著者
川鯉 光起 中矢 誠 富永 浩之
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2013-CE-119, no.20, pp.1-10, 2013-03-08

書籍関連サイトと連携した研究室規模の蔵書管理システムを構築し,その上に文献共有による学習支援を提案する.蔵書管理の対象は情報系の専門書であり,目的は知識や技能の向上のための精読である.そこで,貸出履歴や既読者のコメントを活用し,書籍利用を活性化させるため,記録部と分析部を追加した.また,文献共有による精読の形態を,個読・引継・輪講の3通りに分類し,支援に必要な機能を検討する.本論では,特に,プログラミングの解説書を題材とする演習付の輪講に着目し,コードレビューを取り入れた支援システムを検討する.レビュイーが書いているコードの編集状況をリアルタイムに中継し,レビュアーがその場でコメントを付与していく.その過程を,スナップショットとして保存し,後から再生して追体験することができる.試作版として実装した機能を議論し,ユーザによるシステムの試用結果について報告する.
著者
中矢 誠 富永 浩之
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2013-CE-120, no.12, pp.1-6, 2013-06-29

近年,ハッキング競技 CTF が注目を浴びている.CTF は,サーバ上に隠された情報を旗に見立てて,攻撃側と防御側が競い合う競技である.ハッカー達の腕試しや交流の場として,各地で CTF 大会が開催されている.本研究では,初心者への情報セキュリティの導入教育の一環として,ハッキング競技 CTF を取り入れた教育イベントを提案する.また,大会運営サーバ BeeCon を開発している.参加意識を高めるため,エモーション機能や余興ゲームも取り入れ,競技者と応援者の協調を図る.本論では,大会の実施方法を述べ,支援システムの機能を論じる.
著者
大木 公彦
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.99, no.12, pp.xxix-xxx, 1993-12-15
被引用文献数
1
著者
鈴木 善晴
出版者
法政大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究は,地球温暖化進行時の豪雨頻発化を念頭に,クラウド・シーディングを用いた人為的豪雨抑制手法の開発とその効果的な実施条件について検討を行うものである.メソ気象モデルを使用して雨域面積や時間降水量の変化などの複数の観点からシーディングによる降水システムへの影響の有無や大小を解析するとともに,シーディングに伴う氷晶数濃度や霰の増減などに着目して抑制効果のメカニズムを解析した.その結果,シーディングにより積算降水量のピーク領域の面積や時間最大降水量が効果的に抑制され得ることなどが確認され,また,風下側への降水粒子の移動・拡散がシーディングによる豪雨抑制の重要な要因であることなどが示された.
著者
玉井 アキラ 高島 美和 宮崎 かすみ 松村 伸一 岩永 弘人 森岡 伸 野末 紀之 十枝内 康隆 角田 信恵
出版者
武庫川女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

後期ヴィクトリア朝イギリスにおけるマスキュリニティの特質を理解するために、ウォルター・ペイター、オスカー・ワイルド、ジョン・アディントン・シモンズらの文学作品と批評作品について、まず綿密な読解を行い、続いて、それらのテクストに表象されている「友愛」との力学的関係を検証した。これにより、マスキュリニティと友愛との間のダイナミックな関係の諸相を把握することができた。
著者
亀井 若菜
出版者
学習院大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1996

本研究は、狩野元信の絵巻作品について研究することを目的とした。元信の絵巻を広く概観するとともに、北条氏綱によって1522年頃に作られたことが判明しているサントリ-美術館蔵「酒呑童子絵巻」を、絵の享受者や注文主の意識、また絵が制作された社会的文脈から研究することを計画した。本研究においては、まず、サントリ-美術館において調査した「酒呑童子絵巻」のスライドを整理し、絵を詳細に見ながら、詞書と絵の内容を各段毎に比較し、サントリ-本の絵の特質を考えた。また「酒呑童子」を主題とする絵巻、絵本などは30本にも及ぶ。それらを写真資料を添付したカードとして整理し、サントリ-本と比較した。また、芸術学の学会にも出席し、ヴィジュアルイメージを新たに解釈していくための理論を学んだ。その結果、鬼退治のストーリーを詞書で語り出すサントリ-本が、絵では、強い男同志の信頼関係や対決を讃えようとしていること、一方、女性は男性のために犠牲となるべきものであることを見せようとしていることが判明した。このような主張が「酒呑童子」という御伽話の絵として描かれている背景には、氏綱が子の氏康のためにこの絵巻を作らせたことが想定された。氏綱は、戦国の世に関東という地方で武士として生き抜く術を、子供が面白く見ることのできる御伽話の絵巻にして、氏康に見せようとしたのではないか。この成果を、学内の研究会において発表した。尚、狩野元信を考える上で、同じ室町時代に活躍した土佐光信の研究は不可欠である。元信は、江戸時代以降、光信と強く関連させて語られてきており、現在、我々が捉えている元信像は、光信を踏まえずには考えることはできない。この両者の関係を盛り込んだ小論を、「室町時代の土佐派をめぐる言説」としてまとめ、発表した。

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1912年02月22日, 1912-02-22

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1912年02月20日, 1912-02-20

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1890年10月24日, 1890-10-24
著者
浅沼 敬子
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

ゲルハルト・リヒターによる1960年代のフォト・ペインティング作品(写真を元にした絵画作品)については、リヒター本人の言もあって、多くの研究者がその政治的、歴史的意味を指摘することに慎重だった。しかしミステレク=プラッゲの基礎研究(1990/1992)以降、近年では、2007年のディートマー・エルガーやディートマー・リューベルの指摘に見られる通り、リヒターのフォト・ペインティング作品のさまざまな意味が指摘されている。本研究の第一の成果は、ミステレク=プラッゲにならって、ドイツの週刊誌「シュテルン」「クイック」「ブンテ」「レヴュ」「ノイエ」(「レヴュ」と「ノイエ」は1966年に統合された)の1962-66年を再調査し、さらに「シュピーゲル」誌の調査、前誌の1959年、1967年分等の調査を加えて、リヒターが切り抜いた約160枚のうち、約70枚の写真の出自を特定したことである。それによって、ミステレク=プラッゲやエルガーらが部分的に指摘した、リヒターのフォト・ペインティング作品の歴史的、さらにいえば「悲劇的」意味が、より説得力ある仕方で指摘されるに至った。本研究の第二の成果は、1960年代のゲルハルト・リヒターのフォト・ペインティング作品から、1988年の『1977年10月18日』を経て、ドイツ国会議事堂のために制作された1998年の『黒、赤、金』にまで通底する意味的一貫性を指摘したことである。『黒、赤、金』は、一見すれば抽象的作品だが(これは油彩ではなくガラス作品である)、よく知られているように、リヒターはこれを「ホロコースト」写真をもとにした、1960年代以来のフォト・ペインティング的作品として構想していた。従って、1960年代から1990年代まで、リヒターの試みの一貫性が指摘され得るのである。こうして、リヒターの画業を1960年代から再構成することによって、従来個別にしか指摘されてこなかったその政治的、歴史的意味を、一貫したものとして描き出したのが本研究の重要な成果である。
著者
石川 紀彦 石川 智啓 川瀬 裕志 澤 重治
出版者
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.579-582, 2000-05-15
参考文献数
7
被引用文献数
1

症例は72歳, 男性.受診後2日間にわたる約400mlの喀血を認め, 1999年8月6日入院となった.胸部X線写真では異常は認められなかった.胸部CT検査では, 下行大動脈に接して塊状, あるいは網状の出血を疑わせる浸潤影を認めた.気管支鏡検査では, 左下葉枝からの出血と軽度の気管支拡張症を認めた.気管支拡張症による喀血を疑い, 8月10日に気管支動脈塞栓術を施行した.その後安定していたが2週間後に約200mlの再喀血を認めたため, 翌日手術を施行した.下行大動脈に嚢状瘤があり, これに左下葉が強固に癒着していた.喀血の原因は胸部大動脈瘤肺内穿破と診断した.癒着した肺を部分切除し, ついで瘤の中枢側及び末梢側にカニューションし一時的バイパスを作製した.瘤の上下で大動脈を遮断し瘤を島状に切除し, パッチ閉鎖した.縫合部の補強目的にゴアテックスシートでパッチ部を被覆した.術後経過は良好で9月24日に退院した.
著者
Katsuyuki Miura Masato Nagai Takayoshi Ohkubo
出版者
日本循環器学会
雑誌
Circulation Journal (ISSN:13469843)
巻号頁・発行日
pp.CJ-13-0847, (Released:2013-07-30)
参考文献数
26
被引用文献数
33 139

Analyses of data from national surveys of the Japanese population have shown a clear decreasing tendency in mean systolic blood pressure (BP) level over the past 50 years in all age groups of men and women; however, mean diastolic BP level clearly did not decrease in men. Hypertension prevalence is high among older people and may increase in the future, especially in men aged ≥50 years. The treatment and control rates of hypertension are not sufficiently high, although they have been continuously improving. Recent epidemiological studies also showed that the burden of cardiovascular diseases and total mortality because of the adverse BP level of the nation is still the highest among other preventable risk factors. To overcome this epidemic, the first priority should be primary prevention of a lifetime increase in BP through lifestyle improvement. Lowering the distribution of BP in the whole population and maintaining BP at optimal levels contributes to the achievement of this goal.
著者
田邉 洋一
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

鉄ニクタイド超伝導体のディラックコーンに特徴的な輸送現象の観測と不純物置換効果を明らかにすることを目的として、Ba(Fe_<1-x>TM_xA_s)_2(TM=Ru,Mn)において磁場中輸送特性の測定を行った。その結果、ディラックコーンの量子極限の出現に起因する線形な磁気抵抗効果を観測した。さらに、非磁性・磁性不純物に対してディラックコーンが安定であることを磁気抵抗効果から観測し、ポテンシャル散乱体による後方散乱が抑制されていることを確認した。さらに、磁性不純物とディラック電子の近藤効果に起因したバンド繰り込みと理解できる有効質量の増大を見出した。
著者
平賀 博之
出版者
広島大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2008

断熱膨張による雲の発生に関する実験は,教えにくい内容,生徒の理解しにくい内容の一つであると感じてきた。今回考案した方法は,透明なポリエチレン袋に高感度のデジタル温度計を入れて輪ゴムで口を閉じ,それを真空保存容器内に入れて,容器内の圧力を下げるというものである。容器内の圧力低下につれて,透明なポリエチレン袋の中の空気が膨張し,同時にその中に入れた温度の示度が下がることが,視覚を通して直感的に観察できる。この方法によりこれまでより,断熱膨張の現象に対する理解度が上昇することがわかった。また雲の発生に関する内容については,この実験を基に段階的に論理的な思考を通して学ぶことができる指導モジュールを開発した。主な内容は,(1) 真空保存容器のポンプを引くと,内部の気圧が下がる。(ポンプを引くことは空気を上昇させることと同じ意味になる。)(2) 容器内に口を閉じたポリエチレン袋やゴム風船を入れてポンプを引くと,ポリエチレン袋やゴム風船の内部の空気が膨張し,温度が下がる。(3) ポリエチレン袋に少量の水と線香の煙を入れて口を閉じたものを,容器内に入れてポンプを引くと,袋の中の空気が露点に達し,雲ができる。この指導モジュールはビデオ教材,ワークシート,指導案からなり,これらを活用して雲の発生に関する学習を進めるものである。これらを1枚のDVDに収録した。また,開発した指導モジュールによる授業実践を行い,教材に対する評価を行ったところ,これまでの教材に比べて生徒の理解状況が向上すること,生徒の学習に対する満足度が高まることが明らかになった。なお,教材の教育課程上の実施時期の都合で授業実践並びに教材に対する評価が3学期になったため,発表は平成21年度におこなう予定である。
著者
永井 央紀
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1405, pp.54-59, 2007-08-27

8月6日、日本航空(JAL)の西松遙社長は幹部を集めると、明るい表情で感謝を述べた。「第1四半期の数字が出た。皆さん、ご協力ありがとう」。 この日に公表した4〜6月期の業績は85億円の営業赤字で、前年同期と比べて赤字幅が234億円縮小した。
著者
玉嶋 勝範 加藤 徳弘 吉松 英明 小野 元治 岡本 潤 宮崎 英一郎 岡崎 真一郎
出版者
九州病害虫研究会
雑誌
九州病害虫研究会報 (ISSN:03856410)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.156-161, 2009 (Released:2010-03-02)
参考文献数
11
被引用文献数
1

イチョウの害虫であるイチョウヒゲビロウドカミキリについて,イチョウの被害地域調査,成虫の発生調査法,果樹類で登録のある Beauveria brongniartii 剤の本虫に対する効果的な使用方法を検討した。大分県の本種によるイチョウの被害地域調査で,1991年報告の28市町村から新たに21市町村(旧市町村)を確認した。成虫は日中枯れた枝葉で静止していることが判明したことから,簡易な成虫の発生調査法として枯れ枝葉トラップを考案した。B. brongniartii 剤上に本種の成虫を 1回歩行させた後,20℃で飼育した結果,接種8~14日後に高率に感染・死亡することが判明した。ギンナン園において B. brongniartii 剤をイチョウのすべての主幹部(地上0.5~1.5m)に設置することによって,殺虫効果が認められた。
著者
山中 仁
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, no.48, pp.159-160, 2010-02-24

2009年8月6日から8日にかけて日本機械学会関西支部設計製図教育研究懇話会主催の夏休み設計セミナーが開催された.本セミナーは2001年より企業の技術者,学生,教員から構成される混成チームでボランティアとして活動しており,2008年度からは日本機械学会関西支部設計製図教育研究懇話会に企画を一任している.本論文では2009年度の夏休みセミナーの様子をはじめとしたセミナーの取組み・成果について紹介し,さらに今年度より取組んだ新たな試みについて述べる.