著者
戸田 瑛人 森住 哲也 鈴木 一弘 木下 宏揚
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICSS, 情報通信システムセキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.115, pp.45-49, 2009-06-25

クラウドはインターネット内にあるリソースの関係が述語論理で記述され,そこに名前空間が関係付けられた論理システム,即ち,意味論である.近い将来,個人情報や企業機密を含んだリソースもクラウドのシステムに組み込まれる事が十分考えられ,covert channelと呼ばれる不正通信路による情報漏えいが危惧される.そこで,covert channelを分析するセキュリティモデルとクラウドを如何にして対応付けるかが課題となる.また、大規模クラウドに於けるcovert channel分析は,計算量が膨大になる事が考えられるため、covert channel分析を分散化する事が必要である.本論文では,Googleが採用している大規模検索エンジン"Hadoop"をクラウドにおけるエージェントシステムのリソース収集・整理ツールとして応用し、さらにセキュリティモデルを実装したエージェントと融合させたシステムを提案する.また、その際に生じるいくつかの課題を示す.
著者
新田 洋司 伊能 康彦 松田 智明 飯田 幸彦 塚本 心一郎
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.77, no.3, pp.315-320, 2008-07-05
被引用文献数
2 3

茨城県産米は従来より,整粒歩合,千粒重,粒厚,1等米比率が低いことが指摘され,改善が要望されていた.そして,茨城県等では2004年から「買ってもらえる米づくり」運動(以下「運動」)を展開している.本研究では,茨城県の作付面積が新潟県についで全国第2位(2004年)である品種コシヒカリについて,千粒重・粒厚と食味関連形質を調査して「運動」目標値等と比較した.そして,それらの形質の相互関係について検討した.調査は,茨城県内各地で品種コシヒカリを化学肥料によって一般的に栽培している20水田を対象とした.育苗,移植,管理,収穫作業等は当該水田管理者の慣行法によった.収穫後,収量および収量構成要素,精玄米の大きさ,食味関連形質等を調査した.収量は330〜617kg/10aの範囲にあった.玄米の粒厚は1.93〜2.02mm の範囲にあり,平均は1.99mmであった.玄米千粒重(20.3〜22.7g)の平均は運動目標値と同じ21.5gであった.玄米の粒厚と千粒重との間には有意な相関関係は認められなかった.一方,精米のタンパク質含有率(乾物重換算で5.3〜7.4%)の平均は6.4%であり,運動目標値よりも低かった.精米のアミロース含有率(18.3〜19.8%)の平均は18.9%であった.精米のタンパク質含有率,アミロース含有率,食味値と玄米千粒重または粒厚との間には,有意な相関関係は認められなかった.以上の結果,比較的千粒重か大きく粒厚が厚い玄米では,精米のタンパク質含有率やアミロース含有率が玄米の大きさに規定されない場合のあることが明らかとなった.また,本研究で用いた2005年茨城県産コシヒカリの食味および食味関連形質は,おおむね良好であったと考えられた.
著者
山本 泰則 中川 隆
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.76, pp.47-54, 2005-07-29
被引用文献数
6

人文科学系のデータベースを構造のちがいを越えて、また分野横断的に検索するために、すべてのデータをDublin Coreメタデータで記述するという方法をとってきた。しかし、Dublin Coreは博物館の標本資料のような物理的な実態を記述するには、必ずしも適しているわけではない。本稿では、国立民族学博物館の民族標本資料を例に、その情報をDublin Coreへ変換方法を提案し、その有効性と課題について議論する。We are investigating the cross-domain retrieval system for studies in humanities where the cross-database search is realized by converting the fields of each databases to the Dublin Core metadata elements. But the Dublin Core is not necessarily suitable to describe the physical objects like in the museum. This report proposes an example to map the information of ethnographic objects in the National Museum of Ethnology to the Dublin Core, and discusses the feasibility of the mapping for cross-database search in humanities.
著者
高久 雅生 江草 由佳 宇陀 則彦 石塚 英弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.102, pp.119-128, 1999-11-30

Z39.50は情報検索のための国際標準プロトコルで、現在各国で実装が進められつつある。筆者らはこのZ39.50プロトコルを通じてDublin Core Matadata Element Setを共通スキーマとして検索・返戻できる書誌データ検索システムを構築した。今回、対象としたデータはJAPAN/MARCの日本語書誌データで、これをDublin Coreに変換した。本稿ではこのZ39.50検索システムについて報告する。This paper describes a Z39.50-based information retrieval system which can search bibliographic data through the Dublin Core Metadata Element Set as a common schema. The system consists of a metadata conversion module, a Z39.50 server, and a database module. The metadata conversion module converts from JAPAN/MARC records to Dublin Core metadata represented by RDF. The Z39.50 server searches through Dublin Core access point. The database module parses Dublin Core metadata written in XML, and makes index of metadata.
著者
原田 勝二 三沢 章吾
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌 (ISSN:03685829)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.161-164, 1974

本邦における赤血球酵素Esterase Dの多型性変異の表現型頻度および遺伝子頻度を調べることを目的に, 東京在住の献血者524名の赤血球につき, 澱粉ゲル電気泳動法を用いて検査した。その結果, 表現型頻度はEsD1(45.42%), EsD2-1(43.89%), EsD2(10.69%)となり, 遺伝子頻度はEsD^1=0.6737, EsD^2=0.3263となった。無作為に選んだ2人の表現型が一致する確率をこの値より計算してみると, 他の赤血球酵素に比べかなり低く, 法医学上の個人識別に有効なことがわかった。双生児およびその両親の家族試料を検査し, Esterase Dは常染色体上少くとも2種類の対立遺伝子によって支配されていることも併せ確かめられた。
著者
高田 伸弘 大槻 典男
出版者
日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.p496-499, 1985-05
被引用文献数
1
著者
戸田 瑛人 森住 哲也 鈴木 一弘 木下 宏揚
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.113, pp.45-49, 2009-06-25

クラウドはインターネット内にあるリソースの関係が述語論理で記述され,そこに名前空間が関係付けられた論理システム,即ち,意味論である.近い将来,個人情報や企業機密を含んだリソースもクラウドのシステムに組み込まれる事が十分考えられ,covert channelと呼ばれる不正通信路による情報漏えいが危惧される.そこで,covert channelを分析するセキュリティモデルとクラウドを如何にして対応付けるかが課題となる.また、大規模クラウドに於けるcovert channel分析は,計算量が膨大になる事が考えられるため、covert channel分析を分散化する事が必要である.本論文では,Googleが採用している大規模検索エンジン"Hadoop"をクラウドにおけるエージェントシステムのリソース収集・整理ツールとして応用し、さらにセキュリティモデルを実装したエージェントと融合させたシステムを提案する.また、その際に生じるいくつかの課題を示す.
著者
高田 政明 飯田 幸雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.287, pp.35-41, 2003-09-03

FDTD法における表面インピーダンス境界条件を用いた実用的な導体境界処理法を2つ提案している.一方は回路理論に基づく定式化,もう一方は畳み込み積分に基づく定式化を行うものである.これらの方法の共通点は,導体の表面インピーダンスを集中定数回路の入力インピーダンスで近似することである。この近似方法は,広帯域にわたって近似精度を高く維持でき,解析の対象として考えている周波数帯域内の導体表面インピーダンスを容易に高精度近似できることが示されている.また,導体の周波数分散性を考慮しなければならない問題にこれらの処理法を適用しFDTD解析を行った.そして,近似誤差がFDTD解析結果へもたらす影響は広帯域にわたってほとんど無いことを確認した.
著者
杉本 重雄
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.321-335, 2002 (Released:2002-08-01)
参考文献数
13
被引用文献数
1

本稿はDublin Coreに関する2回の連載記事の2回目である。本稿ではDublin Coreをより深く理解することを目的として,コアメタデータの役割,Warwick Framework,限定子の基本概念とダムダウン原則,エレメントセットとアプリケーションプロファイルなど,Dublin Coreの背景にある重要でかつ基本的な概念について述べる。その後,Web上のメタデータ記述の枠組みであるResource Description Framework(RDF),Dublin Core Metadata Initiative(DCMI)の構成について解説する。最後に,これまでの経験と理解に基づき,Dublin Coreの今後に関する考察を述べる。
著者
湯浅 敬
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.432-433, 2003-04-15

1999年春から1年間,イギリスのブリストル研究所に出向し,2002年秋から現在のパロアルト研究所に移籍となりました.アメリカに来てまだ間もないのですが,これからシリコンバレーの情報を中心にお伝えしていく予定ですので,よろしくお願いします.

1 0 0 0 OA 衛生薬学

著者
秋山 高 河村 太郎 富田 基郎 武田 明治
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.15, no.12, pp.1137-1142, 1979-12-01

戦後, 我々の日常生活が豊かになるにつれ, 工業生産が増大しましたが, 反面, 我々の日常生活や生産活動に由来した廃棄物による種々の汚染が社会問題化してきました.社会的要求の変化に伴い, 社会科学の一のである薬学も質的変化を来し, 薬学領域における衛生薬学の比重が飛躍的に増大してきました.今日は, 広い衛生薬学のうちでも一応公衆衛生の分野を中心として, これからの衛生薬学のあり方につきお話を伺いたいと思います.
著者
石川 信克
出版者
日本医科大学医学会
雑誌
Journal of Nippon Medical School (ISSN:13454676)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.367-370, 2000 (Released:2001-11-15)
参考文献数
10
被引用文献数
2 2
著者
星野 斉之 内村 和宏 山内 祐子
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR TUBERCULOSIS
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.1-8, 2009-01-15
被引用文献数
1

〔目的〕青中年期結核罹患率の地域差を検討する。〔方法と結果〕2005年の結核発生動向調査と国勢調査を用いて,都道府県別の性・就業状況別の青中年期(25~54歳)罹患率を算出し,背景要因を検討した。〔結果〕都市と周辺地域の罹患率が高い。四大都市通勤圏とその他の地域の比較では,都市通勤圏の日本人の就業者,無職,主婦で有意に高かったが,主婦では差は小さかった。生活保護対象者の罹患率は高いが,受給率に地域差はなかった。外国人の罹患率は高いが,女性の無職・その他のみに地域差を認めた。電車・バス利用回数と罹患率が,就業者で強い相関を示したが,主婦に相関はなかった。居住状況と都道府県罹患率に相関はなかった。糖尿病,悪性腫瘍,関節リューマチの受療率は結核罹患率と相関せず,推定HIV感染合併患者数は少なく,除外しても罹患率の差異は保たれた。〔考察〕都市部における公共交通機関の利用と就業による感染リスクが示唆され,事業所の患者発見対策強化と必要時の公共交通機関における接触者健診が勧められる。また,貧困の影響の可能性があり,詳細な検討が必要である。外国人,居住状況,HIV感染,糖尿病,悪性腫瘍,関節リューマチの影響は示唆されない。
著者
成川 礼 岡本 忍
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.673-678, 2009-03-31

近年のゲノム解析の進展と,それにともなうゲノムレベルの様々な網羅的解析手法の開発により,膨大な量の計測データがデータベースに蓄積され続けている.生物学者は研究を進める上で,これらの情報を有効に活用する必要性に迫られている.本章では,光合成生物に関連するオミックスデータベースの内容と所在について紹介する.