著者
牧野富太郎 著
出版者
北隆館
巻号頁・発行日
1949
著者
中須賀 真一 酒匂 信匡 津田 雄一 永島 隆 船瀬 龍 中村 友哉 永井 将貴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.88, no.1, pp.41-48, 2005-01-01
参考文献数
8
被引用文献数
14

2003年6月30日,東京大学中須賀研究室が開発した超小型衛星CubeSat-XI(1kg,10cm立方)がロシア連邦プレセツクより高度820kmの太陽同期軌道に打ち上げられた.その後,当初の予想を超え1年以上の長期にわたり順調に動作し,バス機器の軌道上実証,画像取得・ダウンリンクなどの実験を行って大きな成果を収めた.この衛星は学生の手作りにより開発された衛星で,その第一の目的は宇宙工学教育であるが,民生品をベースに低コスト・短期に衛星を提供することによる新しい宇宙開発を試行することをその先の目的としている.本論文では,CubeSat-XIの概要と軌道上実証の成果を述べ,その開発経験や成果を踏まえ,宇宙開発の低コスト化・短期開発化を目指した小型・超小型衛星開発のあり方を論じる.
著者
池田 秀男
出版者
東洋館
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
no.26, pp.38-52, 1971-10

The purpose of this paper is to present a summary of the analysis of students' preferences for senior secondary curriculum and their course selectivity in relation to college aspirations. We attempted to approach this study from three aspects. First we looked at hierarchies and at inter-course relationships in preferences as revealed by examination patterns at entrance and by senior-year "hindsight" preferences in relation to the courses in which the respondents were actually enrolled. We then examined stability and shifts in preferences from examination and entry to graduation. Finally, we looked into senior-year "hindsight" preferences in relation to the reasons expressed for those preferences, their relation to college aspirations, and the reasons why dissatisfied students were enrolled in other than the curriculum that, as seniors, they preferred. The data used in this paper were based upon the responses to the questionnaires entitled "Research on Course Selectivty and Career Perspectives Among Male Upper-Secondary Students", which were administered in the middle of December 1966, to 72007 senior secondary students sampled from all over Japan, except the north-eastern parts to the Kanto-disrtrict. The paper reports four findings (1) preference patterns and realization, (2) stability, focused adjustment, and instability in course preferences, (3) same inter-pretations of choices and preferences, and (4) some impacts of college aspirations upon the course preferences among senior secondary school students. In the process of the analysis, the author has introduced some new concepts: One of them is the course preference patterns with three symbols and three digit locations in order to analyze their stability and shifts; on the other hand the author constructed four types of college aspirations to carry an analysis of the impacts of the college aspirations upon "hindsight" preferences for senior secondary curriculum. The paper is characterized by these concepts which are in the key positions of the analysis.
著者
木名瀬 紀子
出版者
都留文科大学
雑誌
都留文科大學研究紀要 (ISSN:02863774)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.47-66, 2012

La critica più antica sul dipinto "La Nascita di Venere" di Botticelli ci è data nelle Vite de' più eccellenti pittori, scultori, e architettori del Vasari. In questo saggio secondo Concordanze di Vasari, a cura di Paola Barocchi AA. VV., ricercherò le descrizioni delle Vite del Vasari precisamente al possibile. Per quanto riguarda la rappresentazione e la raffigurazione di Venere accompagnata da Amore, Amori o Amorini, ci sono tante opere d'arte eseguite dal quattrocento al cinquecento in Italia. Queste opere sicuramente sono molto affascinanti e belle in vari modi.
著者
中田 正夫 奥野 淳一 横山 祐典 長岡 信治 高野 晋司 前田 保夫
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.315-323, 1998-10-31 (Released:2009-08-21)
参考文献数
31
被引用文献数
9 16

西九州には,縄文前期から縄文中期の水中遺跡が存在する.最終氷期の大陸氷床の融解に伴うハイドロアイソスタティックな地殻傾動は,これらの遺跡の沈水を定量的に説明することができる.これらの水中遺跡の分布は,地球の約250kmまでの深さの粘性構造に敏感に対応した事実を示している.この地域の海面変化の観測値と理論値を比較検討した結果,観測値を説明しうる粘性構造は,リソスフェアの厚さが30~50km,リソスフェア下200kmのアセノスフェアの平均的な粘性率が(8~20)×1019Pa sであることが判明した.つまり,アセノスフェアとその下の上部マントルとの粘性率のコントラストは有意ではなく,日本列島のような島弧域においても,発達した低い粘性率のアセノスフェアは存在しないことが示唆される.さらに,ハイドロアイソスタティックな地殻傾動に規定された後氷期の海水準変動は,空間・時間的に変化し,先史時代の居住地や生活様式を規定した可能性がある.
著者
木村 至聖
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

本研究の目的は、1974年に閉山した海底炭鉱・長崎市端島(通称:軍艦島)を事例として、文化遺産を地域社会の生活環境を維持するために積極的に活用しつつ、その価値をめぐる開かれた議論の可能性を探求することである。本年度は、1)初年度の成果の発表、2)継続フィールド調査、3)博士論文執筆に向けての理論的な発展を行なった。特に2009年は、1月に軍艦島を構成資産とする「九州・山口の近代化産業遺産群」がユネスコの世界遺産の暫定リストに掲載され、4月には長崎市が上陸観光を解禁するなど、軍艦島を取り巻く大きな状況の変化がみられた。そこで今年度は市役所、および軍艦島観光ガイドを行なうNPOへの聞き取りを重点的に行ない、上陸観光ツアー参加者に関するデータや最新の情報を入手した。また、これと並行して、端島(軍艦島)出身者への聞き取りも行なった。以上の調査研究を通して明らかになったのは、1)近年の産業遺産としての軍艦島の再発見・再評価の気運をうけての長崎市による上陸観光への環境の整備の一方で、2)軍艦島の保存・活用の具体的取り組みについては、主にNPOやツアーを取り扱う民間旅行会社、地元の業者によって担われていること、3)その取り組みは、元住民のなかでも比較的若い世代の人々や周辺地域の住民による活動が中心であり、元住民でも炭鉱で働いた本人などの関わりはイギリスなどの同種の事例と比較すると弱いことがわかった。こうした現状把握は、軍艦島が「観光資源」として活用されていくなかで、それがいかに意味づけられ、その意味が今後どのように展開・変化しうるのかを考える上で非常に重要である。本研究は、その一端を明らかにしたという点で、大きな成果を挙げたと言える。
著者
石崎 一樹
出版者
奈良大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

平成22年度の活動として、John Wesley Harding氏へのインタビューを行うとともに、平成21年度に行ったOne Ring Zeroなどへの調査と合わせて研究成果を発表する準備を進めた。またUSインディーズ音楽の日本における発表元であるレコードレーベルのMoorWorksから発表されたOne Ring Zero、The Mountain Goatsなど、高い文学性が認められるアーティストの作品の解説、歌詞の対訳を行った。さらに本研究の発展的目標である文学の「翻案」に関わる研究の成果として、映画女優ジーン・セバーグの評伝(『ジーン・セバーグ』)を出版すると同時に、本研究成果発表予定の出版社との打ち合わせ、さらに音楽業界雑誌による一般読者、音楽リスナー向けの成果発表について、音楽ライター・編集者らとの交渉を進めた。本研究では"Lit Rock"なる未だ不分明な音楽ジャンルについて文学の側から定義を試みた。その結果、文学性を抱えることで知的な雰囲気を演出するインディーズ系音楽が若者の知的欲求を満たす教養主義的ツールとして機能していること、The Decemberistsなど大衆市場でも受け入れられるバンドがインディーズ系音楽から出現していること、文学の作家とコラボレートしつつ音楽作品を作成するOne Ring Zeroなどのアーティストが存在していることなどが明らかになった。いくつかの補助的調査とその集約整理を経て、平成23年度から25年度にかけて論文や図書、また一般読者向けの雑誌などを通じ成果を発表していく予定である。

3 0 0 0 OA 剣侠

著者
アンソニー・ホープ 著
出版者
綾部喜久二
巻号頁・発行日
vol.前, 1900
著者
黒沢 高秀 芹沢 俊介 大橋 広好
出版者
日本植物分類学会
雑誌
植物分類・地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.11-17, 1996-07-10

フジタイゲキEuphorbia watanabei Makinoは牧野富太郎によって富士山麓産の標本をもとに1920年に記載された植物である。フジタイゲキの分類については研究者によって見解が異なり, 独立種, タカトウダイE.lasiocaula Boiss.の変種または異名, あるいはイワタイゲキE.jolkinii Boiss.の異名として扱われている。そこで, フジタイゲキの実体を明らかにするために, 東京大学総合研究資料館, 京都大学理学研究科, 国立科学博物館および東北大学理学研究科の標本, および東北大学薬学部附属薬用植物園で栽培されている静岡県有度山原産の生品を検討した。その結果, 従来フジタイゲキはタカトウダイとは苞葉や輪生葉が黄色い点で異なることが指摘されていたが, さらに果実と種子がより大きく(Fig.1), 茎が無毛またはほとんど無毛である点でも異なることが明らかになった。また, フジタイゲキはイワタイゲキに比べて葉が細く腺体の表面のくぼみが不明瞭で山地に生える点で異なるとされていたが, さらに花期が夏であり, 果実の突起がまばら(Fig.1)である点でも異なることが判明した。このため, フジタイゲキはタカトウダイやイワタイゲキとは別種であると考えられる。フジタイゲキは静岡県の山地から低山地の草原に分布するが, 知られている自生地数が少なく, いずれの自生地も現状が不明であるため, 絶滅が危惧される。一方, 宮崎県の丘陵地に花部および果実の形態がフジタイゲキとよく似るが, 輪生葉がより長く, 種子表面にしわ状の模様がある植物が生育している。これをフジタイゲキの亜種と考え, ヒュウガタイゲキE.watanabei subsp.minamitanii T.Kurosawa, Seriz.et H.Ohashiとして記載した。
著者
大野 克嗣
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.52, no.7, pp.501-507, 1997-07-05
参考文献数
11

我々の世界に満ち満ちている非線形性は, 我々が知りたい(時空)スケールをそれから懸け離れた我々には知り得ないスケールと結合してしまう(1節). だが, それにしては我々の世界はそんなに無法則的には見えない. ある現象が「よく変わる部分」と「そうでない部分」からなるなら, 後者に目をつけることで現象がわかった気になれるようだ(2節). 「くりこみ」は「そうでない部分」を浮き彫りにしてくれる. そこでまず, 簡単な例でくりこみの処方を説明しよう(3節). 「くりこみ」で世界の細部によらない構造を抽出できるなら, それは系の長時間挙動の理解にも使えるだろう. より一般に, くりこみは(非線形系の)「漸近解析」の指針たりうるであろう(4節). くりこみはこのような技術的問題に有効なだけでなく, もっと大きな文脈の中でも意味を持っているのではないだろうか(5節).
著者
望月 哲男 越野 剛 後藤 正憲 鈴木 正美 鳥山 祐介 長縄 宣博 中村 唯史 沼野 充義 野町 素己 松里 公孝
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

ヴォルガ地域の文化的な様態を、各流域の民族・宗教文化的特徴、および中世期から現代までの複雑な歴史的経緯を踏まえて整理し、包括的文化圏としてのヴォルガ地域像を解明した。ヴォルガ河の表象にみられる多義性・多面性とその変遷を、18世紀以降の文芸の諸ジャンルにおいて検討し、その特徴や文化的機能を分析した。近現代の宗教・文化思想を題材に、東西文化論におけるヴォルガ地域の特徴と機能を整理した。
著者
佐宗 哲郎
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.81, no.5, pp.598-631, 2004-02-20

現代の物性物理学においては,電子間の相互作用による「多体効果」はもっとも重要な現象である。この講義では,特に強相関電子系を例として,強相関効果を系統的に扱うことのできる動的分子場理論とその最近の発展について概説する。第1章で,強相関電子系の最も基本的な模型であるHubbard模型とAnderson模型の性質について概観し,第2章で動的分子場理論について説明する。第3章では,動的分子場理論を越える最近の試みについて紹介する。
著者
小口 多美夫
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.83, no.5, pp.571-582, 2005-02-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。講義
著者
青木 秀夫
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.19-26, 2006-01-05
参考文献数
78

量子ホール効果において最近, 様々な発展が見られる.これを, 分数量子ホール系が強相関系として独自の面白さをもつことから始めて, さらにスピンや層などの内部自由度をもつ場合の特異な現象, 非平衡・光物性, 他の系への波及(回転するボース凝縮体など)という観点から解説する.