著者
渡辺 敦光 岡本 太郎 山田 和正 安東 保海 伊藤 明弘 星 正治 澤田 昭三
出版者
日本放射線影響学会
雑誌
Journal of Radiation Research (ISSN:04493060)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.235-239, 1993-09
被引用文献数
2 2

The effects of the dose rate and the energy of fission neutrons using an iron block on tumorigenesis in B6C3F1 mice were examined. Six-week-old female animas were divided into 4 groups and exposes to ^<252>Cf neutron irradiation at dose rates of 0.05 cGy/min, with (Group 1) or without (Group 2) filtering through a 10 cm thick iron block, 0.8 cGy/min (Group 3) or 0 (Group 4 controls). Total neutron exposure was 50 cGy in each of groups 1-3 and total irradiation dose was 56,75 and 75 cGy in Groups 1-3, respectively. Total tumor incidences or multiplicity were significantly higher in Group 3 than in Group 1. A similar tendency was observed as compared to Group 2, ovarian and Harderian gland tumors being mainly affected and adrenal tumors were significantly higher in Group 2 than in Group 1. The results indicated a clear increase in tumorigenesis with the higher dose rate and no filtering influence of iron was evident, despite the drop in neutron energy level.
著者
万代 光一 平井 敏弘 三好 雪久 大田垣 純 山下 芳典 向田 秀則 峠 哲哉 新本 稔 服部 孝雄
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.20, no.11, pp.2501-2507, 1987-11-01
被引用文献数
3

目的:食道癌の併存病変について,臨床病理学的検討を行い.その実態を明らかにすることを試みた.方法:過去10年間に切除され,十分な組織学的検討が可能であった食道癌症例88例を対象とした.切除食道の全体にわたり階段状組織切片を作製し,併存病変の発生頻度を検討した.併存病変はdysplasia,多発癌,壁内転移,上皮内伸展に大別した.さらに,dysplasiaをmild,moderate,severeの3段階にgradingを行った.結果:多発癌の頻度は13.6%,severe dysplasiaも含めた悪性異型病巣の出現頻度は21.6%であった.食道癌の多発異型病変の頻度は高く食道癌の多中心性発生の可能性を支持しえた.
著者
吉田 正裕 小山 和子 馬場 基芳 秋山 英文
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.772-778, 2000-10-05

ソリッドイマージョンレンズと呼ばれる固体レンズを顕微計測と組み合わせて使用することで,光の回折限界を超えた高い空間分解能,かつ,高い検出効率での光学計測が可能となる.その利点を活かして,産業分野では高密度光記録分野などへ応用され始めている.また,物性研究の分野においても有用な高分解顕微計測法として注目され始めている.本稿では,ソリッドイマージョンレンズの原理,基本性能について,応用上重要である収差や分解能,高い蛍光検出効率を中心に説明する.また,物性研究分野への応用として,半導体ナノ構造のソリッドイマージョン顕微蛍光画像・分光計測について紹介する.
著者
末武 国弘 王 逸明 高橋 恭 山本 成良
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.13, no.14, pp.7-10, 1989-03-04

従来のCAI教材の中には、[学習者に興味を与えない]いわゆる[教科書型]が多い。その欠点から脱するために、ここでは特にシナリオ制作に重点を置いたCAIコースウェアの制作について述べている。すなわち、制作特徴として[カード方式]を取り入れて簡易化し、内容としては[起承転結の技法]などを取り入れ、[演出効果]を重視して[シナリオのドラマ化]を図ってCAI教材を制作した。
著者
和井田 清司 高田 喜久司 小林 恵 藤田 武志 小林 毅夫 釜田 聡 尾島 卓
出版者
上越教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

2年間にわたる研究では,研究協力者を含めいくつかのワーキンググループを作り成果をあげた。1.理論研究班は,文献研究を通して,総合学習の理論と方法の基礎を探究した。特に,義務制と違う高校段階の特質を,学科制度や生徒の発達段階の違いから明らかにした。2.質問紙調査班は,行政機関調査と学校調査を実施し,学校段階における実践状況と行政の学校支援の状況を明らかにした。特に,学校における温度差の違いは,創立年次との関連があること,学科制度と実践の特質に連関があることが明らかになった。3.実践研究班は,先進的な事例を参照しつつ,実践構築の方向について検討した。ここでは,総合学習の実践と学校改革が連動することで効果を発揮すること,総合学習の実践にはカリキュラム開発とともに探究ツールの活用が有効であることが示唆された。4.小中高連携班は,連続セミナーや座談会を通して,新潟県上越地域における総合学習実践上の学校間連携を追究し,その糸口を開いた。だが,総合学習の実践状況は,各学校段階において温度差があり,連携の重要性にもかかわらずその困難さも明確になった。5.海外研究班は,東アジア各国での総合学習の文献調査や現地調査(中国・韓国・台湾)を実施した。その上で,中国における総合実践活動,韓国における裁量活動,台湾における統整課程の比較を行い,総合学習の共通性と差異を明らかにした。以上,1〜5の各分野に分けて研究実績を略述した。詳細については,各種学会での口頭報告やシンポジウム,また2冊の研究報告(中間報告書2004.3,最終報告書2005.3)および紀要論文等において公表している。
著者
上利 博規
出版者
静岡大学
雑誌
人文論集 (ISSN:02872013)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.A13-A28, 2004-07-31

Derrida, who tries to deconstruct representative thinking, wrote " Me moires d'aveugle.L'autoportrait et autres mines" (Memories of blind. The self-portrait and other ruins', 1990) for the first exhibition of Louvre titled 'PARTI PRIS' (prejudice). In this paper I discussed how Derrida says the relation between drawing and representation in the sense of expression, according to the four key words used in the title and the subtitle of this book, namely 'blind', 'memory', 'self-portrait', and 'ruin'. After that I made mention of 'the logic of parergon' in " The Truth in Painting (1978). 1 Blind means not only a drawn blind man (object) but also a drawing man (subject), and moreover action of drawing it self. 2 Memory means receiving of the absolute invisibility prior to remembering something which was seen. For this reason drawing is a restitution of debts as well as to draw something. The word 'expression' seems to suggest only direction one from the internal side to external, but the French word 'rendre' includes two directions and meanings, that is, expression and restitution. 3 We cannot recognize a picture as a self-portrait by seeing it in itself. For the sake of recognition of a self-portrait we need suppositions through writings like a title or a signature. And as generally known, the network of writings spreads limitlessly into the abyss. 4 The idea that to draw a self-portrait is to disappear into the abyss leads us to the ruin as the origin of drawing. Therefore to sketch doesn't mean represent something visually, but to ruin representation. 5 Derrida shows in "The Truth of Painting" that the relation between parts and the whole by putting parergon, which is subordinate to ergon, into the theme. If we look at eyeglasses in a self-portrait as the parergon of the natural eyes, we will see an abyss and will be blind.
著者
伊藤 隆敏
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2003

為替市場の研究について次の成果があった。(1)為替レートの変動に関して、超短期の観点から、取引の制度に根ざした(マイクロストラクチャー)、理論的・実証的研究をおこなった。為替レートの短期(日々から数ヶ月先)の予測可能性について学界の通説は否定的だが、民間の金融機関は巨額の費用を投じて為替レートの予測をしようとしているというパズルがある。為替レートがランダム・ウォーク過程に従っている、という仮説を否定できない、と理論的にも実証的にも信じられている。しかし、本研究の結果、民間の金融機関は市場にもたらされる新たな情報が発表されてから、為替レートが新しい均衡レベルに到達するまでの短い時間(数十分程度)にほかの投資家よりも早くポジションをとって、売り抜けるという行動をとっている仮説と整合的な結果が得られた。他の投資家の売買に触発されて売買するという投資家もいるために、ボラティリティーは継続性を持つ。(2)アジア通貨の危機の伝播について、理論的・実証的に新たな考え方を提示することができた。通貨危機が周辺の必ずしもマクロ経済が不健全とはいえないような国にも波及する(危機の伝播)ことが観察されているが、それがたんに投資家の心理的なものによるのか、経済的な理由があることなのかを検証した結果、貿易関係が強いほど、伝播がおきやすいことが実証的にわかった。(3)通貨当局による為替介入についての理論的・実証的な研究の進展がみられた。金融当局による為替介入の効果の測定である。学界の通説は、不胎化された介入は効果を持たない、というものであったが、本研究では、いくつかの条件がみたされるとき、たとえ、不胎化された介入でも為替レートに影響を与えることが示された。また、当局の介入の反応関数を計測した結果は、円が長期トレンドから大きく乖離して、その乖離がさらに加速するような状況でおきやすいことがしめされた。
著者
山浦 常 白坂 龍曠 松本 克彦 和田 芳武 岡本 雅子 小林 和代 矢後 文子 小幡 裕 藤野 信之
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.1020-1020, 1983-09-25

東京女子医科大学学会第253回例会 昭和58年5月19日 東京女子医科大学本部講堂
著者
堀越 淳 生越 重章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.271, pp.61-65, 1999-08-26
参考文献数
1

1999年5月16日から5月19日にHouston, Texas, USAで開催された第49回IEEE VTC'99-Springの報告を行う。IEEE Vehicular Technology Conferenceはこれまで(1994年Stockholm, Swedenの特例はあったが)北米大陸で年1回5月に開催されていた。近年の移動通信の急激な進展により発表件数は毎年増加しており、昨年のToronto, Canadaでは参加者1000人に達せんとするほどの急増ぶりであった。このような状況のもと、今年より春(VTC-Spring)、秋(VTC-Fall)の2回開催となり、VTC'99-SpringはTexas州Houstonで開催された。今大会はIMT-2000標準に関して3月末以降に残された課題に関する関心の大きさを象徴してか、参加者は700人を超えて、やはり盛況であった。ここでは、各トラックで発表された研究動向を報告する。
著者
堀川 幸稔
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.8, pp.1198-1201, 2005 (Released:2006-08-25)

現在, 製紙工場では様々な用途に粘着テープが使用されている。粘着テープでは貼り付けた直後に接着強度を発現することから, 作業の自動化, 作業時間の削減などに有効である。製紙工場で使用される粘着テープは, 損紙としてパルパーに投入される可能性があることから, 水溶性 (水分散性) という他の業界, 用途にはない特殊な特性が必要とされている。水溶性 (水分散性) 粘着テープを設計する際には粘着剤の設計が最も重要である。水溶性 (水分散性) は他の多くの特性と相対する関係にあり, 例えば耐熱性を向上しようとした場合に水溶性 (水分散性) は低下する場合がある。製紙工場で使用される粘着テープは, その用途に要求される特性と水溶性 (水分散性) を両立させなければならない点でその設計が非常に難しい。水溶性 (水分散性) については各テープメーカー, 各製紙会社にてそれぞれの評価方法が実施されているが, 今回はこの一例をあげるとともに, 水溶性 (水分散性) を中心とした製紙工場で使用される粘着テープの技術について説明する。
著者
高橋 克巳 松尾 礼三 熊 正昭 野口 英太郎
出版者
長崎大学風土病研究所
雑誌
長崎大学風土病紀要 (ISSN:00413267)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.165-177, 1965-09

1964年5月19日より,同10月30日迄の間,継続的には県下南高来郡愛野町で,臨時的には西彼杵郡時津町と諌早市貝津で,夜間畜舎(牛舎,豚舎,鶏舎)で捕集した6種(Culex tritaeniorhyncaus, Culex pipiens, Culex vishnui, Culex biteaniorhynchus, Anopheles sinensis, Armigeres subatus)計, 33,223匹雌蚊201プールより,哺乳マウス脳内接種法によって,33株のArbor virusを分離したIn order to learn mosquito infection with Japanese encephalitis virus in relation to human epidemic of Japanese encephalitis in Nagasaki area, the virus isolation was made from mosquitoes collected in livestock pens mainly in Aino, Togitsu and Kaizu in Na