著者
Nobuyuki Sasaki Masato Yamatoku Tomoya Tsuchida Hiroyuki Sato Keiichiro Yamaguchi
出版者
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
雑誌
Progress in Rehabilitation Medicine (ISSN:24321354)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.20230004, 2023 (Released:2023-02-28)
参考文献数
32
被引用文献数
3

Objectives: There is no established treatment for chronic fatigue and various cognitive dysfunctions (brain fog) caused by long coronavirus disease 2019 (COVID-19). We aimed to clarify the effectiveness of repetitive transcranial magnetic stimulation (rTMS) for treating these symptoms.Methods: High-frequency rTMS was applied to occipital and frontal lobes in 12 patients with chronic fatigue and cognitive dysfunction 3 months after severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 infection. Before and after ten sessions of rTMS, Brief Fatigue Inventory (BFI), Apathy Scale (AS), and Wechsler Adult Intelligence Scale-fourth edition (WAIS4) were determined and N-isopropyl-p-[123I]iodoamphetamine single photon emission computed tomography (SPECT) was performed.Results: Twelve subjects completed ten sessions of rTMS without adverse events. The mean age of the subjects was 44.3 ± 10.7 years, and the mean duration of illness was 202.4 ± 114.5 days. BFI, which was 5.7 ± 2.3 before the intervention, decreased significantly to 1.9 ± 1.8 after the intervention. The AS was significantly decreased after the intervention from 19.2 ± 8.7 to 10.3 ± 7.2. All WAIS4 sub-items were significantly improved after rTMS intervention, and the full-scale intelligence quotient increased from 94.6 ± 10.9 to 104.4 ± 13.0. Hypoperfusion in the bilateral occipital and frontal lobes observed on SPECT improved in extent and severity after ten sessions of rTMS.Conclusions: Although we are still in the early stages of exploring the effects of rTMS, the procedure has the potential for use as a new non-invasive treatment for the symptoms of long COVID.
著者
川﨑 寧生
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.1-12, 2015 (Released:2019-10-01)

ビデオゲーム機が導入された喫茶店は1970年代末に起きたテーブル型ビデオゲーム機の流行に寄 与した功績以外あまり重要視されていなかった。本研究ではこの喫茶店が持っていた役割を改めて見直すため、この喫茶店の実態を文献資料と現存する喫茶店へのフィールド調査やインタビュー調査を用いて明らかにすることを目的とした。本研究では特に導入ゲーム機種とゲーム機の導入時期、利用方法、 ゲーム機を利用する客層の4つの点を中心に調査した。結論として、この喫茶店は、テーブル型ビデオゲーム機により1980年代の現代日本における会社員向けの短時間の余暇を提供する、新たな役割を作り出したことを明らかにした。
著者
有賀 博文
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.292-295, 2007 (Released:2007-04-03)
参考文献数
7
被引用文献数
6 4
著者
本田 真大 新川 広樹
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.173-189, 2023-09-30 (Released:2023-10-06)
参考文献数
34

本研究の目的は児童青年の援助要請認知,援助要請スキルを測定する尺度開発に向けて,COSMINチェックリストに基づいて内容的妥当性の高い尺度開発を行うことであった。研究1(PROM開発研究)では小学4年生から高校3年生1,029名を対象に質問紙調査を実施し,内容分析を行った結果,援助要請認知に関する18個(援助要請期待感9個,援助要請抵抗感9個),援助要請スキルに関する12個の構成概念が得られた。研究2(内容的妥当性研究)では,関連領域の専門家(研究者及び実践家)9名に半構造化面接を行い,専門家視点からの尺度の関連性と包括性が支持された。研究3(内容的妥当性研究)では,当事者である児童青年484名を対象とした質問紙調査により,両尺度の教示文,想起期間,反応選択肢,及び各項目について90%以上の採択率が得られた。よって,関連性,包括性,わかりやすさが支持された。これらの結果を踏まえて,本尺度の特徴と限界,今後のCOSMINに基づく信頼性,妥当性,反応性の検証の必要性が議論された。
著者
小畠 郁生 長谷川 善和 鈴木 直
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.161-164, 1970-03-25 (Released:2008-04-11)
参考文献数
8
被引用文献数
4 2
著者
吉村 芳弘
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.959-966, 2016 (Released:2016-08-20)
参考文献数
58

回復期のリハビリテーションを行う高齢者には、脳卒中、大腿骨近位部骨折、廃用症候群が挙げられ、いずれの疾患においても低栄養とサルコペニアが好発する。さらに、低栄養とサルコペニアはともにリハビリテーションの転帰に悪影響を与える。つまり、回復期リハビリテーションを行うすべての高齢者に対して、リハビリテーション単独の介入ではなく、リハビリテーション栄養管理を行うことが必須であると言える。リハビリテーション栄養のアセスメントのポイントは、「栄養障害を認めるか、原因は何かを評価する」「サルコペニアを認めるか、原因は何かを評価する」「摂食嚥下障害を認めるか評価する」「現在の栄養管理は適切か、今後の栄養状態はどうなりそうか判断する」「機能改善を目標としたリハビリテーションを実施できる栄養状態か評価する」の5つである。回復期のリハビリテーションにおけるリハビリテーション栄養に関する先行研究をレビューし、脳卒中、大腿骨近位部骨折、廃用症候群の疾患別のリハビリテーション栄養について考察しつつ、回復期リハビリテーションにおけるリハビリテーション栄養の現状と今後の展望について概説する。
著者
江沢 洋
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.41, no.11, pp.724-730, 1993-11-20 (Released:2017-07-13)

だれが原子をみたか。その歴史的考察は前に書いたので, 今回は「だれが原子や分子の内部をみたか」に勝手にプランを変えた。学校物理は原子核の発見を話題にするくせに原子が含む電子数をみた研究はとりあげない。そこから始めてド・ブロイ理論を自己流に述べ, これが意外とよく原子内部の量子力学をみていることを主張。アルカリ金属原子の価電子を主量子数数十まで励起すると, そこでは電子の軌道運動がみえるという実験を紹介する。いや, ただの軌道ではなくて量子力学が染みついている。プランでは電子の量子飛躍をみる実験, 分子をなしている原子核の波束をみる方法など, 盛り沢山だった。量子力学をみる時代が始まっていることを伝えたかった。
著者
三浦 洋子
雑誌
千葉経済論叢 = The Chiba-Keizai ronso (ISSN:0915972X)
巻号頁・発行日
no.29, pp.45-77,

朝鮮半島の人口問題を食料事情との関連させながら、戦前の李朝時代、植民地時代から現在の韓国と北朝鮮まで比較検討を試みた。すなわち、総人口、人口変動要因である合計特殊出生率、平均寿命、国内移動、国際移動、人口政策も交えて検討し、さらに戦後の人口移動が引き起こした問題点として、年齢構造の変化、経済活動参加状況、産業別労働人口を考察した。李朝時代は食料不足が人口増加の歯止めとなったことが、人口低迷の理由であろうし、植民地時代の人口倍増は、1人1日当りの供給熱量が2,700キロカロリーという水準に到達したことと、衛生状態の改善等が主な理由である。戦後は韓国では70年代の「続の革命」まで人口増加圧力による食料不足は継続した。北朝鮮は当初人口が1000万人に満たなかったため韓国のような食料不足はなかったが、旧ソ連の崩壊とともに支援国を失い、1990年代中半から食料危機が叫ばれ餓死者まででてきた。したがって北朝鮮は人口変動のあらゆる局面に食料不足と経済難が影響している状況にある。
著者
吉田 航
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
pp.20231001-1, (Released:2023-10-01)
参考文献数
40

本論文は,ダイバーシティ推進を目的とする部署の設置が、企業の女性管理職比率を高めているかを,国内大企業のパネルデータを用いて検証したものである.分析の結果,時代効果を考慮すると,部署の設置が女性管理職比率を平均的に高めているとはいえなかった.一方で,女性役員比率が一定の水準よりも高くなると,部署の設置が女性管理職比率を有意に高める効果が確認された.
著者
伏木 弘 吉本 英生 種部 恭子
出版者
金原出版
巻号頁・発行日
pp.295-300, 2020-03-01

ヒトパピローマウイルス(HPV)感染による子宮頸部異形成63例に対して,HPV感染の疣贅治療に用いられるヨクイニンエキス製剤を投与し,細胞診,組織診,HPV消失をもとに,NILMまでに要した期間とHPVの型との関連性および有効または無効な症例のHPVの型を検討した。その結果は,評価症例が38例で,NILMとなった例は27例,NILMまでの期間は平均4.8カ月で短期間にNILMとなり,ハイリスク型,ローリスク型で差は認められなかった。以上より,ヨクイニンエキス製剤はHPVの型によらず子宮頸部異形成を改善し,もしくは進行を抑え,NILMまでの期間を短縮している可能性が示唆された。
著者
茶谷 達雄
出版者
日本社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会全国大会研究発表論文集 日本社会情報学会 第17回全国大会
巻号頁・発行日
pp.127, 2002 (Released:2002-09-19)

The way of that that the history of the ledger about the inhabitant is old and has it has been coping with the state function which made transfiguration. The history of the inhabitant resident's file is a functional differentiation and a change in the integration like this. That is exactly connected with a chain like molecule structure of DNA and repeated. The moment when this functional differentiation and integration are made is when the function of the inhabitant resident's file and a gap between the actual condition of the incumbent world are widened.

19 0 0 0 OA 今村押形

著者
今村長賀 著
出版者
大阪刀剣会
巻号頁・発行日
vol.第1巻, 1927
著者
中川 紗智
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.92, no.5, pp.283-298, 2019-09-01 (Released:2022-09-28)
参考文献数
42
被引用文献数
1

本研究は,娼婦の通時的な経歴を定量,定性の両面から検討することでその移動実態を明らかにし,彼女らが盛り場をどのように生きたのかという視点から盛り場の性格を把握した.研究対象として1950年代の横浜をとりあげた.その結果,1950年代の横浜には盛り場の重要な構成員である娼婦が大規模に集積する基盤があった.娼婦の中にはほかの盛り場を経由した者や自身の判断によって移動した者も存在した.彼女らが生きる盛り場は全国から人々を惹きつけ,横浜における娼婦のさらなる増加につながった.移動してきた女性たちは横浜での売春を開始して以降もそれぞれが多様な経歴を形成しながら盛り場を生きていた.横浜の盛り場は,多様な背景をもつ多くの女性を絶え間なく流入させ,売春をおこなう彼女らの生活を内包することによって異質性の高い空間であり続けるという性格を持っていた.
著者
小杉 考司
出版者
専修大学人間科学学会
雑誌
専修人間科学論集. 心理学篇 (ISSN:21858276)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.39-49, 2023-03-15

心理学の研究方法として心理尺度を用いたものは数多くみられるが,心理尺度が何を表現しうるかについて,その方法論的根拠が明確でないものが多く含まれる。このような問題が生じる原因は,尺度作成が手続的には非常に容易になったこと,客観的に判断する数値基準が容易に達成できることがあると考えられる。そこで本稿ではデモンストレーションとして,身長と体重を測定する客観的な基準を満たす尺度を作成した。この心理尺度の作成を通じて,あたかも心理学的な測定ができたかのような議論の展開ができること,こうした試みが原理的に排除できないことを示した。また心理学的議論がミスリードされないようにするために,心理尺度の仮定や適用の限界を再確認し,今後必要な議論の展望を論じた。