著者
石田 雅樹
出版者
宮城教育大学
雑誌
宮城教育大学紀要 (ISSN:13461621)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.27-36, 2012

本稿はハンナ・アーレントの政治理論をシティズンシップ教育論の視点から検証したものである。アーレントが能動的市民の政治参加を強調しながらも、シティズンシップ教育の可能性に至らなかったのはなぜなのか。この疑問に対して、本稿はアーレントとバーナード・クリックの政治理論とを比較し考察を行った。アーレントもクリックもともに能動的市民の政治的意義を認めながらも、前者はシティズンシップ教育に消極的であるのに対して、後者はそれを強く推進した。本稿は、この両者の相違が「政治」と「市民」の認識の隔たりに由来することを論証した上で、両者の隔たりの中にシティズンシップ教育のジレンマがあることを明らかにした。
著者
菅谷 愛子 大口 広美 津田 整
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.472-477, 1996
被引用文献数
5

秋期に飛散するスギ花粉の意義を明らかにするために, 1987年から1995年にわたる通年のスギ飛散花粉を測定し, 秋期(10月〜12月)のスギ飛散花粉数と春期(1月〜5月)の飛散数との関係, および秋期のスギ花粉症発症について検討した. 1. 秋期のスギ花粉数は, その年の春期のスギ花粉数に相関性はなく, 翌年の春期の飛散総数との間に相関係数r=0.877で相関性が認められた. 従って秋のスギ飛散花粉は, 春の花粉の再飛散ではなく, 秋に新しく開花し, 飛散した花粉であるといえる. 2. 11月のスギ飛散花粉数は, 翌年春のスギ花粉飛散数との間に相関係数r=0.909と高い相関性が認められた. 11月の飛散花粉数から翌年スギ花粉飛散の多少が推定できると考える. 3. 秋のスギ花粉飛散期間中にスギ花粉飛散数に対応した花粉症が認められた.
著者
Polutov Andrey V.
出版者
海人社
雑誌
世界の艦船
巻号頁・発行日
no.700, pp.156-161, 2009-01
著者
永長 直人
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.59, no.8, pp.520-529, 2004-08-05
参考文献数
49

物理学における幾何学の役割は対称性の問題と並んで今日も理論物理学の中心的な興昧であり続けている.一方で近年,固体中の電子輸送現象に現れる量子力学的な位相-ベリー位相-の役割がいろいろなところで認識されるようになってきた.ベリー位相は,量子力学における幾何学の役割を考えるうえで,最も基本的なものである.この解説では,その基礎概念,過去の仕事,そしてわれわれの研究を中心にその最近の発展について述べたい.
著者
全 峰 深沢 徹 梁 広石 熊谷 安夫 橋本 博史 高崎 芳成
出版者
順天堂大学
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.580-587, 2006-12-22
参考文献数
17
被引用文献数
1

目的: ヒトアジュバント病という疾患概念があるが,近年その是非がとりざたされている.本研究は,シリコンおよびパラフィンなどを使用した美容形成術の既往のある膠原病もしくは膠原病症状を呈する患者21名についてその臨床的特徴について検討し,疾患の発症における美容形成術との関連について考察する.対象: 1980年1月-2004年12月に順天堂大学医学部附属順天堂医院膠原病内科に通院加療歴があり,美容手術後膠原病症状・所見を呈した患者21例を対象とした.症例の年齢は27歳から75歳まで(平均61,3±10,0歳),性別は女性19例,男性2例であった.方法;(1)対象患者を定型的膠原病と診断できる群(第I群: 14例)と膠原病を示唆する臨床症状・検査所見を認めるが,特定の膠原病の診断基準を満たさない群(第II群: 7例)に分類し,美容形成術から発症までの期間,臨床所見について比較検討した.(2)対象患者群(21例)と1989年に熊谷が報告したヒトアジュバント病症例群(29例)と臨床的特徴について比較検討した.(3)対象患者第I群の疾患のうちわけを,本邦における疾患別発症頻度と比較検討した.結果: (1)発症までの期間は第I群と第II群の比較では有意差はないが,第I群は第II群より自己抗体陽性率が高かった.(2)熊谷が報告したヒトアジュバント病の症例群と自験例とともに強皮症との関連が強く,また自験例ではシェーグレン症候群との関連性も示唆された.(3)本邦における疾患別発症頻度と比較すると,第I群では強皮症およびシェーグレン症候群の比率が高かった.考察: 美容形成術の既往と強皮症,シェーグレン症候群との関連が示唆されたが,発症までの期間が長いことや,実験的には美容形成術で使用された異物が免疫応答を誘導することは証明されていないことから,ヒトアジュバント病と美容形成術との関連は明らかでない.今後,異物に対する患者リンパ球あるいはマクロファージなどの反応性について免疫学的な解析をすることが必要である.
著者
奥 健太 中島 伸介 宮崎 純 植村 俊亮
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.162-176, 2007-06-15
参考文献数
24
被引用文献数
12

本論文では,ユーザの状況に応じて適切な情報を提供する状況依存型情報推薦システムのプロトタイプを提案する.膨大な情報からユーザの嗜好に合致する情報を提供する手法として,情報推薦システムに関する研究が行われているが,ユーザのそのときの状況(時間帯や天気,同伴者,予算など)に応じて変化するユーザの嗜好に対し,柔軟に対応することは容易ではない.そこで我々は,状況に応じて変化するユーザの嗜好を適切にモデル化する手法を提案した.本論文では,このモデル化手法を適用した状況依存型情報推薦システムのプロトタイプを提案し,検証実験に基づいて,提案手法の評価を行った.この中で,提案手法であるコンテクスト依存型情報フィルタリングとコンテクスト依存型協調フィルタリングの有効性や特長の違いを明らかにするとともに,対象コンテンツの特徴パラメータの最適化に関して考察した.This paper proposes a prototype of a context-aware recommendation system which provides users with contents appropriate to their contexts. There have been many studies of recommendation systems which provide users with contents suited to their preferences. However, it is not easy to adapt these recommendations to changing contexts (e.g., time of day, weather, companions and budget). Thus, we propose a method which takes into account users' preferences as well as their current context. This paper also introduces a prototype of a context-aware recommendation system using the method, and evaluates our proposed methods. In our experiments, we explore the strengths and weaknesses both Context-Aware Information Filtering and Context-Aware Collaborative Filtering. Lastly, we discuss optimization of the feature parameters of contents.
著者
横山 宏 岩崎 重剛 太田 充 石桁 正士
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.93, no.60, pp.9-14, 1993-05-22
被引用文献数
2

著者らは、IGF法を用いて学生の勉学のやる気の実態調査を続けてきた。そして、やる気には4状態(やる気、やらされ気、やらん気、やれん気)があることが分かった。今回は、調査で得られたやる気のカーブの記載されたものが上の4つのどの状態であるかを推測する方法について検討した。推測では、やる気を起こしたり無くしたりしたときの理由文に含まれる特定のキーワード、やる気の度合い、やる気グラフの勾配に着目した。そして考案した方法で約100名の学生(大学生、女子短大生)のやる気の4状態を推測し、的中率60%強を得た。
著者
程 亮
出版者
神戸女学院大学
雑誌
論集 (ISSN:03891658)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.23-34, 2012-12

Since ancient times, Japanese people have believed that people could be overtaken by strong emotions such as Kitsunetsuki (possessed by a fox spirit). Through the investigation of the heritage of this folk belief in Kitsunetsuki, Japanese traditional values and intellectualities can thus be grasped Based on the oral traditions in modern times. which have been obtained from the Kaii-Yokai Densho Database mede public in the International Research Center for Japanese Studies, this essay taking statistical folklore methodology is an attempt to conduct a statistical study of Kitsunetsuki records in early modern periods and modern times, conduct a comparative analysis by correlating the types of Kitsunetsuki with other factors such as regional destribution temporal distribution and the cult of Inari, and consequently elucidate the different types of this fox belief in early modern periods and modern times. In early modern periods, this fox belief, in combination with Inari,circulated in the form of the cult of Inari; in modern times during periods of great social and economic reform and hightened public apprehension, the cult of Inari faded away, and this fox belief,in its combination with the belief in spitits possessing human beings,took on the form of belief in Kitsunetsuki。In this way, the fox belief varies with Japanese people's aspirations and social demands, as do its images and modalities accordingly.
著者
多湖 淳
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 = [O]perations research as a management science [r]esearch (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.215-220, 2011-04-01
参考文献数
18

国際政治学における計量分析の活用は我が国ではまだ限定的であるが,海外では非常に盛んである.学術誌を見ても計量手法の存在感は圧倒的である.この背景には,合理的選択論を軸とする戦争原因研究の理論的進展とそれに影響された他分野の理論研究に計量手法が大きな役割を果たしてきたことがある.ここでは国家間武力紛争,武力行使,同盟と有志連合という三つのトピックについて最近の研究を紹介し,それを通じて代表的なデータセット,分析単位,手法を明らかにしていく.
著者
高野 忠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.7-13, 1994-01-25
参考文献数
7

ボイジャーは21世紀に太陽系を離れても地上に深宇宙を伝え続けてくる