著者
石井 宏美 虫明 眞砂子
出版者
岡山大学教師教育開発センター
雑誌
岡山大学教師教育開発センター紀要 (ISSN:21861323)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.57-68, 2011-03-10
被引用文献数
1

日本の唱歌やわらべうたが含まれる歌唱共通教材のあり方について、小学生への歌唱共通教材に対する印象調査を踏まえて考察した。その結果、①低学年では身近な内容の歌唱教材が重要であること②低学年・中学年では、歌詞への関心が高いこと③高学年ではメロディやリズムへの関心が高いこと④曲に対する好みは、同じ学年では類似していることの4点が明らかになった。これらの結果を踏まえて、教師は児童の興味・関心に目を向けた学習を展開すること、歌詞に関心が向けられる歌唱指導を行うこと、「音楽文化の継承」として大人が子どもへ残していきたい唱歌だけでなく、児童がこれからも歌っていきたいと主体的に感じる唱歌との出会いを大切に、歌唱共通教材として24曲の指定の枠にとらわれず幅広く唱歌を取り入れることが重要である。
著者
Katsuhiko Yamamoto Zhi Zhu Masashi Unoki Naofumi Aoki
出版者
信号処理学会
雑誌
Journal of Signal Processing (ISSN:13426230)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.205-208, 2014-07-30 (Released:2014-07-30)
参考文献数
10

Speech scrambling methods are widely used for copyright protection and encrypting digital speech signals in order to guarantee the confidentiality of the original signals. They are very important methods for preventing eavesdropping and unauthorized copying. However, it seems to be impossible to completely recover a scrambled speech signal into the original signal. Moreover, nobody can comprehend the partial speech content from speech signals scrambled with these methods. In this paper, we propose a semi-scramble method for speech signals based on phonemic restoration. By using a speech scrambling method based on the random-bit shift of quantization bits, speech signals are converted to scrambled signals in partial intervals. We evaluated the confidentiality and efficiency of the proposed method by using two objective measures, signal-to-error ratio (SER) and perceptual evaluation of speech quality (PESQ). As a result, we confirmed that the proposed method can play a role in copyright protection for an original signal and recover a semi-scrambled speech signal into the original one. Finally, we indicated that the acoustic characteristics of signal semi-scrambled with the proposed method enable the listener to understand the speech information.
著者
常見 信代 鶴島 博和 森下 園 梁川 洋子 田付 秋子
出版者
北海学園大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、ブリテン諸島を構成する4つの地域において、教区が確立されていない12世紀以前に平信徒への司牧がどのような教会組織によって行われたか、その実態を多角的に検証したものである。 その結果、10世紀以前にはイングランドとスコットランドやアイルランド、ウェールズとの間に教会組織の顕著な相違は認められず、教会改革の過程で差異が強調されたことをあきらかにした。
著者
小田倉 泉
出版者
埼玉大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の目的は、子どもの権利尊重に基づく教育実践を遂行するための、研修プログラムを作成することである。ここで言う子どもの権利尊重とは、J.コルチャックによる「子どもの人間としての権利」である。本研究ではコルチャックの思想に基づく実践として高い評価が報告されたイスラエルのアヴィハイル・スクールにおいて、その実践を調査し、今日の子どもの権利尊重実践のための研修プログラムを作成した。権利尊重実践のためのポイントは、子どもの権利を具体化するための子どもとの「対話」である。従って、研修プログラムは教師間の価値観の共有と対話力の向上に主眼を置いた3段階となった。
著者
徳永 隆治 松本 隆 徳田 功
出版者
一般社団法人日本応用数理学会
雑誌
応用数理 (ISSN:09172270)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.271-282, 1997-12-15
被引用文献数
1

This paper reports a simple algorithm for reconstructing bifurcation diagrams only from time-wave forms of a parameterized family of dynamical systems, without knowing an explicit form of the dynamics and its dependence on the parameters. The algorithm consists of two steps. First, nonlinear predictors are sought using a particular class of nonlinear functions with a lot of model parameters. Second, significant parameters contributing the bifurcation are found by the principal component analysis. Using the parameterized family of nonlinear predictors, it is possible to obtain bifurcation diagram qualitatively similar to that of the original systems. The algorithm is tested against Henon equation and Rossler equation.
著者
Nishimura Hirokazu
出版者
ELSEVIER
雑誌
Handbook of quantum logic and quantum structures : quantum logic
巻号頁・発行日
pp.227-260, 2007-08

* single copies can be downloaded and printed for the reader's personal research and study
著者
佐藤 貴保
出版者
新潟大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

11~13世紀に、中国西北部のユーラシア大陸の東西を結ぶ交易路を支配していた西夏王国が実施していた交通制度、特に西夏の公的な使者が所持していた身分証(符牌)の制度について、西夏時代の遺跡から出土した西夏語の文献を用いて研究を行なった。本研究によって、西夏の身分証の制度のいくつかが、前近代の中央ユーラシア諸国家の制度と共通している点があること、またいくつかの制度には西夏独自のものもあることが明らかになった。
著者
新家 光雄 赤堀 俊和 眞鍋 哲典 竹内 力 桂 成基 福井 壽男 鈴木 昭弘
出版者
社団法人日本鉄鋼協会
雑誌
鐵と鋼 : 日本鐡鋼協會々誌 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.90, no.3, pp.154-161, 2004-03-01
被引用文献数
1

科研費報告書収録論文(課題番号:15200035/研究代表者:新家光雄/ナノ変調構造制御による生体用低弾性率型超弾塑性機能チタン材料の創製)
著者
西 友規 山口 実靖
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.10, pp.1-6, 2012-12-05

動画共有サービスが普及し,それらの Web サイトには多くの動画がユーザによってアップロードされ,共有されている.多くの動画共有サイトですでに動画検索機能が提供されているが,動画共有サイトの普及と重要性の高まりを受け検索精度のさらなる向上は重要な課題の一つと考えることできる.本稿では, Web コミュニティの抽出手法と,ユーザが公開している動画リストの 2 点に着目し,これらにもとづく動画検索手法を提案する.本手法では,動画リストによる動画の登録を, Web コミュニティ抽出における Web ページから Web ページへのリンクと類似と考え, Web コミュニティ抽出手法を動画共有サイトに対して適用する.これにより動画共有サイトから動画コミュニティの抽出を行い,抽出された動画コミュニティを検索結果ととらえ動画検索を行う.提案手法を既存の検索手法と比較した結果,提案手法が既存手法より高い精度で動画の検索を行うことが可能であり,提案手法が有効であることが確認された.A large number of vides files are shared in video sharing services in the internet. In this paper, we propose a video community extraction method based on web community extraction methods, which consist of fan pages and center pages, and TF-IDF. With our proposed method, a video and a video list are considered as a center page and a fan page in web community extraction, respectively. For evaluation, we executed video search based on the proposed video community extraction and compared its search result with that of other methods. Our experimental results have shown that the proposed method have been able to provide better search results than other methods.
著者
宮田 麻理子
出版者
東京女子医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

我々は、視床の触覚核であるVPm核の中継細胞への上行性線維が神経損傷後5日以降に一本支配から多重支配になることを明らかにした。しかし、抑制性入力の変化に不明であった。そこで、本課題では、末梢神経損傷後経日的にVPm中継細胞から抑制性GABA電流を調べた。その結果、手術1日目からシナプスGABA電流は減弱し、一方でシナプス外GABA電流は増加していた。lこの増加は手術後7日目では多重支配した細胞のみに観られら。さらに、正常動物でVPmにシナプス外GABA受容体のアドニストを投与したところ、多重支配が生じた。したがって、損傷後のシナプス外GABA電流の増加が上行性線維改編を誘導する可能性がある。
著者
多田野 寛人
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

タンパク質をコードしない非翻訳性RNA(ncRNA)は様々な生命現象に関与している。近年、200塩基以上の長さの長鎖のncRNAが多数同定されており、その一部の機能が明らかにされている。また、真確生物の複雑性とncRNAの種類数との関連が指摘されている。従って、高次な生物の種特異的な形質の発現に長鎖ncRNAが重要な役割を担う可能性があるが、これまでにそれが検証された例はほとんどない。私が研究対象とするセイヨウミツバチは社会性昆虫であり、労働カーストである雌の働き蜂は羽化後の日齢に応じてコロニー維持の様々な仕事を分担する。私はこれまでに働き蜂の齡差分業を制御する候補遺伝子として、働き蜂脳内において分業依存に発現変動するミツバチに固有な新規長鎖ncRNA遺伝子、Nb-1を同定している。本研究課題において私は、Nb-1 RNAが社会性を含めたミツバチの多彩な形質発現に関与する可能性を検証する目的で、ミツバチの生活史の様々な局面におけるNb-1 RNAの発現を解析してきた。しかし、Nb-1 RNAは新規なncRNAであり、生体機能については全く不明であった。そこで本年度では、はじめにRNAiをもちいたNb-1 RNAの発現抑制系を構築した。次に、Nb-1の分子経路の下流において機能する遺伝子を検索するために、マイクロアレイによりNb-1の発現抑制による遺伝子発現プロファイルの変化を解析した。その結果、Nb-1により発現が促進される候補として、複数の転写因子遺伝子を同定した。これら候補遺伝子のショウジョウバエのオーソログは発生運命決定や分化を含む、発生のイベントにおいて重要な機能を担うことから、Nb-1はこれらの転写因子遺伝子群の発現制御を介してミツバチの特徴的な形質の発現に寄与していることが示唆された。