著者
タンスリヤボン スリヨン 安中 美成 吉田 富美男 花木 真一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎
巻号頁・発行日
vol.96, no.605, pp.37-44, 1997-03-19
参考文献数
6
被引用文献数
1

先に著者らは「状況表現層」と「メッセージ交換層」とを備えたコミュニケーションモデルを提案し、それをグループの活動に応用した仮想研究室VILLAをMS-DOS環境で開発した。このシステムでは、個々のユーザ端末にVILLA専用の管理・通信ソフトを組み込む必要があるため、遠隔地からのユーザの参加はあまり容易ではなかった。そこで、Java言語及びHORB言語を用いて、WWWブラウザからアクセス可能な一般的なホームページとして発展させた遠隔型仮想研究室VILLAシステムを開発した。これにより特殊なソフトを組み込まないでも、双方向のインタラクションで遠隔地からのVILLAへの参加が容易に可能となった。既に開発し運用中のMS-DOS版VILLAとの共存・整合性も配慮した。本報告では、このシステムの構成、特徴、実現方法及び運用実験について報告する。
著者
佐藤 文信
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究では、X線マイクロビームを用いて、神経細胞め分化を制御し、人工的に配列された神経回路モデルを製作する。神経モデル培養細胞PC12は、放射線照射によってNGF成長因子を必要とせずに神経突起を成長させることが報告されている。卓上型のX線マイクロビーム照射装置を用いて、単一のPC12細胞に照射し、細胞の分化制御を行う技術を開発する。予備実験として、PC12細胞を培養シャーレで培養し、PC12のCo-60γ線照射を行った。吸収線量は最大10Gyで、細胞核内のDNA二重鎖切断の指標となるγ -H2AXの産生を蛍光抗体法で調べた。γ線照射直後では、γ -H2AXを示す応答が最大となり、24時間後には、修復作用によって10%程度まで減少していることが判った。また、4〜5日後より、神経突起を成長させる細胞が現れ、全体の20%のPC12細胞が分化することが判った。人工的に細胞を配列するためにマイクロチェンバーアレイチップを製作した。マイクロチェンバーアレイチップは、SU-8感光樹脂を用いてフォトリソグラフィーでガラス基板上に形成した。細胞を格納するための1個の容器の大きさは40x40μmで深さ15μmとなっている。また、オートクレーブで滅菌処理し、表面にゼラチン層を塗布した。マイクロチェンバー内にPC12細胞が培養されたサンプルを用意し、X線マイクロビーム照射装置を用いて最大10Gyまで照射した。γ線実験と同様に、照射直後では、γ -H2AXを示す応答が最大となり、24時間後には応答は小さくなっていた。ただし、神経細胞の分化については、ターゲット細胞の数%以下で見られ、γ線をもちいた場合と比較して、低い値となった。
著者
村上 進 児玉 清隆 松本 美栄子 山崎 多佳子
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.25-26, 1992-02-24

現在,製造業の設計・製造部門がかかえている課題として,以下の点が上げられる.・技術文書の検索および作成に要する時間は,1日の約3分の1を占めている.・類似した技術文書が氾濫している.・担当者により,設計・製造品質のばらつきがある.・同じような設計・製造ミスを繰返している.・人材不足の環境では新人の業務習熟度を早め即戦力としたい.これらの現象は,技術情報の共用化および有効利用が行なわれていないことに起因しているといえる.本文では,従来文書化しにくいノウハウのデータベース化と,さまざまなメディアに分散されている技術情報の共用化および有効利用を目的とした知識ベースシステムの必要性とその実現方法について概要を述べる.なお,本システムで取り扱える情報種別および対象部門は問わないが,本文では設計部分を例に本知識ベースシステムの説明を行う.
著者
波照間 永子 花城 洋子 大城 ナミ
出版者
明治大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、琉球舞踊の技法「動作単元」のデータベース化を企図したものである。動作名称・動作特性・伝承方法等の総合的なデータを記録しているが、今回は、伝承方法に焦点をあて、5名の県指定無形文化財保持者およびそれに準じる者に聞きとり調査を実施した。その結果、1960年代初頭の流派発足以前は、複数の師から十八番芸を学ぶ「複数師匠型」の伝承スタイルであり、動作単元の定義や伝承方法に多様性が認められることが明らかになった。これらの多様性をも視野に入れたデータ内容の検討が必要である。
著者
大塚 賢治 衣笠 雄気 兒玉 清幸 吉田 和幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.21, pp.203-208, 2009-02-26
参考文献数
6

サーバの使用状況や動作しているサービスの調査を行うscan攻撃が後を絶たない。scan攻撃の場合,宛先のアドレスをランダムに設定しコネクション要求を送るため、応答がないことが多い。このため、存在しないpアドレスに対してコネクション要求を行なう回数を数えることでscan攻撃を検知することができる.しかしながら,検知したpアドレスを単純にファイアウォールなどで止めた場合,TCPhalfopen攻鑿のように送信元のIPアドレスを偽装する可能性が高い攻撃に対して,問題が起こる可能性がある.そこで,TCPコネクション要求に対して送信元アドレスが偽装されていないか確認するとともに、コネクションが確立したか否かでscan攻撃を検知するシステムを試作した.本稿では、攻撃検知手法と送信元の確認の効果について述べる.There are a lot of scan attacks which look for state of the server or check on service. Scan attacker send TCP connection request to random destination address, so there are seldom answer for them. For this reason, we can detect scan attack by count the number of failed connection request. However if we refuse detected IP address with firewall etc, a problem may occur for attacks like TCP half open attack with fake source IP address. We implement the system which detected scan attacks that we confirm source IP address is not camouflaged for TCP connection demand, and connection successfully or not establishes. In this paper, we describe this attack detection technique and its effect.
著者
漆原 あゆみ
出版者
独立行政法人日本原子力研究開発機構
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

電離放射線により引き起こされる様々な影響の中でも、放射線発がんにつながると考えられている遺伝的不安定性の原因因子を特定する事は、放射線の生物影響を明らかにするだけでなく発がん過程を解明する上でも重要である。本研究は、遺伝的不安定性の誘発原因を明らかにするため、電離放射線によって生じるDNA損傷の中でも非DSB型のクラスター損傷に着目し、その遺伝的影響について、染色体異常を指標とした解析を行った。
著者
橋本 温
出版者
阿南工業高等専門学校
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

都市部の下水および河川水から検出されたクリプトスポリジウムオーシストを顕微鏡下でマニピュレートして単離し,オーシスト1細胞からDNAを抽出して,18S rRNA遺伝子領域の一部を標的としたPCR法でDNAを増幅した。増幅したDNAはシーケンスして塩基配列を明らかにし,検出されたクリプトスポリジウムの種・遺伝子型を調べた。下水からは239個のクリプトスポリジウムオーシストを単離し,そのうち121個(62%)の遺伝子型が明らかになった。最も検出頻度が高かったものはCryptosporidium parvum genotype1で,78個(33%)で,ついでC.parvum genotype2 16個(7%),C.meleagridis 13個(5%)であった。下水では人への感染が報告されているこの3つのタイプがほとんどであった。河川水については,遺伝子型の解析が困難であったものの割合が下水よりも多く,71個のクリプトスポリジウムオーシストを単離したうちの23個(32%)についてのみ,遺伝子型が明らかになった。このことは,河川水中で検出されるオーシストが下水中のものよりも感染者より排出されてからの時間が長いなどによって,DNAの保存性が低くなっていることが一つの要因として推測された。河川から単離されたクリプトスポリジウムも下水同様にC.parvum genotype1の割合が最も高く18個(23%)であった。さらに豚を由来とするC.sp PG1-26が3個(4%)であった。オーシストのDNAの保存性についてFISH法を用いて調査する手法について検討したところ,精製水中では保存性は高いものの,下水に暴露させたオーシストでは2日程度でFISH法の染色性が著しく低下した。このように,FISH法を生育活性の評価に用いるための基礎的な情報を得ることができた。
著者
大城 政一 中前 均 古田 賢治 平川 守彦 日越 博信
出版者
日本家畜管理学会
雑誌
日本家畜管理研究会誌 (ISSN:09166505)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.33-38, 1995-10-31
参考文献数
15

昼夜点灯下ヤギの反舞行動への3回給飼及び4回給飼の影響を検討した。昼夜点灯下で飼育しているザーネン雑種雌ヤギ5頭を供試した。1日の給飼時間は3回給飼実験で00 : 00、08 : 00、16 : OOとし、4回給飼実験では00 : 00、06 : 00、12 : OO、18 : 00とした。その結果、反舞行動は3回給飼実験より4回給飼実験において有意に活発であった。また、いずれの実験においても給飼後1時間の反芻行動は不活発であった。1反芻当たりの反芻時間・再咀嚼時間・再咀嚼回数は3回給飼実験より4回給飼実験において有意に活発であった。採食行動は3回給飼実験より4回給飼実験において有意に活発であった。また、両実験において採食行動の日内変動についてみると、給飼後1時間に採食行動が活発であった。給飼後1時間における反芻行動の減少は採食行動の増加によるものと考えられた。給飼後1時間における採食行動の増加と反芻行動の減少は3回給飼に比較して4回給飼において小さく、給飼回数の増加に従って24時間の反舞行動と採食行動が特定の時間帯に片寄らず分散する傾向が示唆された。日本家畜管理研究会誌、31(2) : 33-38.1995.1995年5月18日受付1995年8月15日受理
著者
中村 哲三
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告デジタルドキュメント(DD) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.6, pp.1-6, 2010-09-17

マニュアルなど製品付属ドキュメントのローカリゼーション (多言語展開) をスムーズに進めるために、そのローカリゼーションのマスターとなる英語版を世界中の読者に対してわかりやすくする方策を検討する。世界中の読者を対象とした英文ライティングを検討することで、「世界共通語」 としての 「グローバルイングリッシュ」 を目指していく。The purpose of this report is to find out and employ appropriate methods to make English documents easy-to-understand for readers and translators around the world, which facilitate localisation†2 process of documents bundled with products, accordingly, since the English versions are usually used for the source of localization. Writing and pursuing easy-to-understand English documents for the audience of the world leads us to form "Global English" as a Lingua Franca in the modern world.
著者
西村 直子
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究は,ヤジュルヴェーダサンヒター冒頭のマントラ(祭詞,祝詞)集成とそのブラーフマナ(マントラの解釈,意義付けと神学議論)のローマ字テキスト作成,翻訳と注解,並びに分析を行い,ヴェーダ祭式における穀物祭の本祭前日に成される準備儀礼について全容を解明することを目的として出発した。内容は「放牧」「敷き草刈り」「搾乳と酸乳製造」という3つの表題に分けられ,研究全体は「総論」「テキスト」「翻訳」「各論」の4部構成を取る。本年度は「搾乳と酸乳製造」の「各論」後半部分に着手し,酸乳製造の由来を伝えるタイッティリーヤサンヒターII5,シャタパタブラーフマナI6,4と,他派に対応のないマントラを集めたタイッティリーヤブラーフマナIII7,4以上の文献箇所のテキスト作成と翻訳・注解を行った。これらの箇所は文献成立史と祭式の整備過程を解明する重要な典拠となる。しかし,それ故に一つの単語の意味を確定するのにも細心の注意を払わねばならない。また,各文献におけるマントラの扱いに関しては,後代の儀規文献(シュラウタスートラ)への展開の跡付けにもつながる問題を孕んでいる。中でも,先に挙げたタイッティリーヤブラーフマナIII7,4のマントラの殆どは,タイッティリーヤ派から分派した一学派であるアーパスタンバ派のシュラウタスートラにしか採用されていない。当該箇所を,ヴェーダ文献全体の歴史という大きな枠組みから検討し直す必要のあることも明らかになった。本研究を通じ,タイッティリーヤ派とヴァージャサネーイン派とがヴェーダ祭式を大きく転換させる原動力となったことが更に明らかとなった。それは,両派より古層にあるマイトラーヤニーヤ派,カタ派の議論が前提となっていることは明らかである。その過程の解明には,ヤジュルヴェータ学派全体のマントラ集とヴラーフマナとの精査が必要不可欠である。
著者
岡田 養二 榎園 正人 増澤 徹 近藤 良 松田 健一
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

(1) モータと磁気軸受を一体化する浮上モータで、浮上性能と回転性能の両立するローレンツ型を研究してきた。今回はこれに磁束集束技術を応用し、きわめて高性能なセルフベアリングモータを開発した。(2) 応用としては、非接触型の人工心臓ポンプと、歩行補助ロボットなど小型で高トルクモータをターゲットに開発した。