著者
深田 仁美
出版者
産業・組織心理学会
雑誌
産業・組織心理学研究 (ISSN:09170391)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.111-122, 2018 (Released:2019-08-05)

This research examines how local officials have their attitudes toward getting a promotion and what factors influence such attitudes. For pilot study, semi - structured interviews were conducted with local officials (N=16). Study results show they had self-avoidance of getting a promotion. Next, a questionnaire survey was conducted with local officials working in the Tokyo metropolitan area. With the data of 205 valid responses, findings indicate that attitudes toward promotion consist of four factors: (1) Motivation for promotion, (2) Avoidance of promotion due to lack of self -confidence, (3) Avoiding promotion due to heavier responsibilities, and (4) Avoidance of promotion due to emphasis on QOL. Comparison of these four factors indicates that “motivation for promotion” is low and “avoidance of promotion due to lack of self -confidence” is high. This tendency is more significant for women than men.

2 0 0 0 OA 小児の突然死

著者
大国 真彦
出版者
一般社団法人 日本血栓止血学会
雑誌
血液と脈管 (ISSN:03869717)
巻号頁・発行日
vol.5, no.7, pp.557-562, 1974-07-25 (Released:2010-08-05)
参考文献数
4
著者
猪原 敬介 上田 紋佳 塩谷 京子 小山内 秀和
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.254-266, 2015 (Released:2015-11-03)
参考文献数
25
被引用文献数
10 4

海外の先行研究により, 読書量, 語彙力, 文章理解力には緊密な相互関係が存在することが明らかになっている。しかし, 我が国の小学校児童に対する調査はこれまでほとんど行われてこなかった。この現状に対し, 本研究では, これまで調査がなされていなかった1・2年生を含めた小学校1~6年生児童992名に対して調査を実施した。また, 読書量推定指標間の関係についても検討した。その際, 海外では使用例がない小学校の図書貸出数と, 新たに作成したタイトル再認テストの日本語版を含め, 6つの読書量推定指標を同時に測定した。結果として, 全体的にはいずれの読書量指標も語彙力および文章理解力指標と正の相関を持つこと, 読書量推定指標間には正の相関があるもののそれほど高い相関係数は得られなかったこと, の2点が示された。本研究の結果は, 日本人小学生児童における読書と言語力の関係についての基盤的データになると同時に, 未だ標準的方法が定まらない読書量推定指標を発展させるための方法論的貢献によって意義づけられた。
著者
韮沢 悟 栗原 良枝
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.380-384, 1996-06-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
19

一般に高分子物質は味を示さないが.例外として甘味受容体を刺激する6種のタンパク質が知られている. このうち. モネリン. ソーマチン. マビンリン. ブラゼインは. それ自身強い甘味を呈する甘味タンパク質(ペプチドを含む)であり. クルクリンおよびミラクリンはすっぱいものや水を甘くする作用を有する甘味誘導タンパク質である. ここでは.これらのタンパク質の構造と作用機構を解説するとともに. 遺伝子工学的手法により得られた最近の成果を紹介する.
著者
大道 博文 林 柚季 目良 和也 黒澤 義明 竹澤 寿幸
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.4Rin114, 2019 (Released:2019-06-01)

近年,インターネット上でCGアバターを介した他者とのコミュニケーションが普及しつつある.しかしアバターの表情・動作パターンを生成する際,複数の感情が混在する表情やある感情を抑圧しているような表情を表現するための典型的な特徴や統一された指標は無く,モデル作成者の経験や感覚に依るところが大きい.そのため,非熟練者や表情自動合成手法による表情モデルの作成は現状困難である.そこで本研究では,感情の部分的表出(Action Unit(AU))の組み合わせに基づいて複数の表情アニメーション動画を作成し,Shefféの一対比較法を用いて表出したい表情に対する各AUの効果について分析を行う.本研究では“ツンデレ”と呼ばれる「快感情の抑圧表情」を対象として,Ekmanの知見に基づき“中立化”と“隠蔽”の二種類の抑圧表現を用いる.実験の結果,中立化によるツンデレ表現に最も適しているAUの組み合わせは,AU6+12(幸福の目,頬,口の動作)が弱いか無い,かつ赤面が起こっている表情であった.また隠蔽によるツンデレ表現に最も適しているAUの組み合わせは,AU4(怒りの眉)かつ赤面が表出している表情であった.
著者
藤井 容子 若林 清彦
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集 (ISSN:21878188)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.37-48, 2016 (Released:2017-08-10)

高齢者や障がい者が住み慣れた地域で共に暮らしていける社会システムの構築および施設計画の提案に向けて,彼らがひとつ屋根の下で生活し設備も共有する共生型グループホームに着目し,国内外の共生型施設において調査を実施した。その結果を,運営的・財政的支援や入居者参加など社会システムの構築や施設計画への提案,施設・生活の質的向上や施設のあり方の計画理論的検討,求められる空間デザインの3つの視点から分析・考察した。
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.218, 2021-07-01 (Released:2021-07-01)

以下の通り訂正します。p. 82誤 山川道子氏(プロダクションIG)から「公文書問題の現在」正 山川道子氏(プロダクションIG)から「企業運営と公共文書」
著者
税所 篤行 高砂 美和子 若林 和貴 秋山 真里 幸田 恭治 髙崎 彰久 松永 和人 石田 博 北原 隆志
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.141, no.7, pp.971-978, 2021-07-01 (Released:2021-07-01)
参考文献数
14

To reduce the number of falls caused by hypnotic agents, the standardization of insomnia treatment was carried out at Yamaguchi University Hospital from April 2019. There were concerns that medical costs would increase due to the selected medicines―suvorexant and eszopiclone―being more expensive than conventional benzodiazepines. In this study, the standardization of insomnia treatment was evaluated by pharmacoeconomics. The costs of the hypnotic agents was considered, as was the cost of examination/treatment following falls. Effectiveness was evaluated as the incidence of falls within 24 hours of taking hypnotic agents. This analysis took the public healthcare payer's perspective. Propensity score matching based on patient background, showed that, per hospitalization the medicine costs of the recommended group increased by 1,020 yen, however, the examination/treatment costs following falls decreased by 487 yen when compared with the non-recommended group. Overall, the recommended group incurred costs of 533 yen more per hospitalization for patients prescribed hypnotic agents compared to the non-recommended group, but the incidence of falls for the recommended group was significantly lower than that in the non-recommended group (1.9% vs. 6.3%; p<0.01). These results suggest that in order to prevent the incidence of falls by 1 case, it is necessary to increase costs by 12,086 yen which is the subthreshold cost for switching to the recommended medicine as standardization. The selection of recommended medicines may be a cost-effectiveness option compared with non-recommended medicines.
著者
大鹿 眞央
出版者
智山勧学会
雑誌
智山学報 (ISSN:02865661)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.309-325, 2020 (Released:2021-04-06)
参考文献数
41

本稿では、『金剛峰楼閣一切瑜伽瑜祇経』第七品所説の「自性障」に関する五大院安然の解釈が、後代の東台両密の学匠たちにどのように伝承され、展開されたかについて検討した。その結果、安然自身は自性障の解釈に「見惑・思惑・無明」の三種を配当したが、「塵沙惑」を配当しなかったため、「三惑」という表現を用いていないことが判明した。しかし、東密の実運は、自著の中で安然の名前を出さずに安然の教説を援用し、「自性障」について「三惑」と表現した。さらに、東密の実賢・道範は、実運の解釈を踏襲するとともに「安然が見・思・無明の三惑と表現した」と、誤った情報を添加していたことが分かった。台密の学匠に関して述べれば、慈円は自性障について「元品無明」と簡潔な解説をするのみに留めているのに対し、澄豪は安然の教説を受容しながらも、「見惑・思惑・無明」を「三惑」と称してしまっている。言わば、澄豪の記述は、東密の註疏に影響を受けた可能性が高いと言えよう。
著者
北村 英哉
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.403-412, 1998-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
19
被引用文献数
1

自己の長所, 短所が対人認知過程に対していかに影響するか2つの研究によって検討がなされた。自己評価維持モデルの観点から, 自己の長所が短所よりも対人認知においてよく用いられ, アクセシビリティが高いことが予測された。研究1では, 39名の回答者が好きな, 嫌いな友人・知人の性格にっいて 5-7個の記述を行った。1週間後, 自己の長所5つと短所5つを挙げ, Rosenberg (1965) の自尊心尺度に回答した。友人・知人の記述に現れた長所, 短所を逆のコンストラクトも含む次元の観点から頻度を数え, その結果, 長所次元が短所次元よりも多く用いられており, また, 自尊心の低い被験者は, 自尊心が中程度, あるいは高い被験者よりも短所をよく用いることが示された。研究2では, 研究1と同じ手続きで, 回答者は友人・知人の記述を行った後, その記述がどの程度自己にあてはまるか, どのくらい重要であるかを評定した。さらに, 各友人・知人とどのくらい親しいかの評定も行った。その結果, アクセシビリティの高いポジティブな性質はアクセシビリティの低い性質よりもより重要で, 自己にあてはまる (すなわち, セルフ・スキーマ的である) ことが示された。また, 自己評価維持モデルで予測されるように, 心理的に近い, 親密度の高い友人・知人の記述において, 自己の長所的性質をよく用い, 短所的性質を用いることを避けることが見出された。結論として, 対人認知過程において自尊心維持のため長所が短所よりもよく用いられることが示唆された。
著者
松崎 和孝
出版者
一般社団法人 数学教育学会
雑誌
数学教育学会誌 (ISSN:13497332)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3-4, pp.197-205, 2015 (Released:2020-04-21)

現行の学習指導要領から数学Aにトポロジーの内容であるオイラーの多面体定理が新たに加わった.このため,トポロジーの内容の中から12個の話題を選び,教員志望学生に対してオムニバス形式で講義を行った.この講義の結果,9個の話題について多くの学生が興味・関心を持った.さらに,多面体の模型やボールを使う話題,身近な現象に数学的解釈を与える話題に対して,生徒が興味・関心を持つ可能性が高いことを明らかにした.
著者
長内 優樹
出版者
学校法人 三幸学園 東京未来大学
雑誌
東京未来大学研究紀要 (ISSN:18825273)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.187-191, 2017-03-31 (Released:2018-12-03)
参考文献数
6

日本の労働市場において事業者(使用者)が労働者にもとめるいわゆる「やる気」の指す意味の一端を探るために求人情報誌において「やる気」を応募条件に掲げる事業者の特徴を事例的に明らかにすることを目的とした。結果として、求人情報誌において「やる気」を応募条件に掲げる事業者は、「建設・採掘の職業」または「サービスの職業」を事業とし、「やる気」を重視すること、時に「やる気」を経験より優先、または経験を不問とするものとして捉えていることを明示する特徴を持っていることが仮定された。
著者
佐川 穣 中村 栄
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.71, no.7, pp.310-316, 2021-07-01 (Released:2021-07-01)

コロナ,第4次産業革命・DX,気候変動やグローバルサプライチェーンの寸断等の影響により,「不確実性」が高まる環境下,企業は,競争力を高めるDXと同時に,持続可能性が求められている。当社では,「持続可能な社会への貢献」と「持続的な企業価値の向上」との好循環を目指すという考え方の下,「事業高度化」のためのデジタルトランスフォーメーション推進の1つの柱としてIPランドスケープ(IPL)を導入し,その活動を推進している。本稿では,サステナビリティ時代のIPLの貢献として,短期,中期,長期の3段階でのアプローチを紹介する。