著者
Eigo Tochimoto Satoshi Iizuka Tadayasu Ohigashi
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
SOLA (ISSN:13496476)
巻号頁・発行日
pp.18A-001, (Released:2022-01-25)
被引用文献数
5

The influence of an upper-level trough on a Baiu frontal depression (BFD) that caused a heavy rainfall event in southern Kyushu, Japan, on July 4, 2020, was examined using numerical simulations with and without the upper-level trough. The numerical simulation with the upper-level trough (CNTL) reproduced a reasonable well-developed BFD and heavy rainfall in southern Kyushu. Conversely, the numerical simulation without the upper-level trough (NOUT) produced a weaker BFD and notable southward rainfall shift compared with the situation in the CNTL. The weaker BFD for the NOUT was due to weaker convection than that of the CNTL over mainland China. Thus, strong convection over mainland China was essential for the formation and development of the BFD that caused heavy rainfall in southern Kyushu. Additional sensitivity experiments, in which the strength of the upper-level potential vorticity anomalies was reduced to 75, 50, and 25% of the CNTL, showed that the spatial rainfall distribution shifted southward and resulted in a change in precipitation amounts in southern Kyushu because of the weakening of the BFD.
著者
吉田 哲二 金山 秀樹 山本 亘 向山 澄夫 金森 洋史 青木 滋
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
スペース・エンジニアリング・コンファレンス講演論文集 : Space Engineering Conference (ISSN:09189238)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.18, pp.67-70, 2010-01-28
被引用文献数
1

月太陽発電「ルナリング」構想は,工ネルギを化石燃料に依存するパラダイムから,月からの無限に近いクリーンエネルギを自由に使うという発想へ転換するものである.本構想では月の赤道を周回する太陽電池を設置し,発電した電力をマイクロ波などで地上へ伝送する-人類が使う工ネルギの全部の量を月から送り電力供給と水素製造を行う.食糧・水の確保や水素社会が促進されると同時に化石燃料の燃焼を停止させ炭酸ガスの排出を低下させる.実現には宇宙太陽発電システムや月資源探査,月面での製造技術が必要.月面口ポットや有人施設だけでなく,国際的な協定・合意など法制面の確立も必要.清水建設の20余年にわたる宇宙建設研究をべ-スに夢のある将来像を描いた.
著者
熊谷 正寿 野村 佳代 辻 剛
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネスassocie (ISSN:13472844)
巻号頁・発行日
vol.8, no.23, pp.42-44, 2009-11-03

「夢手帳☆熊谷式」は、その名の通り、夢をかなえるための手帳。今回、開発者の熊谷正寿さんから、読者2人がその使い方を直々に教わった。野村佳代さんは外資系企業の広報、辻剛さんは起業を目指す会社員だ。 野村さんは今「夢手帳」を使っていない。約3年前に使ってみたものの「自分の夢」が分からなくなり、半年ほどで挫折した。
著者
築田 良 木下 光
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.79, no.703, pp.1945-1953, 2014-09-30 (Released:2014-09-30)
参考文献数
33
被引用文献数
1

This study focuses on the planning process of the cemetery and religious facilities in Senri New Town from 1957 to 1962 and mainly clarifies following three points. (1) The cemetery was not built inside new town area and the religious facilities had never been inside new town area through the analysis of official plans. (2) Eika Takayama laboratory had only proposed to include the historical communities, but its proposed plan did not reflect the final plan by Osaka government. (3) Kamishinden Tenjin shrine outside of new town area became the essential place for some residents in Senri New Town.
著者
野田 将史 佐藤 謙次 斉藤 明子 日詰 和也 印牧 真 黒川 純 岡田 亨
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.Cb0486, 2012 (Released:2012-08-10)

【目的】 ブリッジ運動は下肢筋群の筋力強化として臨床で広く活用されており,これに関する報告は散見される.しかし,両脚ブリッジ運動における股関節外転および膝関節屈曲角度の違いが下肢筋群筋活動に及ぼす影響は明らかにされていない.本研究の目的は,両脚ブリッジ運動において最も効率良く筋力強化を行う肢位を検討することである.【方法】 対象者は,下肢疾患の既往の無い健常成人15名(男性9名,女性6名,平均年齢27.4歳,平均身長166.4cm,平均体重62.7kg)であった.測定方法は,表面筋電計はマイオトレース(Noraxon社製)を用い,大殿筋・中殿筋・内側ハムストリングス・外側ハムストリングスの4筋を導出筋とした.電極貼付部位は,大殿筋は大転子と仙椎下端を結ぶ線上で外側1/3から二横指下,中殿筋は腸骨稜と大転子の中点,内側ハムストリングスは坐骨結節と脛骨内側顆の中点,外側ハムストリングスは坐骨結節と腓骨頭の中点とした.十分な皮膚処理を施行した後,各筋の筋腹に電極中心距離2cmで表面電極を貼り付け,動作時における筋電波形を導出した.アースは上前腸骨棘とした.測定値は最大随意収縮(MVC)で正規化し%MVCとした.MVCの測定はダニエルズのMMT5レベルの測定肢位において5秒間の等尺性最大収縮とした.測定条件は,MVC測定後5分間の休息を設け,次の条件における各筋の筋活動を1肢位あたり2回測定しその平均値を分析に用いた.測定時間は5秒間とし中3秒間を解析に用いた.尚,条件の測定順序は無作為とした.測定肢位は,両足部内側を揃え股関節軽度内転位とし膝関節120度屈曲位でのブリッジ運動(股内転膝屈曲120°),膝関節90度屈曲位でのブリッジ運動(股内転膝屈曲90°),膝関節60度屈曲位でのブリッジ運動(股内転膝屈曲60°),両足部を肩幅以上に開き股関節外転20度とし膝関節120度屈曲位でのブリッジ運動(股外転膝屈曲120°),膝関節90度屈曲位でのブリッジ運動(股外転膝屈曲90°),膝関節60度屈曲位でのブリッジ運動(股外転膝屈曲60°)の6肢位とした.また,運動時は股関節屈曲伸展0度になるまで挙上するよう指示し,測定前に練習を行い代償動作が出現しないよう指導した.統計学的分析にはSPSS ver.15を用い,一元配置分散分析および多重比較により筋毎に6肢位の%MVCを比較した.また,有意水準は5%とした.【倫理的配慮,説明と同意】 本研究は当院倫理委員会の承認を得た上で,各被験者に研究に対する十分な説明を行い,同意を得た上で行った.【結果】 各動作における%MVCの結果は以下の通りである.大殿筋では,股外転膝屈曲120°は股内転膝屈曲60°と股内転膝屈曲90°よりも有意に高値を示したが,その他の有意差は認められなかった.中殿筋では,すべてにおいて有意差は認められなかった.内側ハムストリングスでは,股外転膝屈曲120°は股内転膝屈曲60°と股外転膝屈曲60°と股内転膝屈曲90°と股外転膝屈曲90°よりも有意に低値を示した.股内転膝屈曲120°は股内転膝屈曲60°と股外転膝屈曲60°よりも有意に低値を示した.その他の有意差は認められなかった.外側ハムストリングスでは,股内転膝屈曲60°は股内転膝屈曲90°と股外転膝屈曲90°と股内転膝屈曲120°と股外転膝屈曲120°よりも有意に高値を示した.股外転膝屈曲60°は股内転膝屈曲90°と股外転膝屈曲90°と股内転膝屈曲120°と股外転膝屈曲120°よりも有意に高値を示した.股内転膝屈曲90°は股外転膝屈曲120°よりも有意に高値を示した.その他の有意差は認められなかった. 【考察】 今回,各動作時における%MVCの結果から,大殿筋では股関節内転位よりも外転位,膝関節軽度屈曲位よりも深屈曲位の方が有意に高値を示した.内外側ハムストリングスでは,膝関節深屈曲位よりも軽度屈曲位の方が有意に高値を示した.この結果から,ブリッジ運動を行う際は,大殿筋に対しては股関節外転位+膝関節深屈曲位,ハムストリングスに対しては内外転を問わず膝関節軽度屈曲位に設定することで効率が向上されることが示唆された.【理学療法学研究としての意義】 臨床で頻繁に処方する両脚ブリッジ運動の最も効率よい肢位が判明することで,患者への運動指導の際その肢位を活用し運動指導することができる.
著者
松井 憲明
出版者
北海道大学大学院経済学研究科
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.81-96, 2007-12-06

ソ連では農業社会の伝統的社会制度である課役(ロシア史に即していえば,農奴制時代の賦役や貢租)が1930年代に大規模に再建され,60年代まで存続した。 この課役には,①労働課役(夫役),②物納課役,③金納課役がある。①夫役の中核はコルホーズの共同農場での労働義務であり,その法令化は39年の年間労働ミニマムの導入に始まる。これはまもなくコルホーズ員ばかりか年少者をも対象とするに至る。夫役の徴発はその他,木材調達と泥炭採取,道路の建設や補修などの領域でも広く行われた。②物納課役はコルホーズ農民の現物給付義務であり,農家の多様な作物の国家供出という形でこれまたきわめて大規模に賦課された。③金納課役は貨幣給付義務であり,農業税,馬匹税,独身税,戦時税,建物税,家畜税の納付,自己課税,国債購入等々の多種多様な形態をとった。これらの課役は全体として第二次大戦中とスターリンの晩年に激増した。コルホーズでは一貫して労働強化が図られた。木材調達や地方の道路建設,農畜産物の国家調達などでも課役は大きな役割を演じ,他方,農民生活にとっては重い負担となった。 こうした課役は経済外的強制の広範な適用を特徴としていた。コルホーズの労働への不参加は矯正(強制)労働や遠隔地への追放を含む各種の措置により罰せられ,その他の課役の忌避に対しても罰金が科せられ,財産の差押えや没収が行われ,さらに刑事責任が問われた。 課役の制度は,ソ連が1930年代から60年代にかけて農業社会から工業社会へと転換を遂げる上で最も重要な要素であった。したがって,それはこの転換の進行とともに必要性を減じ,60年代後半までには解消された。
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.463, 2009-01-09

1968年に公開された映画「黒部の太陽」のノーカット版が、2008年12月7日、40年ぶりに一般公開された。故三船敏郎さんと故石原裕次郎さんが共演し、約730万人の観客動員を記録した大ヒット作だ。 映画の舞台は、63年に完成した黒部川第四発電所の建設工事。技術者や作業員、その家族の苦闘や人間模様を描いた作品だ。
著者
中村 麗衣
雑誌
史論
巻号頁・発行日
vol.56, pp.46-73, 2003
著者
藤井 秀樹
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.248-253, 2011-05-15 (Released:2011-11-05)
参考文献数
27
被引用文献数
7 8

純チタンおよびチタン合金における水素脆化および関連現象を紹介した.水素脆化は水素化物の生成と密接に関係しており、顕著な量の水素化物が存在する場合、衝撃試験など切欠き付き試験片を用いた高歪み速度試験で脆化が確認できる.定荷重き裂伝ぱ試験など静的な低歪み速度試験では、き裂先端への水素拡散と水素化物生成により脆化すると考えられている.多量のMoやVを含むβ型合金は水素化物が生成しにくく脆化しにくい.
著者
菊地 正太郎 佐野 清貴
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.S7-S10, 2007 (Released:2007-05-31)
参考文献数
16

主な生息地が沖縄県の石垣島と西表島の 2島に限られているカンムリワシを,その間に位置する竹富島で2005年 1月に観察した.羽衣の状態から前年生まれの幼鳥であると判断した.石垣島か西表島から飛来した迷鳥であると考えられた.
著者
鎌田 彰 清水 幸夫 伊丹 誠慎 宮崎 裕道 寺本 哲
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.32-49, 1990

京葉線東京地下駅は, 現東京駅の南側, 都道406号の地下に建設中の大規模な地下駅である。横須賀線シールドトンネルは, この地下駅と直角に交差する構造物であり, 地下駅完成時には地下3階の床版で支持されるが, 施工途中においては掘削, 露出および仮受け工が必要となった。営業旅客線シールド構造物の仮受け工は前例のない試みであり, 綿密な事前設計, 施工計画および施工管理のもと, 慎重に施工が行われた。仮受けは, トレンチ掘削による耐圧版下受け工法により行われたが, 掘削中および仮受け中のシールドの挙動計測と予測せぬ変状に迅速に対処することを目的として計測制御システムを導入し, 厳しく管理を行った。