著者
飯田 和質 平井 敏雄 富永 敏朗 津田 利雄 松田 春悦 山田 良 土田 寿 竹内 桂一 大月 恭範 大森 正弘
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.38, no.12, pp.2171-2177, 1986-12-01
被引用文献数
1

概要 福井県の車集検は昭和47年より開始され、昭和49年に福井県健康管理協会が発足して全県下を一本化して実施して現在に至つている。昭和49年から昭和58年までの10年間の成績について若干の知見を得たので報告する。 福井県ぱ人口約81万人て30歳の対象婦人は昭和58年て249、392人である。受診率は昭和49年の39%から58年の62%と増加しているがまた低い。要精検率ぱ0 77〜2 02%てあり、精検受診率は86 3%〜97 7%で比較的良好な成績である。痛検出率ぱ0 08%〜03%であり、上庄内痛の検出率ぱあまり変らないが浸潤痛ぱ年毎に低下している。異型上皮は年毎に増加し、49年の0 11%に対し57年は0 35%であつた。異型上皮、上庄内痛、浸潤痛の比は49年〜53年の前半は13 17 10であり、54年〜58年の5年間ぱ61 25 10となつている。上皮内痛およひ浸潤癌発見まての受診回数てぱ子宮頭癌Ib期以上でぱ全員が初回受診時に発見されている。頭痛Ia期てぱ31人中3人が2回目て、28人ぱ初回に発見され、上庄内痛146人中126人か初回、14人が2回目、6人が3回目以上であつだ。細胞診成績てぱclass ? の72例でぱ異型上皮87%、上皮内癌56 9%、浸潤痛12 1%てfalse posltlveは22 2%てあり、class ?の51例でぱ異型上皮19%、上皮内癌45 1%、浸潤痛47 1%でfalse posltlve ぱ58%にみられた。福井県のCAIを診療検診と車検診の合計で計算し、昭和57年ぱCAI 152、 58年ぱCAI 148、 59年ぱCAI 177であつた。福井県子宮癌検診も今後は日母方式の施設検診を加えて検診者の増加をはがり子宮癌死亡0を目さして努力している。
著者
鈴木 良弥
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究では,新聞記事を対象とした自動要約に注目し,高精度な複数記事の要約をおこなうための第一歩として,(1)大規模コーパスから話題テンプレートを作成し,その話題テンプレートを利用して新聞記事から注目する記事の続報記事を高精度で抽出する.抽出した続報記事を話題クラスタごとに分類する(2)話題クラスタごとの要約を行い,クラスタ間のつながりを考慮し,続報記事全体の要約を行う。ことを目的とし,研究を行った.(1)では話題テンプレートや機械学習(Support Vector Machines)を用いて続報記事を抽出する手法を提案した.提案手法を用いて大規模コーパス(Topic Detection and Trackingのコーパスや毎日新聞コーパス)から続報記事を抽出する実験を行い,本手法が続報記事を高精度で抽出できることを示した(論文4,5).(2)に関しては,具体的にはクラスタ内の要約のために,クラスタに集められた文中の類似単語を検出する必要があることがわかり,類似名詞の抽出を行った(論文3,4).類似名詞の抽出のためにHindleの手法とLinの手法を比較し,日本語文書に対してはLinの手法がHindleの手法より勝っていることを示した.またLinの手法を日本語記事に適応させた類似名詞抽出手法を提案した.また,抽出された類似単語と記事のタイトルを利用して重要文抽出を行った(論文1,2).Linの手法を基に(論文3,4)で提案した手法を用いて記事のタイトル中の単語の類似単語を本文中より抽出し,重要文抽出に利用した.毎日新聞の記事とNTCIR2の重要文抽出タスクの解答を利用して重要文抽出実験を行い,本研究で抽出した類似単語の情報が重要文抽出に有用であることを示した.
著者
岩永 忠康 白武 義治 諸泉 俊介 宮崎 卓朗 西島 博樹 柳 純
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

日本の小売業の経営は現在では大きく変化している。流通外資もその変化を促進している要因の一つである。日本では近年、流通外資の参入が活発化しているが、しかし近隣のアジア諸国ではより早い時期から流通外資が参入していた。これを研究することが日本での流通外資の展開方向を予測するうえで重要であると思われる。台湾での聞き取り調査では、中国と同様に欧米系の小売企業が好調な業績を残していることがわかった。また一方で日本国内とは逆に日系の小売企業が好調であることも明らかとなった。しかしいわゆる欧米系の流通外資と日系の小売企業はでは異なるところが多く、成功の要因は同じではない。現地化と標準化という点でみれば一般に日系の小売企業は標準化を強く指向しており、日本国内での店舗運営やコンセプトを多く台湾に持ち込んでいる。また欧米系の小売企業は取扱商品については現地化を進めており、店舗運営も現地のスタッフに依存することも多く見られる。日系小売企業で低価格業態を持ち込んではいる企業は少なく、またその成功・不成功も現時点では見極められない。しかし欧米系の小売企業は低価格を武器に現地資本の小売企業と直接的な競争を繰り広げている。この違いは母国での競争力の源泉が低価格にあるかどうかということに由来すると思われる点では中国での調査と同様である。つまり日系小売企業は低価格業態ではない形で標準化を基本に進出を果たしていることは確実であり、欧米系小売企業は現地消費者の低価格指向に対応する形で現地化を進めているのである。しかし日本の消費者の嗜好は台湾と比較すると必ずしも低価格のみに向かっているとはいえない。低価格業態の参入が地域の流通構造に与える影響はその意味では限定的で、流通外資の経営不振がそのことを物語っている。
著者
網田 健次郎 星野 正邦 本間 智晴 若林 久嗣
出版者
The Japanese Society of Fish Pathology
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.193-197, 2000-12-15
被引用文献数
12 40

1999年5月から12月に新潟県海川で天然遡上アユ, 標識放流したアユ種苗, 流下アユ仔魚および他の生息魚を採集して F.psychrophilum の検出を試みた。 IFAT または nested PCR により検査した結果, 放流前のアユ種苗の一部, 採集された全てのグループのアユと他の4魚種(ヤマメ, ウグイ, ウキゴリ, ヨシノボリ)および成熟アユの卵から本菌が検出され, また, 河床の微細藻類や河川水の一部が PCR 陽性を示した。 これらの結果から親魚から仔魚への冷水病菌の伝播, 放流魚や他魚種等から天然遡上アユへの伝播の可能性が示された。
著者
浅田 啓 菅沼 明 牛島 和夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.40, pp.585-586, 1990-03-14

日本語文章椎敲支援ツール『推敲』とは,MS-DOS上の日本語文章ファイルを解析して推敲に役立つ情報を書き手に提供することを目的としたツールである。『推敲』は、1987年度にパーソナルコンピュータ上で『推敲1.5』として実用化された。その後、このツールに関心を持つ一部大学関係者(京都大学、静岡大学、筑波大学、東京工業大学、東京農工大学、名古屋工業大学、日本大学(順不同))に『推敲1.5』を試用してもらい,評価をしてもらった。今回、それらの評価結果を検討し機能を拡張し『推敲2.0』とした。2節では試用者アンケートの結果とそれについての検討内容を述べ、3節、4節では機能拡張の詳細について述べる。
著者
森本 弥三八
出版者
信州大学工学部
雑誌
信州大学紀要 (ISSN:05598575)
巻号頁・発行日
no.6, pp.工学部157-170, 1956-12

The radioactive intensity of the rain water which fell on Nagano-District from May 21,1954, to October 31,1956, was measured with the Radiation Counter (Model 32), manufactured at the Scientific Research Institute, LTD., Tokyo, Japan. In order that the measurements were to be carried out accurately, the Geiger-Muller counter tubes used in the measurements had been examined carefully and their characteristics were studied in conformity with the curves representing the relation between the applied voltage and counts per minute of the radiation-ray. The results of the measurements show that the radioactive intensity of the rain water in Nagano-District considerably increased at certain periods of time after the explosion experiments on the nuclear-missiles were made on the coral-reeves in the South Pacific Ocean by U. S. A. and in Siberia or its vicinity by U. S. S. R.. From the manner of the radioactive decay, it can be concluded that the intensely increased radioactivity was not due to the natural source, but to the artificial one. This paper is attached by numerical data on the measurements of the radioactive intensity of the rain water in Nagano-District.
著者
小林 茂雄 谷岡 春美 村中 美奈子
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
no.637, pp.249-254, 2009-03
参考文献数
15
被引用文献数
1

In this research, people's sitting and lying postures on a grass surface in a park were observed. The principle results are summarized as follows.<br>1. More people tended to lie down on sloping grass than on level grass, but the degree of slope did not necessarily affect their postures.<br>2. Men tended to lie down more than women, and the majority of the women sat vertically on the grass.<br>3. Younger people tended to lie down more than older people.<br>4. Men tended to lie down when they were alone or when they were accompanied by either male or female friends. Women tended to lie down when they were accompanied by male friends.<br>5. When more people were on the grass, those lying down tended to remain face up.<br>6. When the temperature was low, people tended to sit, and moreover, sitting people tended to lean forward.
著者
佐保 美奈子(井端美奈子) 古山 美穂 工藤 里香 島田 憲次
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

性分化疾患や総排泄腔遺残症などにより、膣形成術予定の思春期以後の女性と家族が、恋愛・結婚へと夢をつなぐためのセクシュアリティ支援について、検討した。毎月のストーマ・セクシュアリティ外来において性に関するカウンセリングをし、カンファレンスに参加し、意見を述べた。国内学会での情報収集・情報発信を活発に行ない、韓国の大学病院にて性別適合手術を見学した。障がい者用衣服についての講演会・排泄障がい者の女子会を開催した。研究成果物として、『こころとからだBook』『おつきあいのマナーかるた』『膣拡張用樹脂製ダイレーター』『女性オストメイト用おしゃれ下着』各種パンフレット・小冊子などがある。
著者
出水 力 高橋 泰隆 林田 治男 渡邉 輝幸
出版者
大阪産業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

インドにあるホンダ系のアッセンブリーメーカーHMSIと、その関連するパーツサプライヤーを調査した。インド1999年に自動車生産が自由化されたことで、沢山の日系二輪・四輪部品企業が生産に踏み切った。1990年代から発展を遂げた二輪生産のインドと他の東南アジア諸国との大きな違いは、二輪生産の技術的基盤が整った中でスタートが切られた。そのため外資との合弁生産とは別に民族的な二輪企業が自立的に誕生していた。部品企業を育てながら外資に技術と資本を頼るインド、タイなど東南アジア諸国の国産化と違うのが、インドの二輪産業の特徴で台湾の二輪産業に近いと考えることができる。中国の二輪生産で、天津摩托集団はドイツのツンダップの工場設備と製品技術を買収して生まれた二輪では古いメーカーであった。しかし、経営的な行き詰まりからホンダとの合弁で息を吹き返しながら、次なる根本的な戦略を見出せず、その中国側の持分を民営の新大洲摩托に売り払い、新大洲本田摩托(天津)分公司が新たに発足した。上海にある本工場の分工場という位置づけである。部品の調達は上海の本工場が持つ、中国全土に張り巡らされた安く品質の保証された購買ルートに依拠することで、コストダウンを達成していた。新大洲本田摩托(天津)分公司の工場設備のうち工作器械は欧米のものが、日中の合弁が成立する前に導入されていた。この台数が多いのでかなり目がつくが、現在はほとんどの機械類はリプレイスする際には中国製に置き換えられつつあった。中国・東南アジア・インドなどで生産されているローエンドバイクの生産には、高性能な工作機械はコストの点から経験的に不必要なことに依拠している。
著者
河原 正典 岡部 健
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.133-142, 2011 (Released:2011-08-08)
参考文献数
7
被引用文献数
1

アセトアミノフェン(APAP)は, WHO方式がん疼痛治療法の中で非オピオイド鎮痛薬の選択肢の1つに位置づけられているが, わが国において, その有効性や安全性を検討した報告は少ない. われわれは, 当院で非オピオイド鎮痛薬として, 世界標準量のAPAP (1,800~2,400mg/日)を使用した182例(APAP群)と非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)を使用した86例(NSAIDs群)を比較することで, オピオイドとの併用も含めたがん疼痛管理における世界標準量APAPの有効性と安全性について後ろ向きに検討した. 疼痛管理状況はAPAP群とNSAIDs群で同等であった. オピオイドなどの併用薬剤についての検討が不足しているものの, がん疼痛治療における非オピオイド鎮痛薬としての世界標準量APAPは, 有効性の点でNSAIDsに劣らない結果が得られた. また, 安全性に関するAPAP群とNSAIDs群の比較では, 嘔気の発現頻度はAPAP群が有意に低く(p<0.01), AST・ALTが基準値の2.5倍を超えた患者の割合は両群同等であった. 有効性と安全性に関する以上の結果から, わが国においても世界標準量APAPは, がん疼痛治療における非オピオイド鎮痛薬の有用な選択肢の1つになると考えられた. Palliat Care Res 2011; 6(2): 133-142
著者
山本 定博 AHMAD Zahoor AHMAD ZAHOOR
出版者
鳥取大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

世界各地で家畜糞などの有機性廃棄物の不適切な農地還元による環境汚染が深刻化しており,とくにリンの非点源汚染は,富栄養化による水圏の深刻な汚染要因となっている.本研究は土壌からのリン溶脱抑制のために,別セクターで産する廃棄物のリン保持特性に着目し,2種類の資材(高炉砕;BFS,上水処理沈殿残渣;WTR)とリン吸着資材として注目を集めるハイドロタルサイト(HYD)を土壌に添加してトウモロコシを栽培し,リンの溶脱抑制と作物への利用効率との関係からリン保持資材の効果を検討した.土壌は砂質マサ土とローム質土壌を供試し,WTR,BFSを5%,HYDを0.25%相当量土壌に添加した.リン源は,牛ふん堆肥(堆肥区)とリン酸二水素カリウム(化学肥料区)を各300kgP/ha相当添加した,播種後7週間ポット栽培し,収穫後作物体を分析した.作物体乾物重は,土壌よりもリン源の影響を受け,堆肥区では化学肥料区より大きく劣った.リン吸着資材(以下PRM)添加効果は土壌によって異なった.マサ土では,すべてのPRM添加により,リン吸収が抑制され乾物重が低下したが,ローム質土壌ではBFS添加により乾物重の増加が認められた.ポットからのリン溶出も土壌によって異なった.マサ土では高濃度のリンが排出され,とくに化成肥料区の栽培初期で顕著であったが,PRM添加によって大きく低減できた.ローム質土壌では,マサ土とは異なりPRMによる明確なリン溶脱抑制効果は認められなかった.以上,PRM添加効果は土性によって異なり,砂質土壌ではリン溶脱抑制効果は大きいが,逆に作物へのリン可給度を低下させるマイナス面が明らかになった.今後,リンの溶脱と肥効のバランスを考慮した資材利用方法とPRM吸着リンの長期的スパンでの可給化等の検討が必要であるが,廃棄物をリン保持資材として環境保全と食料生産の両面で有効活用できる可能性,方向性を示すことができた.