著者
濱野 龍夫 松浦 修平
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.787-794, 1986-05-25 (Released:2008-02-29)
参考文献数
18
被引用文献数
9 11

Examination of the stomach contents of the Japanese mantis shrimp Oratosguilla oratoria showed that this species is a very intensive predator on the Macrura which is a principal component of the benthic megalofaunal community. Thus, the mantis shrimp, by feeding largely on the Macrura, may have a major influence on this community structure in Hakata Bay. The shrimp was also revealed to be an intensive predator on the Pelecypoda despite underestimation of preda-tion intensity, based on the stomach contents, because of its shell-smashing behaviour. Further-more, this study showed that many Macrura were captured during September and November by the mantis shrimp and that female shrimp of reproductive sizes also consume many Pelecypoda, As a prey species, mantis shrimp themselves were found infrequently in the digestive tracts of other predators.
著者
伊藤 剛 中村 佳博
出版者
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
雑誌
地質調査研究報告 (ISSN:13464272)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.383-396, 2021-10-13 (Released:2021-10-20)
参考文献数
33
被引用文献数
2 3

栃木県足利市名草には,足利岩体と呼ばれる黒雲母花崗閃緑岩が分布する.本論では,この黒雲母花崗閃緑岩とその周辺のジュラ紀付加体足尾テレーン構成岩類の記載を行う.黒雲母花崗閃緑岩は,等粒状組織を示す.主要構成鉱物は石英,斜長石,カリ長石,黒雲母である.周辺の足尾テレーンの構成岩類である泥岩やチャートは,黒雲母花崗閃緑岩の貫入によって明瞭な接触変成作用を被り変成泥岩や変成チャートとなっている.また,足利岩体から1.5 km以上離れた地点のチャートから,放散虫化石が得られた.1試料からはPseudoristola sp.やArchaeospongoprunum sp.が得られており,その年代は前期ジュラ紀のプリンスバッキアン期~トアルシアン期前期を示す.また,別の1試料からは,主にジュラ紀から白亜紀に産出する放散虫である閉球状ナッセラリアが得られた.炭質物を多く含む泥質岩を対象に炭質物温度計を利用した変成温度推定を試みたところ,岩体の北縁部と南縁部の2試料からそれぞれ385 °C及び513 °Cの変成温度が得られた.足利岩体の南北で変成温度が大きく異なっており,岩体の貫入角度の違いによる影響が考えられる.また,足利岩体から南西に約1 km離れた試料から291 ± 15 °Cの変成温度が得られたのに対し,足利岩体から北西に1.3 km以上離れた試料からは,より高温の362 ± 16 °Cの変成温度が得られた.地下に伏在する岩体や既に削剥されて現存しない岩体の存在が示唆される.
著者
伊藤 剛 鈴木 紀毅 指田 勝男
出版者
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
雑誌
地質調査研究報告 (ISSN:13464272)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.359-370, 2021-10-13 (Released:2021-10-20)
参考文献数
54
被引用文献数
2 3

本論では,主に群馬県みどり市大間々町に分布する足尾帯ジュラ紀付加体大間々コンプレックスから得られた放散虫化石及び有孔虫の産出を報告する.チャートからはグアダルピアン世~ローピンジアン世(中期~後期ペルム紀)・中期~後期三畳紀・ジュラ紀の放散虫が,珪質泥岩からは前期及び中期ジュラ紀の放散虫が産出した.また,石灰岩からはシスウラリアン世~グアダルピアン世(前期~中期ペルム紀)のフズリナと小型有孔虫が産出した.
著者
Kosei SAKAI Tomoki MOTEGI James Ken CHAMBERS Kazuyuki UCHIDA Hidetaka NISHIDA Shunsuke SHIMAMURA Hiroyuki TANI Terumasa SHIMADA Masaru FURUYA
出版者
JAPANESE SOCIETY OF VETERINARY SCIENCE
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
pp.21-0504, (Released:2022-02-08)

A 10-month-old, intact male Toy Poodle was referred for a postural abnormality. Blood biochemical tests revealed a marked increase in plasma creatine phosphokinase (CPK) concentration. The isoenzyme test showed that 99% of serum CPK consisted of CPK-MM. Histopathological evaluation of muscle biopsy samples confirmed scattered degeneration and necrosis of myofibers. Immunohistochemistry for dystrophin showed an absence of staining in muscle cells. Based on these findings, the dog was diagnosed with dystrophin-deficient muscular dystrophy. Whole genome sequencing using genomic DNA extracted from blood revealed a single base pair insertion in exon 45 of the Duchenne muscular dystrophy (DMD) gene. This is the first report on muscular dystrophy in Toy Poodles and identified a novel mutation in the DMD gene.
著者
仲里 仁史 栂尾 春奈 松瀬 美紅
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学教育学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Education, Kumamoto University (ISSN:21881871)
巻号頁・発行日
no.66, pp.223-228, 2017

【序言】近年,食物アレルギーを持つ児童生徒が増加している.また,アナフイラキシーショックによる死亡事故の発生など学校現場のみならず社会的にも食物アレルギーに対する関心が高まっている.【方法】本研究では,将来学校教員となる教育学部(養護教諭養成課程を除く)4年生94名を対象に食物アレルギーに関する知識や意識についてアンケート調査を行った.また,同19名に食物アレルギーの基礎知識や緊急時対応について講習を行いその教育効果を検討した.【結果】①教育学部生は食物アレルギーに関する基礎知識やエピペンなど緊急時対応に関する知識が不十分であることがわかった.②講習により食物アレルギーに関する知識は,一部を除き8割以上の正答率となった.全20問中10問で全員が正答した.③講習後,正答数は各人で増え,講習前の10.6±3.5点(平均±標準偏差;20点満点)から講習後の17.6±1.3点(同)に上昇した.【結論】食物アレルギー講習は教育効果がある.全ての教育学部生が食物アレルギーについて学び対応力を身に着けることは,将来学校現場における児童生徒の救命に寄与すると考えられる.
著者
藤野 淳子 北浦 かほる
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.61, pp.251, 2009

<B>研究の目的</B> 絵本には、作者が幼いころから慣れ親しんだ国の住文化が表現の根底にある。本研究では、住まいの絵本に表れた欧米の個室空間の扱われ方の特徴を捉える。<BR><B>分析の対象</B> 分析対象とした絵本は、前研究で用いた160冊に新たに収集した159冊を加えた合計319冊である。新たに収集した絵本は専門家によって書かれた絵本紹介の雑誌に掲載されていた中から、住まいについての何らかの思潮が読み取れるものを選んだ。<BR><B>結果</B> 欧米では子どもを幼いころから個室で一人で寝かせる就寝形態をとっているため、親が読み聞かせをするために、寝るときの様子を表現した絵本が多くみられる。ベッドタイムストーリーと呼ばれるもので、寝るまでの室内空間や街の様子の変化を描き、安らかな眠りを誘おうとするものが比較的古い絵本にみられる。また、寝る時間における親子の関係や就寝前の支度を通じた躾を描いたもの、ベッドに入ってから寝入るまでの時間を子どもの視点で表現したものがある。二つ目の特徴として、欧米では個室が定着しているため、個室が発想を想起する拠点として位置づけられている。日本の絵本では子どもを空想の世界に導く場所がお風呂やトイレ、おじいちゃんの家など日常の生活の中で親と離れてひとりになれる場所が多くみられる。それに対して欧米の絵本では自分の部屋からイメージの世界を広げており、親子関係の確認や物事を考える場所として扱われている。最後に、欧米の絵本には断面表現が多くみられ、部屋の機能の違いや他人の家どうしでの住まい方の違いを表現する手段にされている。個人が尊重される欧米では他人の暮らしは違うものだという考えが根本にあることがわかる。
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュータ = Nikkei computer (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.926, pp.84-86, 2016-11-24

電子チケット販売システムは、ユニジャパンがエイガウォーカーに開発を委託したものだ。エイガウォーカーは、「ムビチケ」という映画の前売り観賞券のネット販売で知られる。ムビチケはクラウドを利用したネット販売システムで、前売り鑑賞券を購入すると、…
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1192, pp.32-35, 2003-05-19

独特の黒い外装で覆われた2層の巨大店舗は何もかもがケタ外れなのだ。敷地の端から端まで実に636m。16両編成の新幹線にさらに9両を連結した長さに匹敵する。店舗面積は東京ドームのグラウンド3つ分の4万m2。
著者
Shiori Takashina Miki Takahashi Koji Morimoto Koichi Inoue
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.169-174, 2022-02-01 (Released:2022-02-01)
参考文献数
17
被引用文献数
5

Cannabidiol (CBD), a major non-psychoactive cannabinoid, has a lot of attention due to its potential relaxing properties and led the trend in commercial CBD aroma/oral hemp seed oil from the Japanese market. In this study, a routine assay for evaluating CBD oil samples was performed using LC coupled with tandem mass spectrometry (LC-MS/MS) and was used to apply the convertible tetrahydrocannabinol (THC) in acetic acid conditions. Based on the electrospray positive ion mode, the detection of cannabidiolic acid (CBDA; m/z 359 > 219), cannabigerolic acid (CBGA; m/z 361 > 343), cannabigerol (CBG; m/z 317 > 193), CBD (m/z 315 > 193), THC (m/z 315 > 193) and cannabinol (CBN; m/z 311 > 223) was performed by satisfying separation with high density of C18 column. Oil samples (50 mg) were diluted with isopropanol (5 mL), to which stable isotope internal standards were added by dilution with methanol/water (50/50), and accuracy rates ranged from 97.8 to 102.2%. This method was used to evaluate the CBD oil products (5 kinds) from the Japanese market. Our survey found obvious counterfeit (non-detectable CBD) CBD oil from Japanese market. Following that, we investigated the conversion of THC in CBD oil samples in simple conditions such as 10% acetic acid and 70 °C for 6 h and discovered that converts THC proportions are approximately 5% ((THC content/CBD content) × 100) and <1.0%. Thus, our developed LC-MS/MS assay could be applied to monitor the CBD concentration and convertible THC from CBD oil.

3 0 0 0 OA 礼服着用図

著者
山田以文 編
出版者
巻号頁・発行日
1796

3 0 0 0 國書解題

著者
佐村八郎編
出版者
六合館
巻号頁・発行日
1897
著者
藤本 憲太郎 フジモト ケンタロウ Kentaro Fujimoto
出版者
関東学院大学人間環境学部人間環境学会
雑誌
関東学院大学人間環境学会紀要 (ISSN:13489070)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.89-100,

This paper will consider the role of architectural facades in Miyazaki Hayao's movie Spirited Away with particular reference to their metaphorical function in:(1)realizing meaning in the movie and how this ought to be read and,(2)introducing messages to the audience not only as layers of metaphor to be interpreted but also as the means for the movie maker to directly bring out aspects of his movie over and above the main theme.
著者
山本 麻子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.A09, 2007

10代後半から20代前半の女性を対象としたファッション雑誌について、レイアウト・デザインを中心に分析し、雑誌の特徴とファッションに与える影響について考察した。調査はJMPAによる05年9月~06年8月までの印刷証明付部数開示から、女性ヤング誌(ファッション総合)上位3位である『CanCam』、『ViVi』、『JJ』を対象とし、広告ページを除いたファッション・ページについて、図版数および図版レイアウトについて集計・分析を行った。結果として、3誌とも見開き1ページに対する図版数が約20~70枚近くあり、大変込み合った誌面作りが行われていることが分かった。また小さな図版が多く、読みにくいものが多かった。レイアウトは、人物像と商品アイテムを組み合わせたものが大半を占めた。また総ページに対し広告ページは約40%を占め、メーカーのカタログとして機能しており、商品の売上に直結した誌面作りが意識されていた。かつての雑誌の使命であった新しい文化の創造や優れたデザインの提案よりも、大量の商品情報を得たい読者のニーズに応えるものであると、同時に、絶えず消費を喚起するものであるといえる。
著者
竹中 均
出版者
秀潤社
雑誌
細胞工学 (ISSN:02873796)
巻号頁・発行日
vol.18, no.9, pp.1389-1391, 1999-09
著者
山村 明子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.60, pp.242, 2008

<B>目的</B> ファッション雑誌によるトレンド提案と、それらを支持する消費者像を分析し、現代ファッションの背景を探る。<B>方法</B> 雑誌モデル蛯原友里が提案するOLスタイルに着目し、そのファッションテイスト、モデル像、及び消費者の生活スタイルを検討する。主な資料にはファッション雑誌CanCamを利用する。<B>結果</B> CanCam誌上のファッションスタイルの変遷を追うと、2004年3月にロマンチックスタイルが提案され、翌月にはその提案は蛯原友里をメインにエビちゃんOLと名付けられた。そのスタイルは白、ピンクといった淡い色彩とフリルやリボンを取り入れたソフトでキュートなファッションイメージで、上司にも好印象を与える「愛され系スタイル」として位置づけられている。このような提案は多くの読者に支持され、「蛯原友里が着た服は店頭で即日完売」というエビちゃん現象を巻き起こす。この背景には「恋も仕事も頑張る」というモデル像の設定と、現代女性の価値観が合致し、ファッションイメージをモデル像によって増幅させた効果が反映されていると考える。
著者
斉藤 英俊 中西 夕佳里 重田 利拓 海野 徹也 河合 幸一郎 今林 博道
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.809-815, 2008 (Released:2008-09-27)
参考文献数
21
被引用文献数
11 18

広島湾のカキ筏周辺におけるマガキ種苗に対する魚類の捕食の影響を明らかにするために,野外調査をおこなった。クロダイおよびコモンフグの胃内容物中から,マガキは周年出現していたが,夏季にはムラサキイガイの割合が増加した。カキ筏の付着生物と魚類胃内容物中の餌生物の相対重量の順位相関をみると,両魚種とも夏季には有意な正の相関があった。目合いの異なるケージを用いた実験から判定すると,夏季~秋季にはクロダイ,冬季にはコモンフグによるマガキに対する捕食の影響が大きいことが示唆された。