著者
宮地 功
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 : 日本教育情報学会学会誌 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.21-32, 1999-09-30
被引用文献数
6

1年目の外書購読において,情報科学分野の英文を事前に1つずつ割り当てておいて,授業時に訳させ,誤りなどを指摘して,主語と述語動詞がどれかを示して,著者が再度訳した.試験では和訳した英文の中から出題した.その平均正解率は43%であり,あまり芳しくなかった.この方法を改善するために,2年目には,OHPシートに割り当てた英文をコピーして渡し,授業時までにその下に訳を書かせた.主語と述語動詞に赤と青の下線を引かせた.授業時にOHPを用いてその訳などを説明させ,著者が間違いなどを正しながら再度説明した.訳した英文の中から,次の週に小テストを行った.その平均正解率は36%であった.試験における平均正解率は55%であり,初年度よりかなり改善された.その学習効果と英文の特徴について報告する.
著者
澤田 伸一 坂東 宏和 馬場 康宏 小野 和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.96, pp.1-8, 2002-10-18
被引用文献数
4

近年,小中学校でパソコンを使った授業が盛んにおこなわれている.幼稚園でも創造性を豊かにする道具としてパソコンが使われ始めた.しかし,文字を習う前の幼児にキーボードやマウスの操作は困難である.我々はパソコンの操作をキーボードやマウスではなく,ペン入力デバイスを使うことで幼児にとってパソコンを操作しやすい環境を構築することを考えた.本稿ではその環境で,幼児が楽しく遊べるソフトウェアの開発について述べる.幾つかのプロトタイプ版をもとに現場の先生と話し合って,文字を極力使わず,イラストや音声を使うといった改良点を見出した.今後,その改良を行い,幼児の運動能力やペンインタフェースの特質を考慮し,幼児が興味を持つソフトウェアを導入し,評価して幼稚園の情報化を試みたいと考えている.In recent years, the lesson using a personal computer is spreading at elementary and junior high schools. A personal computer began to be used also in a kindergarten as a tool which makes creativity rich. However, the operation of a keyboard and a mouse is difficult for the small children before learning words. We think that we want to build the environment where it is easy to operate a personal computer by using a pen device for a small child.This paper will describe about a development of the software which small children can enjoy in that environment. We found it improve the problem using illustrations and voice, reduce using words as much as possible, through the experience that we have talked about some software of prototype versions with the teacher of the kindergarten. From now on, we will improve the software, and we will be trying to computerize child care of the kindergarten, with the software that considers of the children's physical ability and of the quality of a pen interface.
著者
宮田 斉
出版者
日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.61-72, 2005-03-01
被引用文献数
8

本研究の目的は,中学1年の「ガスバーナーの基礎操作」の授業(全2.4時限)を事例として,ガスバーナーの操作技能を協同で学ぶ際の生徒の教えあいを阻む要因を明らかにしその要因を克服する教授法としての"循環型の問答-批評学習"利用の有用性を検討することである。その結果,本事例の範囲内において,"生徒の「操作技能を獲得したい」と「緊急的な危険回避」といった思念に起因する強い語調の助言"と,「操作が難しいと認識している生徒が,自分の助言した通り操作できない事態を見て,操作者が自分の助言を受け入れていないと判断する」といった他人の情況を推し量れない事態"が,ガスバーナーの操作技能指導における生徒間の支持的な関係の構築を阻む要因として見い出された。そして,"循環型の問答-批評学習"利用は,誤操作に際して"ストップと言った後,「事前説明や操作等の良い点を述べた後,改善点を付け足す」"といった発話の表出を促し,生徒にこれらの要因によって脆弱化した支持的な関係を省みさせ,メタコミユニケーションを行う心のゆとりを与えて,質の高い教えあいを促すことが見い出された。
著者
中島 菊雄 徳谷 聡 塩崎 崇
出版者
北海道整形外科外傷研究会
巻号頁・発行日
2006

外傷により大腿骨内側顆に大きな骨軟骨欠損を生じた症例に対して Outerbridge の方法に準じて自家膝蓋骨外側1/3を移植骨として使用して再建を行った.症例は47歳男性で,自動車運転中の事故で右大腿骨骨幹部骨折,右大腿骨内側顆部の骨軟骨欠損を伴う膝開放損傷,左足 Lisfranc 関節脱臼骨折,左肋骨骨折を受傷した.内側顆の欠損は3×2.5×6 cm であった.同日,右膝創洗浄,大腿骨創外固定,左足整復ピンニング施行.感染がないことを確認し,受傷後21日に右大腿骨髄内釘固定,膝蓋骨,腸骨移植による膝関節形成術を行った.Screw 刺入部痛を強く訴え,術後1年で抜釘を行った.膝可動域は0/120°であり,杖なし歩行可能であるが,疼痛の訴えが残っており,肉体労働へは復職できていない.早期に変形性膝関節症を発症し,TKA が必要となる可能性を残しており,今後も注意深い観察が必要である
著者
松永 圭司 平川 豊
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.7, pp.129-134, 2008-01-25

インターネットの普及に伴い、ネット上には莫大な知識が蓄積されている。このため、近年ではわからないことはネット上で調べるというのが常識化してきている。ネット上には、専門家向けばかりではなく、一般利用者向けに物事の解説を行っているサイトも少なくない。このような解説では、従来、テキストと画像による解説が主であったが、利用者層の広がりに応じて、よりわかりやすいアニメーションを用いた解説も増えつつある。アニメーションの作成では、Flash が広く利用されている。しかし、Flash によるアニメーション作成のためには修得すべき事項が多く、初心者にとって意図するアニメーションを作成することは容易ではない。本稿では、一般利用者を対象に、Flash 作成を平易に行える場を、ネットワーク上の共有の場として提供する手法について論ずる。この目的達成のために、Flash 作成で用いる部品を再利用する枠組みについて提案する。提案手法の評価として、実際の家電製品の操作説明書のアニメーション化を行い、良好な結果を得た。With popularization in the Internet, huge knowledge is accumulated on the network. Utilizing the huge knowledge, a web search becomes a popular method to find hints for solving questions. Also, there are many manual like documents in the Internet, such as explaining how to replace an old battery with a new one. These documents are increasing and becoming to be used widely. In such manual like documents, texts and figures are used conventionally. But, aiming for more easily understanding, animations are becoming to be used in explanations. Flash is widely used for animations. However, to create flash, it requires technical skills. It is not easy for inexperienced person. This article discusses a sharing place, on the network, where general users easily create Flash animations. A framework to reuse parts of Flash description to create a new animation is proposed. Also, animations of home electronics operations are experimentally described, and the advantage of the proposed method is demonstrated.
著者
高野 敏夫
出版者
岐阜聖徳学園大学
雑誌
岐阜聖徳学園大学紀要. 外国語学部編 (ISSN:13460897)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.118-142, 2001-02-28
著者
鈴木 輝好
出版者
北海道大学
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.29-40, 2004-03-09

生命保険会社が取り扱っている企業年金には額面保証や利率保証、特別配当といった仕組みがある。本稿は、これらの仕組みをどちらか一方が行使可能な永久アメリカン・プットオプションと永久アメリカン・コールオプションの組み合わせとして定式化し企業年金保険の価格を解析的に導出した。その際、保険会社にデフォルトの可能性がありデフォルト時にはペイオフが減額されることを考慮に入れた。その結果、いくつかの数値例から、企業年金保険の価格はデフォルトリスクの影響を受けにくいが逆に最適解約戦略はその影響を大きく受けること、および運用フィーを控除した基金のネットの受け取り利息は委託先が投資適格級の生命保険会社であればその格付けの違いからは大きな影響を受けないことが分かった。また、アメリカン・コールオプションとして定式化される価格上昇時の解約を考慮に入れないと、場合によって企業年金保険は解約に際して違約金の生じる永久利率保証契約にすぎないことを解析的に示した。
著者
Laithier Yves-Marie 平野 裕之
出版者
慶應義塾大学大学院法務研究科
雑誌
慶應法学 (ISSN:18800750)
巻号頁・発行日
no.13, pp.157-173, 2009-03

講義大陸法財団寄附講座「フランス法特別講義」2008年11月15日 慶應義塾大学[-I] はじめに[A] 契約上の債務[B] 債務の機能[C][本講義の]構成I 契約上の債務の履行の仕方 A 代償による履行 B 現実履行[そのものの履行]II 契約上の債務の現実履行の実効性 A [現実履行の]自発を促す手段 : 違約金条項の例 B 現実履行を促す判決を宣言することへの障害が少ないこと C [現実履行を]命じる判決の実効性[の確保] : アストラントIII 結論
著者
Kashfi Fatemeh Agah Amir Fakhraie S. Mehdi Safari Saeed
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
IEICE Electronics Express (ISSN:13492543)
巻号頁・発行日
vol.4, no.22, pp.696-700, 2007
被引用文献数
1

We describe a high speed adder that employs a carry-lookahead structure and uses low-voltage-swing pass-transistor-based Manchester carry chain. This structure is implemented in 65nm technology and accommodates 15GHz clock frequency at the slowest corner which is 20% higher than the highest speed in the previously studied high-speed structures.
著者
土田 茂一
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.170-173, 1966-11-30

青刈類の省力・多収をはかり圃場の合理的利用の面から青刈トウモロコシとニューソルゴーの混播を取り上げ,とくに初回刈りの時期と生草収量の関係を検討し1た。1.混播はそれぞれの単播に比較して概して多収となり,青刈トウモロコシを2回作付した合計収量に対して約3.0%,ニューソルゴー単播に対して約20.0%の増収となった。2.初回の生草量は青刈トウモロコシが主で,刈取りが遅くなるにしたがって増加の傾向を示したが,7月下旬以後は停滞した。そしてこのことが混播の生草収量に関係深いことを認めた。3.混植中のニューソルゴーは生育が劣り,混植期間が長くても生草量の増加は少ない。初回刈り後のニューソルゴーは,初回の刈取りが遅くなるほど少なく,とくに7月下旬以降に刈った場合は再生がいちじるしく劣るようであった。再生に最もよい初回刈りの時期は7月上旬であり,刈取ごとの収量も平均していた。4.混播の総生草収量は6月24日刈りが少ない以外,各区間に大差はなかった。しかし7月下旬以降の初回刈りでは,青刈トウモロコシの硬化が進むため青刈り給与の利用率は低下する。したがって青刈りの場合は生草量および利用の面やニューソルゴーの再生などからみて7月上旬頃の初回刈りがよく,サイレージ材料としては7月下旬に初回刈りし,ニューソルゴーは1回,刈りするのが適当と考える。
著者
木下 恭一
出版者
日本結晶成長学会
雑誌
日本結晶成長学会誌 (ISSN:03856275)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, 2002-07-01

We have developed a new crystal growth method named as the traveling liquidus-zone method for growing homogeneous mixed crystals. Principle of this method and experimental results on In_<0.3>Gs_<0.7>As crystal growth are reviewed.