著者
田中 毅弘 後藤 滋
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.45, pp.35-42, 1991-02-25
被引用文献数
1

運用信頼性の立場からみた,遠隔監視システムによる建築設備に関する調査と解析を,1986年から1988年の3箇年間行った.本報では,まず遠隔監視システムの概要,解析データと調査概要,警報発生の状況における建物用途・規模別,月・曜日・時刻別,原因・設備別などの解析を多面的に行い,定性的な傾向と特徴を明らかにした.これらの結果から,建物用途・規模別では文化施設で中小ビルが,月・日・時刻別では特に冷房運転時の立上げ負荷変動時で,そして,原因・設備別状況においては機器故障の原因による熱源設備が,それぞれ多いことを統計的解析によって算出した.
著者
谷内 一彦 渡邉 建彦 古本 祥三 櫻井 映子
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

神経創薬に応用可能な神経イメージング基盤技術の萌芽的開発のために以下の研究を実施した。1)神経変性疾患に蓄積する異常蛋白質であるアミロイドβ、αシタクレイン、プリオンに結合する低分子標識化合物[^<11>C]BF-227を用いてPET分子イメージング法の臨床研究を行なった。アルツハイマー病(Aβ)、プリオン病(プリオン)、多系統萎縮症(Multiple System Atrophy)(αシヌクレイン)、パーキンソン病(αシヌクレイン)において、[^<11>C]BF-227の脳内での結合量が増加することが明らかになった。[^<11>C]BF-227はタウ蛋白には結合しないが、アミロイドAβ、プリオン、αシヌクレインへの結合特性を持っていることが基礎および臨床研究から明らかになり、神経変性疾患の超早期診断や鑑別診断に有用である。またタウ蛋白に結合特性があるTHK523をポジトロン(^<18>F)で標識して基礎研究を行い、インビトロ、インビボにおいてタウ蛋白に特異的結合することを見出した。さらに小動物用PETを用いて評価し、タウトランスジェニックマウスでのタウ蛋白の分子イメージングに成功した。2)ヒト脳内における薬物の脳内移行性について、鎮静性抗ヒスタミン薬を例にPET分子イメージングで研究した。前日の夜に鎮静性抗ヒスタミン薬ジフェンヒドラミン50mgを服用した場合に、12時間後の翌日までヒスタミンH1受容体を50%近く占拠することを明らかにし、翌日残存効果(hangover)のイメージングに初めて成功した。さらに鎮静性抗ヒスタミン薬であるケトチフェン含有点眼薬による鎮静作用の発生予測のために、点眼後に脳内H1受容体占拠率測定を行い、点眼により鎮静性抗ヒスタミン薬は脳内に移行することが明らかになった。PET分子イメージングを用いることにより組織移行性をヒトにおいて調べることが可能である。
著者
瀧口 正樹 岩瀬 克郎 松本 絵里子 有田 恵美子 大平 綾乃 玉井 恵子 平良 暁子
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

マウスは昼夜サイクルの暗期に活動・摂食し,明期に休眠・絶食する。通常,絶食期後半にはグルコースが不足し糖新生系酵素遺伝子が活性化されるが,このリズムは栄養条件により変動する。今回,この変動に随伴するコルチコステロン,グルカゴン,インスリン等の液性因子の変化を長期絶食,高脂肪食,炭水化物/タンパク質比各種食条件下において明らかにした。また,恒明条件下での概日行動リズム周期の延長を示した遺伝子標的破壊マウスは,暗期後半の光パルス照射による行動開始位相前進が亢進傾向を示し,また暗期始点6時間前方変位後の行動開始位相の再同調に要する日数に短縮傾向を示し,日周行動リズムの光刺激応答性の亢進が示唆された。
著者
小沼 孝博
出版者
学習院大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、18世紀後半における清朝とカザフ遊牧勢力との対外交渉を、一次史料である文書史料の分析に基づいて研究した。特筆される成果として、清朝-カザフ関係に関する英文資料集の刊行がある。本資料集の主な目的は、カザフ首長層から清朝に送付された書簡を紹介し、その特徴と歴史史料としての価値を検討することにあり、加えて清朝に派遣されたカザフ使節に関する基礎データも提示した。
著者
中柳 靖夫
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.71, no.834, 1965-03-25
著者
北坂 尚洋
出版者
福岡大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

これまでの国内での議論や外国の立法の研究をもとに、離婚事件およびその他の家事事件の国際裁判管轄権の日本の基準について、立法提言をまとめることが本研究の目的である。研究初年度となる2009年度には、離婚事件、親子関係事件、相続事件等の家事事件の国際裁判管轄権に関するわが国の現状をまとめた。そして、研究最終年度となる2010年度には、前年度の研究をもとに、特に、アメリカ抵触法に関する概説書を翻訳して、アメリカ法の状況を明らかにしたほか、子の監護者等の変更の国際裁判管轄権や婚約破棄に基づく損害賠償請求事件の国際裁判管轄権に関する研究を進めた。
著者
横川 順子 大平 弘正 宍戸 昌一郎 阿部 和道 雷 毅 滝口 純子 小原 勝敏 佐藤 由紀夫
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.44, no.8, pp.401-406, 2003-08-25
被引用文献数
2 2

症例は57歳の女性. 両手指の皮膚硬化, Raynaud 症状, 毛細血管拡張を認め, 血液検査で抗核抗体, 抗セントロメア抗体陽性から不完全型CREST症候群と診断された. また, 軽度の肝機能異常も指摘され, ウルソデオキシコール酸の投与で改善が得られていた. 平成14年5月上旬から顕性黄疸が出現し, 当科へ紹介となった. トランスアミナーゼ, 胆道系酵素および総ビリルビン値15.8mg/d<i>l</i>と高度の上昇を認めた. 肝生検組織像では, 門脈域の線維性拡大と著明なリンパ球浸潤がみられ, 肝細胞のロゼット形成も認められた. AIHの国際診断基準ではAIH確診例と判断され, 不全型CREST (RST) 症候群に合併したAIH例と診断した. 入院時PTが50.3%と劇症化も危惧されたため, 入院当日より副腎皮質ホルモンの投与を開始し著明な改善がみられた. AIHとCREST症候群の合併例は極めて稀であり, 貴重な症例と考え報告した.
著者
谷口 孚幸 並木 裕 高橋 一郎
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.15, pp.19-31, 1981-02-25
被引用文献数
1

本研究は,事務所建物における必要衛生器具数を使用者の"許容待ち時間"から算出する方法を提示したものであり,1)業務内容別の衛生器具使用状況アンケート調査と,2)許容待ち時間に関するアンケート調査の結果からGPSS(General Purpose Simulation System)による衛生器具使用シミュレーションモデルを作成し,男子小便器を例にとり,衛生器具使用の待ち時間を"あふれの割合"と対応させ,既往の算定値との比較・検討を行ったものである.本研究により各計画対象階の計画人員数が同じでも,業務内容が異なると衛生器具使用頻度のピーク発生時とその値は異なり,衛生器具使用時の待ち時間を一定に保つサービスを行うためには各階の必要器具数は,かなりの差を生じることが明らかになった.
著者
平 典子 鳴井 ひろみ 本間 ともみ 鳴井 ひろみ 本間 ともみ
出版者
北海道医療大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

緩和ケアにおける心理・社会的ケアの向上をめざして、看護師が実践するプレゼンスの構造を調査し、その結果をもとに実践モデルを作成して介入プログラムを検討した。その結果、看護師は、常に相手に向けて自分を開くという援助姿勢を基盤とし、プレゼンスの実施方法を駆使することにより、がん患者とその家族に、気持ちを鎮める、本来の生き方を取り戻すなどの成果をもたらしていることが判明した。また、実践モデルにもとづく介入プログラムは、意図的介入として有用であることが示唆された。
著者
竹内 秀雄 吉田 修
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.593-596, 1982-05

A case of Mullerian duct cyst in a child is presented. In this case the cyst did not communicate with the urethra, and it could be removed easily by surgery. It contained fluid intermediate between serum and urine.
著者
森本 淳
出版者
白東史学会
雑誌
中央大学アジア史研究 (ISSN:0389097X)
巻号頁・発行日
no.32, pp.111-132, 2008-03