著者
金沢文庫 編
出版者
幽学社
巻号頁・発行日
vol.下, 1936
著者
金沢文庫 編
出版者
南学社
巻号頁・発行日
vol.上, 1935
著者
Friedrich Nietzsche
出版者
C.G. Naumann
巻号頁・発行日
1899
著者
尾本 惠市
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究
巻号頁・発行日
vol.14, pp.197-213, 1996-07-31

本論文は、北海道のアイヌ集団の起源に関する人類学的研究の現況を、とくに最近の分子人類学の発展という見地から検討するもので、次の3章から成る。
著者
米林 甲陽 JONG Foh Sho CHAI Oi Khun LIM Chin Pan 糟谷 信彦 舟川 晋也 金子 信博 犬伏 和之 岡崎 正規 足立 忠司 松本 聰 有賀 祐勝 CAO Van Sung ERNEST Chai YUSUP Sobeng 金子 隆行
出版者
京都府立大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1992

東マレーシア・サラワク州シブのナマン泥炭地自然保護林内において土壌調査,森林植生調査を行った。アッサン川岸から森林内部に入るに従い地下水位は低まり,泥炭に埋没している木質量は表層で減少していた。泥炭湿地林は周辺部から中心部に向けて同心円状に変化し,川に近い周辺部は混合湿地林であるが,3kmより奥はフタバガキ(アラン)の純林となっている。泥炭湿地林の林床は局所的に凹凸を示すため,微地形の定量化と凹地と凸地での落葉分解速度,土壌動物の生息密度を測定した。凹地と凸地の高低差は最大1mであった。凸地は大きな木の周りの根の盛り上がった場所であり,若木は凸地にしか見られない。木の存在が微地形の形成に関与し,さらに微地形が樹木の実生の定着に影響していることが明らかとなった。リターバッグ法で測定した落葉の分解速度は凸地で高く,他の熱帯林と同様の値を示した。凹地ではリターバッグ中のリターはほとんど形態変化しておらず,重量変化はリーチングによるものである。また,凹地には土壌動物はほとんど生息していないことが明らかとなった。泥炭湿地林ではシロアリが比較的少なく,ミミズも採取されていない。一方,小型節足動物であるササラダニは凸地で極めて高い密度を示した。リターフォール量の測定と養分分析を行った結果,リターフォールの季節変化は認められず,年間を通してほぼ一定量のリターが林床に供給されており,その量は8.35トン/年であった。この量は他の熱帯林で報告されている値の範囲内にある。また,養分還元量も他の熱帯林にほぼ匹敵する値を示し,特にリンの還元量は比較的多かった。熱帯湿地林は貧栄養な条件下で有機物分解が抑制されながら成立していると考えられているが,泥炭地の周辺部に位置する混合湿地林では,リターフォール量,養分還元量から考えると,栄養塩類が特に不足しているとは考えられない。養分元素の循環量を評価するため,地下30cm,80cmの土壌間隙水を毎月採水して日本に送付し,無機成分分析を行った。泥炭地周辺部では土壌間隙水中の窒素,リンの濃度は決して低くなく,日本の都市河川水に匹敵する値を示した。しかし,湿地林の奥地のアラン林下では下層のリン濃度が低いことを認めた。森林の自己施肥機能による養分循環量が高いことを示唆する。ムカのタウラ泥炭試験場において,地中探査機を用いてレーダー探査を行ない,20×10mの開墾地を幅1mおきに走査した。探査地点で長さ10m深さ1mのトレンチを掘り,断面を精査しレーダー探査結果と比較した結果,よく一致しており,泥炭土壌における埋没大径木の分布状態の図化が可能となった。泥炭地における持続的開発のための最重点作目としてサゴヤシをとりあげ,タウラ泥炭地試験場サゴ圃場,周辺サゴ栽培農家圃場で、土壌調査,サゴヤシの伐倒調査を行った。サゴヤシの生育測定を行なった結果,泥炭層の厚い圃場では泥炭層の薄い圃場に比べて成長が遅く,幹にデンプンを蓄積するまで時間がかかることを認めた。また,厚い泥炭で生育したサゴヤシ中の銅濃度はきわめて低く,亜鉛濃度は鉱質土壌の場合の2分の1であった。泥炭地のサゴヤシ栽培生態系における微量元素の循環量を,雨水による付加量,排水による流出量,サゴヤシの収穫による搬出量から計算した。銅は系内に蓄積される傾向が見られたが,亜鉛は系外に失われていく傾向にあることが明らかとなった。泥炭地から発生しているメタンをチャンバー法により測定し、湛水下層土から多量のメタン放出を認めた。メタン発生活性は表層付近で高かったが,好気条件での潜在的メタン酸化活性は全層で検出された。泥炭土壌中の微生物バイオマス量は表層で最も高く,下層ほど低下する傾向を示した。タイ国ソンクラ湖南湖で水質分析,プランクトン,クロロフィル測定等を行った。懸濁物質濃度は雨期に高く,乾期に低い傾向が認められた。クロロフィルaを指標とする植物プランクトン量は比較的低レベルであり,顕著な季節変動は認められなかった。さらに,湖底堆積物の性質は,内陸と外洋に接する部分で全く異なり,外洋側底泥土は酸性硫酸土壌であるため,酸化状態で著しい酸性を示すが,内陸側底泥土は陸地還元が可能であることを明らかにした。
著者
井岡 邦仁 郡 和範
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

(1) GeV から PeV に伸びる宇宙線のスペクトルを AMS-02 実験が精密に観測し、ヘリウムと炭素のスペクトルが水素のスペクトルよりもハードであること、ヘリウムと炭素のスペクトルは同じであること、また、どれもが200GeVに折れ曲がりがあること、が分かった。それらを説明するには、宇宙線がスーパーバブルのコアのような化学的に非一様な環境で加速されたと考える必要があることを議論した。(2) PeV 天体の候補である中性子星連星の合体は、r過程元素の有力な起源の候補でもある。しかし、もしそうだとすると、中性子星連星合体の飛散物質の残骸において r過程元素がほとんど粒子加速されず、r過程元素の宇宙線が異常に弱くなければいけないことを初めて指摘した。これは、超新星残骸の逆行衝撃波での粒子加速が非常に非効率であること、あるいは、中性子星連星の合体はr過程元素の起源ではないことを意味する。(3) PeV 天体の候補である ultra-long GRB(超長期ガンマ線バースト)は起源が分かっていないが、最近非常に明るい超新星が付随していることが判明した。この超新星を説明できるモデルとして、青色超巨星の崩壊、生まれたてのマグネター、白色矮星の潮汐破壊イベントが可能性としてありえることを議論した。(4) 超大質量星が重力崩壊してジェットを放出すると、ジェットが外層を通過する間にエネルギーを外層に渡し、非常に明るい超新星のように輝くことを提案した。
著者
阿部 幸大
出版者
現代文芸論研究室
雑誌
れにくさ
巻号頁・発行日
vol.4, pp.285-297, 2013-03-29

特集 ラテン文学
著者
新妻 弘崇 石井 信 伊藤 実
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.82, no.12, pp.2375-2384, 1999-12-25
被引用文献数
2

本研究では,ニューラルネットワークに基づく新しい組合せ最適化問題の解法を提案する.特に2次割当て問題に対して適用する.本手法は,順列のλ個の要素を同時に入れ替えるλ-optヒューリスティックスのアナログ版とみなすことができる.λの値として中程度の値を使うことができるため,中距離サーチを実現できる.この中距離サーチは,浅い局所最適解を乗り越えることができる.比較的大きな(N=80∼150)2次割当て問題に対してこの手法の計算機実験を行った結果,我々の新しい手法は今までのチャンピオンのアルゴリズムと同程度に良い近似解を計算できることがわかった.また,二つのべンチマークについては,現在のチャンピオンのアルゴリズムよりも良い解が計算できることがわかった.
著者
小林 千枝子
出版者
作新学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

1960年代の高等学校多様化政策は、一般には、多様な学科の成立を促したことと理解されてきているが、定時制・通信制課程に目を向けると、産業界の要請のもと、修学形態の多様化がもたらされた点が注目される。昼間二交代定時制は産業界の要請のもとに繊維産業の二交代勤務に合わせた定時制である。通信制と定時制を併用する隔週定時制もある。また、戦後各町村に設置された新制中学校のなかには、生徒数は少ないため「貧弱」であるという理由から廃校に追い込まれたケースがある。その背後に市町村合併があった。高度成長期を境に農林漁業から工業へと産業構造が転換したが、そのことは青少年を都市部へ突き動かす役割を果たした。
著者
渡瀬荘次郎 編
出版者
[ ]
巻号頁・発行日
1868
著者
寺内 直子
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、明治時代以来、現代に至る、これまでの雅楽の「復元」研究と「復元」演奏の目的・方法論・実際を整理し、再評価するとともに、現代日本の音楽文化における雅楽の「復元」の可能性と、その歴史的、社会的意義を明らかにするものである。具体的には、1)明治末から第二次大戦までの20世紀前半、2)1945~1970年代前半、3)1970年代後半~1980年代、4)1990年代以降の四つの時期に分けて、それぞれの時代の「復元」研究と演奏の特徴を、資料批判、音楽的解読、鳴り響く音への実現の手法の観点から考察、整理している。
著者
坂下 聡 中村 克彦
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.17-18, 1992-09-28

Mologは,単位融合にもとづくデータ駆動形並列計算のための言語である.Mologの計算モデルは,単位節集合の形式で与えられた入力データに規則を前向きに適用して新たな単位節を生成するデータ駆動形である.単位節と規則の間の融合は,非同期並列的に計算可能であり,SLDにもとづく論理プログラムの計算方法よりも並列度の高いシステムの実現が期待される.一方で,多重環境が必要となる.この計算では,単位節が各プロセスの参照するメモリ上に置かれ,また多数の変数環境が動的に管理される.この報告では,structure sharingを用いたMologのインプリメントについて述べる.
著者
竹内 和雄
出版者
寝屋川市教育委員会
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2011

本研究では、小中高等学校において、携帯電話の知識が豊富でない教員でも活用できる教材開発を中心に行った。教材開発にあたり、教材化について教職員、児童生徒、保護者、弁護士等を対象に実態調査(アンケート、インタビュー)を行い、多くの小中高等学校で活用できる教材を開発し汎用性を高めることを目指した。(1)「道徳、特別活動等授業教材」生徒自身が台本を考え出演した「ケータイお助けビデオ」(載せていいの、プロフィール??)を作成した。本作は、小中学生の利用が多いプロフィールサイトの危険について、生徒目線から解説した物である。「寝屋川市ケータイ・ネット問題対策会議」中心に作成したが、小中高等学校の授業、朝礼等で広く、活用されている。(2)「保護者啓発資料作成」保護者へのわかりやすい資料作成を行った。寝屋川市内の全小中学生の保護者に配付しただけでなく、全国各地で利用されている。フィルタリングの必要性、携帯電話依存に陥らないための工夫等をわかりやすく解説している。(3)「DVD教材(ネットいじめ撲滅劇)」寝屋川市中学生サミットで、生徒の意見でネットいじめ撲滅劇を作成して,編集してDVD化した。市内の中学生から、ネットいじめについての実例を募集し、生徒自身でストーリーを考えた。劇は、日本ピア・サポート学会研究大会(奈良教育大学)で上演し、全国の教職員、研究者対象に上演したが、好評であった。以上のように、小中高校生の携帯電話使用についての授業や保護者啓発に活用できる様々な資料を作成することができた。研究成果は、一部ネット上で全国に公開しているので、調査協力校等だけでなく、広く活用されている。特に「ネットいじめ撲滅劇」については、文部科学時報に取り上げられたり、文部科学省フォーラムで取り組み紹介を筆者自身がしたりするなど、反響が大きかった。
著者
富川 力道
出版者
Japan Society of Sport Anthropology
雑誌
スポーツ人類學研究 (ISSN:13454358)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.5, pp.19-40, 2004-03-31 (Released:2011-08-16)
参考文献数
43

This essay discusses physical culture and the establishment of the bukh system during Mongolia's socialist era and the reform of “traditional bukh” following democratization. It examines, in particular, the process through which traditional bukh wrestling has become a modern sport, focusing on the reforms the Bukh Federation has undertaken since 1990. Although this approach provides only a brief look at bukh during a short moment in its long history, it is distinguished by its emphasis on spontaneous and democratic modernization of the sport from the “inside” and from “below, ” in contrast to traditional studies, which have concentrated on the formation of a bukh system from “above” through the exercise of centralized power. The Bukh Federation, founded in 1990, took the position that “bukh is an ancient tradition that preserves in condensed form the essence of Mongolian culture.” By giving a precise definition to the concepts of “bukh wrestling, ” “wrestlers, ” and “spectators, ” and thereby reviving, revitalizing, and commercializing “traditional bukh, ” the Federation hoped to modernize the sport. This was intended, in the words of Federation leaders, to bring “traditional bukh” into the modern era. By setting up a modern bukh league with a large everyday following while stage-managing “traditional bukh” as a part of the Naadam national festival, the Federation skillfully merged this modernist discourse with the actual pratice of bukh. I call this process “the embodiment of tradition.” On the one hand, the modernization of bukh aimed not so much to internationalize the sport as to spread to other Mongolian-related groups a form of wrestling perfected inside Mongolia and reflecting a purely Mongolian ethnos. Thus, the modern reproduction of traditional bukh involves the construction of bukh culture as a symbol of a distinctly national or ethnic culture through the mutual interaction of the state and the Bukh Federation based on the twin concepts of nationalism and “tradition.”
著者
海老島 均
出版者
日本スポーツ社会学会
雑誌
スポーツ社会学研究 (ISSN:09192751)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.61-70,108, 2004-03-21 (Released:2011-05-30)
参考文献数
24

本論文では、アイルランドの独立運動において重要な役割を果たしたGAA (Gaelic Athletic Association) が様々な揺らぎを経験しつつも、最終的にナショナリズムの波に合流していく過程を、グラスルーツ・レベルのメンバーのメンタリティに焦点を当てて検証した。GAAの各クラブは、アイルランドの近代史を語る上で重要なカトリシズム、さらにそのパリッシュ (小教区) をベースに設立された。また、土地解放運動を展開したINL (Irish National League) もGAAクラブ設立で重要な役割を演じた。カトリシズムと土地解放を中心とした自治権獲得運動、この二つのイデオロギーがGAA設立の大きなバックグラウンドであったといえる。交通網及びマスメディアが未発達の当時は、聖職者を中心とするパリッシュが人々の生存の基盤であり、また支配者階級のイギリス人地主に対抗するためパリッシュ内の凝集性は極めて高いものとなっていった。「我がパリッシュ」という「われわれ」アイデンティティとパリッシュ住民の自己アイデンティティはほぼ同一であり、いわば極めて単層化に近い構成のメンタリティがそこには存在した。このメンタリティが、さまざまな外界との接点を通して「われわれ=われバランス」に変化を来した。GAA等の活動を通したパリッシュ間、カウンティ間の交流、さらにパリッシュあるいはカウンティを横断したナショナリスト団体との繋がりによって、彼らのメンタリティの中に存在していたナショナリストとしての「層」が強固なものとなった。特にGAAの理念の中心となっていったBan (外国ゲーム禁止令等の制限ルール) により、イギリスの文化的侵略に対する認識が高まった。このことで「われわれ=Irishness」のアイデンティティが先鋭化し、占領者、占領文化に対する強固な抵抗へと具現化していった。分析の資料としてはGAAクラブ史に焦点を当て、今まであまり分析対象とされなかったグラスルーツ・レベルでの変化を検証し、独立運動へと向かった伝統スポーツの継承者たちの社会心理を浮き彫りにした。