著者
Takashi Ebisawa
出版者
The Japanese Pharmacological Society
雑誌
Journal of Pharmacological Sciences (ISSN:13478613)
巻号頁・発行日
vol.103, no.2, pp.150-154, 2007 (Released:2007-02-20)
参考文献数
31
被引用文献数
59 77

Genetic analyses of circadian rhythm sleep disorders (CRSD), such as familial advanced sleep phase syndrome (ASPS) and delayed sleep phase syndrome (DSPS), and morningness-eveningness revealed the relationship between variations in clock genes and diurnal change in human behaviors. Variations such as T3111C in the Clock gene are reportedly associated with morningness-eveningness. Two of the pedigrees of familial ASPS (FASPS) are caused by mutations in clock genes: the S662G mutation in the Per2 gene or the T44A mutation in the casein kinase 1 delta (CK1δ) gene, although these mutations are not found in other pedigrees of FASPS. As for DSPS, a missense variation in the Per3 gene is identified as a risk factor, while the one in the CK1ε gene is thought to be protective. These findings suggest that further, as yet unidentified, gene variations are involved in human circadian activity. Many of the CRSD-relevant variations reported to date seem to affect the phosphorylation status of the clock proteins. A recent study using mathematical models of circadian rhythm generation has provided a new insight into the role of phosphorylation in the molecular mechanisms of these disorders.
著者
荒木 哲郎 池原 悟 土橋 潤也 堂元一頼
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.61, pp.9-16, 1993-07-09
被引用文献数
2

2重マルコフモデルを用いた日本語誤字の誤り訂正法を、マルコフモデルを適用する位置に着目して分類すると、検出された誤り音節または、漢字かな文字に限定してマルコフモデルを一回適用する方法(局所法)と、誤り音節または漢字かな文字を含む文字列全体に適用する方法(全域法)があり、前者は後者に比べて少ない処哩時間で行える特徴がある。これまでに局所法については、文節並びに単語境界で検出された音節、漢字かな文字の誤りを訂正する問題に対して、誤り位置に応じて順方向、中間、逆方向タイプの2重マルコフモデルを適用する方法の有効性が報告されている[9]。本論文では、全域法の誤り訂正能力を定量的に評価し、局所法との比較を行う。全域法においては、三つのマルコフ連鎖確率がそれぞれ中心的な役割を果たすことに着目して、これらのマルコフ連鎖確率を単独に用いて誤り訂正を行う三つのタイプの局所法について、文節境界における誤り文字の位置(文節の先頭誤り、2番目及び3番目以降)に関する誤り訂正の評価を行い、全域法と局所法の比較を行う。新聞記事77日分の統計データを用いて、順方向、逆方向並びに中間タイプの2重マルコフ連鎖確率を求め、日本語音節文及び漢字かな交じり文の2000箇所の誤りに対して、局所法と全域法による誤り訂正実験を行った。その結果、()全域法では、順方向タイプの2重マルコフモデルが、常に他のタイプよりも優っていること、また ()全域法は局所法よりも優っていることなどがわかった。This paper investigates two methods to correct erroneous syllables and kanji-kana characters located at the boundaries of "bunsetsu" using three types of 2nd-order Markov model, called as forward, backward and middle type respectively. One is called the local method which is to correct erroneous characters using Markov model only once. The other is the global method which is to correct erroneous syllables and kanji-kana characters by applying Markov model to all the string of syllables and of kannji-kana characters. According to the experiment using 70 issues of a daily Japanese newspaper, the following results was obtained. 1. In the case of global method, the method to correct erroneous syllables and kanji-kana characters using Markov model of foward type is always superior to that of the other types. 2. The capability of error correction using the global method is always superior to that of the local method.
著者
足立 忠夫
出版者
関西学院大学
雑誌
法と政治 (ISSN:02880709)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.421-466, 1982-11-15

The skelton of this paper is as follows : Preface I Financial Difficulties of the Corporation Universities II The New Directions 1. Toward the Wider-area Corporation 2. Toward Reorganization of the Evening Session
著者
牧野 暢男 伊藤 友子
出版者
広島大学
雑誌
大学論集 (ISSN:03020142)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.65-81, 1981-11
著者
江角 真理子 杉谷 雅彦 山口 裕美
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

肝臓がんの主たる原因であるC型肝炎ウイルスについて、治療薬はまだ十分なものがない。本研究ではヒト組織がもちうる抗ウイルス反応をヒントに、新たなヒトに優しいC型肝炎治療法の基盤を探索した。ウイルス量が1000倍も異なる肝臓組織を比較し、どこが違うかを発現しているタンパク質の違いで捉えた。とくにウイルスが増える肝実質細胞とその環境を作り出す間質とにわけて解析した。それぞれから90個と27個のタンパク質を見つけた。ウイルス量が多い組織では、ウイルス有利に働くものとウイルス制御に働くものとの両方が見いだされた。中でもウイルス量が多い組織で発現亢進する機能未知のタンパク質について、ウイルス感染実験で検討した。ウイルス侵入を助けるタンパク質分解酵素や、ウイルスの分泌に関連しそうな細胞内器官ゴルジ体タンパク質の存在が見いだされた。
著者
安村 基 鈴木 滋彦 小林 研治
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

モンテカルロシミュレ-ションおよび信頼性解析により、日本建築学会「木質構造設計規準」による木材の繊維方向加力を受ける曲げ降伏型接合部の降伏モードの推定が妥当であることがわかった。繊維直角方向の応力を受ける接合部では、木材の破壊確率を想定した設計を行わないと危険サイドの設計となる可能性があること、モーメント抵抗接合部においても、確率的手法を取り入れた設計を行わないと、柱の折損など危険な破壊メカニズムを生じる恐れがあることが分かった。また、信頼性解析により CLT パネルの破壊メカニズムの推定が行えることを実験的に実証した。
著者
小幡 洋昭 後藤 正幸 平澤 茂一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論
巻号頁・発行日
vol.96, no.494, pp.79-84, 1997-01-24
被引用文献数
1

Z.Zhang and V.K.Weiの提案したGold Washingアルゴリズムは, ある一定の確率分布で発生させたランダムな系列で辞書を逐次更新することにより, 有限アルファペットの無記憶情報源に対し, 確率分布が未知であっても漸近的にRate-Distortion関数に収束することが証明されている. 一方, Y.Steinberg and M.GutmanはLZ77符号に用いられるString Matchingを有歪み圧縮に応用したアルゴリズムを提案した. このアルゴリズムは, 有限アルファベットの無記憶情報源に対し, 情報源から定まる最適な符号語の分布により発生させたランダムな系列で辞書を更新することにより, 漸近的にRate-Distortion関数に収束することが証明されている. そこで, 本稿ではGold Washingアルゴリズムの考えを用いたString Matchingアルゴリズムに基づくアルゴリズムを提案し, シミュレーションによりそれぞれのアルゴリズムの特性を考察する.
著者
高見 勝利
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

この2年間、国立国会図書館憲政資料室所蔵の入江俊郎および佐藤達夫の両文書から採取した日本国憲法制定に関する原資料をほぼ時系列的に整理し、全15巻(第90回帝国議会議事録等を含む)の資料集にまとめる基礎を固めることが出来た。また、憲法問題調査委員会の調査資料についても、これまで公刊されていない会議議事録を含め、第1巻の資料集を公刊することが出来た。更に、それと関連して、憲法問題調査委員会委員であった宮沢俊義の私蔵文書(現在,立教大学法学部図書室で保管)から、上記、入江・佐藤の両文書において欠落している資料を採取することができた。この作業の中で、日本国憲法判定前後において、宮沢が東京帝国大学法学部で行った講義および講演等の草稿を入手し、また、当時、宮沢の憲法講義を聴講された五十嵐清北海道大学名誉教授、芦部信喜東京大学名誉教授からも1944年度および1946年度の講義ノートの提供を受け、雑誌論文としてまとめることができた。本研究のまとめとして、1998年3月23日、九州大学大学院比較文化研究科主催の九州大学比較文化研究会(責任者横田耕一教授)において、「憲法制定過程において入江俊郎と佐藤達夫の果たした役割」と題した報告を行い、二年に及ぶ本課題の研究活動を終了した。なお、資料の整理は本課題研究終了後も継続し、現在、資料集第2巻について、第二校の段階にあり、資料解題を付し、本年中に刊行する予定である。
著者
中村 史
出版者
小樽商科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

研究代表者は、平成15年度から18年度まで4年間の基盤研究Cによる研究「日本文学のジャータカ説話(本生譚)と源流・インド説話との比較研究」、及び、これに先立つ数年間の研究成果(平成13年度から14年度にも前段階の研究について科学研究費補助金・若手研究Bを取得)に基づき、博士学位請求論文『ジャータカ説話の原型と展開』を執筆した。これを桃山学院大学大学院文学研究科に提出し、平成18年3月17日、同大学大学院文学研究科より「博士(比較文化学)」(文博乙第一号)を取得している。最終年度・平成18年度には、この博士論文の改稿・整備を行った。並行して、科学研究費補助傘の「研究成果公開促進費」を申請してこれを取得し、汲古書院より、今年度、平成19年6月30日原稿組み入れ予定、平成20年1月16日発行予定として、さらに作業を進めている。書名は『三宝絵本生課の原型と展開』(博士論文の論題を変更)であり、目次によって概要を示せば、第一章 『三宝絵』とその本生譚第二章 シビ王本生譚の原型と展開第三章 シビ王本生譚の主題とその達成第四章 スタソーマ王本生譚の原型と展開(一)第五章 スタソーマ王本生譚の原型と展開(二)第六章 スタソーマ王本生譚の思想的背景第七章 大施太子本生譚の原型と展開第八章 大施太子本生譚の誕生となっている。日本・平安時代、永観2年(984)成立の『三宝絵』に流入した本生課(ジャータカ説話)にどのようなインド的、仏教的背景があるのか、その原型または起源、展開または変容の諸相について考察している。またそれぞれの本生譚ないしその類型話が文学としてどのように読み解けるかを解明しようとしたものである。
著者
中村 剛 野瀬 善明 高辻 俊宏
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究の最大の成果は、福岡市医師会との密接な協力関係のもと、「大型回遊魚の摂取⇒有害ミネラルの蓄積⇒乳幼児健康異常」といった仮説を検証し、臨床還元するためのプロジェクトが動き出したことである。九州大学医学部倫理委員会で承認され(代表者:野瀬善明教授)、既に親子約600組のコホート集団が構成されつつあり、毛髪の測定機器の準備も整いつつあるが、本研究の範囲を越えるので詳細は省く。以下において、項目ごとに研究成果のまとめを記す。1.多変量比例ハザード測定誤差モデル用FORTRANプログラムを作成しアップした。2.食習慣調査と遺伝要因調査:タッチパネルとパソコンを連動することにより、液晶画面にタッチして回答を入力するシステムを開発した。質問内容は(1)アトピー性皮膚炎診断のための5項目、(2)肉、野菜、魚の摂食割合、(3)よく食べる寿司ネタ、(4)大型回遊魚の摂食回数に関する3項目、からなる。3.長崎市保健センターにて実施した結果80%という期待通りの受診者が参加した。しかし、質問紙によるアンケートも実施し、回答率、信頼性を比較した結果、大勢を対象とした調査では、質問紙による方が優れていると結論された。4.約600名の分析結果として7%がアトピー、更に7%がアトピー疑い、とされた。5.ロジスティック回帰モデルによる解析の結果、(1)親族にアトピー、ぜんそく、アレルギー体質の方がいるとアトピーのリスクが高い。(2)女のほうが男よりアトピーのリスクが高い。(3)小型魚の割合が高いほどリスクが低い。(4)卵の回数が多いほどリスクが低い。特に0から2までのリスクの減少が大きい。結論:大型回遊魚との関連はみられなかったが、性別、遺伝要因の影響を修正したあとに、小型魚の摂食回数がリスクを減少するという新たな知見を得た。また卵の摂食回数が少ない程リスクが高いのは、家庭での料理の回数が少ないほどリスクが高いことを示唆していると推察される。
著者
LEE Yong-Ju KIM Hag-Young LEE Cheol-Hoon
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
IEICE transactions on information and systems (ISSN:09168532)
巻号頁・発行日
vol.94, no.1, pp.60-68, 2011-01-01
参考文献数
17
被引用文献数
3

Infrastructure-as-a-Service (IaaS) cloud computing is emerging as a viable alternative to the acquisition and management of physical resources. The new main feature of IaaS cloud computing is the virtual machine (VM) technology which improves the flexibility of resource management. VMs use virtual machine images that are preconfigured and ready to run. Typically, VM image management uses local file copy and distribution via a network file system (NFS). This potentially means that a more efficient method can be used for VM image distribution. For efficient VM image management, we have designed and implemented a BitTorrent-based network block device (namely, BitNBD) for provisioning VM images in IaaS clouds. The BitNBD mainly provides a 'split read/write mechanism' to deal with concurrent VM instances where the same pieces of a VM are shared. With respect to the legacy BitTorrent protocol, the BitNBD enhances the piece picker policy and energy-saving mode. It is very effective in minimizing VM startup delays and providing a hibernating capability.
著者
畠瀬 頼子 小栗 ひとみ 松江 正彦
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.553-556, 2008-03-31 (Released:2009-05-08)
参考文献数
18
被引用文献数
7 6

In Japan, Coreopsis lanceolata has been invading riverbed vegetation and is designated as an invasive alien species. A study regarding its occurrence and the vegetation transition in the riverbed of Kiso River was conducted. Comparing the vegetation maps of 1979, 1996 and 2006 revealed that over time, the area of the wet grassland had decreased. However, the forest area and bamboo/dwarf bamboo community had increased. Contrastingly, the area of the dry grassland tends to change little and is sustained. C. lanceolata occurred in 70% of the area of the dry grassland and 50% of the area of shrubs in 2006. C. lanceolata occurred frequently in the Artemisia capillaris-Anaphalis margaritacea subsp. yedoensis community and Zoysia japonica-Potentilla chinensis community in 2006. This study reports regarding some types of the dry grassland including the communities with the specific native plants that was sustained for a long time and is invaded easily by C. lanceolata.
著者
深澤 充
出版者
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、乳中のコルチゾル濃度とストレス刺激に対する個体差を明らかにすることを目的とした。乳中コルチゾル濃度に対する環境要因の影響を検討し、泌乳ステージの影響を受けることを明らかにした。ストレス条件下での行動特性と乳中コルチゾル濃度との関係を検討した。分娩牛を新奇群に導入した際の行動および同じ牛を乾乳後に隔離試験での行動では、行動反応と搾乳期中の乳中コルチゾル濃度との間に一定の関係が認められた。
著者
河口 充勇
出版者
同志社大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、世界的に知られるハイテク産業拠点、新竹市でのフィールドワークをともに、台湾における産業遺産の保存・活用の可能性を明らかにしようとするものである。調査成果をもとに、新竹市のハイテク産業の歴史的起源に関する一冊の本に出版するとともに、新竹市政府ならびに市民団体に対して産業遺産に関わる資料提供、アドバイスを行った。