出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.341, pp.12-13, 2003-12-12

深さ40mの地底に能舞台をしつらえて狂言を上演するという珍しいイベントが,「土木の日」の11月18日に催された。 舞台となったのは,東京都港区の虎ノ門交差点共同溝の工事現場。普段は人の目に触れることのない地下空間を一般の人に広く知ってもらおうと,国土交通省東京国道事務所などが企画した。
著者
斎藤 富由起 吉森 丹衣子 守谷 賢二
出版者
千里金蘭大学
雑誌
千里金蘭大学紀要. 生活科学部・人間社会学部 (ISSN:13496859)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.35-41, 2009-12-08

大学生を対象に見捨てられ不安と愛着パターンおよび愛着行動との関連性を検討した結果、「見捨てられ回避」因子とアンビバレント型に相関が見られた。また見捨てられ不安と最も高い相関を示した愛着行動はアンビバレントな「他者への懸念」因子であった。これまで見捨てられ不安はパーソナリティ障害との関連で強調されてきたが、本研究の結果からは、了解できるストレスフルな青年性心性としても理解できる。今後の課題として、見捨てられ不安の背景要因を追究するとともに、見捨てられ不安に対する集団的なストレスマネジメントプログラムの可能性が議論された。

3 0 0 0 OA 偶感

著者
砂川 恵
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.50, no.577, pp.21-22, 2002-02-05 (Released:2019-04-12)
参考文献数
3
著者
井磧 伸介 宮崎 紀郎 玉垣 庸一 李 震鎬
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.71-78, 1996-05-31
参考文献数
11

近年の雑誌広告ではカラー表現が一般的であるが,モノクロ写真を取り入れた広告も少なくない。本研究は,カラー全盛とも言える現在の広告表現において,モノクロ写真を使用した雑誌広告がどのようなイメージで受け取られるのか調査を行ない,モノクロ写真を使用する効果を検討するものである。まず,収集した雑誌広告を配色や構図などで分類し,代表的な広告サンプルを選び出した。次に,これらのサンプルについてのイメージ調査を20代前半の男女70名に対してSD法によって実施した。その結果,整然性,鮮明感,重厚感の3つの因子が抽出された。このうち,「まとまった」,「静かな」等の形容詞のみならず,「好きな」,「美しい」といった形容詞とも相関の高い整然性因子では,モノクロ写真を使用した広告がカラー写真を使用した広告より高く評価され,文字や製品写真にカラーを重点的に使用すれば,さらに評価を高めることが判明した。これは,モノクロ写真とから部分との対比が,それぞれをより際立たせた結果であると推測される。
著者
灘井 雅行
出版者
岐阜薬科大学
雑誌
岐阜藥科大學紀要 (ISSN:04340094)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.23-34, 1998-06-30

グラム陰性菌の細胞壁の構成成分であるエンドトキシンは,アジュバント活性,抗腫瘍活性やマクロファージ活性化など免疫機能を亢進ずる。また,エンドトキシンは腎機能や肝機能を低下させることも知られている。特に,エンドトキシンによって誘発される急性腎不全は,薬物の体内動態ならびに腎排泄挙動を変化させると考えられる。エンドトキシンを静注することにより作製したエンドトキシン血症モデルラットにおいて,糸球体濾過速度の低下に伴ってアミノ配糖体系抗生物質の腎排泄が低下したが,尿細管からの再吸収は増加した。一方,有機アニオン性薬物の尿細管分泌は低下したが,有機カチオン輸送系による尿細管分泌は変化しなかった。エンドトキシンの活性本体であるリピドA部分を投与したところ,エンドトキシン血症時と同様の腎機能低下と薬物排泄能の低下が認められ,リピドAが急性腎不全の発現に関与すると考えられた。また,エンドトキシンによる薬物腎排泄の低下は時間依存的に回復した。さらに,アデノシン拮抗薬であるテオフィリンを前投与した場合にはエンドトキシンによる腎機能の低下が防御されたことから,エンドトキシンによる急性腎不全発現にはアデノシンが関与していることが明らかとなった。以上の知見は,エンドトキシン血症時の薬物腎排泄挙動ならびにグラム陰性菌感染症患者の治療に対して有益な情報を与えるものである。
著者
浅田 正彦
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.243-255, 2013 (Released:2014-01-31)
参考文献数
49
被引用文献数
7

個体群動態において,爆発的な個体数増加や分布拡大が発生する前段階として,個体数や分布が限られている時期を遅滞相(Lag-phase)という.千葉県におけるニホンジカ(Cervus nippon)とアライグマ(Procyon lotor)の捕獲記録における性比の時空間的変動に基づいて遅滞相の存在について考察し,千葉県印西市アライグマ防除事業の分析から低密度下での捕獲方法について検討した.両種において分布前線部や捕獲によって低密度となった地域ではオス比が高くなっており,アリー効果が発現している遅滞相にあると考えられた.このことから,根絶や地域的排除に至る前段階となる地域的な個体数管理手法として,捕獲個体のオス比などから推定できる「遅滞相の実現と維持」を管理目標にする「遅滞相管理Lag-phase management」を提案した.
著者
国武 雅子
出版者
長崎純心大学・長崎純心大学短期大学部
雑誌
人間文化研究
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-15, 2003-03-01

戦後になって,国家と女性の関係,女性のあり方に関する意識はそれまでとどう変わったのだろうか。これらの問題を市川房枝を中心とする女性運動の側から考えてみたい。市川房枝は,戦前から婦選獲得同盟を組織して婦人参政権運動を展開し,「満州事変」については「戦争反対」を唱えるが,日中戦争が始まると婦人時局研究会を結成して戦時体制に協力していく。そして戦後になると「平和と民主主義」のための婦人参政権を主張する。これらの運動を貫くものは何なのか。何が変わり,何が変わらなかったのか。ここでは特に市川房枝の国家に対する意識に注目して検討する。1945年8月25日,市川は戦前からの女性運動の指導者を中心に戦後対策婦人委員会を結成する。「敗戦」という国家の課題に対応しようとするもので,「アメリカから与えられるより前に」と,日本政府に対し参政権を要求する。この戦後対策婦人委員会の政治委員会を母体に1945年11月3日,参政権運動のための新しい団体として新日本婦人同盟が結成される。戦時期婦人時局研究会によった若い世代を中心としたもので「勤労無産大衆婦人の立場に立ち」,「封建的な鉄鎖」と「金権的な支配」から女性を解放し,民主主義と平和を確立するための参政権の行使を目指した。「政治と台所」という戦前からのスローガンは変わらず,主婦としての女性の政治参加の意義を強調する。1946年4月の第1回総選挙に対して,市川は立候補せず,他の女性候補に対する応援よりも「政治教育」に重点を置いた活動を行う。また, 1947年3月,市川房枝は言論報国会理事であったことを理由に公職追放になるが,その解除の訴願文書の中で彼女は「国民の一人としてある程度協力せざるを得なかった」ことを主張していた。戦前,戦中,戦後を通して一貫してみられるのは,如何に国家の課題に答えるかという発想である。その背景にあるのは国家への帰属意識であり,国家の担い手として認められることが男女の平等,女性の解放につながるという認識である。それは個人が国家の主体として政策に関与することによって,国家が個人の問題を解決するという国家観を前提にしている。
著者
冠 昭夫 若松 義男 都木 恭一郎 KANMURI Akio WAKAMATSU Yoshio TOKI Kyoichiro
出版者
航空宇宙技術研究所
雑誌
航空宇宙技術研究所資料 = Technical Memorandum of National Aerospace Laboratory (ISSN:04522982)
巻号頁・発行日
vol.523, pp.78, 1983-11

今日,わが国では,H-Iロケット以後の大型人工衛星打上げロケット用に,液体酸素・液体水素ブースターエンジンの開発が検討されており,そのトレード・オフにおいては,二段燃焼サイクルの高圧エンジン開発の方向が有力とされている。そこで,高圧の液体酸素・液体水素エンジン開発上の技術的問題点を明らかにするとともに,わが国の高圧液酸・液水エンジンに関する研究および開発における指針決定に資する事を目的として,この種のエンジンとしては,現在までのところ唯一の実用例である,スペースシャトル・メイン・エンジン(SSME)の開発過程で生じた不具合事例の調査・検討を行った。公表されている文献・記事を基に,主燃焼器・プリバーナ・低圧ターボポンプ・高圧ターボポンプ・配管弁類などのコンポーネント毎に不具合事例の収集を行い,事例毎に内容・原因・対策を明らかにし,主要なものを中心に検討・考察を加えた。二段燃焼サイクルの高圧エンジン開発過程で発生した技術的問題点が明らかになるとともに,開発に際しての基本的コンフィグレーションに対する技術的検討および材料やエンジン各要素の基礎的データ蓄積のためのラボ試験などの重要性が,改めて確認された。
著者
夫馬 進
出版者
史学研究会 (京都大学文学部内)
雑誌
史林 (ISSN:03869369)
巻号頁・発行日
vol.89, no.5, pp.645-677, 2006-09

これまで朝鮮通信使の研究では、これによって先進的な朝鮮の学術文化が日本に伝達されたとされてきた。しかし日本で古学が一世を風靡して以後は、この通説は成り立たない。一八世紀は両国学術関係の転換期に当たっていた。一七四八年通信使の一行は朱子学が尊ばれない日本の学術情況を知り、危機感のみを募らせたが、次の一七六四年のそれでは、徂徠学の何であるかを知ろうとして極めて積極的であった。彼らは日本で『徂徠学』を熟読し『弁道』『弁名』を手に入れただけでなく、彼の弟子たちの業績である『七経孟子考文』などを帰国直前にあっても獲得しようとした。ところが彼らが帰国後に行った徂徠学の紹介は、いずれもその核心を外したものであった。このような紹介しかできず、この時に徂徠学が朝鮮にほとんど伝わらなかったのは、当時朱子学以外を語ることが厳禁されていたなど、朝鮮の国内諸事情によるものである。
著者
佐田 実季 田邉 将之 川脇 治 中村 優花 岡島 寛
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.345-352, 2020 (Released:2020-06-12)
参考文献数
28

Paved roads are said to be able to use them for a long time with adequate maintenances on a regular basis. However, due to a shortage of manpower for repairs, sufficient maintenance have not been taken on some municipal roads in Japan, and the deterioration has progressed rapidly. Furthermore, around 2025, many asphalt pavements paved during the period of high economic growth in Japan are expected to deteriorate rapidly, hence, a more effective method than the current manual repairing method is required. In this research, we aim to realize a machine that automatically detects and repairs cracks. As a starting point, this paper studies crack detection, one of the important elemental technologies. Assuming actual use, it is necessary to be robust to disturbances such as different colors of paved roads and illumination change due to the weather. To solve this problem, we propose a robust crack detection using deep learning. Specifically, the crack detection was performed by classifying cracked and uncracked areas by semantic segmentation using U-Net. The learning process was performed with various images including lighting changes in the training data set. As a result, we achieved a robust segmentation of cracked areas with 92.5 percent accuracy of Intersection over Union.

3 0 0 0 OA 長周叢書

著者
村田峯次郎 編
出版者
稲垣常三郎
巻号頁・発行日
vol.[第8,10冊], 1891
著者
松谷 満
出版者
中京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、大都市部で圧倒的な支持を得るようなポピュリズム政治が台頭しているという状況に着目し、河村たかし名古屋市長、橋下徹大阪市長について有権者意識調査からその支持構造を実証的に明らかにした。両者の共通の支持要因は、公務員に対する不信感などであり、社会的属性や価値観は違いも大きいことがわかった。他に、名古屋の住民運動は無党派層が中心とはいえないこと、ポピュリズムの支持には地域要因が影響していることなどが明らかになった。
著者
Silvano GALLUS Alessandra LUGO Chiara STIVAL Sonia CERRAI Luke CLANCY Filippos T. FILIPPIDIS Giuseppe GORINI Maria José LOPEZ Ángel LÓPEZ-NICOLÁS Sabrina MOLINARO Anna ODONE Joan B. SORIANO Olena TIGOVA Piet A. VAN DEN BRANDT Constantine I. VARDAVAS Esteve FERNANDEZ the TackSHS Project Investigators
出版者
Japan Epidemiological Association
雑誌
Journal of Epidemiology (ISSN:09175040)
巻号頁・発行日
pp.JE20210329, (Released:2021-11-13)
参考文献数
44
被引用文献数
3

Background: Limited data on electronic cigarette prevalence, patterns and settings of use are available from several European countries.Methods: Within the TackSHS project, a face-to-face survey was conducted in 2017-2018 in 12 European countries (Bulgaria, England, France, Germany, Greece, Ireland, Italy, Latvia, Poland, Portugal, Romania and Spain). Overall, 11,876 participants, representative of the population aged ≥15 years in each country, provided information on electronic cigarette.Results: 2.4% (95% confidence interval, CI: 2.2-2.7) of the subjects (2.5% among men and 2.4% among women; 0.4% among never, 4.4% among current- and 6.5% among ex-smokers) reported current use of electronic cigarette, ranging from 0.6% in Spain to 7.2% in England. Of the 272 electronic cigarette users, 52.6% were dual users (i.e., users of both electronic and conventional cigarettes) and 58.8% used liquids with nicotine. In all, 65.1% reported using electronic cigarette in at least one indoor setting where smoking is forbidden, in particular in workplaces (34.9%), and bars and restaurants (41.5%). Multivariable logistic regression analysis showed that electronic cigarette use was lower among older individuals (p for trend <0.001) and higher among individuals with high level of education (p for trend 0.040). Participants from countries with higher tobacco cigarette prices more frequently reported electronic cigarette use (odds ratio 3.62; 95% CI: 1.80-7.30).Conclusions: Considering the whole adult population of these 12 European countries, more than 8.3 million people use electronic cigarettes. The majority of users also smoked conventional cigarettes, used electronic cigarettes with nicotine and consumed electronic cigarettes in smoke-free indoor areas.
著者
戸田 雅之 山本 真行 重野 好彦
出版者
高知工科大学
雑誌
高知工科大学紀要 (ISSN:13484842)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.45-55, 2010-07
被引用文献数
1

流星出現直後にはごく稀に流星経路をなぞるように細い発光体が見える。それは短時間で減光し、形を変えながら消失する。これを流星痕と呼ぶ。流星痕の発生確率が最も高いのは毎年11月中旬に出現する「しし座流星群」である。我々はしし座流星群の2001年大出現で、イメージインテンシファイアを使用した流星の2点観測を実施した。動体検出ソフトウェアの使用により、動画から発光継続時間が短い流星痕(以下、短痕)を効率よく抽出できた。本研究では、しし座流星群に属する流星起源の短痕18例、しし群以外の流星起源の短痕8例、計26例の短痕を測定して発光高度と継続時間を求めた。その結果、(1)短痕は平均的に120kmから96kmの範囲で発光する。(2)短痕発生後、上端側は時間経過とともにその高度を直線的に徐々に低下させる一方で、下端側は母流星突入に伴い低高度側へ一気に成長し短痕長の最大を迎えた後、対数関数の漸近曲線的に上昇し、短痕消失直前には平均高度107kmに収れんする。(3)短痕の継続時間は短いもので0.1秒、最長で5秒。(4)母流星絶対等級と短痕の継続時間に有意な相関がある。(5)短痕の継続時間はOI557.7nm(励起状態特性寿命0.7秒)発光を仮定すれば説明できる可能性が高い、ことが分かった。Just after appearing of meteors, faint illuminating trails can rarely be seen along their trajectories. The luminescence, so-called meteor trains, rapidly disappear with changing their shapes in the sky. Meteor shower with the most frequent appearance rate of meteor trains is "Leonid." In 2001, during an encounter of Leonid meteor storm in Japan, double-station observation of meteors was carried out by using image-intensified (I.I.) video cameras. Purpose of the I.I. video observation was to obtain precise trajectory parameters of Leonid meteors, however, many video clips of meteors with meteor trains of short duration within 3 s (short-duration meteor trains, hereafter) were found. By using a motion-detection software, 26 short-duration meteor trains (18 examples of Leonids as well as 8 of sporadic meteors) were successfully picked out, deriving altitude distribution of short-duration meteor trains. As a result, (1) short-duration meteor trains averagely appeared between 120 km and 96 km altitude, (2) altitude distribution of short-duration meteor trains averagely changes in time to be finally centered at around 107 km, with having linear dependence for their upper limit altitudes as well as logarithmic dependence for lower limits, (3) duration time of short-duration meteor trains was in a range between 0.1 s to 5 s, (4) high correlation between absolute magnitudes of parent meteors and duration time of short-duration meteor trains, and (5) the altitude distribution of short-duration meteor trains could be explained with OI 557.7nm luminescence and collision (quenching) process with surrounding upper atmosphere.査読あり論文