著者
櫻間 一徳
出版者
京都大学
雑誌
学術変革領域研究(A)
巻号頁・発行日
2022-06-16

本研究の目的は,生物の高度な群行動の発現メカニズムを包括的に理解できる数理モデルを構築するためのモデリング技術を開発し,そのモデルに基づいて実世界における生物の群行動のメカニズムを解明,それを工学応用することである.そのため,グループを基にしたハイパーグラフおよび数学の群論における不変性を用いた数理モデルを採用する.生物の行動データからモデルを構築する方法として,複数の群作用に不変なモデル関数による選択的アプローチと,ニューラルネットワークで関数近似し不変性を導出するデータ科学的アプローチの二つを提案する.本研究成果は,生物学・データ科学・工学などの幅広い分野に波及することが期待される.
著者
小佐野 重利 亀田 達也
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2019-06-28

激しい明暗と情動的な特異な図像表現で知られるバロックの巨匠カラヴァッジョの絵画画像を被験者に見せて、被験者の絵の見方を眼球運動計測から探り、同時に暗示的動作を示す画中人物を見て被験者の脳内に惹起される運動や情動の反応をfMRIによる脳機能イメージ ングによって計測する。美術史をベースとした神経科学との文理融合型の実験研究によって、絵画鑑賞者の視線と脳内の運動・情動反応から、カラヴァッジョの絵画の特質を探る。
著者
川島 亜紀子 中澤 潤 久留島 太郎
出版者
山梨大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では子どもを含めた家族のウェルビーイングを,多面的,縦断的な研究デザインを用いて検証することを目的とし,共同養育と夫婦間コーピング,両親間関係と子どもの情動反応に焦点を当て,家族全体のウェルビーイングにどのように関連するのか,検証してきた。本研究の結果から,発達精神病理学的研究の一般的傾向と同様,関係性の否定的な側面のほうが,子どものメンタルヘルスを予測しうること,また両親間葛藤に子どもが関与することは子どものメンタルヘルスにネガティブな影響を及ぼすとされてきたが,一概にネガティブな要素を持つのではなく,子どもの気質や両親の関係性によって関連が異なることが示唆された。
著者
奥野 将成
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

本研究の目的は、ラマン顕微分光法をイメージング手法として成熟させ、ラマン・イメージの取得時間を著しく短縮することである。平成23年度における、本研究の成果としては、次のとおりである。1.CARS分光顕微鏡の生細胞への応用。動物細胞への界面活性剤の作用について、時間分解測定を行い、ラマン分光イメージとしてそれらの動的挙動の追跡を行った。それにより、界面活性剤が細胞内に数10mMの濃度で蓄積していることが示唆された。さらに、細胞内膜輸送に関係する微小管の生成を阻害する薬剤を滴下し、同様の実験を行った。薬剤を滴下しない場合と比較して、有意に界面活性剤の蓄積速度が減衰した。これにより、界面活性剤の細胞内への取り込みに、細胞内膜輸送が関係していることが示唆された。これは、従来の顕微鏡技術では観測できなかった分子のダイナミクスであり、本研究で製作した広帯域のラマンスペクトルを高速で取得できる装置によって、はじめて明らかになった。また、本研究で開発した、CARS分光顕微鏡と最大エントロピー法を組み合わせる技術によって、細胞内の分子濃度を定量的に見積もることに成功した。2.ラマン分光イメージングの絶対定量化の試み。前年度の研究をさらに発展させ、さまざまな生体分子について、それらのラマンバンドの絶対ラマン散乱断面積を求め、それを用いることで、生体分子の生体中濃度を見積もった。シトクロムbおよびc、フェニルアラニン残基、核酸(DNAおよびRNA)、脂質分子の濃度を見積もった。また、生体中の脂質分子の不飽和度をレーザー焦点中の平均値として見積もることに成功した。これは、従来の蛍光顕微鏡などの方法では得ることのできない情報である。また、2つの国際会議、及び2つの国内会議に出席、発表を行い、他の研究者との交流を深め、研究に関する示唆を得た。
著者
松脇 由典 大櫛 哲史 中山 次久
出版者
東京慈恵会医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究で、副鼻腔粘膜(鼻茸)局所における総・特異的IgEの産生亢進は、好酸球性鼻副鼻腔炎(ECRS)において認め、それらは有意に局所ECP量と相関しており(真菌>ダニ>SE)、好酸球炎症を誘導している可能性が示唆された。 また真菌アルテルナリアが分泌するアスパルテートプロテアーゼはヒト気道上皮細胞に対しPAR-2を介して刺激し、細胞内カルシウムの上昇およびサイトカイン産生を誘導することを明らかにした。 さらにECRSの上皮および局所浸潤した好酸球ではPAR-2の発現が上昇していることを明らかにした。
著者
羽渕 由子 仲 真紀子 立部 文崇
出版者
徳山大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2021-07-09

本研究では,日本語を母語としない面接対象者の日本語(第二言語)の会話能力を精査し,「やさしい日本語」による司法面接の特徴を抽出し(研究1),通訳を介した司法面接との比較を行い(研究2),「やさしい日本語」による面接が実施可能な範囲と基準を検討する。さらに,研究3では,研究1と研究2で得られた供述および面接映像を用いて,実務家(警察官・検察官・弁護士)を対象とした調査を行い,これらの面接で得られた供述の信用性と法的判断場面における有用性について比較・検討を行う。研究の最終年度には,研究1~3をまとめ,多様な言語話者を対象とした「やさしい日本語」による司法面接法,実施可能な範囲と基準を提示する。
著者
吉田 光輝
出版者
慶應義塾大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2019-04-25

光や温度など周囲環境に遍在するエネルギーを利用し,駆動環境の空間的限定が少ない状態で推進力を得るシステムを提案する.さらに直線的な推進に加え,光の強度の強い方向に向かう走行性など微生物に見られる機能を自律型ソフトマイクロボットで再構成することにより,自律型ロボットの制御に関する実験的なモデルの構築を目指す.
著者
ヘーゼルハウス ヘラト
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の目的は、スローターダイクの著作「You have to change your life」を分析し、福島原発事故に対するドイツでの様々な知的反応との関係性を明らかにすることで、災害に対して特に批判的なドイツの反応を解明することである。著作の二つの主要概念である「人間技術」と「免疫学」に着目し、その意味と他言説との影響関係を明らかにした。また、彼が用いた修辞学・翻訳、越境的な哲学的・宗教的思考の分析も行った。特に注目したのは彼の理論における文学の位置づけである。加えて、事故を扱った日・独それぞれの文学テクストも分析し、その論拠を比較考察した。さらなる追加調査に発展させることができた。
著者
宮脇 富士夫 福井 康裕 大内 克洋 吉光 喜太郎
出版者
東京電機大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

C++で記述したプログラムとUppaalで記述した外科モデルとの交信を可能とするソフトウェア的アダプタであるDTRONの開発によって、SNRの末梢神経系と中枢神経系が統合され、SNRは術中情報および自分自身の行動やその目的を”認識”できるようになった。手術野で使用されている手術器具情報を実時間に取得するシステムはほぼ完成した。RFIDアンテナが隙間無く敷き詰められた手術器具トレイ上の手術器具の認証と位置同定はまだであるが、隣り合うアンテナを2mm離せば同定は可能となった。腹部内臓の実時間同定に関して、種々の波長の光に対するウサギ腹部臓器表面の反射特性に臓器特異的なパターンがあることが判った。
著者
菅原 彩加
出版者
早稲田大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2021-07-09

小学三年生から「外国語活動」という名の体験型授業が開始され、小学五年生から教科としての英語が必修化された。このような時代の流れに呼応するように、学齢期前から早期英語教育を行う保護者が増えている。イマージョン教育を行っている団体はそのメリットを説く一方、言語学者や教育学者の間では懐疑的な意見が少なくないが、早期英語教育の是非についての議論は世間に共有されていないと言わざるを得ない。本研究は早期英語教育が共時的に母語獲得過程に影響を与えうるかについて調査するものである。また、研究結果を公開することで、学齢期前の幼児を持つ保護者が科学的な根拠をもとに教育機会の選択をする一助となることを目標とする。
著者
鶴見 英成
出版者
東京大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2015-04-01

アンデス文明の神殿では一般的に、儀礼的な建築の更新が反復されていた。それが経済・技術・儀礼など社会の諸側面を発展させたと考えられるため、神殿の起源の解明は文明史研究の重要課題である。1960年代に日本の調査団はペルー北部山地のワヌコ市にてコトシュ遺跡を発掘し、神殿の登場が先土器段階に遡ることを証明した。近年では海岸部で先土器段階の神殿が多く発見され、文明の形成過程を具体的に解明すべく山地との比較が試みられているが、山地の神殿の年代と生業基盤の解明が遅れている点が問題となっている。本研究の第1の目的はコトシュ遺跡を再調査し、今日の水準で年代測定と有機遺物分析を実施することにある。また現代においてコトシュはワヌコ市を象徴する遺跡であり、50年ぶりの研究成果発信に際して、市民がいかなる関心を持って今後それを資源化していくのか、聞き取り調査により展望することが第2の目的である。平成28年は、前年度に実施した測量と、遺構の表面観察の結果をふまえ、発掘調査を実施した。1960年代に出土した先土器期の神殿建築群の床下を発掘し、さらに下層に建築群が埋まっていることを確認した。またマウンド頂上部を初めて発掘し、先土器期の神殿建築がきわめて高い地点まで積層していたこと、それが土器導入後の建造物を建てる際に壊されたことを示した。すなわち先土器期の神殿建築について、従来より古い時点の事例、土器導入直前の最終段階の事例、両方を確認することができた。それぞれの建築に伴う炭化物を採取し、東京大学総合研究博物館放射性炭素年代測定室にて年代測定を実施した。また有機遺物に関しては土壌水洗によって微細な動植物資源まで採取した。50年間の経緯と新たな調査成果に関して、コトシュ遺跡博物館にパネル展示を設置し、講演や現地説明会を行い、マスコミを通じて情報発信しつつ、双方向的に市民の関心について聞き取り調査を実施した。
著者
内田 由紀子 平野 羊嗣 神庭 重信
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

研究の目的は、ネガティブ感情の制御についての文化差を、脳波計で測定される脳誘発電位を用いて測定し、検討することであった。参加者は脳波計を装着し、実験室で脳波を用いた感情制御の課題を遂行した。「注意条件」では、不快あるいはニュートラルな画像刺激をみて、自然に生じる感情反応に注意を払うように教示した。「抑制条件」では同様の画像を見て自然に生じる感情反応を「抑え、隠すよう」に教示した(これらの条件は被験者内要因で実施された)。解析の結果、抑制条件では不快刺激においてもニュートラル刺激と同様の脳波(LPP)の反応が得られ、日本人参加者におけるネガティブな感情制御が示された。
著者
篠原 彩子
出版者
千葉大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究の目的は、『全身麻酔覚醒時高炭酸ガス血症に維持された患者では、リドカイン静脈内投与が覚醒前咳反射を抑制する』という研究仮説を、二重盲検によるランダム化比較試験で科学的に検証することである。高炭酸ガス血症もリドカインも気道反射抑制作用が報告されているが、それぞれ単独では抜管直前の咳反射抑制効果は臨床的に求められるレベルではない。両者の相乗効果を抜管時の咳反射抑制効果として活用する。咳反射は、より重篤な呼吸循環合併症や再出血などの手術治療への悪影響を及ぼす。本研究は今後の抜管ガイドラインの科学的エビデンスを提供し、全身麻酔覚醒時の安全性向上のために大きく貢献することが期待できる。
著者
土井 研人
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

心腎連関症候群は、急性および慢性心不全が腎障害を惹起する、あるいは急性腎障害と慢性腎臓病により心疾患が発症・増悪する、という臨床的な観察に基づいて定義されているが、心臓と腎臓という二つの臓器をつなぐ病態メカニズムについては十分明らかにされていない。特に、急性腎障害が原因で心機能低下を呈するとされるType 3心腎連関症候群については基礎的な検討がほとんどなされていなかった。本研究では、腎虚血再灌流モデルを用い、急性腎障害が心臓組織におけるミトコンドリア断片化とアポトーシスを惹起すること、ミトコンドリア制御蛋白の一つであるDrp-1がこの現象において重要な役割を示していることを見出した。
著者
石田 寛
出版者
東京農工大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

ザリガニは口元にある3対の顎脚を動かし、自ら水流を起こす。小触角にある嗅覚受容細胞に向けて周囲から匂いを集めることにより、水の流れが淀んだ環境でも高感度に餌の存在を検知する。昨年度は、顎脚を模倣したアームを2対備えた水中ロボットを作製し、水流で引き寄せた化学物質を辿って発生源の位置を突き止める実験に成功した。しかし、実際のザリガニの歩行速度に比べ、ロボットの移動速度を遅くしなければ、化学物質源の探知に成功しなかった。そこで今年度は、餌を探して歩き回っているザリガニが実際にどのような流れを作っているか、海外共同研究者であるハル大学(イギリス)のThomas Breithaupt講師と共に再調査した。餌を探すザリガニの行動をビデオカメラで撮影して観察した結果、ロボットに搭載したセンサに比べてザリガニの嗅覚の方が高感度であるだけでなく、ザリガニは状況に応じて顎脚の振り方を変えている可能性があり、その効果を検討する必要があるとの結論に至った。しかし、ザリガニの顎脚と同程度の大きさで、高い自由度を有するアームを作製するのは困難である。そこで、ポンプで生成した水流を様々な方向へ噴出し、ザリガニが作る水流を模倣することを目指した。数値流体力学シミュレーションを行って噴流の噴出方向を検討し、水平方向および斜め45度後方に噴流を生成できる装置を実際に作製した。噴流の向きを変えると、噴流に引き込まれて形成される流れ場が変化する。これにより、化学物質を引き寄せてくる方向や速さを制御できることが示された。さらに、流れがある環境でも化学物質源の探知が可能となるようにロボットを改良することを試みた。ザリガニは、流れがある環境で餌の匂いを検知すると、流れを遡る方向に向かい餌の所在を突き止める。この行動を模倣するため、化学物質を含む流れの方向を判定可能な電気化学センサを開発した。
著者
豊田 則成
出版者
びわこ成蹊スポーツ大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究は、3ヶ年計画の下、運動・スポーツ指導者の体罰問題における心理的メカニズムを解明することを目的とした。そこで、1)体罰問題に関する先行研究を概観し、2)質的研究方法の熟達に努め、3)体罰経験を有する運動・スポーツ指導者を対象とした直接的で集中的なインタビュー調査を実施し、4)本研究から得られた成果を積極的に公開する、といった課題に取り組んだ。その結果、研究1では、体罰・暴力的な指導を経験した運動・スポーツ指導者に対するインタビューから「体罰・暴力を生み出していくメカニズム」を導き出した。一方、研究2では、体罰・暴力的な指導を受けた者から「体罰・暴力を受け容れていくプロセス」を導き出した。
著者
西地 令子 古田 豊子 園田 和子
出版者
第一薬科大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2021-07-09

初年度(1年目)で、主に①匂いの絵本の作成・製本、②対象児の決定、一部調査開始、③母親へのインフォームドコンセント後、絵本を母親に郵送、児の発達(体重含む)チェックおよび食事および食行動(以下「食行動等」)の観察を実施する。2年目以降も初回調査を行うが、追跡調査も実施する。調査は月齢に応じた発達チェックや食行動等を行えるformsを作成し、対象児の月齢のQRコードを母親に送付し回答して得る。3年目以降は追跡調査とし分析を行う。原則対象児が3歳に達するまで観察を継続する。また、ある特定の匂い特異的な反応を示す児においては、発達障害診断ツール等を追加し観察を行う。
著者
橘 篤導 J ADAM Noah SHAW Bronner 小野塚 實 小野 弓絵
出版者
星城大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究でリハビリテーションに用いるダンスビデオゲームは、小脳大脳皮質の運動調節系のネットワークを強化させることにより、パーキンソン病によって不全のある大脳基底核-大脳皮質の運動調節系を補う有効性があることが示唆された。また、ダンスビデオゲームのようなマルチモダリティのある課題をトレーニングに導入することは前頭前野・側頭葉・頭頂葉などの大脳皮質における賦活化を促進(スキルの程度によっては抑制)することが示唆された。
著者
竹村 暘 白木原 国雄
出版者
長崎大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1989

1.分布・行動(1)大村湾当海域での発見例が極めて低いが、目視調査への協力者が増えた結果、湾内でスナメリが季節的に移動していることが伺がえるだけのデ-タの蓄積が出来た。即ち、冬期の湾奥にあたる南東部への集中と夏期における分散が伺えた。ただし発見数が極めて少ないため、正確に回遊を把握することはできなかった。(2)有明海・橘湾本海域では3年近いデ-タの蓄積から、各調査コ-ス毎に独特な季節変動が繰り返されていることが明らかになった。即ち、有明海奥部と橘湾との間を季節的に移動し、冬期には有明海奥部に集中する傾向がみられた。この移動は主に岸から2マイル以内を使って行なわれている。2.漁業との関連性本種は小型の魚類や軟体動物,甲殻類など多様な生物を餌としている。大村湾ではこれら餌となる生物の漁獲量が年々減少しており、発見数の減少と合わせて心配されている。有明海、橘湾ではさほどの減少は見られていない。また、餌生物への選択性に乏しく、、漁業との競合は少ない。3.生活史新生仔及び胎仔の状況から、本種の出生時期は秋から冬にかけてのかなり長い期間であることが推察された。冬期の集中行動と出生時期からこれらの間には深い関係があることが伺がわれた。雄は雌に比べて早く成熟する。今回の最高会の個体は雌で255才であった。4.資源量資源量を絞り込むことは出来なかったが、大村湾では数十から百といった危桟的な状態と考えられるし、他でも決して多くはない。
著者
小暮 紀行
出版者
千葉大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、ヒカゲノカズラ科リコポジウム属植物とヒガンバナ科植物に含有されるアセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有するアルカロイドにターゲットを絞り、その単離・構造決定と全合成研究を行なった。その結果、数多くの新規アルカロイドを単離・構造決定するとともに、これまでに当研究室にて単離された数種の新規アルカロイドの全合成を達成した。