著者
松岡 尚敏
出版者
宮城教育大学
雑誌
宮城教育大学紀要 (ISSN:13461621)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.27-41, 2007

わが国では近年、市民参加型社会の創造が志向される中、「シティズンシップ・エデュケーション(市民性教育)」の重要性が教育課題として取り上げられてきている。教育基本法および学校教育法の改正において、「公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養う」という文言が付加されたのも、こうした動向の一環といえる。シティズンシップ・エデュケーションでは、「協働教育」という考え方のもとで、大人と青少年とが共に学び合いながら、現代社会が直面している様々な課題を解決していくといった学びのあり方が模索されている。そこで、本稿では、シティズンシップ・エデュケーションにおける協働教育の意義と可能性についての考察を試みた。その際に、生涯学習における社会参加活動と学校教育における社会参加学習との連続性について、「アクティブ・シティズンシップ(実践的な市民的資質)」の視点から考察するとともに、そうした視点と関連づけながら、宮城県内における協働教育の実践例について検討を行った。
著者
鈴木 雅之 田中 瑛津子 村山 航 市川 伸一
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.35-43, 2010

本稿は,自発的な計算の工夫を促進させるために,「式全体をよく見て計算する」という抽象的方略のもとに,いくつかの具体的な工夫方法を教授し,その転移効果について検証するものである.研究1では工夫速算問題にはどのようなものがあるのかを検討するために,工夫速算問題の工夫方法の類似度評定から,多次元尺度法とクラスター分析を用いて工夫速算問題の構造を示し,工夫速算問題を8つの群に分類した.研究2では,研究1の分類結果をもとに,どのような問題に効果がみられたのかを検討した.その結果,小学5年生は教えられた問題と同型構造の問題に対しては工夫を加えることが可能であるのに対し,小学2年生は指導された方略をある程度自発的に応用させることが可能であるということが示された.特に,もともと基本計算能力が備わっている生徒ほど,工夫して計算ができるようになるということが示唆された.
著者
嵯峨 園子 上野 学 篠原 稔和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.110, pp.81-88, 2004-09-10

「インタラクティブメディア」とは,文字・画像・音声その他の多様な技術を介して,操作者との相互作用により,情報検索や何らかの生産活動を行うために用いられるシステムを示す.そこでは多くの要素が相互作用を発生させる要因となり,また,操作者に影響を与えることになる.本稿では,インタラクティブメディアをユーザビリティという視点から評価する手法を紹介する.この手法は,評価項目を三層構造で構成し,それぞれの項目間の優先度をパラメーターとして設定する機能をもつことで,汎用性と網羅性,また,高度なノウハウをもつ専門家による評価のメリットを配慮したものである.また,ビジネス上の実用性とその効果も目的とする.
著者
岩壷 健太郎
出版者
神戸大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

為替介入のメカニズムとして通貨当局のシグナル効果が指摘されてきたが、必ずしも実証的に支持されるものではなかった。本研究では、投資家間の期待の散らばり度合いによって、シグナル効果が影響を受けることを理論的に示し、データを用いて実証的に検証した。
著者
辻 弘美 川上 正浩
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
大阪樟蔭女子大学人間科学研究紀要 (ISSN:13471287)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.63-73, 2007-01-31
被引用文献数
5

本研究では,携帯型唾液アミラーゼ活性測定器(cocorometer,ニプロ社)を用いて,唾液アミラーゼ活性の変化を主観的ストレス測定尺度POMS(Profile of Mood Scale)との関連性から検討した。102名の女性が実験に参加し,ストレス負荷課題と想定された鏡映描写課題の前後に,POMSにより主観的ストレスが,cocorometerにより唾液アミラーゼ活性が測定された。データに対して2要因(主観的ストレスの変化方向:[ストレス増加・ストレス減少]×cocorometer測定:[課題前・課題後])の分散分析を実施したところ,POMSの下位尺度である怒り-敵意尺度における主観的ストレスの変化が,唾液アミラーゼ活性における変化と関連していることが示された。本結果は,今後の簡易ストレス測定の妥当性をある程度保証するものであると考えられる。
著者
鈴木 一秀 筒井 廣明 三原 研一 牧内 大輔 西中 直也
出版者
Japan Shoulder Society
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.489-492, 2007

The purpose of this study was to clarify the condition of reattachment of the labrum to the glenoid rim after an arthroscopic Bankart procedure using suture anchors with an MR arthrography (MRA). We studied 48 cases ( 35 males and 13 females) after surgery with a recurrent anterior dislocation or subluxation. The patients ranged in age from 16 to 53 years old (average, 24.7). An MRA was performed at an average 11.8 months after the operation. In the MRA with an axial image and an oblique axial image in abduction and external rotation (ABER) position, we evaluated the invasion of contrast materials between the labrum and glenoid rim using the inferior 6 slice images of the glenoid rim. The 576 slices were categorized into 1 of 3 groups : good, fair, and poor. We used the JSS Shoulder Instability Score (Instability Score) for clinical evaluation. Axial images (total of slices : 288) revealed good (83.3%), fair (14.9%), and poor (1.7%). Oblique axial images in the ABER position (total of slices : 288) revealed good (77.43%), fair (19.8%), and poor (2.8%). The clinical results using the Instability Score had no significant differences between the group that had all good results in six slices and the group that had fair or poor results more than 1 slice in 6 slices of axial images and oblique axial image in the ABER position. The healing of IGHL-LC to the medial glenoid neck was recognized in 97-98% of the total slices. A non-union or re-avulsion of the labrum to articular cartilage of the glenoid were recognized in 15 to 20 % of the total slices, however the clinical results of arthroscopic Bankart repair were satisfactory.
著者
小西 厚子
出版者
日本女子大学
雑誌
史艸 (ISSN:02883066)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.1-24, 1982-11-10