SQDGの酵母α-グルコシダーゼに対する阻害物質定数(Ki)を3.0μMと、阻害様式を拮抗型阻害とそれぞれ明らかにした。SQMGの単離量が少なく、Kiを求めることができなかったので、SQMGとSQDGの同濃度での酵素阻害率を比較したところ、SQMGの阻害活性が2.5倍強かった。以上のように、ヒジキから新タイプのα-グルコシダーゼ阻害物質として糖脂質を得た。本研究では、SQDGとSQMGの酵素阻害性は始めて明らかにされ、糖脂質研究の中でも遅れていたグリセロ糖脂質を対象とした研究発展の端緒となるに違いない。今後、スルホキノボ-ス類縁体の酵素阻害性や単離した阻害物質のin vivoでの有効性を検討する必要がある。
著者
後藤 仁志 Khayyer Abbas 五十里 洋行 堀 智恵実
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.41-45, 2009 (Released:2010-02-09)
参考文献数
7
被引用文献数
1

The paper presents a 3D-CMPS method for refined simulation of a plunging breaking wave and resultant splash-up. The Corrected MPS (CMPS) has been extended to three dimensions and 3D-CMPS method has been developed on the basis of 3D-MPS method. To enhance the computational efficiency of the calculations, the parallelization of 3D-CMPS method has been carried out with two different solvers of simultaneous linear equations corresponding to the Poisson Pressure Equation (PPE). The parallelization has been performed based on a dynamic domain decomposition strategy for an optimized load balancing among the processors.
著者
人見 裕江 中村 陽子 小河 孝則 畝 博 井上 仁 仁科 祐子
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

グループホームやデイサービスにおける痴呆症高齢者ケアの実態と美容を取り入れたケアの効果について、事例分析、免疫機能、動脈硬化指数、家族に及ぼす美容の効果、およびスタッフをはじめとするケア提供者へ及ぼす影響について検討した。免疫機能、動脈硬化指数では変化が明らかではなかったが、認知症高齢者の表情が豊かになり、言語も増す傾向が示され、スタッフや家族への相互作用があることが示唆された。化粧が及ぼす生理・心理的反応に関する基礎的研究(北川・人見、2006)を行い、手軽にできる口紅について、心理的変化および脳活動・自律神経機能に与える影響について検討した。口紅をつけた結果、これまでの報告にもみられるように、化粧による気分の高揚や積極性の向上などの心理的変化が認められた。しかし、このような心理的変化では、脳活動。自律神経機能には有意な影響を与えないことが示唆された。京都、イスタンブール、ベルリンにおける第20-22回アルツハイマー病協会国際会議に参加し、世界の認知症ケアに関する情報を得た。A老年性痴呆疾患治療病棟における攻撃的行動のある認知症高齢者に対するスタッフの態度とバーンアウト症候群との関係をパイロットスタデイとして調査した。攻撃的行動を否定的に捕らえるスタッフはバーンアウト傾向にあることが示唆され、認知症ケアにおける看護介入の方策、およびスタッフ教育について、検討する必要性が急務であることが示めされた(人見・中平・中村・他、2006)。そこで、大阪および山陰地方の介護施設のスタッフ約1、500人を対象に、調査研究を行った。また、代替療法を用いた介入研究を地域の病院における療養型治療病棟や特養において実施し、本人だけでなくスタッフおよび家族への波及効果がある傾向が示された。今後、全国の痴呆症ケアに関わる病院や施設および事業所等に勤務するスタッフの態度とバーンアウト症候群との関係を明らかにし、介護提供者の教育システムを構築に関する示唆を得ると共に、提言をする予定である。