著者
池田 華子
出版者
京都大学大学院教育学研究科
雑誌
京都大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13452142)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.398-411, 2008-03-31

Presently we often think that various problems in educational environment, such as bullying and truancy, result from the dilution of human relations in our daily lives. In such contexts, we tend to think that the concept of relation is something substantialsomething we can actively and manipulatively deal with. However, in order to grasp the invisible aspect of the relation, we should take a different approach. This article casts new light on the concept of relation by reexamining Weil's idea about μεταξν. By using the Greek preposition μεταξν as a noun, she shows us the importance of "medium" or "mediation" in our encounters with the other whom we may not recognize easily. Such encounters put us into the state of confusion and conflict. It is the function of μεταξν that gives us energy to tolerate it. In the following, first, our daily lives will be discussed as the state of oblivion of relation. Next, examining her usage of μεταξν, another possibility entailed by the concept of relation will be revealed.
著者
ファン MT
出版者
名古屋大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

本研究では,Geometric Algebra(GA)による特徴抽出の統計理論的な検証をすすめる.機械学習の特徴抽出のための空間折り畳みモデルを提案する.提案手法では,同じクラスに属するインスタンス間の距離が小さく,異なるクラスに属するインスタンス間の距離が大きくなるように、クラスラベルと距離とのクロスエントロピーを最小化するように推定する.そして,UCIの他のベンチマークの分類問題を用いて線形判別分析とニューラルネットワーク及びサポートベクターマシンに対しても有効性を示した.そして,GAの一部をみなすConformal GA(CGA)の幾何空間を用いた近似方法および,回転や平行移動の幾何性質を同時に持つデータでのクラスタリング手法を提案した.CGA空間におけるベクトルの内積を用いて超球への近似手法を提案した.次に,データの確率密度関数を定義し,その確率密度関数をクラスタリングのアルゴリズムを提案した.データ分類実験結果では従来手法と比較して高い分類精度が得られたことを示した.また,超球の中心が事前に分かる場合の適用例として,パーティクルフィルタを用いた単一カメラからの物体の関節位置追跡問題に提案手法を適用した.従来手法と比べ,提案手法は回転中の関節を高い精度かつ安定的に追跡することができることを確認した.
著者
Blaustein Andrew R. Johnson Pieter T. J.
出版者
日経サイエンス
雑誌
日経サイエンス (ISSN:0917009X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.58-65, 2003-05

1995年夏のある暑い日のこと。8人の中学生が近くの小さな池で簡単な生態調査をしようとした。ミネソタ州ヘンダーソンにあるその池でヒョウガエルを集め始めたところ,驚いたことに,後肢の数が5本以上もあるカエルが次々と見つかった。
著者
赤沼 多佳
出版者
三徳庵
雑誌
茶道の研究 (ISSN:02890070)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.38-39,表紙, 2012-02
著者
金本 龍平
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

可欠アミノ酸の代謝要求量とde novo合成の関係を明らかにする事を目的に、de novo合成の必須性が明らかにされているセリンに着目し、様々な臓器におけるセリン濃度とセリン合成の律速酵素であるPHGDHの発現を異なる栄養状態と糖尿病ラットにおいて解析した。その結果、セリン濃度に最も大きく影響するのはタンパク質栄養であることが示された。また、糖尿病ラットでは血漿、肝臓、腎臓のセリン濃度が顕著に減少した。一方、PHGDHは解析した全ての臓器で発現しており、肝臓、小腸、筋肉ではタンパク質栄養に応答し変動するが、PHGDHの発現量と臓器のセリン濃度との相関は見られなかった。
出版者
日経BP社
雑誌
日経食品マーケット
巻号頁・発行日
no.4, pp.76-79, 2003-10

千葉市美浜区にあるカルフール幕張店で、添加物を一切使わない生ソーセージが売れている。国産豚肉100%を原料にしたインストア加工品で、ハーブなどを加えた5〜7種類のうち、夕方までに完売する種類が必ずあるほどの人気振りだ。消費期限が1〜2日とごく短いものの、「無添加」の安心感が消費者に受けている。
著者
瀬尾太郎 文・絵
出版者
講談社
巻号頁・発行日
1952
著者
金城 宏
出版者
沖縄国際大学
雑誌
産業総合研究 (ISSN:13405497)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.75-98, 1997-06

本稿では、沖縄県における商業集積地区(商店街)の集積構造を集積率、規模構造、業種・業態構成、販売効率及び路線価等の諸要素を用いて分析し、その特質と変容について考察を加えた。特に米軍返還施設の跡地利用・都市整備を目的とする区画整理事業や宅地造成による新商業地の形成と大型店・業態店舗の立地展開が、都市の小売商業構造と競争形態の重要な変動要因になってきている。そこで大型店の集積内立地と商業集積率の相互関係によって都市類型化を試みると共に、今後の商業集積の方向性も示唆した。
出版者
弘文社
巻号頁・発行日
1886-11
著者
木村 はるみ
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

神楽に代表される動作名称の不明な日本の舞の動作特徴を映像資料から抽出することを目的とした。具体的には、春日大社・金刀比羅宮・出羽三山神社・住吉大社の4神社の巫女舞を調査対象とし、身体動作の国際記譜システムであるLabanotation法ならびにYourMove法を使って動作特徴について考察した。さらに、日時・装束・着付け・髪型・道具類など動作以外の情報も重要に機能しているジャンルのため、歴史学的視点からの文献資料・絵画資料・舞譜などの有形資料の収集と伝承形態・現状などのインタビューによる調査を行った。時間的に伸縮する日本音楽の特徴を示す巫女舞の歌を五線譜で採譜し、その流れに沿って舞の概要をYourMove法で記譜すると、舞の構造の中に形式と繰り返しによる所作の特徴が確認できた。編集ソフトを通して30分の1秒での動作観察を行いYM法でスコア化すると舞の動作イディオムのレペティションが様々なヴァリエーションでシンメトリカルに現出する事が確認された。本来家族伝承であった舞の継承には、4神社とも親子のような年齢間隔で指導者的な女性が存在し口頭で伝承しており、3世代にわたる指導形態を維持していた。4神社の舞は類似する同一的な特徴も示しているが、個別性、差異性もあり、神社内では再興や復興の努力が見られたが、廃絶したものや、形を変更したものもある。文字資料や絵画資料・写真などは、当時を思わせるが、数少ない断片からでは、失われた時間を繋ぐのは難しい。舞踊や芸能の発生研究は、現代のなかで希薄になり形骸化してしまった身体文化に過去からもたらされる恩寵であり、叡智である。こうした無形文化遺産を21世紀にふさわしく継承し人間の身体が本来もっている叡智を甦らせることは我々の使命と思われた。継承者不足や廃絶・変形の危機にある神楽などの日本文化の継承・保存・復刻にこの研究が役立てば幸いである。
著者
山森 良枝
出版者
神戸大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2002

平成16年度は、<日本語の複数>表現の記述と仕組みの究明を目的に、アトムを基本単位とする意味対象領域を仮定し、質量性と複数性を連続的なものとみなす理論的立場から分析を試みた。その結果、以下が明らかになった。(1)一般的に、名詞述語には、quantized述語とcumulative述語がある。前者は可算名詞に対応し、非等質的集合に属する非連続的部分を増加して得られる外部複数を形成する。一方、後者は質量名詞に対応し、等質的集合を内的に分割して得られる連続的部分の範囲を複数として捉える内部複数を形成する、とされる。(2)しかし、日本語の普通名詞は質量性をその意味特徴とする。そのため、日本語ではquantized vs.cumulativeの対立ではなく、数量詞が結合する名詞の表す集合が等質集合か非等質集合かに応じて、前者の場合に外部複数、後者の場合に内部複数が形成される。(3)内部複数を作る典型的な装置には、単一の単位を表す類別詞、計量句や(計量単位として使用される)容器名詞がある。他方、区分を表す名詞、組織の下位区分を表す名詞は外部複数の装置である。(4)日本語では稀な数詞が直接普通名詞と結合される可算名詞構造は、当該名詞が予め規定され、前提された集合の最大範囲を表す場合にのみ使用される。(5)本質的に可算的アトムとして認定される集合名詞を除けば、日本語では、名詞の表す集合のサイズが規定されている場合には、それを内的に分割した部分の範囲を表す可算名詞構造によって、また、集合が規定されていない場合には、類別詞などを介して、(どちらの場合にも)内部複数を形成し、(可算性を特徴とする英語などの普通名詞と同じ)、アトム・レベルでの複数化を実現している。(6)以上から、日本語のような質量性を特徴とする名詞をもつ言語でも、計算のより容易なアトム・レベルでの計量が選好されていることが裏付けられる。
著者
金谷 利治 西田 幸次 松葉 豪
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

種々の高分子系について、その結晶化過程に生成する非平衡中間体の構造、生成過程、さらにはそれら中間体からの結晶化について、小角.広角X線散乱、小角.広角中性子散乱、光散乱等を用いて調べた。その結果、相互作用の強いポリアミドでの結晶化誘導期の構造形成にはメルトメモリー効果が大きく関与することを明らかにした。流動結晶化においてはシシケバブ前駆体が結晶を含むことをマイクロビームX線により始めて明らかにするとともに、シシケバブ生成に対する分子量効果を詳細に調べ、シシケバブ生成機構の詳細を示した。さらに、アイソタクチックポリプロピレンのメゾ相からの結晶化について、昇温速度を広い範囲で変化させることにより、巨大単結晶形成法を示した。これらは、非平衡中間体を経由する結晶化機構についての新たな知見をももたらすと同時に新たな高分子構造制御への道を開くものである。
著者
吉岡 幸男 岡本 哲治 小鹿 一 林堂 安貴 新谷 智章
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

日本近海に生息する海洋生物から抽出された化学物質を精製する.精製された化学物質に対しBio assayを行い,活性のある画分の精製を進める.分離された溶解物を構造解析装置にて構造決定し,既知の物質か新規の物質か確認し,新規の物質であれば機能解析や動物実験に必要な量を大量合成するとともに新規の誘導体を化学合成する.口腔扁平上皮癌の幹細胞の表面マーカーとしてCD133は有用である.口腔扁平上皮癌細胞よりCD133陽性細胞を分離し,その幹細胞としての特徴を解析するとともに,新規生理活性物質のCD133陽性細胞の抗腫瘍効果を予定する.
著者
前川 厚子 安藤 詳子 神里 みどり 楠神 和男 新藤 勝久 田澤 賢次 門田 直美
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

「ストーマ保有者の生きる意欲とスキンケア行動にストーマ看護サービスが及ぼす影響」について当該3年間にわたり研究した。ストーマケアとそのリハビリテーションは医師からがんや炎症性腸疾患などの病名を告げられ、手術の説明を受けた時が始発であり、回復期、退院後の生活維持期、終末期までのライフスパンを含む。ストーマ保有者への聞き取り、患者会への参加観察と質問紙調査を通して課題を掘り下げ、以下を明らかにした。【成果の概要】1)ストーマ保有者の加齢に伴う課題:65歳以上の比率が60%を超え、生活課題は介護問題から緩和ケアまで拡大していた。虚弱・要介護状態にある高齢ストーマ保有者へのQOL保持、看看連携、訪問看護師と介護職の機能分担、ならびに終末期ケアの在宅基盤整備が重要であった。2)炎症性腸疾患によるストーマ保有者の課題:平成15年全国患者会調査で2,175名中285名(13.1%)、平均年齢39.8±12.9歳で性比1.6:1であった。手術創、ストーマ周囲と肛門周囲皮膚ケアのニーズは81%であった。人生の「生きがいなし」と答えたものが30%を占め、継続ケア提供時にはメンタルサポートが不可欠と考えられた。3)ストーマ保有者のライフサイクルと課題:多様な価値観と人生経験や生活背景について配慮をしながら個別的なケアを提供する必要がある。4)QOL課題:ストーマ造設に関連した治療の成績は向上し、5年無再発生存率は高くなってきたが、主観的な健康状態とストーマの局所状況はQOLと密接な関連を持つので、ケア困難時のマネジメントについては事例の集積と人的資源の整備が必要である。