著者
重村 力 浅井 保 西 天平
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.63, no.513, pp.219-225, 1998
参考文献数
10
被引用文献数
2 1

We discuss the problems in the reconstruction process of housing area, heavily damaged by the Hanshin-Awaji earthquake. We choose Sumiyoshi-area and analyze the transfigurations of this area before and after the earthquake through periodical field work survey and existing sources. Before the quake there exist problems as follows ; the mixture of detached houses and large RC condominiums and small timber apartment houses, the existence of some highly dense blocks with very narrow paths inside, many small lots and lots without appropriate accesses. Two years after the earthquake, October 1996, the reconstruction process of this area is revealing the hidden problems before the earthquake.
著者
秋永 一枝 上野 和昭 坂本 清恵 田中 ゆかり 松永 修一
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

「複合メディアによる東京弁アーカイブの構築と電子的公開」の目的は、旧来の研究では埋もれてしまう可能性のあった東京弁としての貴重な一次資料を、汎く利用できるような形にして蘇らせようとするものである。秋永の聞き取りによるアクセントなどの言語情報が付加した自然度の高い談話資料として、文字化データと音声データをセットで利用できるよう電子化し、談話資料、アクセント資料、東京方言語彙資料のデータベースとしても利用できる基礎資料を完成させることができた。
著者
牧野 和夫
出版者
実践女子大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

22年度の調査は、主として初期集古会会員江藤正澄の事跡を辿るべく、九州大学附属図書館蔵の正澄自筆『随神屋蔵書目録』等の調査を7月4・5日に行なった。結果として、21世紀における中世文学・中世史料として諸資料を新たに見直し考える時、今日的な意味で資料的価値の極めて高い書物類を明治期の九州に在って蒐集し続けた江藤正澄の姿勢が顕在化してきたのである。また、平成21年より継続して行なっている家蔵集古会関係資料(林若樹自筆本・林研海自筆本・林洞海自筆本)の整理などを行なうとともに、逐次、林若樹以外の集古会関係資料の蒐集につとめたが、主として三村竹清のものを蒐集しえた。従来、知られることのなかった「文壇」の有力な人物との交流関係などがあきらかになった。具体的には森鴎外であり、早稲田大学所蔵の鴎外書簡などとの関連を今後の課題として残すこととなった。4月12日には大阪の趣味家として知られる村松百兎庵旧蔵資料の調査蒐集に赴いた。芳名録や写真類に貴重なものが多く残されていた。具体的な成果報告は予定していないが、今後の論文作成に活用し具体化していきたい。近代の趣味家の活動には質量ともに今日の文学・文化研究活動を予見させる萌芽ともいえる積極的な面が備っていたことは、今回の試験的な調査で明らかになりつつある。従来の視点から見るとき「諸学問分化以前のすがたで、近代的学問の成立の前段階」として看過されがちであるが、更なる試掘を試みるべき研究対象として、新たな段階に入ったことを痛感している。
著者
古謝 久美子
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.92, pp.57-63, 2011-08

ハワイ大学では,2008年に沖縄研究機関として"Center for Okinawan Studies"が設置され,教員とライブラリアンとの協力のもと,沖縄資料のコレクション形成等が行われている。本稿では,マノア校内の2つの図書館,ライブラリアンへのインタビューによる北米のASSやNCCにおける活動について紹介する他,海外機関における沖縄研究の動向,教員とライブラリアン連携の内容や方針について知ることで,今後の沖縄研究を行う琉球大学の図書館として行うべき事業や海外機関との協力についてまとめた。The University of Hawaii established the Center for Okinawan Studies in 2008. Through the cooperation of its faculty and librarians, the center is developing a research collection of Okinawan materials. This paper reports on two libraries on the Manoa campus and interviews with two librarians to learn about their activities with the Association for Asian Studies (AAS) and the North American Coordinating Council on Japanese Library Resources (NCC), the direction of Okinawan studies overseas, and issues relating to faculty-librarian collaboration. As a result, the author has compiled information on the types of operations that University of the Ryukyus Library should undertake to support Okinawan studies and how best to collaborate with overseas institutions.
著者
中村 真理 車谷浩一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.89-100, 2006-02-15
参考文献数
13

蟻は,局所的情報に基づいて行動する多数の個体間の通信によってコロニー全体で集合現象を示す社会性昆虫として知られる.本稿では初めに,蟻個体の分化とフェロモン信号の空間分布パターン形成を同時に取り扱う蟻コロニーモデルの設計手法を提唱する.この手法を用いて蟻の信号感受性を操作し,蟻個体の行動則に様々な構造を導入すると,コロニー全体の分業調整が可能になりモデルの改造が容易になる.その実例として本稿では次の2 通りのモデルを設計し,そのダイナミクスを分析・再構成する.まず1 番目の応用例として,蟻個体の道標フェロモン感受性を変えて蟻の行動則に新しいルールを順次付加し,3 種類の採餌行動モデル(非誘引・誘引・不応期モデル)を設計する.採餌行動に際し個々の蟻は探索・輸送・動員のサブタスクの1 つに従事する.蟻のサブタスク間配分を調整することにより,3 種類の採餌行動モデルは異なる採餌戦略を示す.なかでも特に蟻が信号感受性を切り替える不応期モデルは,デッドロックを回避する安定な挙動や無駄のない配分調整の結果,つねに最も高い採餌効率を示す.次に2 番目の応用例として,互いに独立な信号を用いてゴミ塚作りと採餌行動の2 つのタスクを同時に遂行する分業モデルを設計する.分業モデルの蟻の行動則では,反応拡散系としてふるまう2 つのタスクモジュールが互いに接続されている.この分業モデルは採餌効率を補償するよう両タスク間で弱い相互作用を示す.An ant colony comprised for many ants communicating by pheromone signals shows collective behavior through signal patterns formed by them. First in this paper, we devise a method for designing ant colony model, and next we apply the method to design following two types of ant colonies, introducing structures into ant's behavior rule by focusing on ant sensitivity to signals. In the first type, we modify design of three foraging models (trail, attraction and desensitization) repeatedly, changing ant sensitivity to recruit pheromone, in order to improve foraging efficiency by regulating allocation of ants to food-search, recruitment and food-carry subtasks. Out of these foraging models, the desensitization model shows the best foraging efficiency as a result of its stable behavior without deadlock and trade-off between food-search and recruitment subtasks. In the second type, we design a task-allocation model between foraging and waste-piling tasks, by coupling the two task modules using independent signals in ant's behavior rule. It shows weak interaction between the two tasks through distributions of desensitized ants in each task, which compensates for the decrease in foraging efficiency.

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著者
新潟県民謡
出版者
ビクター
巻号頁・発行日
1938-01
著者
柳 一美
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.54, no.10, pp.632-638, 2012 (Released:2012-01-01)
参考文献数
1

株式会社日立製作所システム開発研究所は,3か所に分散していた研究拠点を2010年8月に戸塚に集約した。研究拠点の集約に伴い,2か所にあった図書室も移転統合した。移転統合は蔵書構成見直しのよい機会ととらえ,整理作業を地道に遂行した。大量の資料を効率的に移転させるため,作業時間の短縮と誤りの最小化を図りつつ,時期をずらして段階的に行った。利用者への影響を最小にするため,移転作業中もできるだけサービスを継続した。快適利用環境の提供と使いやすさ向上のために,図書室の設計には各種工夫をこらし,案内表示を徹底し,コーナーの統一整備を行った。地震対策は書架の固定に加え,書棚にシートを敷いたり,並べ方を工夫したりと資料落下防止を重点にした。
著者
長谷川 隆明 高木 伸一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.10, pp.3694-3705, 1999-10-15
被引用文献数
7 10

インターネットの普及にともない,電子メールはコミュニケーションの主要な手段となった.一方,Personal Information Manager (PIM)ソフトウェアの普及にともない,個人情報を計算機で管理するユーザが増えている.ユーザの個人情報として,アポイントメントの日時や場所等のスケジュールや,期限をともなう電子メールの返信等のToDoがあげられる.しかしながら,電子メールにより伝達されるスケジュールやToDoに関する情報の管理は,これらの情報を含む文書の整理やPIMソフトウェアとの連携の際に,電子メールを受信するユーザの人手を必要としていた.本稿では,ユーザが受信した電子メール文書からユーザに伝達されるスケジュールとToDoの情報を抽出する手法を提案する.電子メール文書は,任意の目的への使用と自由な形式による情報伝達のため,文書構造や言語表現が一様ではない.本手法の特徴は,スケジュールやToDoを含む電子メール文書の構造と言語の特徴に着目したレイアウト情報とパターンマッチングを用いた,文書構造の認識と情報抽出および情報の関連付けである.電子メールの実文書を対象とした抽出実験により,電子メールのフィルタリングやPIMソフトウェアへの入力等の実用に耐えうる高い精度で,スケジュールとToDoを抽出できることを示す.As the Internet has become popular,e-mail is now an important means of communication.On the other hand,as the Personal Information Managers (PIM) applications have come into wide use recently,many users manage their schedules,such as event date and event location,and to-do items,such as answers to e-mail messages from someone by the appointed time,with their computers.However,a problem is that e-mail receivers cannot easily sort out messages with these information from many incoming messages and build up a close connection with the receivers'PIMs.Therefore,our goal is extracting these information from the e-mail messages users receive.E-mail is open to any purpose and any format.So these information is not formalized,and message structure and language expression are not uniform.We reveal the characteristics of the structure and language used in e-mail messages and propose a way to identify the structure and extract information by using layout information and pattern matching and relate matched partial information with components of these information.Extraction evaluations demonstrate high recall and precision.Our proposal can be put to practical use,such as filtering messages and inputting the information to PIMs.
著者
松本 滋 Shigeru MATSUMOTO 姫路工業大学環境人間学部社会システム環境学大講座 Laboratories of Environment for Social System School of Humanities for Enviromental Policy and Technology Himeji Institute of Technology
出版者
姫路工業大学
雑誌
姫路工業大学環境人間学部研究報告 (ISSN:1344493X)
巻号頁・発行日
no.6, pp.69-79, 2004

2003.Aug. 30, the Cheonggyecheon Expressway, the five-kilometer overpass in very downtown Seoul has been completely demolished. This amazing event is for the Seoul metropolitan government's Cheonggyecheon (Stream) restoration project. This project is intended to turn the capital into a city friendly to both the environment and people, and make Seoul the financial and commercial hub in the East Asian region. This is a report thinking that this project is truly sustainable or not.
著者
岸田 和明
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.62-67, 2007-02-01
被引用文献数
2

本稿では,シソーラスや件名標目表をはじめとする統制語彙に関して,その基本的な機能や限界を整理した上で,インターネットが高度に発達し,サーチエンジンが広く普及した現在における統制語彙の意義と役割について議論する。具体的には,再現率向上および精度向上のための装置としての統制語彙の機能を確認した上で,検索実験や種々の実証研究等で明らかになっている,その限界について述べる。次に,その点を踏まえ,専門的データベースの検索におけるその意義,ウェブなどの全文検索におけるその意義,複数根拠を提供するための表現としての意義について議論する。さらに,今後の可能性として,シソーラスの自動構築や索引語の自動付与,オントロジやフォークソノミーとの関連についても触れる。
著者
藤井 信幸 富永 憲生 大森 一宏 辻 智佐子 中島 裕喜 張 楓
出版者
東洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

特定地域に集積する多様な在来産業・中小企業について、高度成長期とその後への変化を比較し、その変容過程を明らかにするために事例研究を積み重ねた。事例として取り上げたのは、陶磁器業、木材・木製品工業、綿工業、機械工業ならびに電球工業である。これらの事例研究から、第一に、大量生産システムから多品種少量生産への転換の正否が、1970 年代以降の産地の盛衰に直結した、第二に、この転換の成功が必ずしも地域の雇用の増加には結びつかなかったことなどの事実が判明した
著者
保坂 高殿 和泉 ちえ
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究においては、古典期アテナイ、共和政末期から帝政初期にかけてのローマ、そしてユダヤ人およびキリスト教会の伝統主義がそれぞれどのような歴史的経緯で形成し、その後、特に文化的混淆と相互干渉が顕著な形で現れた帝政後期に至ってどのような展開を見せたのか、その各々の伝統主義の変容に関する基礎的データを収集し、一定の見取り図を作成することができた。1.社会集団に対するアテナイとローマの対処姿勢における顕著な対照性の原因を探るべく、双方の伝統主義の成立過程を精査した結果、前者の伝統主義成立には多分に政治的動機が、後者のそれには民族的同一性意識を形成する文化的動機が深く関与することが判明した。したがって異質文化に対する前五世紀後半アテナイの弾圧の激しさと不寛容さは、当時の政治力学を反映する一時的なものにすぎず、長期間に渡り継承されることはなかった。2.それに対し共和政末期にヘレニズム化に対する反動として生まれたローマの伝統主義は多分に文化的動機に起因するため、異文化に対する弾圧は外観上は穏健な形態をとり、帝国の広域支配という現実も手伝って実質的に寛容であり続けたが、それは民族的同一性意識を規定する通奏低音として長く彼らの意識下に留まった。この点は1世紀から4世紀にかけての帝国のキリスト教迫害においても確認された。3.一方ユダヤ・キリスト教の伝統主義も第一義的には文化的に規定されていたため、大迫害後の帝国と教会の接近時代においても両者の関係に実質的変化はなく、対立は継続された。ただし民間では文化的混淆が進捗し、双方の指導者は文化的異物の峻別に尽力するも成功せず、時代は"異教的中世"へと突入する。4.上記の各々の文脈が描出する伝統主義の変容の軌跡は、学問技芸の受容という側面においても相似形を呈することが確認された。前五世紀後半アテナイにおける自然探求の受容を巡る諸問題、ヘレニズム期アレクサンドリアおよびローマ帝政期におけるギリシア的普遍教養の具体的変容に焦点をあて、古典古代世界の伝統主義の変容に関する個別的例証を提示した。
著者
梅沢 俊
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
やどりが
巻号頁・発行日
vol.1983, no.113, pp.21-28, 1983
著者
伊達 立晶
出版者
美学芸術学会
雑誌
美学芸術学 (ISSN:09123555)
巻号頁・発行日
no.21, pp.1-15, 2005