著者
森田 孝夫
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

被害地域から離島、中間・山間農業地域を選び、水害記録・現地調査、郵送アンケート調査を実施し、地勢と避難行動と避難所形成の相互関係および計画課題を分析した。豪雨状況のリアルタイムの双方向情報伝達の不通と、避難路の寸断も想定する避難計画が必要であり、豪雨の場合は、小学校区よりも小さな部落単位やコミュニティ単位で避難所整備が必要であり、防災無線による避難勧告よりも地元消防団の避難誘導が有効であった。
著者
関根 雅彦 渡部 守義 浜口 昌巳
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

撮像機能付き食害検出装置の開発、二枚貝の食害時の摂食音の採取、二枚貝食害時の摂食音を検出するアルゴリズムの開発、食害生物忌避装置の開発を行い、食害検出装置をトリガーとしたナルトビエイ等による二枚貝食害の検出・防除システムを構築した。
著者
金丸 智美 無藤 隆
出版者
一般社団法人日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.219-229, 2006-12-20
被引用文献数
4

本研究の第1の目的は,不快場面に置かれた3歳児を対象に,快,不快情動の変化から捉えた情動調整プロセスの個人差を明らかにすることである。第2に,同一の子どもについて2歳時点から3歳時点への情動調整プロセスの個人差の変化を示す。第3に,不快場面での情動調整行動を検討し,3歳児の情動調整の自律性を明らかにする。2歳前半に実験的観察を実施した母子41組の中で,3歳後半の時点で32組の母子を対象に実験的観察を実施した。その結果,情動調整プロセスの個人差について,不快情動から捉えた情動調整プロセスタイプの中に,快情動変化から捉えた個人差が存在することが明らかになった。情動調整プロセスの個人差の変化については,2歳時に不快情動を表出した多くの子どもが,3歳時には不快情動を表出しなくなることや,2歳時に快情動を表出しなかった子どもの多くは,3歳時には快情動を表出したことを示した。また,情動調整行動に関しては,他の活動を積極的に行ったり,気紛らわし的行動が増え,より自律的な行動が増えることを示した。以上より,3歳児は2歳児と比較して,より自律的で適応的な情動調整が可能となることを明らかにした。
著者
岡田 章三
出版者
岐阜工業高等専門学校
雑誌
岐阜工業高等専門学校紀要 (ISSN:03864332)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.1-3, 2005-03-01

In the previous papers [1], [2], [3], we studied the m dimensional n queen problems. And we introduced the additional methods in [3], including the cases when n is not a prime number. In this paper, we have a result for general case than [3]
著者
綾野 誠紀
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本科研プロジェクトでは、日本語、中国語、タイ語の受動文の統語構造について検討した。日本語の受動文については、直接受動文、間接受動文、所有受動文の統語構造について考察した結果、直接受動文と所有受動文の派生に関しては、動詞句内からの名詞句移動が関与するのに対し、間接受動文には関与しないことを支持する新たな証拠を提示した。中国語とタイ語の受動文については、派生に独立受動形態素が関与するものについて検討し、それらの形態素の統語特性について、日本語の束縛受動形態素の統語特性との比較対象も行いつつ明らかにした。
著者
美濃口 武雄
出版者
日本評論社
雑誌
一橋論叢 (ISSN:00182818)
巻号頁・発行日
vol.103, no.4, pp.p420-436, 1990-04

論文タイプ||論説
著者
宮下 ひろみ
出版者
仙台白百合女子大学
雑誌
仙台白百合女子大学紀要 (ISSN:13427350)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.127-133, 2004-01-31

市販されている豆腐について「絹ごし」と「木綿」の種類の違いによる物性や嗜好の比較を行うことを目的に物性測定と官能検査を行った。市販の豆腐、2社(K社製品、S社製品)の「絹ごし」、「木綿」それぞれについてカードメータを用いて硬さ、破断力の測定を行い物性を比較した。また、豆腐を使用した料理のうち「みそ汁」に仕立てた豆腐についても同様に物性測定を行い、あわせて官能検査による、外観、硬さ、味についての嗜好調査を行った。官能検査は短期大学家政料の女子学生12名を対象に行った。物性測定の結果、硬さは2社ともに「絹ごし」より「木綿」の豆腐の方が数値が高くなった。2社を比較すると「絹ごし」「木綿」ともにK社製品がS社製品よりも硬く、K社の「絹ごし」の硬さはS社の「木綿」の硬さの数値を上回る結果となった。一般に豆腐は「絹ごし」が柔らかいとされるが、メーカー内では確かにその基準はあてはまるものの、各メーカーにより硬さの設定は差があることが分かった。破断力については、硬さ同様2社ともに「絹ごし」より「木綿」の豆腐の方が高値であった。2社を比較すると「絹ごし」「木綿」ともにK社製品がS社製品より高値であった S社の「絹ごし」と「木綿」豆腐を使用しそれぞれみそ汁に仕立てて物性測定を行った結果、いずれも加熱後のみそ汁の方が硬さ、破断ともに高値となった。みそ汁の具材としての豆腐について、官能検査による外観、硬さ、味の嗜好評価の結果、「木綿」より「絹ごし」の方が好まれる傾向にあり、外観では有意な差がみられた。
著者
田尻 尚士
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.15-24, 1991-03-15

機械化による大規模製造法を基準としたダイズ原料による豆腐製造を行い,消泡剤(エマルジーA:グリセリン脂肪酸エステル,エマルジーS:グリセリン脂肪酸エステル,ダイズリン脂質,炭酸カルシウム,シリコン樹脂混合剤)と凝固剤(合成ニガリ,硫酸カルシウム,グリコノデルタラクトン;マグラクトン-70)の使用が豆腐物性におよぼす影響を検討した.消泡剤添加は直接に豆腐物性に影響せず豆乳,おからの歩留りに影響し,製品歩留りを左右するために,分散,混合性に秀れ,親水性,親油性に富み,界面での吸着性が敏速で平均的であることが重要である.凝固剤は離水性を左右して豆腐物性に直接影響する.ニガリは凝固速度が緩慢で,離水性に欠けて凝固度が弱く,一部型くずれするものが認められ,全般的に物性度が不足した.硫酸カルシウムは凝固速度が敏速で平均的で豆腐内面も緻密で光沢を有し,離水性に富み豆腐特有の舌ざわりと咀しゃく感を呈し,物性度は良好となり,豆乳重量に対して1.0%添加が最良である.マグラクトン-70は凝固速度が緩慢で均一性に欠け,離水過多となり,内面に小孔を有し,光沢性に欠け,咀しゃく感が粗雑で凝固過多となり,物性度が高く豆腐特有のソフト感に欠けることが認められた.pHおよび色調は直接豆腐物性に影響しない.水分含有量は豆腐物性に顕著に影響をおよぼし,全般的に離水性が不足すれば水分過多の原因となる.機械化大規模製造法は高温,短時間処理が多用されることから,消泡剤,凝固剤は耐熱性を有し,分散,混合性,親水および親油性に富むことが重要で,消泡剤はグリセリン脂肪酸エステル純度が高く,凝固剤は硫酸カルシウム純度の高いものが最適である.
著者
島本 功 寺田 理枝 大木 出 辻 寛之 辻 寛之
出版者
奈良先端科学技術大学院大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

フロリゲンは植物の花芽分化の決定因子として1937年に存在が提唱されたが、その正体は長い間謎のままであった。我々は2007年にフロリゲンの分子実体がHd3a/FT タンパク質であることを明らかにし、さらにフロリゲンの細胞内受容体、及びフロリゲンの活性本体となるタンパク質複合体「フロリゲン活性化複合体」を同定した。さらにフロリゲンは花だけでなくジャガイモ形成を開始させるなど驚くべき多機能性を持つことも明らかにした。またフロリゲンの発現制御に関する研究も並行して展開し、イネの花成は2つのフロリゲン分子Hd3a とRFT1 に完全に依存していることを示した。
著者
笹川 滿廣 塩澤 幸雄
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.55-60, 1979-05-25
被引用文献数
1

京都府下夜久野町のクリ園(筑波5年生植栽)で, クリイガアブラムシの発生消長と移動及び分散との関係を調査し, 以下の結果を得た。1.幹母→普通型(5世代)→産性型→有性型の計8世代を経過する。2.発生消長には2つの型がある。ひとつは樹皮上の幼虫が, 6月下旬ごろからきゅう果へ第1次移動を行った後に増殖して高密度に達するもので, 他は8月中旬ごろまでほとんど寄生が認められないのに第2次樹内移動及び樹間分散後に急増するものである。当然, 若はぜによる被害は前者に大きく, 後者ではほとんど認められない。3.第2次移動は8月下旬から9月中旬にかけて, 主として1令幼虫によって行われ, かなり大視模な樹内・樹間の分散が起こる。ただし, 1令幼虫の推定歩行距離や各樹の寄生きゅう果率変動からみて, 樹間分散は広域に拡がるのではなくて狭い範囲にとどまる。