著者
中島 信一 長谷 宗明 溝口 幸司
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.53, no.8, pp.607-611, 1998-08-05
被引用文献数
1

フェムト秒レーザーによって励起されたコヒーレントフォノンは, 時間領域で観測される位相の揃った原子の集団振動である. このコヒーレントフォノンの性質や, 発生メカニズム等については未知の部分も多い. 時間領域分光法は, 従来の振動分光法であるRaman散乱と比較して, フォノンのダイナミクスを調べる新しい研究手段として期待されている. 本稿ではフェムト秒時間領域のコヒーレントフォノンの振舞について述べる.
著者
北島 正弘 長谷 宗明 Petek Hrvoje
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.59, no.12, pp.888-892, 2004-12-05

フェムト秒レーザー技術の進歩により種々の物質でコヒーレントに励起された格子振動や分子振動を実時間領域で観測でぎるようになった.しかし,100 fs(1 fs=10^<-15>秒)以下に現れるコヒーレントフォノン生成のダイナミクスは未知の研究領域であり,光励起キャリアとフォノンの強い相互作用の観測が期待できる.我々は10 fsの超短パルスレーザーを用いることにより,シリコンのコヒーレントフォノンの発生,およびコヒーレントフォノンの発生前の信号の中から光励起キャリア系とフォノン系との結合によるファノ干渉を実時間で明確に観測することに成功した.その結果の詳細および物理的意義等について紹介する.
著者
北島 正弘 長谷 宗明 Petek Hrvoje
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.59, no.12, pp.888-892, 2004-12-05
参考文献数
15

フェムト秒レーザー技術の進歩により種々の物質でコヒーレントに励起された格子振動や分子振動を実時間領域で観測でぎるようになった.しかし,100 fs(1 fs=10<SUP>-15</SUP>秒)以下に現れるコヒーレントフォノン生成のダイナミクスは未知の研究領域であり,光励起キャリアとフォノンの強い相互作用の観測が期待できる.我々は10 fsの超短パルスレーザーを用いることにより,シリコンのコヒーレントフォノンの発生,およびコヒーレントフォノンの発生前の信号の中から光励起キャリア系とフォノン系との結合によるファノ干渉を実時間で明確に観測することに成功した.その結果の詳細および物理的意義等について紹介する.
著者
JURKOVIC Tomas
出版者
お茶の水女子大学比較日本学教育研究センター
雑誌
お茶の水女子大学比較日本学教育研究センター研究年報
巻号頁・発行日
no.8, pp.113-117, 2012-03

村上春樹の小説の中には数多くのブランド品が登場するが、2002年出版の『海辺のカフカ』までは、その言及を、現在の日本の状況に対する作家の批判として解釈することが可能であった。『海辺のカフカ』以前の作品では、贅沢なブランド品を舞台装置として構成された世界によって、その中に存在する消極的な主人公が抑圧される傾向が明らかであった。一方、その消極的な主人公に対して、『海辺のカフカ』における田村カフカという主人公は、積極的に努力を重ねながら、自分の運命を切り開こうとしている傾向がある。この主人公の変化に従って、主人公をとりまく贅沢世界の代表者も変化を表す。以前の舞台装置のようなものとは異なり、ジョニー・ウォーカーとカーネル・サンダースというアイコンの形をとり、積極的な行動を取り始める。単なる「舞台装置」から、物事を動かせる登場人物になるのである。ウォーカーも、サンダースも、おとぎ話あるいは神話に登場する魔法使いのような役割で、カフカを成長させるのを手助けする。カフカの取った積極的な態度に反応しながら、彼らは逆に両親からの圧倒的な精神的影響を乗り越えさせるような刺激をカフカに与える。このように、『海辺のカフカ』は村上春樹の作家としての「転向」の典型的な例として捉えることができる
著者
菅原 布寿史
出版者
人間環境大学
雑誌
人間と環境 電子版 (ISSN:21858373)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.46-70, 2012-02-29

第I部では徳川・五島本の構図を分析し、二分割した画面に主要なモチーフを配置することで物語内容を視覚的に表現した〈対置的スタティクス〉、様々な動勢が影響し合って動的な運動感で画面内を満たし、ドラマティックなインパクトが感性に訴えかける〈有機的ダイナミクス〉に分類した。第II部では徳川・五島本の色彩とテクスチュアが物語表現にどのような効果を与えているのかを分析する。色彩は、強調色の配置が物語表現に深く関わっている。中でも〈有機的ダイナミクス〉の構図を持つ柏木グループは構図のダイナミズムを補強する形で強調色が活用され、テクスチュアとの相乗効果を伴い、より鑑賞者の感性に訴える表現を実現している。
著者
大島 永子 米村 真砂美 牟田 博行 松尾 康宏 増谷 瞳 豊田 有紀 蓑輪 咲子 長野 亜紀子 Eiko Ooshima Masami Yonemura Hiroyuki Muta Yasuhiro Matsuo Hitomi Masutani Yuki Toyota Sakiko Minowa Akiko Nagano わかくさ竜間リハビリテーション病院 わかくさ竜間リハビリテーション病院 介護老人保健施設竜間之郷 わかくさ竜間リハビリテーション病院 介護老人保健施設竜間之郷 わかくさ竜間リハビリテーション病院 わかくさ竜間リハビリテーション病院 わかくさ竜間リハビリテーション病院 Wakakusa Tatuma Rihabilitation Hospital Wakakusa Tatuma Rihabilitation Hospital Geriatric Health Services Facility Tatumanosato Wakakusa Tatuma Rihabilitation Hospital Geriatric Health Services Facility Tatumanosato Wakakusa Tatuma Rihabilitation Hospital Wakakusa Tatuma Rihabilitation Hospital Wakakusa Tatuma Rihabilitation Hospital
雑誌
藍野学院紀要 = Bulletin of Aino Gakuin (ISSN:09186263)
巻号頁・発行日
no.14, 2001-03-31

当院では,2年前より入院患者の「訓練室でできる日常生活動作(以下,ADL)」と「病棟でしているADL」の差を最小限にすることを目標に作業療法士(以下,OTスタッフ)の病棟担当制を導入している。OTスタッフが「できるADL」と「しているADL」の差の原因を見極め,病棟職員(以下,病棟スタッフ)へ分かりやすく伝達し,患者の能力を把握し「できるADL」の能力を「しているADL」へ近づけることが重要であると考え,病棟業務内にスタッフとの情報交換の場を設けた。具体的には,食事と入浴時間に病棟内での訓練を設定し,病棟スタッフとの申し送り時間を設け情報の共有を実施した。OTスタッフと病棟スタッフが認識する患者のADL能力の差についてFIM (Functional Independence Measure)を用い検討した。その結果,「できるADL」と「しているADL」の差を近づけることができた。
著者
森川 千鶴子 岩江 美津子
出版者
広島文化学園大学
雑誌
看護学統合研究 (ISSN:13460692)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.59-66, 2003-12

この症例報告は,重度の認知障害により日常生活の基本動作ができない高齢者が,入院という環境の変化に適応していく過程をまとめたものである。本研究の目的は,看護者が実践する基本的な生活援助が,痴呆性高齢者の行動や感情に与えた効果について明らかにすることである。対象は老年期痴呆の80歳代女性Yさんである。生活援助特に食事の摂取状況とアクティビティ活動から分析した。その結果,彼女は食事を分割する介助方法によって,自力摂取することが可能となった。また,塗り絵にも積極的に関わるようになった。彼女は入院によって家族から分離させられ,分離不安を起こしていたが,看護(介護)の援助を通して,彼女は家族の代理として,看護師や他のスタッフと良い人間関係を保つことができるようになった。基本的な生活援助の継続は,痴呆性高齢者に残されている可能性を引き出し,痴呆症の経過の遅延に影響を与えることがこの事例から明らかになった。(英文抄録:Present study described the process of environmental adaptation during the entering a hospital in the patient with severe cognitive disorder who unable to daily action alone. The purpose of this study is to examine the effect of basic nursing care on the daily activities and psychological status in demented elderly. The object of this study is a woman in 80-year-old with senile dementia and assessed using rating scales of ADL (Ability of Daily Life) and activities. As the result, it became possible that she took a meal herself by assistance method for dividing the meal, and it would be also engaged in activities such as a line drawing for coloring. Her psychological status became high anxiety when separated from her family. However, she could keep good human relations by humanistic nursing intervention. This study suggested that the continuation of the fundamental life leads to increased ADL and activities in the demented elderly.)
著者
横井 輝夫 佐藤 典子 益野 淳子 郷間 英世
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.343-347, 2004
参考文献数
18
被引用文献数
1

離乳期の口腔機能に停滞していると考えられる重症心身障害児・者の適切な食形態の基礎資料を得るために,口腔機能の発達段階と食形態のレベルについて実態を調査した。対象は3歳から55歳(平均年齢28.1歳)までの摂食・嚥下障害が疑われる重症心身障害児・者92名である。方法は離乳の初期,中期,後期に特徴的にみられる口腔機能である舌運動と顎運動を評価し,提供されている食形態のレベルとの関連を調べた。結果,舌運動と顎運動については大多数が離乳中期までの段階に停滞していた。一方,離乳後期以降の食形態が主食で3割,副食で8割の者に提供されていた。全体的に舌運動と顎運動の機能に対し有意にレベルの高い食形態が提供されていた。口腔機能は,食形態や摂食姿勢などの食事環境との相互作用で発達していく。誤嚥性肺炎や食べる楽しみの喪失などを予防するために,口腔機能の発達段階に適した食形態のレベルについての再考が必要であると考えられた。
著者
池上 和夫
出版者
神奈川大学
雑誌
商経論叢 (ISSN:02868342)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.i-ii, 2001-01
著者
杉山 智子 松井 典子 深堀 浩樹 須貝 佑一
出版者
順天堂大学
雑誌
医療看護研究 (ISSN:13498630)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.1-9, 2008-03

本研究は,アルツハイマー型中期認知症患者にADLケアを行うときに生じる抵抗に際した望ましい認知症ケアのあり方を検討することを目的とした。老人病院認知症病棟に入院中の自立歩行可能なアルツハイマー型中期認知症患者7名とケアスタッフ20名を対象に患者1人あたり各40時間の参加観察法を実施した。ケア開始時に抵抗がみられた場面のうちケアの完了時に患者の笑顔が伴った場面のケアを「満足できたケア」,伴わなかった場面のケアを「満足できなかったケア」,ケアが完了できなかった場面のケアを「中断したケア」とし,声かけ,ケア所要人数ならびに時間について,統計学的分析を行い,それぞれのケアの特徴を検討した。各ケアとケア所要時間との関連では,排泄,身支度,食事で「満足できたケア」は「満足できなかったケア」よりもケア達成までの時間が有意に長かった。また声かけとの関連では,「満足できたケア」の方が「満足できなかったケア」よりも,ケア中の日常会話が有意に多く観察された。ケア抵抗時におけるかかわりにおいて,時間をかけ,日常会話を取り入れてケアを行うことで患者が満足できる,すなわち望ましいケアの実現に結びつくと考えられた。
著者
岡田 慶一
出版者
北関東医学会
雑誌
The KITAKANTO Medical Journal (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.9-14, 2009
被引用文献数
1

<B>【背 景】</B> 介護老人保健施設で認知症高齢者が急増. <B>【目 的】</B> その摂食・嚥下障害の対策と結果を報告する. <B>【対象と方法】</B> 当施設の摂食・嚥下障害は56例. 平均年齢84.2歳. 医師, STの所見の対策と効果を検討. 効果を4段階評価した. <B>【結 果】</B> (1)食思の問題(2)嗜好の問題(3)食物認知の問題(4)拙劣な摂食動作の問題(5)咀嚼から嚥下運動の問題5項目に分類. 更に14中項目, 23小項目で対策を立て, 実施評価した. 食思の発動性の低下, 異常な確信, 固執は効果があり. うつ状態や食事健忘, 食欲の異常な亢進・盗食は効果は小. 甘い物, 飲み物, 汁物のみ口にするは効果あり. とろみ, ミキサー食の拒否は効果は少ない. 食物認知で注意の問題は効果あり. 摂食スピードの異常は効果あり. 拙劣な摂食動作は一部効果あり. 咀嚼から嚥下への移動困難は効果少であった. <B>【結 語】</B> 認知症高齢者摂食・嚥下障害の対策は約50%が有効であった.